2016/11/20 のログ
ご案内:「スラム」にオーギュストさんが現れました。
■オーギュスト > 本日はバイトである。
風紀委員から、スラムの一角で怪しげな連中が何らかの儀式をしてるとの報告があった。
そこで、適当にバイトとして、風紀委員のまとめ兼お目付けを任されたわけだ。
「風紀委員です! 武器を捨てなさい!」
邪教集団のアジトに飛び込んだ風紀委員達は戦闘を開始する。
オーギュストは後ろの方で剣を持って、コキコキと首を鳴らした。
「第七師団5,000を率いてた俺が、こんな場所でガキのお守りか」
■オーギュスト > 邪教集団は抵抗しているが、オーギュストはあらかじめ3人一組の戦闘方法を伝授してある。
対魔族用の基本戦術だ。1VS1の技術なんてのは戦場では役に立たない。常に相手を囲み、完膚なきまでに叩く事。
卑怯などというのは武芸者に任せておけばいい。
「本当、何が起こるかわかんねぇよなぁ、この世ってのはよ!」
オーギュストも大剣を構え、戦闘に参加する。
ご案内:「スラム」に一樺 千夏さんが現れました。
■一樺 千夏 > 戦闘が起こるのはスラムでは珍しくない。
ただし、集団対集団となると話は別だ。
ゴロツキども同士の抗争は珍しくもないのだろうが、片方の組織が総力戦になるのはあまり見ない。
なぜなら、その間に他所がちょっかいをかけてくるからである。
で、この成人男性より頭ひとつ大きい女が何をしているかといえば。
「……さすがに、風紀と喧嘩するってのは契約外よね?」
邪教集団の用心棒をしていた。
とりあえず、適当に風紀委員達を往なしているだけで無力化まではしていない。
■オーギュスト > 「……あん」
すっと目を細めて千夏の方を見る。
統率の取れてない連中だと踏んだが……手練か、用心棒か。
いずれにしろ、あれはちときつそうだ。
「おう、下がってろ」
1VS1など武芸者に任せておけばいいのだが。
『将』となれば話は別だ。
こいつの相手は、こちらでする必要がある。
「てめぇの相手は俺だ!」
大剣を構えながら、一気に突っ込む!
■一樺 千夏 > 「あら、素敵なオジサマ♪
デートのお誘いなら、もっとムードが欲しかったわー」
トントン と リズムに乗るように体を極端な右半身に構える。
相手は大剣。レトロな武器だが質量による攻撃は生半可ではないだろう。
エライサンみたいだし。
「後で危険手当とか弾んでもらうからねー?
契約不履行したら風紀じゃなくてアタシがぶっ壊す」
邪教の徒にそう声をかけて、こちらからも距離を詰めに駆け出した。
■オーギュスト > 「わりぃなぁ、今スカンピンでよ!」
そう、あの武器店にあったライフル銃。
思わず買ってしまったおかげで、今無一文に近いのだ。
おかげでこんなバイトをする羽目になっている。
「手甲か!」
となると、相手は格闘術。リーチは短いが破壊力と取り回しは抜群。
と、なると。
「まずはこいつか!」
突進しながら呪文を唱え、小さな火球を二つ、相手にぶつける。
これでも魔法剣士なのだ。
■一樺 千夏 > 「あら、残念。 ギャンブルで負けちゃった?
クルと思ってたのよねー、ケンタウロスケアル」
その手の名前の馬は絶対にこない。
軽口を叩きながらも火の玉を見ればヒュウと口笛。
「一樺流精霊術……相殺っと」
一つを相反する属性で打ち消し、残りの一つは……。
「ストリートサムライ舐めんなっ!!」
気合の声と同時に右腕で握りつぶした。
手の中で爆ぜる音が聞こえる。
多少は勢いが落ちたが、そのままに突っ込んでいき……左腕でぶん殴ろうとする。
■オーギュスト > 「阿呆が、俺は当てたぞ、キャプテン・スローって奴だったか!」
その当てた金でライフル銃を買っていれば世話は無い。
あとキャプテン・スローって競走馬の名前としてどうなんだ。
「ちっ、見かけによらず精霊魔術使いかよ!」
人の事は言えないが、向こうも魔術を扱うらしい。
となると、オーギュストの基礎魔法程度では叶わないだろう。
ここは……
「力づく、ってかぁ!」
ぶん殴る拳にあわせ、大剣をたたきつける。
普通の剣ならば折れるかもしれないが、これはアダマンタイトを使った特別製。
が、あまりの衝撃にびりびりと体が震える。
■一樺 千夏 > 「出身世界でちょっとね!! エルフっぽいでしょ?」
左の拳と大剣がぶつかり合う。
まともに考えるなら、拳の方がイカれて終わりなのだが。
その衝撃音は金属同士のソレ。
「硬っ!!レアメタルつかってんの? 厄介だわぁ」
すぐさま拳を引いて、赤熱している右手でオーギュストを掴みに掛かる。
明らかに、さきほどの火球の熱量どころではない。
「うっそ、マジで? あれ万馬券だったじゃないの!」
世間話は続行していくスタイル。
■オーギュスト > 「どこがエルフだ、ダークってつくだろ!」
大剣の素材はアダマンタイト、魔獣の殻を使った超金属である。
まともにくらえば、重鎧ごと叩き潰すだけの威力がある。
にもかかわらず、両断どころか皹も入らない。
どうなってるのだ、あの手甲は!
「こっちの台詞だ、手も手甲もイカれねぇとかどうなってやがる!?」
しかも炎の魔術か何かをエンチャントしているのか、やたら熱い。
食らったらやばいと回避に専念しつつ。
こりゃぁ、手加減している余裕はないとばかり、「加速(ヘイスト)」を発動させる。
「まぁ、『らいふる銃』とかいうのと、聖別済みの銀の弾丸買ったらマイナスになっちまったけどな!」
こちらも世間話は続行
■一樺 千夏 > 「失礼しちゃうわー。
アタシの故郷なんてエルフとオークとトロールが一緒に酒飲んでるわよ!」
魔界に聞こえなくも無いが、事実だ。
この世界における《大変容》とよく似た何かが起きたのだから。
人間だった隣人がある日を境に異種族である。
「もちろん、イカサマしてるに決まってるじゃない。
全身改造済みのフルボーグ、舐めてると火傷するわよん?」
左手からは、電光とパチパチという空気の破裂音。
ぺロリと舌で唇を舐めて、『強化反射神経』を起動させる。
その反応速度は普通の人間のソレを容易く凌駕し、銃弾すらも遅い世界になるのだが。
「あら、偶然ね。同じスタイルかしらん?
っと……やっぱり買っておけばよかったわ キャプテン・スロー。
銃と弾のセットじゃ高くついたでしょうしね!!」
■オーギュスト > 「アホか。エルフとオークとトロールだぁ?
んな多種族が一緒に住めるもんかよ!」
ミレー族ですら迫害し、人間だけの世界を築いているマグメール。
そして魔族というだけで、同胞すら迫害し君臨する世界。
そんな場所から来たオーギュストには、そもそも多種族と融和できるという概念がない。
やろうとしている人間は居るが、それが主流になるとなど欠片も信じていないのだ。
「ったく、また科学ってやつか。
すげぇな本当によぉ」
加速してなお、スピードで引き離す事ができない。
この時魔法はオーギュストの世界だとかなりの高位魔術になるのだが、科学はこんな所まで追いついてくるのか!
「あぁ、高かったよ。女買う金も残っていやしねぇ!」
手甲をなんとか大剣で捌きながらぼやく。
もはや風紀委員の生徒や邪教集団までもがその戦闘に魅入っていた。
■一樺 千夏 > 「なんだったら、ついでに人間とドワーフもいるわよ?
個人と個人だったら問題なんてありゃしないわー。
価値観と利害の一致で、表向きはなんとななっちゃうかも……ね!」
……まぁ、当然のように殺し合いもやってるのだが。
もちろん、出世コースから外れるだとか。
そもそも適正がないだとか。
平等とは言いがたい迫害は当然のようにある。
元々同じ種族の隣人だったというのも大きいだろう。
そこまで説明してやる義理は今のところないし。
「アタシの故郷は、ここよりちょっとだけ進んでるみたいだけどね?」
化学である以上、金さえ積めば誰でもこの境地にまで至れる。
それが最も便利で最も厄介。
「それじゃあ結構 溜まってんじゃないの?」
話題はだんだん下世話な方へ。
距離と手数で今は優位に立っているが、少し間合いが離れると相手の距離になる。
割と油断できない相手との戦いに、表情に笑みが増えていく。
■オーギュスト > 「んな馬鹿な。所詮は違う生き物だろうが。
割り切って考えられるもんかよ!」
が、オーギュストもうすうす気付いている。
この島の中では、種族の多様性が保たれている。
少なくとも、表だっては種族間の争いは無い。
あの飯屋だって、多くの種族がいたのに、争いのひとつも起きなかった。
それは、何故か――
「戦闘中になに心配してんだ! あと俺は軍人だから、多少溜まっても平気なよう鍛えてる!」
実際、長期行軍の間は女などご無沙汰になる事が多い。
こんなとこで何を話してるのか。
今の所は防戦一方。しかもこちらは体力の消費が激しい。
オーギュストもかなりタフな方だが、この女底なしか
■一樺 千夏 > 「腹割って話せば、中身は同じよー?
腹を掻っ捌いても、頭かち割っても やっぱり中身は同じよん?
違うのは考え方くらいだわ。
っていうか、この島にもいっくらでもいるでしょ異種族」
頭を潰せば死ぬし、心臓を潰してもやっぱり死ぬ。
体の構造が似すぎているのだ。
骨格や体格差はあるけど。皮膚とかやたら硬かったりもするけど。
大雑把に分けるならほぼ同じである。
「ってことは自家発電ってことかしら。軍人さんも大変ねぇー。
戦闘中ってもアンタ、倒す気はあっても殺す気ないじゃない。
死んだら事故ね くらいでしょ?」
体力自慢のパワーファイター。
しかも、魔法の維持はないのでその分だけ優位に立っているに過ぎない。
強化反射神経はアドレナリン量を増やしてもいるので疲れ知らずな側面もあるのだけれど。
■オーギュスト > 「そいつは道理だ、戦場じゃあ全て平等。殺すか殺されるかだけだ。
だがな、平和な中でも多種族ってのは、融和して生きてけるもんなのか?」
一度鍔迫り合いを離すと、大剣を地面に刺し一息入れる。
まったく、武芸者の真似事はさすがに疲れる。
「俺の世界では、人間が下層の人間を支配し、さらに種族ごとに奴隷化してるような場所だからな。
まぁ、この島だと違うようだが……なんでだろうなぁ」
考える。
何故、この島が、この世界が、多種族に肝要なのかを。
「って、分かってんならおとなしくしとけよ。
ほれ、壊滅してんぞ」
いつの間にか風紀委員たちは邪教徒を制圧しており。