2018/08/26 のログ
ご案内:「スラム」にイレイスさんが現れました。
イレイス >  
混乱の只中に駆け込んでいく。
まただ。また起きやがった。古臭い映画から這い出た亡者ども。
ゾンビパニック。パンデミック。地獄がよほど満杯と見える。

「早く、こっちに逃げるんだ! 早く、早く!!」

避難誘導をしても、スラムに住む多くの者に逃げ場なんてないのかも知れない。
でも、俺は。誰でもない、竹村浩二サマがな。
無駄に散らしていい命なんか、一個もないと断じてやる。

目の前にゾンビの群れ。
数はわからない。数える気もない。

俺は変身ベルトを取り出すと、腰に叩き付けた。
あとは帯が自動的に巻きつくようになっている。

「あいつらが逃げる時間稼ぎくらいはさせてもらうぜ……変身!!」

全身に緑の装甲が展開され、その表面を赤いエネルギーラインが走る。
アーマード・ヒーロー『イレイス』の出番だ。

ご案内:「スラム」にパンデミック(生体レーザーキャノン)さんが現れました。
パンデミック(生体レーザーキャノン) > スラム街の一角でのゾンビ騒動の主導者。
それが違反組織からはるばると中央へやってきた招かれざる来訪者。

パンデミックに感染した巨大ワニ―――生体レーザーキャノン、だった。

「ギュゥィィィィイィィイイン―――!!!」

莫大なエネルギーをため込むような叫び声がする…!

ここには、まだ狩り尽していない生命体が沢山ある。
パンデミックの行動理念はたった2つ。

より多く殺し
より多くの仲間を増やす

その為に、
この赤く染まりきった生物兵器は壁面を圧倒的破壊力のレーザーキャノンでブチ壊して、
避難活動の真っ只中へとズシンと足音を響かせ、生気の失せた兵器の目が向いた。

向かい合うのはヒーローらしき何者か。
だが、彼もまた、パンデミックにとっては殺戮対象にして、未来の仲間候補だ。

イレイス >  

『Joint on!!』

変身が終わるとベルトから機械音声が流れる。
襲い掛かってくるリビング・デッドたちに、光線銃のオモチャみたいなシロモノを向ける。
俺が作った銃、イレイスバレットだ。
こんなイカれた見てくれでも、破壊力は見てのお楽しみだ。

ゾンビに銃口を向けてトリガーを引く。
すると次元圧縮された銃弾によりゾンビはあっという間に倒れていくって寸法だ。
どうだ、簡単だ……ろ…

壁が崩れる。
光学兵器が迸る。

「おいおい、嘘だろ……!」

ゾンビアリゲーター。こんなデカブツが存在してるってのか?
だが、ここで俺が逃げれば、もっと多くの犠牲者が出る。
その中に家出中のうちのメイドでもいたら。

「…てめーの相手は俺だ……アーマード・ヒーロー、イレイスを避けてれると思うな!!」

そう言ってイレイスバレットから次元圧縮された重弾を連射する。
しかし、しかし。このサイズ相手にははっきり言って豆鉄砲だ。

ご案内:「スラム」に影打 鈍さんが現れました。
パンデミック(生体レーザーキャノン) > パンデミックは柔らかい。
しかし、それは基本的に「そのサイズから考えれば」である。
この重く鈍い巨体を前に、圧縮された銃弾はそれこそ鉄板に当たった豆鉄砲の様にカンカンと弾き返される。
人型パンデミックへの一方的な攻撃はここで終わり。

そして。

「ギュウイイイイイン―――ッッ!!!」

大きな口を開き、そこに堂々と立つヒーロー、
イレイスに生体レーザーキャノンは照準を合わせていく。
生体レーザーキャノンの口におびただしいまでの熱量と光が集約していく―――!!!

影打 鈍 >  
(コロン。
 下駄が地面を叩く音。)

おうおう、これまたとんでもないモノが出てきたな。

(ヒーローの後ろから巨大なワニを見据えて声を上げる。
 まさか本当にゾンビワニが出るとは。)

そこの特撮ヒーロー、助太刀いたす。

(シャラリと和洋折衷な刀を鞘から抜き放つ。
 黒く黒く闇よりも暗い刀身を露わにし、彼とゾンビワニの間へと割り込んだ。)

イレイス >  
「てんで効かねーのな……!」

ちくしょう!! 現時点でイレイスバレットはおもちゃだ!!
ヒーローの武器は、効かない相手が出たら終わりだ。
そして巨大ワニの口の中に熱量が集中し、ヘルメットの中の各種センサーがレッドアラートを鳴らす。

「クソッ!!」

その時、割って入る赤黒の影。
言っちゃなんだが、学生戦隊組んでた時のレッドを思い出すカラーリング。
そいつが。

「助太刀だぁ!? お、おい!!」

咄嗟に壁を蹴りながら上空に逃げる。
レーザーキャノンの直撃を避けるためだが、あの女……まさか助太刀に来て一撃で蒸発するなんてことはないよな!?
そういう展開見たことないもんな!?

パンデミック(生体レーザーキャノン) > ズドォォォォオオン―――ッッッ!!!


単純明快な破壊の光線。
科学の結晶の光学兵器が、生体レーザーキャノンの前に集まり、
そして、その大きな口を開くと共に解き放たれる。
落第街に十字路を増やし、
違反部活の施設を煙にするだけの威力。
ただ、溜めに時間がかかる取りまわしの悪さが問題だが…

そのまま向いた方向へ真っ直ぐに大地を円形に抉り、一閃をスラム街へと刻み付けよう。

影打 鈍 >  
(光線が放たれる。
 軌道上の何もかもを飲み込む破壊の熱線。
 当然自身もそれに飲み込まれ、)

――っぷう。
あー眩しかった。

(瓦礫から這い出てくる超合金妖刀娘。
 具現体は消し飛ばされたが本体は無傷。
 ならば何も問題はない。)

行くぞ特撮仮面。
ゾンビワニ退治だ。

(刀を肩に担ぎ、カランコロンと下駄の音を響かせながらゾンビワニへと駆けていく。)