2018/04/15 のログ
ご案内:「スラム」に川風 白さんが現れました。
川風 白 > 隣のビルから聞こえる轟音。それを聞いてお相手の組織の長は青ざめた顔でこちらを見てくる。
前々から思ってはいたがこの男は運がいい、今回は自分との対談の為に場所を変えていたようだが、それがこういう結果になるとは。

「裏口からさっさと逃げてください。時間を稼ぎます。」

やろうと思えばここ一体を消し飛ばすことのできるであろう火力、それをしないということは。
窓の外に見えるやった本人であろう相手を見れば、不機嫌そうな顔をする。

「先生達にも僕の活躍を伝えといてくださいね。...では。」

窓を割り、相手とは大体15m程の距離の地点へ着地する。
間違いなく相手は強い、だからこそ機関に自分の名が届くはず。

「貴方ですか、これをしたのは。」

神代理央 > 任務も完了し、報告も終わり、後は帰り際に何か甘い物でも―と思っていた矢先。
硝子の破砕音と共に頭上から此方へ飛び降りてきたのは、男性とも女性とも判別しにくい小柄な人物。

「……いいえ、違います。と言えば、満足するのかな?見ての通り、風紀委員会として任務に基づいて行動している。作戦行動を阻害する場合は、学園の風紀を乱す敵対勢力と見做すが、どうするかね?」

自分よりも僅かに小柄な相手に対して、傲岸不遜な態度と共に小さく首を傾げる。
己の両脇に控えた2体の異形が、その醜い身体を揺すって針鼠の様に突き出た背中の砲塔を相手に向けるだろう。

川風 白 > 風紀委員、その言葉を聞いた瞬間に鼓動が早まる。大物が釣れたという期待と死ぬかもしれないという恐怖。
相手は自分より格上、だが...自分は死にはしない。少し痛いだけだと覚悟を決める。

「まぁそんなことはどうでもいいんです。問題はここのボスがそれなりの復讐をしたがってるんです。」

こちらに向けられる砲塔を意にもせず両手を広げれば、撃ってこいと言わんばかりに笑みを浮かべる。

「それに...貴方を仕留めれば先生たちが僕を見直してくれそうなんで。」

神代理央 > 相手の言葉に、僅かに怪訝そうな表情を浮かべる。
復讐される覚えは掃いて捨てるほどあるのでどうでも良いのだが、相手の言うボスとは、どの組織の事を指すのだろうか。

―等と考えても、結局風紀委員会に喧嘩を売った事には変わりない。砲塔を向けられて尚余裕の態度を見せる相手に対して、フンと小さく傲慢な息を漏らした。

「ほう?風紀委員を倒せば単位でも出るのかね。何にせよ、他人に認められる為に努力するのは良い事だな。その努力が、来世で認められる事を祈っているよ」

無造作に指を鳴らすと同時に、2体の異形は背中の砲塔から比較的小口径の機関砲を相手に向けて発射する。
小口径といえど、コンクリートを砕き、鉄板を引き千切る軍用の機関砲。並の人間ならば掠っただけで肉が削ぎ落とされる代物。
先ずは様子見とばかりに横薙ぎに放たれたその銃弾の行く末を、どうなるかとばかりに目を細めて見据えていて―

川風 白 > 「単位なんてそんな軽いものじゃないですよ。言うなれば...存在意義ですかね?」

頬を描きながらそう返す。
無垢なその表情からは殺意すら感じられないだろう。

「あー...死ぬかも...。」

掃射された機関砲が直撃する瞬間、やっちまったと言わんばかりに呟いた。
脇腹は抉られ、左腕は千切れる寸前、片足は完全に吹き飛び、彼の体はその場にボトリと倒れる。
彼だったものの周囲には血の海が広がり、瞳は明後日の方を向いており、最早生きていられる状態ではないと分かるだろう。

「痛いのに...何でなのかな...。最高に――――気分がいい。」

グチグチと音を立てながら損傷した彼の体は再生していく。
血溜りが生きているように動き出し、5本の赤黒い槍を形成する。
槍は宙に浮き、彼の両脇に控える異形のそれに2本ずつ、そして彼に1本。砲弾と見間違えるような速度で突っ込んでいった。

神代理央 > 「存在意義とは、随分大きく出たものだ。戦うことに己の価値を見出そうとでも?」

無垢な表情を見せる相手とは対象的に、傲慢で傲岸な表情を崩さぬまま言い切った。
自身と同じ紅い瞳を持つ相手を見据え、そして見下すように薄く笑みを浮かべるが―

「…再生型か。面倒な事だ…な!」

みるみるうちに再生していく相手の姿に、小さく舌打ちを一つ。
次いで放たれた槍を見据えれば、両脇の異形達が主に飛来する槍を撃ち落とさんと猛然と射撃を開始した。
結果、己に飛来する槍を撃ち落とす事は出来ても、金属の異形は自身に放たれた槍を回避する事も無く、直撃を受けて轟音と共に地に伏せるだろう。

川風 白 > 「機械は人の役に立つためだけに作られるんです。飼い犬は主の期待に。そうですね、どちらかというと僕は、先生達に振り向いて欲しいってだけです。」

ゆらりと立ち上がる彼の体は、異常な速度で再生できていなかった脇腹の傷が塞がっていく。
再生できる傷にも限度はあるが、まだ十分に戦える。そう考え右手を突き出す。

「あとは貴方だけですよ...ぐっ..あが...。」

魔術を発動させれば、彼の右腕は内側から裂け、太く、長い灰色の骨で構成された異形の腕が姿を現す。
痛みで顔を歪ませるが、その表情はどこか嬉しそうで。

「次は...こちらの番ですよ!!」

異形の腕はまるでゴムのように伸び、細く長く。10mはあるであろう相手を捕縛しようと接近する。

神代理央 > 「承認欲求が高いのか、自己に対する評価が低いのか。何方にせよ、己を犬だと言うのならば、精々健気に吠えていれば良い。飼い主が助けに来てくれるやも知れぬぞ?」

誰かに認められたい、という思いは己も持っているのかも知れない。
しかし、その思いをねじ伏せて力と権力を求める己は、相手から投げかけられた言葉を一蹴するかの様に肩を竦めてみせた。

「随分と苦しそうじゃないか。自分の身体はもっと大切にするべきだと思うがね?…それと、私の手駒は残念ながら数ばかり多少多くてね。見栄えは悪いが、気に入ってくれると嬉しいよ」

薄く唇を歪めたと同時に、地面から這い出る様に新たに3体の異形が現れる。
一体は己に伸びる異形の腕から主を守る様に正面に。そして、残りの2体は再び己の両脇に現れて―

「多少の傷は再生するのだろう?なら、余り削りすぎない様にしてやろうじゃないか」

両脇に召喚された2体の異形は、相手に長い砲身を向けたかと思えば火焔の柱を放射する。
巨大な火炎放射器として召喚された2体は、面制圧と目眩ましを兼ねた火焔を相手に向けて放つが―

川風 白 > 「先生達は僕等を作る。そして僕等はそれに応えるだけ、人を越えた存在として。だから助けなんて必要ない。」

骨の腕は一体の異形を拘束し、全身を貫くよう骨が杭のように生成される。
同時に腕を切り離し、再生を待つ。

「はぁ...はぁ...。僕は死なないことが目的で作られた人間です....。そして僕の目的の為なら...どんな苦痛だろうが受け入れて見せる!」

左腕を供物として魔術を発動させる。左腕はどろどろと赤い液体を流しながら溶け出し、自分を守るかのように周囲を覆い、それを耐える。

「あああ....痛い...。滅茶苦茶痛い...。でも...勝たなきゃいけない....!!」

展開された赤い液体の膜が消え去れば、両腕を失い蹲っている彼の姿が見えるだろう。
その両腕は異常とも言える速さで再生をしていくが、途中で再生が止まる。

「貴方にも味わってもらいますよ...僕のいた...。」

ぷつんと糸が切れたかの様に項垂れれば、彼の背中を貫くように上空に計24本の骨で構成された槍が射出される。
前のめりに倒れている彼をよそ目にそれら全てが一斉に相手の頭上から一気に降り注いだ。

神代理央 > 「理解しかねるな。人を超えたモノを作るというのなら、そこいらの工場の産業機械と大差あるまい。少なくとも、人間を超えた速度で生産可能だと言う点で、産業機械は人を超えているだろうしな。……ああ、だから貴様は助けも求めぬのか。プレス機械が、人並みに助けを求める事はあるまいしなあ?」

嘲るように唇を歪め、大仰に肩を竦めてみせる。
その眼前で骨によって異形が貫かれて再び大地に倒れ伏しても、意に介する事無く相手を見据えていて―

「コストパフォーマンスの良い兵隊だ。ならば、何度でも死の苦痛を味わい、再生し、そして死ね」

相手が防御の体制を取っている間に、更に異形の数を増やそうと異能を発動させる。相手がどんなに再生しようとも、それを上回るペースで火力を注ぎ込めば良い。
いざとなれば、金属の異形はその質量そのものが武器にもなるだろうと頭の中で算盤を弾いていたが―

「……ちっ…!鬱陶しい真似を…!」

上空から射出された骨に僅かに表情を歪めれば、異形の召喚先を己の間近に変更。召喚された異形は、主を守る様に覆いかぶさった。
更に、それまで相手に火焔を吐き出していた異形は、その砲身を天空へと向けて降り注ぐ骨に対空射撃を開始した。

―だが、全ての骨を撃ち落とすことは当然出来ず、折角間近に召喚した異形は、次々と降り注ぐ骨の直撃によってあっという間に消え失せた。
辛うじて自身への直撃は免れたが、攻撃の手が止まってしまう。というよりも、覆いかぶさった異形が消滅するまで視界すら塞がっている。
即ち、相手に対する攻撃も、迅速な防御も出来ない状態をさらけ出してしまい―

川風 白 > 「そうです。僕は先生達が僕を作ったことが無駄じゃないと考え直してくれるだけでいい。その為ならなんだってしてみせる。」

ふらふらと立ち上がるが左腕がまだ完全に再生しきれていないことに気づく。
時間切れだ。

「再生が...。次からは魔術を温存しないと...。」

生贄魔術以外の魔術は正直使い物にならない。学園で学んだ魔術では殺しきれないと判断する。

「残念ながらここまでです。」

そう一言残せば背を向け去っていく。
ただ、足を止め、相手に振り返れば。

「僕は...そうですね。川風です。次は殺します。」

そう言い残し、追撃を受けないうちに暗闇へ消えていった。

ご案内:「スラム」から川風 白さんが去りました。
神代理央 > 「…見上げた忠誠心だ。機械だと言った事は撤回しよう。貴様は立派な飼い犬だよ」

僅かに息を荒げつつ、それでも驕った態度を崩さぬまま言葉を発する。
常に傲慢に、傲岸に。それが己の本性であり、意地でもあるのだから。

「……川風、か。私は風紀委員の神代。覚えておくと良い。自身を殺す相手の名前くらいは、知っておきたいだろう?」

土埃に塗れた制服を軽く叩きながら、立ち去る相手を僅かに目を細めて見送る。
此方も異能の連続使用で流石に疲労感が強い。まして、本来の任務を果たしている以上、無駄な戦闘によって消耗すべきでは無いのだから。

「………不死の兵隊か。量産出来れば便利ではあるがな」

そう言えば、結局相手は男性だったのか女性だったのか。
最後まで判断付き兼ねたなと場違いな事を思いながら、此方も足早にスラムから立ち去った。
相手に対する報告書に何と記載したものか、少し頭を悩ませながら―

ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。