2017/09/06 のログ
■刃々斬鈴音 > 「うん、ちーちゃんのせいだよ!」
【確かに己の責任でもある。だが、己は解放しただけだ。】
完全な責任転嫁。
実際のところは分からないが。
「わるい奴同士の戦いだね!やー!」
そんな風に言いながら前から捕まえるみたいに手を伸ばす。
少しくらいの抵抗では鈴音の腕に捕まってしまうだろう!
…もちろんじゃれる様な感じだ!!
「水浴びだけではだめだよ、ほら汚れちゃってるし!
お風呂は入らなきゃ駄目だよ!
そんなんじゃ女の子にモテないぞ!」
■陽太 > 「????」
せきにん?
かいほう?
一体どういうことだろう。
はてなマークを飛ばす陽太は、
結局何故目の前の少女が人を殺すのか理解出来なかった。
「わー!あ、あんたつよいな...!」
捕まった腕の中でじたばたと小さく細い手足が暴れる。
しかし小さな抵抗の範囲内で、抜け出る事は叶わない。
「...むぅ、もてなくてもいいし...」
じたばたしながら、目を逸らす。
少なくとも、同年代の女の子を好きになったことなんて一度もない。
可愛いなと思ったことも。
だってみんなおなじにみえる。
■刃々斬鈴音 > 「そうだよー鈴音は強いんだから!」
始めは汚れるのを気にして身体につかないようにしていた鈴音もすぐに気にしなくなり。
割と密着する。
「もぅ、そんな事いってると将来後悔するんだよ?
鈴音もお風呂入ってる子のほうが好きだよ。」
そんな風に言うと一度、少年を開放して倒れた男のズボンを探る。
そこから財布を取り出し中身を見る。
うん!足りる!
「キミ、お風呂に行くよ!無理矢理にでもつれてってやるんだから!」
■陽太 > 「でもおれもっとつよいもん!
あんたよりもつよいもん!」
少女の柔らかな体に包まれながらも、
そう駄々をこねる、認めたくないという子供らしい振る舞い。
「い、いいし!
おれ、ここでずっとくらすんだもん!
しあわせにはなれないよ!」
悲痛なことを叫びながらも、
その表情はただただむくれているだけ。
お風呂は嫌いではないのだが、何故か拒む。
強要されたら人は逆らいたくなるというやつだろうか。
「わ、わぁぁあ...」
と、叫んだものの。
なんだか疲れて、ぐったりと少女の腕の中で大人しくなってしまった。
■刃々斬鈴音 > 「あんたじゃなくて、鈴音だよ。
でも、キミが強くても鈴音が勝っちゃうよー。」
事実は事実。少年はこっちの手の中。
「そうだね、悪い子は幸せにはなれないよ。
きっと、悪い事した分不幸せになるね。
でも、楽しい事をしちゃ駄目って訳じゃないよ。
きっと最期は不幸せに終わる。きっと、鈴音たちは救われない。
…だからそれまではうんと楽しまなきゃ損だよ。」
ギュッと抱きしめて諭すように言う。
…そこにあったのは諦めの言葉。
因果応報を受け入れた言葉。
「さぁ、行くよ!」
疲れ果てた少年を運んで歓楽街の方まで連れて行く。
…逃げだせなければ少年そのまま女湯まで連れていかれて体中洗われる事になっただろう。
最も、服はそのままなのですぐにまた汚れてしまうだろうけれど…。
■陽太 > 「.....すずね....。
まだおれほんき出してないから、つぎはかつ!」
なにで勝つのだろう。
曖昧な言葉ながらも、陽太は自信満々に宣戦布告した。
その自信がどこから出てくるのか。
「わかんない、すずね...。
おれ、ほんとにだめなんだよ?
しあわせになったらだめなんだよ?
楽しいこととか、ぜんぶ、おれが、」
闇色の瞳が揺れる。
理解に苦しむ、と表情にありありと書かれていて、
あからさまに戸惑っているのが分かるだろう。
たのしいこと、ぜんぶうばった。
...姉ちゃんから、ぜんぶ。
自分がその明るい楽しさを味わうなんて、
姉への許されざる行為にしか陽太は思えない。
「.......ん、」
だが大人しく腕に収まったまま、陽太は歓楽街に引きずられている。
きょとんとしているうちに、女湯まで連行される羽目にはなってしまったが。
■刃々斬鈴音 > 「鈴音も負けないからねー。」
多分、少年が本気出しても大人気なく本気を出すだろう。
…そして容赦なく勝つ!
「わかんない?じゃあ、いいよ。
キミが楽しくても、楽しくなくてもどっちでも…。
でも、鈴音が楽しいからしたいようにするね!
それで、キミがもし楽しくなっちゃっても責任は取らないけどねっ。」
相手がどう思うかなんて関係ない。さっきのは鈴音の考えだ。
仮にそれで誰かが楽しくなっても楽しくなくても関係ない。
鈴音は今、自分が楽しければそれでいい。
「よーし、じゃあ入ろうか!」
服をポーンとロッカーに投げ込んでしまい。裸に刀という奇妙な格好。
幸い人が少ない時間であるから何とかなるだろうが…。
そうして…洗ったり、そして洗ったりしながら女湯での時は過ぎてゆくのだった。
ご案内:「スラム」から刃々斬鈴音さんが去りました。
■陽太 > 実際、異能を嫌って運動能力で勝とうとしている陽太に勝ち目は無い。
.....しかしそれは今だけの話。こどもの可能性は無限大なのだ。
「.....ほんと、すずねはわがままだな!」
ぷうと頬を膨らませながらも、
その表情は酷く嬉しそうで。
「.....けんはとらないの?」
女子高校生の全裸。
それを見つつも、陽太はさして羞恥を覚えない。
裸になると、懐かしいお風呂に思わずふぅーっと小さく息を吐くだろう。
穏やかで幸せな時間の中で、姉に必死に詫びながら。
ご案内:「スラム」から陽太さんが去りました。
ご案内:「スラム」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > 「………成る程、こりゃー迷う訳だな、と」
常世島の暗部にして掃き溜め、落第街の更に奥…スラムと呼ばれる一角。
とあるバラックの屋根の上に堂々と且つ無防備に突っ立ちながら、ぼんやりとした目付きで周囲を見渡す。
まともな灯りなど殆ど無きに等しいが、それでも散々鍛えられたお陰か夜目はそれなりに利く。
周囲に人の姿はチラホラと…気配も幾つか。とはいえそれは”住人”が大半だ。
「……まー帰れなかったらその時はその時、と」
後先を何も考えていない頭の悪いセリフを零しつつ、同時にそれは淡々とした棒読み口調。
…しかし、まぁ『見覚えのある景色』というのは案外近くにあるものだ。既知感かもしれないが。
ご案内:「スラム」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > 「……しかしまぁ…この空気は馴染みがある気がする…。」
あくまで気がするだけで実際どうかは知らないが。ゴソゴソ、と懐から安っぽいライター…と煙草のケースを取り出す。
少年の私物…ではない。ここに来る途上、喧嘩を売ってきた落第街のゴロツキを返り討ちにした時に偶然手に入れた。
(…そういえば、『爺さん』もしょっちゅう吸ってたなぁこれ…)
思い出しながら、ケースから1本だけ取り出して淡々と眺める。
そのまま、口の端に咥えてみてからライターで先端部分に火を点け―…
「……ごほっ…」
ちょい咽た。何度か吸わされた事はあるが、何というかよくこんなのを沢山吸えるものだと。
それでも、火の点いた煙草を咥えたままでキープ。改めてbラックの屋根から辺りを見渡し。
ご案内:「スラム」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > ――次の瞬間、少年が突っ立っているバラックの屋根に火の玉のようなものが着弾。
バラックの屋根ごと派手に吹き飛ばす――…少年はといえば、吹っ飛ばされながら淡々と思う。
(……スラムの建物はいきなり屋根が吹っ飛ぶ…訳はないよなぁ。遠距離からの…異能か魔術の攻撃ぽいな)
と、冷静に爆発した火球が飛んできた方角を見遣る。煙草はちゃっかりと咥えたまま。
襲撃される覚えは無い――筈だが、何時ぞやの成り行きで違反部活を潰した時をフと思い出す。
そういえば、アレから顔とか知られて一部から目を付けられ始めたのだった。
まだまだそれは一部だが確かに噂にも上っている…『頭のイカれた小僧』としてだが。
(……俺よりどう考えてもベルさんの方が危険人物だと思うんだけどなぁ)
…と、思いつつ思い出したように器用に空中で身を翻して別のバラックに着地、同時に前転して衝撃を綺麗に受け流す。
ご案内:「スラム」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > 「……しかしまぁ…うん。たかが小僧一人にいきなりというか何と言うか…。
こっちは魔術も異能も使えないただの一般人なんだから、もう少し手加減――…」
2発目、今度は先ほどより一回り大きい火球が少年が着地したバラックへと飛んでくる。速度も速い。
勿論、体術技巧しか能が無い彼にそれを迎撃するなんて無理無理。
ササッと別のバラックへと跳躍して退避――したが、背後の爆発でそのまま二度目の吹っ飛び。
(…周囲お構いなし…まぁ、そういう場所なんだろうさ。しかしホントご苦労様というか…)
命を狙われても「ああ、そう。それで?」としか思わない。
そもそも生存本能が希薄で恐怖心が皆無の少年に死が迫ったとして何も意味が無い。
爆発の余波を利用して身を空中で立て直してまた別のバラックに着地。直ぐ次も来そうだ。
ご案内:「スラム」に笹貫虎徹さんが現れました。
■笹貫虎徹 > ――3発目、今度は吹っ飛んでる最中にピンポイントで飛んできた。大きさは小さいが速度が速い。
「…うわぁ、えげつない…」
と、零しながら空中でクルンと半回転し、飛んできた火球を―ーオーバーヘッドキック?で『蹴り返した』。
…靴とジーンズが少々焦げたがしょうがない。諦めるとしよう。
正確に180度跳ね返った火球は…遠くで派手に爆発を起こすだろう。
無論、蹴りはただの蹴りだ。あくまで体術技巧の延長で特別な事でもない。
そのまま、何事も無かったかのように着地して一息。咥えていた煙草を一服…げほっ!とまた咽た。
■笹貫虎徹 > 「……あーあ…このスニーカーとジーンズまた買い直しか…懐が寂しくなるな…」
淡々と何時もの棒読み口調で呟きながら、遠くで立ち上る炎と煙を一瞥する。
おそらく、異能者か魔術使いか知らないけどまぁ報復くらいにはなっただろう。
良し悪し問わず、受けた『借り』は返す。そういう所だけは律儀だ。
もっとも、この立ち回りでまた噂が追加される事になるとは、少年は勿論気付いていないが。
■笹貫虎徹 > そうしてじわじわと、有象無象から少しずつ少しずつ浮き上がって行く。
今はまだ取るに足らない小僧であり、本人は別にそれでいいと思っていても。
結局の所…際立った異物というのはどう振舞おうと浮き上がってくるもの。
ごくごく一部で名前が挙がり始めた程度の少年。異能者や魔術師から見れば遥かに格下。
だからこそ、見下す者はいずれその『狼の心臓』に食い殺されるのだ。
「…うん、取りあえず帰り道を探そうかなぁ」
バラックの屋根から飛び降りて着地。焦げた部分を確かめてやれやれ、と吐息を零してから歩き出す。吸殻は勿論途中で捨てた。
ご案内:「スラム」から笹貫虎徹さんが去りました。