2017/09/17 のログ
ご案内:「スラム」にHMT-15さんが現れました。
HMT-15 > ここはスラムの奥の方。
どっと降りしきる雨が不気味な旋律を奏でている。

『誰かっ・・!助けてくれ!』

雨の中、雨具も無しにバシャバシャ音を立てて
逃げているのはスラムには似つかわしい
表の世界にいるような至極真っ当な生徒。
逃げながら喉から絞るように声を上げ助けを求めている。

『うわあぁっ!』

不意に男子生徒の横のゴミ箱が破裂する。
彼は見えざる者に追われているのだ。
冷酷な金属音で何かに追われているとは感じるだろうが
肝心の姿は確認できない。

HMT-15 > 雨風を凌ぎつつ男子生徒が逃げていれば
気づけば明かりも少なくなっていた。

『うっ!!』

元々酷く焦りながら逃げていたせいか
足を絡ませて濡れている地面へとその身を倒す。
間もなく背後からカシャンカシャンとアスファルトと
合金のこすれ合う音が徐々に近づいてくる。

『一体何なんだよっ!!』

枯れながらも発された言葉が不可視の者へと
投げかけられる。
それは傍から見れば一人の生徒がずぶ濡れになりながら
地面へと転がり絶望的な表情で叫んでいるもの。

HMT-15 > 「再度、確認する。」

男子生徒の眼前にいる視認は出来ないが
確実にそこに存在する何か。
それは彼の叫びを受けて低い、無機質な声で
そんな言葉を返す。

「あの港でオマエは何を見た?」

次は見えない何かから発言される。

『何って・・・船しか無いだろっ!!』

ごくごく当たり前な答えを変わらず叫ぶようにして
答えるとすぐに強烈な破裂音が起こり
生徒のすぐ横のアスファルトが消し飛べば
それに反応するように男子生徒は無様に地面を転がる。

HMT-15 > 「船の積み荷の事を聞いている。」

男子生徒は抉れた地面を見てある種の危険を感じたのか
ぜーぜーと声をあげるのも難しいほど息を荒げながら

『黄色だよ!黄色のコンテナの船だった!』

半ば裏声になりながら目に涙を浮かべて
嘘も何もない言葉を。
元々表の世界で日常を送ってきたであろう
ただの生徒が追われてスラムに迷い込んだに過ぎない。

「確認終了、任務を執行する。」

『・・・!?俺は何もしてない!!助けてく』

宣告するかの如く凍るような機械音声が
発せられたと共に先程地面が抉れたのと同じように
強烈な破裂音が辺りに響く。
しかし今度消し飛んだのはアスファルトではなく
男子生徒そのもの。肉体が血煙と共に細かく辺りに飛散する。