2016/11/21 のログ
一樺 千夏 > 「いきなりは無理だし、衝突や軋轢はあるわよー?
 ながーい時間をかければ不可能じゃないかもね。もしくは団結しないとどうしようもない外敵」

一息入れるなら、追撃はしない。
こちらも呼吸を整える。
右手の赤熱と左手の電光はそのままだが。

「そりゃ、上層が表向きでも異種族を受け入れようとしてるからでしょ。
 ルールがダメっていってりゃ表面上はおとなしいもんよ?
 浸透するまで時間はかかるけど。
 戦場がどうこう言うなら、部隊内だけでもどうにかしてみたらー?
 有用だとわかれば他所は真似するでしょ」

言いながら、周囲に視線を走らせるのも忘れない。

「やーよ、レディのお腹を探るなんてイヤラシイ。
 それにビジネス分の仕事はやっておかないとダメじゃない」

使えないクライアントだわー とはき捨てて。

オーギュスト > 「俺の部隊ではこっそりやってるし、そういうのを謳う場所も出てきてる。
だが、決定的に、何かが足りねぇんだよなぁ」

何が足りない。
何故、マグメールの住人達はお互いにいがみ合い、多種族を迫害するのか。
この常世島とマグメール、最大の違いは何か。

そこで、オーギュストは辿り着く。

「――繁栄、か」

そりゃそうだ。
明日の飯が分からない、明日生きてるかも分からない連中が、他人に優しくなるはずがない。
少なくともこの常世島では、ルールを守る限りあんな美味い飯が食えて、ふかふかの寝床もあり、よっぽどの不運でもない限り確実に生きていける。

明日を思い煩わなくて良い、心の余裕。
それが、『共存』には一番必要なのだ。

「道は遠そうだなぁ」

そう言いながら、再び大剣を構える。
まぁ、ビジネス分というなら仕方ないだろう。

一樺 千夏 > 「遠い方が楽しめるでしょ、きっと。
 アタシは他人だから無責任な事しか言わないけど」

再び、極端な右半身の構えを取る。
そしてコォォォォォと独特な呼吸を開始した。

「さーて、クライアントがダメになったら……アタシは尻尾巻いてトンズラしようかしらね。
 不味い飯は御免だし、料金分は仕事したわ。
 こっから先は―――『ぶっ壊す』わよ」

喋ると同時に閃光。ついで衝撃。
自分を中心に雷撃を放ったらしい。
オーギュストはともかく、他の風紀達を一瞬なりとも怯ませて……『壁をぶち抜いて』遁走していく。

オーギュスト > 大剣を構えて防御すると同時に、轟音、そして、遁走。
一瞬の後、風紀たちが慌てて追撃しようとするのを止める。

「追うな追うな。ああいう奴はな、追うだけ無駄だ」

被害ばかりでかくなるのに、得るものはほとんどない。
逃がしてやるのが正解だ。

しかし。

「――――」

オーギュストは、何かを考え込んでいた。
やがて撤収が始まるのだが、それまでずっと、思考にふけっていた。

ご案内:「スラム」から一樺 千夏さんが去りました。
ご案内:「スラム」からオーギュストさんが去りました。