2018/04/14 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 新年度を迎え、新入生達が島の生活に目を輝かせている時期であっても、自身の仕事は大して変わらない。
とはいえ、最近は会議だの接待だので実戦に出る機会が減りつつあった事も事実。久し振りのスラムでの任務に、腕が鈍っていないかと内心懸念を抱いていたが―
「…バリケードだの、ビルを要塞化するだのといった案自体は評価に値するがな。惜しむらくは、投射される火力の量を見誤っていたことだろう。相性が悪かったと思って、来世に期待すると良い」
新入生の受け入れで多忙を極める風紀委員会や公安委員会の目をくぐり抜け、不法入島者を斡旋する組織。
最早人身売買と化しつつあった組織に対して、精細と警告を与えるべしとの命を受けた己は、組織の中枢であるスラム街の雑居ビルを訪れていた。
尤も、訪れたという言葉には些か齟齬があるかもしれない。雑居ビルが視界に入る広場で異能を発動。金属の異形達を召喚し、その砲火を全力で叩き込んだだけである。
数分と立たずしてコンクリートのオブジェと化したビルだったものを眺めながら、端末を用いてのんびりと日報を入力していた。
■神代理央 > 今回は何時もの様に地区ごと吹き飛ばす様な火力は投入していない。精々、ビルとその周辺が現代アートの様に瓦礫の山と化す程度のもの。
周囲の住民にもなるべく被害が及ばぬ様に――なるべくであって、細心の注意を払った訳ではないが――努めた為、見た目の派手さに反して死傷者の数は少ないだろう。
「…ま、警告レベルならばこんなものだろう。ビルに立てこもっていた連中は哀れとしか言いようがないが。後は、これに懲りて大人しくなるのか、本腰を入れて此方に喧嘩を売ってくるのか…」
とはいえ、無制限な違反部活や不法組織への攻勢はいたずらに風紀委員会への敵を増やすばかり。
戦力増加が叫ばれる此の頃では、兵力の分散を避ける為にもこういった派手な警告は本来控えるべきなのだろう。しかし――
「そうせざるを得ない。或いは、委員会の戦力に過剰な自信を持ってしまう。そういった状況までは持ち込めたと思うが、はてさて」
敵対組織を完全に潰すわけでは無く、再起する余力を与えたまま手を引く。
そういった行いが続けばどうなるかなぞ小学生でも分かる様なものだが。端末を胸ポケットに仕舞い込みながら、クツリと小さく笑みを浮かべた。