2017/09/05 のログ
ご案内:「スラム」に刃々斬鈴音さんが現れました。
刃々斬鈴音 > 「いやっ!来ないで!」

スラムに少女の悲鳴が響く。
それをわざわざ助けようとするものなどこの落第街にはいない。
よくある事だし自分には関わりがない誰かなど助ける余裕がない。

『へっへっへ、大人しくしてれば悪いようにはしないからよぉ。』

「鈴音がいくら可愛いからって!そういうの駄目だと思うの!」

一定の距離が常に保たれている事に薬を常用してで判断力の鈍っている男は気づけない。
その腰の刀にも、明らかに誘いこまれている事にも男は気がつかない。

刃々斬鈴音 > …こんなあからさまなのに気がつかない方が悪い。

【愚かな。】「仕方ないよ。鈴音が可愛すぎるのが悪いの!」

金属的な男とも女ともつかない声で刀が喋る。
そこに至ってようやく薬でおかしくなった男も少しおかしい事に気がつき始めた。

そして、行き止まり。

着いたのは何もない空き地、少女は追い詰められた形となる。

壁を背にした少女に男が迫る!
まさに絶体絶命のピンチ!

…その様子はその少女を知る者から見ればとても滑稽に見えるもので。
事実楽しそうにキャーキャー怖がっている少女にまったく危機感は見られない。

刃々斬鈴音 > 男が少女に掴みかかろうと手を伸ばす!
憐れ!少女は暴漢の餌食となってしまうのか!?

「えいっ!」

…結論から言えばならなかった。
伸ばした手ははたき落とされたし暴漢の身体は刀によって色んな場所をサクリと刺されて
死んではいないがまともに動くことは出来なくなっていた。

「あーあ、鈴音が可愛いすぎるばっかりに…
 鈴音って罪なオンナだよね!」

【順調に罪を重ねているな。】

「そうだよねー!」

クルクルと刀を回しながらそんな風に言う。
明らかに会話が噛み合っていない。

ご案内:「スラム」に陽太さんが現れました。
陽太 > .....外の雰囲気が何だかおかしい。
プレハブを重ね合わせて出来たようなボロ屋から陽太は不思議そうに顔を出す。

ざわめいているというわけではない。
逆に、妙に静かといえばいいか。

見れば、道には殆ど人はいなかった。
まばらにいる住人達も、どこか遠巻きに同じものに視線を注いでいる。

「また、おんなの人だ...」

大きな濁った瞳をぱちくりと瞬きして、外に出る。
そのまま不思議そうに人の間をすり抜けて、
至近距離に近づくと相手を見上げて、じーっと観察してみようか。

足元の男に気づくと、「なにしてるの?」とも声を掛けてみる。
....動けないと気づかないまま。

刃々斬鈴音 > まるでバトンのようにクルクル回してそのまま刀を鞘に納める。
周囲で見ている『観客』へ向けたパフォーマンスなのかもしれない。

「…うん?」

上手くいって満足していたところに近づいてくる小さな気配。
見ればスラムの子供、孤児だろうか?がこちらを見つめていた。

「ボクどうしたの?鈴音になにか用かな?」

目線の高さを合わせて笑顔で尋ねる。
しかし、その頬にはすこし帰り血が跳ねてしまっている。

陽太 > 「おれ?
...あんたがそこでなにしてるのかなって、みてただけ!」

無邪気に笑って相手を見上げる。
闇の底のような目に一切光を灯さないまま、輝くように。
そんな瞳を、グリッと下に向ける。

「あと、なんでこの人はねてるの?
あんたがやったの?どうして?」

矢継ぎ早に問を重ねる。
陽太は純粋に不思議に思って、相手に質問した。

「殺したの?」

なんで?と。

刃々斬鈴音 > 「それはね鈴音が可愛すぎるからこの人が…
 無理矢理えーと…」

【無理矢理性行為を迫った。】

「そう、それ!だからね鈴音はそれが嫌だったから斬ったの。」

その刀は子供相手にも言葉を選ばない。
…刀だから仕方ない。

「ううん?殺してないよ?ほら、ちょっと胸の辺りが動いてるでしょ?
 鈴音はちゃんと手加減できるからね!」

確かに息はしているし何故か出血もない。放っておいても死ぬことは無いだろう。
えっへんと胸を張っていう。

陽太 > 「せーこーい?なんでけんがしゃべってるの?」

勿論分かるはずも無く。
治安が底辺にまで悪いスラムでは当然性犯罪も横行しているので、
厳密には見たことがある。
しかし性行為、という言葉は知らない。
____それから、喋る刀も。

「嫌なことされそうになったんだ...。
でも、殺すのはわるいことだよ!」

プンプン怒りながらそう言って。
だめだとは言わない。そんな資格は彼には無かった。

「...殺してないの?」

しかし杞憂だったらしい。
ほーっと息を吐いて、足元の男を見下ろす。

「よかった!
あんたがわるいひとになっちゃったのかと思った!」

にぱっと笑った。
人を斬った時点で世間的には悪い人だが、陽太は人を殺さなければいいひとだと思っている。

悪い人が嫌い、というわけではない。

刃々斬鈴音 > 「うん、知ってるよ!
 人は死んだら御終いだからね。
 だから、殺しちゃ駄目なんだよね。」

子供に対して会話のレベルを下げているわけではなく。
普段からこんな感じ、同レベルなのかもしれない。

「うーん、それだったら鈴音は悪い人だよ。
 鈴音、人殺しちゃった事あるもん。」

その笑顔を見れば申し訳なさそうに言う。

「死んだら御終いって分かってるのに殺しちゃったから結構わるい人なのかな?」

そう言って考え込む。
一般的な基準から見れば鈴音のそれは善人とはほど遠い。悪人、むしろ狂人に近い。

陽太 > 「そうだよ!
おしまいなんだよ!二度とあえないんだよ!
なんにもいえないんだよ!」

無邪気に、しかし訴えかけるように言葉を重ねる。
うんうん、と相手の言葉に大きく頷きながら。

「...そうなの?なんで?」

きょとんとする。
...この人が、人を殺したことがある?
何だか、納得するような。

「わるいひとだな!
とびっきり、わるい人!」

しかし、悪い人は嫌いじゃない。
少し嬉しそうに笑って、わるいひとだと繰り返した。

刃々斬鈴音 > 「そう、だから命は大切にしないとだよね!」

死体は血を流さない。
だが生きている限り人はお金も血も溜め込む。
生きてる人が多い方がお得だ!

「何でだっけ?ちーちゃん覚えてる?」

【己の特性により精神的に高揚し道行く男を刺したのが鈴音の一番初めの殺人だな。
 二番目は…】

「そっかーうん。この刀、ちーちゃんのせいで殺したんだって!
 今はそんな事ないんだけどね。」

腰に下げた刀を指さして言う。

「ふっふっふ、鈴音は悪い人だから何をするか分からないんだよー。」

大きく手を広げてそんな風に言う。
そして少年の方に近づいて捕まえようと…

「…君、お風呂入ってる?」

したところで留まった。

陽太 > 「こうよう?たのしかった、ってこと?
このけんさんのせいなの?」

なんで人を殺すのが、刀のせいになるのだろう。
というか何で刀が喋っているのだろう。
疑問は尽きない。

「おれだってつよいしわるいやつだぞ、負けない!」

ずっと昔に観た特撮ヒーローのポーズを取って立ち向かう。
悪いやつは悪役だから、ヒーローのポーズなんてしないのだが。
そして急に問われた問いに、えっと首を傾けて。

「おふろはもう1ねん入ってないよ?
だっておふろねーんだもん。水あびしてるからだいじょうぶ!」

こう見えてもスラムの住民では清潔な方だ。
危ない仕事をやっている人は事情上除くが。

もう何日も動かずに呆然としている新入りのおっさんだっているのだ。
まぁ、水浴びと言っても浴びているのは泥混じりの川の水だが。