2018/02/19 のログ
神代理央 > 金属をひっかく不愉快な音色と、鼓膜を震わせる銃声が貧民街に響き渡る。とはいっても、己がいる地区はあくまでも陽動。
本命の科学者崩れのところには、風紀委員選りすぐりの――所謂、ヒーローに適した能力や適性の持ち主――が向かっている筈だ。

彼等の支援の為、こうして大暴れして化物共をおびき寄せ、自身が召喚した化物で退治するという悲しくなる様な作業を行っている状況であった。

「…流石に敵も打ち止めか。他の連中も良くやってくれている様だな」

有象無象の合成獣達も、段々と出現頻度が鈍くなり始めた。
他の場所での陽動も一定の効果を上げているのだろう。
未だ鳴り止まぬ銃声と砲撃で揺れる大地に辟易しつつ、落ち着きを取り戻し始めた戦線に安心した様に息を吐き出した。

神代理央 > 暫くして、銃声と砲声が完全に掻き消える。
後に残ったのは、かつて人であったナニかと、返り血と細かな傷跡が無数に残った金属の異形達。
此方もそれなりの異形が倒された筈だが、倒された側から補充を繰り返していたので実質的な損害はゼロであった。

「…傍から見れば、何方が悪役なのか分からんな。まあ、後は主役に任せるだけではあるのだが…」

先程入った通信によると、本隊が科学者と接敵。何だか良く分からない巨大生命体と交戦状態に陥ったらしい。
少年漫画さながらの戦いが繰り広げられているのだろうかと微かに含み笑いを漏らしつつ、異形たちに周囲を警戒させて此方は一休み。
口の中で半分以上溶けてなくなった飴玉を噛み砕き、新しい飴玉をポケットから取り出した。

ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > やがて、作戦が無事に成功した旨の連絡が届く。
科学者は無事に捕らえられ、今頃本隊の連中は委員会が用意したマスコミに囲まれていることだろう。

「これで、多少なりともイメージアップに繋がると良いのだが」

小さく欠伸を噛み殺し、未だに硝煙燻るスラムから立ち去っていった。

ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。