2018/09/09 のログ
ご案内:「スラム」に百鬼さんが現れました。
百鬼 > 「――…”パンデミック”……か。また妙な騒ぎになっているものだな…。」

ポツリ、と呟く声はスラムの一角。朽ち果てたバラックが立ち並ぶとある屋根の一つにて。
全身黒ずくめに黒い外套、フードをすっぽりと被り、顔には白い仮面。
手指も革手袋できっちり覆われ、肌を露出している箇所が一切存在しない。

――殺し屋・百鬼。通称【無貌(ノーフェイス)】の異名を持つ、裏業界でも名が通った殺し屋の一人だ。
風紀にも当然マークはされているが、現在までその詳細なデータは一切不明。
性別、身長、体重、生年月日、血液型、出身地…本名や彼が持つ魔術や異能すら不明。
ほぼ詳細なデータが【unknown(詳細不明)】…そういう存在である。

今回、受けた依頼はとあるそこそこの規模の違反組織から。パンデミックの始末…だが、どうにも曖昧だ。
元凶を突き止める、のはそもそも殺し屋としての仕事の範疇を超えているのでする気は無いとしても。
どの”個体”を”始末”すればいいやら…場合によっては契約破棄も考えたいが。
途中で投げ出すのも信用に関わるので、現状は見つけ次第殲滅、という形を取っている。

百鬼 > 「…聞く限り、特殊な個体も増えているらしいが…始末するならその辺りが妥当、か」

幾ら、ゾンビなどを殺してもキリが無い。親玉、とは言わずとも特殊な個体を始末すれば依頼人も多少は納得するだろかと。
どの道、仕事はきっちり完遂するつもりだが…当然、風紀や他の裏の連中、または学生なども介入してきている。
正直面倒だ…と、いうのが殺し屋の率直な感想だ。仮面越しにくぐもった小さな吐息を零す。

「――とはいえ、現状収束の兆しはまだ見えず…と、なると何処も本命は掴んでいないと見るべきか否か」

もしくは、本命の情報を掴んでいても敢えて伏せて他を泳がせているか…か。
まぁ、どちらにしろ自分には関係の無い事だ。自身はただ依頼された仕事をこなすのみ。
…とはいえ、こうもハズレが多いと溜息の一つでも零したくなる。別に無感情な機械でもないのだから。

百鬼 > 「…しかし、あまりあちこち嗅ぎ回って目立つのは避けたいのだがな…。」

風紀、特に特別攻撃課みたいな連中や裏の業界の実力者、そしてそれらとは違う第三者。
極力、こちらから近付くつもりはないがこの騒ぎの波紋は決して小さくは無い。
既にあちこちが動いているのは明白で、そうなると連中と接触する可能性もゼロではない。

(――否、むしろ高いとみるべきだろうな…まったく)

恨みつらみなど数えるのも馬鹿らしいくらいに買っているが、標的以外に用は無い。
出来れば避けたいものだが、状況次第ではそうも行かないだろうか…全く。

(…ただの殺しの方が遥かに楽だったな…。)

勘が鈍っているのか…”ヤツ”の影響かは知らないが、もう少し依頼を吟味するようにしないといけないか。