2017/08/30 のログ
ご案内:「スラム」に神代 理央さんが現れました。
神代 理央 > 相変わらず、此処は何時来ても臭いし汚いし薄暗い。
本来は此の島に居てはいけない、居るはずの無い者達が集う貧民窟は、学園都市が結局は社会の縮図である事を改めて思い出させる。
とはいえ、そんな事で感傷に浸る様なナイーブな精神は持ち合わせていないので、服が汚れるのは嫌だなあと思う程度ではあるが。

「…全く、どうせ隠れるなら落第街辺りにすれば良いものを。とはいえ、任務である以上は果たさねばなるまいか」

治安が悪いとはいえ、本来は不法入島者や二級学生の居住区であり、落第街に比べれば違反部活等の拠点が多い訳では無い。
しかし、その性質上ゴロツキや反社会性の高い連中の隠れ家にも成りがちなこの地区に良い印象がある訳が無い。
そんな中、己に下された任務は――有り体に言えば、間引きであった。

「まあ、恨むなら正規の手順で入学しなかった己を恨む事だな」

少年の背後には、歪な姿をした金属の塊達がその身から針鼠の様に砲塔を突き出して鎮座している。
よいしょ、と言わんばかりに少年が耳を塞いだ瞬間――鋼鉄の異形達はその身に宿した砲塔から一斉に砲火を放った。
砲弾の行き着く先は、小さな違反部活群の住処となっている住宅群。轟音と共に放たれた砲弾は半分崩れかかったバラックへと飲み込まれ、数瞬の後、その区画を吹き飛ばした。