2018/11/30 のログ
■神代理央 > 「…さて、余り壊しすぎるのも良くない。全部無くなってしまっては、驚異を口伝する者が居なくなってしまうからな」
周囲から何事かと飛び出して来た住民を見下ろしながら、緩く溜息を吐き出す。
結局、放った光線は二射。膨大な量故にそれなりの被害は出ただろうが、壊滅的という程でもない。そうなるように調整したのだから。
「顔を見られるのは好かんが、仕事の内か。どちらにせよ、風紀の行動であるという事は示さねばならんしな」
近くにあった小型の球体に飛び移り、そのまま地上へと降下する。
呆然と此方を見やるスラムの住民達を見渡し、腰の拳銃を引き抜くと―
「戦争は平和である。自由は屈従である。無知は力である。
……まあ、古典の引用だがね。隷従も反逆も貴様達の自由だ。好きにしたまえ」
拳銃を見て怯えた様に後ずさる住民達に穏やかに語りかけると、用事は済んだとばかりに球体に乗って飛び去っていく。
「……しかし、連中に通じるものかな。ああいうくどい言い方は」
スラムから飛び去る球体の上で、僅かに困った様な口ぶりで独りごちると、小さく欠伸を零して任務完了の報告を本庁へ送り始めた―
ご案内:「スラム」から神代理央さんが去りました。