2018/06/11 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 増加する学生街での犯罪行為撲滅、及び反社会的組織の鎮圧。
――といえば聞こえは良いが、要するに体の良いスラムでの実戦訓練。
与えられた予算や人員を消化しつつ、血気盛んな風紀委員達のストレス発散の捌け口も兼ねた任務である。
尤も、巻き込まれる方は溜まったものではないのだが。

「……だから、その地区は今回の任務対象外だと言っているだろう!戦線を無秩序に広げられる人数だと理解しているのか!……銃も持たない連中に囲まれたくらいで喚くな!異能でも魔術でも腕に覚えがあるから風紀委員になったのだろう。此方に余剰戦力が無限にあると思っているのか!」

スラムにしては比較的小奇麗なバラックの中で、通信機相手に怒鳴りつける。
バラックを警備するのは自身が召喚した金属の異形達のみ。最初に護衛として配置していた他の風紀委員達は、既に各方面への援軍で走り回っている。

「…これなら、ドローンの群れでも放った方がマシだな。個々の戦力が十全でも、各個撃破されては…いや、それ以前の問題か」

深々と年齢に見合わぬ溜息を吐き出した後、端末から表示されるホログラフの地図と睨めっこ。
場合によっては、更に異形を召喚して援軍として派遣しなければならないだろう。

神代理央 > そうやって通信機相手に怒鳴り散らす事数分。取り敢えず、各地の戦況は落ち着いてきた様だ。
というよりも、無秩序に分散した委員達を撤収させ、本来の作戦地区に集中させただけなのだが。

「武勲を焦るのは仕方ない事かも知れないが…もう少し落ち着いて行動してほしいものだな」

先程よりは小さな溜息を一つ。埃っぽいバラックの中で髪の毛をくしゃくしゃと掻き毟った後、懐から取り出した缶コーヒーのプルタブを捻った。
程よく冷えたコーヒーの甘さが染み渡り、僅かに表情を和らげる。

ご案内:「スラム」にラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが現れました。
ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ったく、なんだって私が偶然来た時に限ってこうも騒ぎが起こるんでしょう……」

スラム街、本来であればこんな場所に来る用事はないのだが、弾薬の購入を筆頭に、
"表"で買えばそれなりに値段の張るものを購入しに来るわけだ。
無論、こんな場所に自ら足を踏み入れるということは、危険を承知の上だが、
何事も起こらないならそれに越したことはない。
しかし、こうやって買い物に来るたびに騒ぎが起こることが最近多いようで、
今もこうして風紀委員たちが東奔西走、あちらこちらで騒いでいた。

「おっと、そっちに逃げると風紀委員にリンチされてしまいますよ」

当の本人はどうしているかというと、逃げる一般人を安全なルートに逃がしていた。
逃がすといっても、誘導するとかではない。
50口径の弾丸を行先に打ち込んでルートを変えさせるという、非常に雑な逃がし方だ。
それを行うために周辺で比較的高いビルの屋上から暗視機能の付いたスコープを覗いていた。
比較的近い場所に、件の風紀委員がいるとは知らずに。>

神代理央 > 微かに響く銃声。その音を探知したのは、周囲にばら撒かれていたドローンの一つ。
警戒すべき相手がいることを情報として送信し、その大まかな位置が己の持つ端末に表示された。

「…やれやれ。この辺りの掃除は完璧だと言ったのはどいつだったかな」

自信満々に己に吹聴した風紀委員の評価を下げつつ、ため息混じりにバラックの外へ。
舞い散る粉塵と己を見て逃げ出す一般人達を尻目に、側に控えた異形達に言葉を発する。

「屋上は狙うな。ビルがギリギリ崩れ落ちない程度に、適当に脅かしてやれ」

銃声の発生源が誰かは知らないまでも、圧倒的な火力で脅かせば逃げ出すだろうと一考。
抵抗してくれば、風紀委員達を呼び戻せば良い。そんな楽観的な判断を下したと同時に、彼女が潜むビルに一斉に砲弾が放たれた。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「っ!?」

ベルト弾倉の弾を1/4ほど使ったタイミングで自身が陣取っていたビルが大きく揺れた。
爆破でもされたかと思ったが、どうやら側面に機銃掃射されているらしい。
といっても、尋常ではない弾の張り方に少し焦る。
いくら制圧には面上攻撃が基本とはいえ、その規模の大きさはミニガンやその非ではない。
一度掃射が落ち着いたタイミングでスコープを覗くと、
そこに見えたのは非常に不格好な鉄の塊だった。

「あの風紀委員、私だってわからずに撃ってきてますね」

やや腹立たしく思いながら、鉄塊の足に向けて一発打ち込む。
いくら鉄の塊とはいえ、50口径弾を喰らえばはじけ飛ぶだろう。
彼は察しがいい。
その被弾跡を見ればこちらが誰であるか察してくれるだろうと思い、
合図として弾頭を抜いた空砲を一発鳴らす>

神代理央 > 逃げ出すかと思った相手からの銃撃に、少し驚いたように目を見開く。まして、その銃弾は異形の足を正確に穿ち、バランスを崩した異形が轟音と共に倒れ込めば尚の事であった。

「…仮にも金属製であるコイツの脚を砕けるだけの大口径か。まして、銃声からすると重機関銃……いや、待てよ?」

重機関銃を獲物にするという点で、思い当たる相手が一人。
まさか、と思いつつも、よく考えれば彼女に会うのは大概こんな場所だった気もする。
その思考を肯定するかの様に放たれた空砲に、己の考えが正しかった事を察した。

「…やれやれ。攻撃中止だ。流石に、顔見知りをミンチにする趣味は無い」

彼女が潜むビルへの砲撃を中止し、同じ様に空砲を一発。
攻撃する意思が無いことを示す様に、ビルに向けてヒラヒラと手を振ってみせた。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ん、気付きましたね。やれやれ」

スコープ越しに鉄塊の主が見えれば、ポーチのポケットに差し込んでいたペンライトで
チラチラと光を送る。
"そちらに向かう、攻撃やめろ"
今となっては解読できる人間はまれだが、和文モールスで意図を送れば屋上から立ち上がる。
機関銃を抱きかかえた状態で助走をつけて屋上から飛び出すと、
その体は重力に反して空中に浮き続け、"空を飛んで"彼のもとへ向かう。

「全く、相変わらず物量がお好きなようで」

ふわりと降り立てば挨拶より先に出た皮肉。
彼に対してはこういう皮肉はもはや挨拶のようなものだ>

神代理央 > 仮にもPMCの御曹司。モールス信号くらいは嗜みとして知識を持っていた。
尤も、それをこの島で見ることになるとは思っていなかったのだが。

そうこうしている内に眼前に降り立ったのはすっかり顔馴染みになった銀髪の少女。
まさか空を飛んでくるとは思わなかったのか、少し驚いた様な表情を浮かべるだろう。

「当然だろう?戦場に投入できる火力と物量は勝敗を左右する重要なファクターだ。そういうお前こそ、相変わらず物騒な獲物を振り回しているじゃないか。少しは女らしく可愛げのある武器でも使ったらどうだ?」

皮肉に返す軽口。とはいえ、その口調は悪意も蔑みも無く、道端であった知り合いに挨拶を返すようなもの。
彼女と同じ様に、皮肉と軽口の小競り合いから始まる会話にすっかり慣れてしまったのかもしれない。

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「あら、獣は空も飛べるんですよ?
 まるで狐に化かされたような顔をしてますね」

まさか空を飛んでくるんなんて。
とでも言いたげな彼の表情に、一本取ったといわんばかりの言葉。

「そこまで投入できるなら、五分で事が終わるように叩き潰すべきです。
 広く展開したせいで無関係の人間をリンチしてる風紀委員もいましたし。
 あら、そんなことを言うあなたこそ"見た目"に似合わず物騒な眷属を引き連れてるように見えます」

ここでいう見た目というのは彼の中性的な外見を揶揄しての言葉だ。
舐められないためにもこの重機関銃は必要なのだ。
それはきっと彼だって同じだろう。>