2018/02/07 のログ
ご案内:「スラム」に近衛 昴さんが現れました。
近衛 昴 > スラムの様子を見て回っているとある一角で足が止まる。
既に瓦礫はほとんど片付けられてはいるが、焼けた後やえぐられた地面の爪痕はまだ新しく、極最近この場所で戦闘があったことが容易に想像できる。

訪れる度にあったはずの物がなくなっている、建物や人、地形さえも変えてしまうほどの破壊にやりすぎだと思うのは自分だけでないだろう。

周りの人気を気にしながら異能で作り上げた見掛けと色だけを風紀の衣服に似せたデータを纏うと堂々と規制線が張られている中へと入っていくこうと…

近衛 昴 > 破壊の中心へと近づきながら見回すも、どうやら残っている風紀は今のところ見当たらないようだ。

瓦礫の山の間を縫うように移動し、なにかしら異物や記録を吸い出せそうなものを探すが見つからない。

これだけの破壊をしたのが同じ異形の力だと信じられないほどに爪痕は深く、改めてスラムのある一部に被害が及ばないように妨害工作の手段も変えなければいけないかもしれない。

そして改めて思うのはこれほどの力を行使しているのが個人であり、自分も同じような力を得られるのかという疑問

「…酷いな、まるで戦争でもしたみたいだ」

ご案内:「スラム」にイチゴウさんが現れました。
イチゴウ > 破壊しつくされ文字通りゴミの山と化してしまった
スラムの一角。立ち入り禁止のテープが無造作に張り巡らされているが
肝心の風紀委員の人間は見当たらない。

その中で不意に瓦礫のブロックが音をたてて飛び上がり
煙たい埃を巻き上げる。
音の発生源に存在していたのは前足の鋏を器用に使いながら
除去作業だか調査だかを行っているであろう無人機の姿。
それが遠くにいる風紀委員の制服と思わしき姿を捉えれば
無線機越しの歪んだような男性音声で声をかけるだろう。

「キミ、少し手伝ってほしい。」

近衛 昴 > 収穫らしい収穫も得られず、誰かに見つからないうちに撤収を図ろうとするも離れた場所で瓦礫が崩れる音が鳴り響き、音がしたほうへと視線を向けると中から現れたシルエットに目を凝らして。
見覚えのあるシルエットにそれが誰なのかに気づくと同時に明らかに自分へと向けられた音声に少女は迷う。

仮に声に反応して逃げ出せば不審だと思って確実に追跡に図るだろう、それなら嘘偽りなく近づいていくほうがいいだろうと後者を選ぶ。

声のほうへと近づきながら、彼にも自分だと認識できる距離になればヒラヒラと手を振りながら笑顔で声を変えるか。

「…やぁ、イチゴウ、久しぶりだね」

以前彼とあった時にはなかった質量を持ったデータを纏う能力、その力で作り出したフェイクの衣服に彼はどう反応するか
 

イチゴウ > 遠目で見えた少女にロボットが声をかけると
その者は一瞬戸惑うような素振りを見せる。
それからロボットの名を口にして手を振りつつ
近づいていくその反応に対してシャーシを揺らすと
不規則に電子音を鳴らしながら接近してくる人影を
精密スキャンする。

「キミはーーー誰だ?
当該エリアはレベル1制限区域として
部外者立ち入りは制限されている。」

元々彼女が風紀委員でない事を差し引いても
まるで初めて会ったかのような、そんな素振りを
新たな能力を持った彼女に対し見せるだろう。

近衛 昴 > 地に着くほどの黒髪に風紀の制服によく似た赤い服を身に纏った少女、髪と衣服だけ変化させているが全体データとしては別人のように認識されている結果に興味深いと笑みを浮かべる。

人間相手ならまだしも、機械類に対してなら他人のデータさえ揃っていれば誤認識させることもできるというのはデータとして貴重だ。

「なるほどね、イチゴウにはそう見えているのか…興味深いね。まだ、ボクだとわからない?」

警戒する彼に対してまったくといって警戒心を抱かないまま近づき、それと同時に能力を解除するとノイズのように散っていくデータの下からはいつもの栗色の髪に制服姿の少女が姿を現していくだろうか。

そしておどけた感じで私は誰でしょうと問いかけて

イチゴウ > 目の前の人影に対して注意を払っているロボットとは
対照的に少女は如何にも気軽な様子で近づいてくる。

「警告、目標が攻撃可能至近距離まで到達。」

その様子を受けロボットはさらに不信感を強めたのか
前両足から細かい金属音と共にかつて彼女を追い詰めた
ダイヤモンドホイールがその姿を覗かせる。
その後に少女は自らの異能を解いて本来の姿を
ロボットへと見せまるで少しからかうかのような様子。

「わからない、名前を教えてほしい。」

しかしながら彼女が本来の姿を見せようとも
ロボットは彼女が誰か分かっていない。
これで判断基準が見た目だけではないと分かるだろう。
外観は勿論のこと声や目の動き、動きの癖、
さらには魔力量や異能パターン等超自然的なものさえも
計測し照らし合わせた上で本人と判断している。
もし彼女が以前どこかで別の人格を内包したならば
それはロボットの判定を狂わせるのに十分だ。

近衛 昴 > 「ちょ、待った、待った、ボクだってわからないの?」

能力を解除したのに警戒を解こうとせず刃を向ける姿に流石に足を止め、慌てて手を前に突き出しながら状況を分析する。

今は何も能力を行使していないのに認識されていないとしたら見掛けはどこも変化はない、あるとしたら内包している情報の変化、そして思い当たるのはあの女の存在。

1人の人間の中に2人分のデータ量を内包している状態が、彼には見かけだけは過去のデータにあっても中身は以前とは別物だと認識しているのかもしれないと慌てて名を名乗って。

「ボクだよ、ボク、昴だよ。わかったら、その物騒なもの収めてくれると嬉しいんだけど」

イチゴウ > 目の前の少女が装甲カッターに驚き
慌てふためいているのを見て攻撃の可能性は低いと
判断するとロボットは前両足のカッターをしまうだろう。
ここの区域はほとんど調査が終わっているゾーンであり
警戒レベルも低いので
はっきり言えば武力制圧は非常時を除き許可されない。

「昴・・・。外観は酷似しているが
複数の項目が噛み合わない。」

彼女が自分の名前を告げるとロボットはそれをもとに
自らの記憶データベースから検索をかける。
勿論情報自体は引っかかるのだが
データ照合が上手くいかない。

近衛 昴 > 刃が収められればとりあえず安堵して両手を降ろすも彼の言葉に少女悩んでしまう。
以前と噛み合わないという言葉にどう説明したらわかりやすいだろう、成長といえばいいか、吸収といえばいいか。

どう照明していいものかと悩んだ末に口で説明するよりも早いと異能を使うと先ほどまでの黒髪へと変化し、髪の中から揺ら揺らと揺れながら出てきたのは先端に端子の付いたケーブル。

一番最初に出会ったときを思い出しながら彼との距離を縮め、彼の端子の付近へとケーブルを近づけて繋がろうと。

「話すより見てもらったほうが早いでしょ、アクセスキーは前のままだから」

繋がれば以前のままなので彼は自由に少女の記憶を覗いて経緯もそして圧縮された女のデータも確認できるだろうか。
そしてなにより以前のように外部機械に頼らずに繋がることができ、接続の負荷にも耐えられているのに気づけるだろうか。

イチゴウ > 存在が噛み合わずに検出されることの証拠として
彼女は自らの姿を変異させると前と同じように
端子への接続を試みる。
ロボット的にもこの不審な現象には真実を確認せざるを得ず
ケーブルの接続を拒みはしないだろう。

「プロテクト準備完了、接続開始。」

間もなくしてイチゴウの視界は切り替わり
主に二人の人物のデータ体を確認する。
一人は自身の記憶と完全に一致するもの、
そしてもう一つが判定を狂わせている元凶だろう。

「やあ、スバル。通信負荷は大丈夫なのか?」

彼女が能力を成長させ変化させたのと同じように
ロボットの電子回路内にもまたアバターを投影できる
仮想空間の環境が新たに整っている事がわかるだろう。
データの海の中で昴の目の前に浮遊しているのは
合成音声を放つ一人の人間男性型のアバター。

近衛 昴 > 用心深くプロテクトをかける彼に、別にとって食べようなんて思ってないと冗談交じりに笑みを浮かべるも通じるだろうか。
無事に接続が完了すれば、以前のようなデータの奔流に翻弄されることなくケーブルを通して彼の中へと入っていけるだろうか。
彼がデータを精査する間、彼のデータの海の中を泳いで回ると以前よりも断然動きやすく、例えるならば海流の隙間のように流れがないことからそれように用意した空間なのだろうと。

「…前より負荷がない。へぇ、アバターが動けるように最適化してあるんだ。わ、わわ、え、イチ、ゴウなの?」

以前は頭上から響いているように聞こえていた彼の声が背後から聞こえたことに驚き、後ろへと振り返ると始めてみる男性がそこにいる、自分以外にこの空間に人間がいるはずもなく、いるとしたら彼しかしない。
同じようにアバターとして彼が投影した姿に浮かぶ疑問はそのアバターのモデル、そして運用者からはデッドスペースに思われるかもしれない空間をわざわざ作っていたことへの疑問を口にして。

「その、なんだ、ずばりその姿はイチゴウの理想像なの?あと、どうしてアバターを?」

イチゴウ > 彼女が驚くのも無理はないだろう。
以前と比べてまるでそこに入る事が想定されているような
サイバースペースに初めて遭遇する人間型アバター。
本来の運用目的とは逸れているソレを作ろうとした
理由を尋ねられればイチゴウはゆるやかに移動し
彼女の元へと降りていく。アバターの身長としては
彼女よりやや高いくらいか。

「これは人間というものを深く理解するために
今まで入手したデータをもとにシミュレートする試みだ。」

自らの手を握ったり開いたりその感触を逐一試すような
動きをしつつそう答える。途中少しフラついたりする所から
この姿には慣れていない様子。

「これが妨害データか。」

落ち着いた後はもう一人の圧縮データの方を向いて
ゆっくり近づいていくとそれに触れようとするだろう。

近衛 昴 > 目の前に彼のアバターが降り立つと自分よりも背が高く整った顔立ちの姿とこの仕様も実験のうちだと知り、浮かんだ疑問はその実験には自分含みの仕様のように思え、恐らく自分の能力などは彼の報告と共にフェードバックされて開発者には知られているということなのだろうか。

「そのシミュレートはボクも含まれているのかな?あとその発案者はボクの存在ややっていることも既に認知済みとして考えていいのかな?」

どこにも属さず彼に協力することもあったが、妨害工作や裏の仕事など決して風紀とは見過ごせない存在である自分を含めてとなると何か裏があるのかと。
ふらつく彼を咄嗟に抱きとめようとするも触れた身体は本物と見間違うほどに精巧で、まるで作り物とは思えない出来に感心しながらも問いかけるのは実験者の思惑。

「わざわざこれだけ用意しているんだから、ボクにその試みは断れないんでしょう?」

風紀に対して危険と思われる存在を見過ごすとは思えない、良くて懐柔か、悪くて脅迫。

彼が氷に閉じ込められたような圧縮された女のデータに触れると中の女が動いて不適に微笑むか、それはまだ完全に女を純粋な力として昇華できていないことを示すか。

イチゴウ > 実験という言葉が悪かったのだろうか
バランスを崩してしまった自身の身体を昴が抱きとめてくれると同時に
彼女が思案を巡らせたのちに幾つもの疑問をぶつけてくる。

「この実験はボクの独断だ。自由行動として記憶領域の一部に
このプログラムを構築している。
恐らく次のメンテナンス時に消去されるだろう。」

上層部に提言したわけではなくこれは完全に
イチゴウの好奇心からの実験で
消去されるまでに人間としての実感のあるデータを
出来る限り記憶に蓄えることが大きな目的だ。
邪な思惑など一切ない。

「昴、これは誰だ?」

変わって大きな氷塊に手を触れたイチゴウに
中に眠る少女が返したのは何とも言えぬ妖しい笑み。
新たな力の根源とも言えるソレを前に
イチゴウは昴にこの存在に対する疑問を露わにする。

近衛 昴 > 彼の言葉に思惑がないことに安心するが、限られた空間で得られた人間の身体を彼が失うという言葉にどこか寂しいものを感じてしまう。
蓄積したものが一瞬のうちに消えてしまう、そんな突然の喪失にトラウマのある少女はある提案を口にしてしまう。
「…だったら、イチゴウ、管理者に報告して欲しい。データが人間に近づく逆、人がデータに近づく存在を見つけたと。そして研究サンプルとして協力する代わりに取引がしたいと…」

少女が出したのは彼の後ろにある組織との取引、彼の得たものも自身が守りたいものも守るために協力を申し出るというもので、それに対して彼はどう行動するだろうか。
女の存在を口にしようとするも過程であったことを思い出して躊躇し、その女に乗っ取られそうになって一時的に封じていると今は簡潔に答えるだろうか。

イチゴウ > イチゴウのアバターはガワこそ精巧な人間だがその動きは
とてもぎこちないものだった。
その崩れたバランスを彼女は支えてくれ
消えてしまう彼のアバターの運命を察したのか
少し深刻な顔をして一つの取引を提案する。
しかし

「その取引は拒否する、
これ以上キミと風紀を深く関わらせるのは規則違反だ。
それにボクは人間ではない。」

見下ろす形で彼女をじっくりと見つめながらそう告げる。
きっぱりと話すその口調から
イチゴウが喪失というものを恐れていない事が感じ取れるだろう。
むしろ彼が恐れているのはルールに違反する事だと
言う事ができるだろうか。

もう一人の存在については彼女から説明を受けた後に
ある程度納得したのか氷塊から手を放して距離をとる。
そうして元々の目的である調査を終えたと判断し
広げた仮想空間を閉じてお互いを現実世界へと戻すだろう。

ご案内:「スラム」から近衛 昴さんが去りました。
ご案内:「スラム」からイチゴウさんが去りました。