2018/09/11 のログ
ご案内:「スラム」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 歓楽街、落第街における風紀・公安委員会のリソースの低下は、必然的に違反組織・違反部活の活発化を招いていた。
そういった連中の巣窟とも言える落第街では、組織同士の抗争から誘拐、殺人等犯罪行為だけを一通りコンプリートしたのかと言わんばかりの有様。

必然的に、多方面・多人数を得意とする異能を持つ己は、そういった連中の【掃除】に駆り出される事となっていた。

「…全く。増援の一つも寄越さない癖に、次の指示ばかりは手早い事だ。これで今日何度目になるのやら…」

何件目かの違反組織の抗争を片付け――といっても、物理的に消し飛ばしただけだが――完了報告の通信を入れた後溜息を一つ。
自分が活動している地域ではそこかしこで砲弾と銃弾が打ち込まれ、紛争地域さながらの光景が広がっていることだろう。

召喚した異形の数も随分と増えた。流石に、少し休憩したいところではあるが―

神代理央 > 周囲を見渡しても、視界に映るのは瓦礫と瓦礫と黒焦げの乗用車。
元々何の生物だったのか対峙した自分も覚えていない穴だらけの死体。
まともに座れそうな椅子どころか、腰掛けるモノすらない。

「…いや、一つだけあるか。取り敢えず汚れずに座れる場所が」

深い溜息の後、視界に映ったあるものに腰掛ける。
それは自らが召喚した異形。巨大な鋼鉄の身体に、大小無数の砲身を生やした金属の化物。
周囲一帯を戦場さながらの風景へと変える力を持った異形は、現在召喚主が腰掛ける歪な形の椅子と化した。

「………座り心地が悪い…」

と愚痴を零してみても、それに答える者はいない。
甘味を忘れてきた事もあって、幾分不機嫌そうな表情を浮かべながら通信端末を確認し始めた。

神代理央 > 次々と更新されていく活動状況。
転移荒野での戦闘記録。落第街での摘発状況。現在の稼働人員等。
取り敢えず、火急の事態は一通り鎮圧が終了したらしい。

「…日が変わった後くらいは、大人しくしていて欲しいものだな。寝る時間もありはしない」

今はまだ本分である学業に支障は無いが、毎夜毎夜任務が続けば流石に疲労が貯まる。
帰還許可も出たことだし、緊急の用件が来る前に退散しようかと端末を懐にしまい込む。

神代理央 > 鈍い轟音が響き、背後で燃え盛っていた建物が崩れ落ちる。
そう言えば、盛大に砲弾を撃ち込んだな、と瓦礫の山と化した残骸を見ながらぼんやりと考えた。

「…全く。後方勤務は夢のまた夢、とならない事を祈るばかりか」

戦闘音が止んだ所為か、スラムの住民達もぽつぽつと姿を現し始めた。その視線に籠もるのは、畏怖と憎悪。憤怒と嘆き。少なくとも、プラスの感情は込められていない。

「生きていただけ有り難いと思って欲しいところだが…まあ、無理な話か。興が乗らん仕事だよ、全く」

自分の任務や戦い方は、正義を守る警察機構と言うよりも、弾圧する強権的なものに見えている事だろう。あながち誤りでも無いのだが。
恨みがましい視線に肩を竦めると、異形達を引き連れてスラムを後にする。
次は、この地区ごと焼き払ってやろうか、などと考えながら―

ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。