2016/11/22 のログ
ご案内:「スラム」にオーギュストさんが現れました。
オーギュスト > 終わりは唐突に訪れる。

スラム、かつて邪教集団のアジトがあった場所。
そこには、あるモノが隠されていた。

それは、ゲート。異世界への扉。
もっとも、稼動はしていないし、そうほいほい開くものではない。
これは、邪神を召還するゲートなのだ。

オーギュスト > 「眉唾だが……まぁ、賭けてみるしかねぇか」

そう、邪神召還のゲート。
資料によると、これは邪神の血を使う事によって、その邪神を呼び出す事ができるそうだ。

もっとも、問題がある。
邪神を召還したいのに、その邪神の血が必要なのだ。
卵が先か鶏が先か。
実用性などほとんどないと、思われていた。

ところが。

オーギュストは、邪神の血を固めた結晶を持っている。

オーギュスト > そう、邪神。
かつて『マグメールに居た』邪神。

つまり。

これを使えば、マグメールへの扉が、開く可能性がある。

「もっとも、開いた所で邪神を蹴散らしてかえらにゃならんのだが」

そこが悩み所だが、まぁいけるだろう。
一度は勝てたのだ。

オーギュスト > さて、帰る準備だが。

まず武器。
ライフル銃が一丁、対アンデッド霊装弾が二十発、その他通常弾が数十発。
マグナム銃が一丁、弾丸。合金製のコンバットナイフ。

次に消毒薬。これをつけると恐ろしく傷の治りが早かったし化膿しない。城の錬金術師どもに研究させる。それと絆創膏。随分世話になった。あとは医学の本が一冊。

食料は悩んだが、缶詰を数個とあとは香辛料にした。この香辛料だけで一財産である。それに種を数種類。サツマイモとかいう植物の苗ももらった。

とまぁ、この世界から持ち帰りたいものでぱんぱんのザックとライフル、大剣を背負い。

オーギュストは、ゲートに対峙する。

オーギュスト > ゆっくりとゲートに魔血晶を当てる。

何も反応が無い。

それでも少し待つと。

ゲートがゆっくりと、開きはじめた。

オーギュスト > 「――さぁてと」

大剣を構えたまま。
一度だけ、後ろを振り返る。

まったく、色々な事があった。
この楽園のような島で、多くの事を学び、そして多くの物を得た。
技術や知識だけではない。

あらゆる種族にとっての楽園。
あらゆる人間にとっての夢。
あらゆる命にとっての悲願。

そう、それは――

オーギュスト > 「明日が今日よりも良い日である事を信じられる世界」
オーギュスト > 「――今日より良い明日か。考えた事もなかったな」

今日も明日も変わらないと思っていた。
ただ、野心のままに血の雨を駆け抜け、いつかは死ぬか、それとも何かを得るか。
それだけが、世界の真実だと思っていた。

そうではない未来がある事を、教えられた。

「――じゃあな、楽園よ」

オーギュストはそれだけ呟くと、扉の中へと還って行く

ご案内:「スラム」からオーギュストさんが去りました。