常世島北部には研究区として様々な研究所が密集している。
ここで行われる研究は多岐にわたり、名目としては異能・魔術・異世界などが現れたこの世界のために、それらを研究して世界との融和させることとしている。
その他の学問についても研究されており、この区域は他にも類を見ないアカデミックな場所となっている。
学園公立の研究所から私立の研究所まで様々であり、研究系の部活も研究施設などを利用することができる。研究者は教員・生徒など問わない。
とある公立の研究所では異能開発や人体実験めいたものも行われているとの噂もあり、謎の多い場所である。
※フリー設定ルームです。利用したい研究施設など思いつきましたら、部屋の設定を変えてご自由にどうぞ。このルーム説明文をそのまま貼り付けても構いません。
●この部屋には固定パスワードが設定されています。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:15:40 更新
ご案内:「落第街・薬学地下研究施設」から神代理央さんが去りました。
■神代理央 > 「予防策は、此方も講じるさ。どうせ互いに信用してはいないのだ。それくらいが丁度良かろう」
尤も、此方の予防策等後手後手にしかならないだろうが。
個人で動けるなら兎も角、委員会という組織は迅速に行動するには巨大過ぎる。
「…まあ、その時はその時だ。流石に、我が身可愛さに同僚の死を願う程、落魄れてはおらぬさ」
小さく笑みを浮かべて、闇にかき消えた彼を見送った。
直後、悲鳴の様に鳴り響く通信機。どうやら、あの爆発はデータを転送中だった部隊を見事に巻き込んだらしく、潜入していた部隊は後方で戦闘していた委員以外は全滅。同時に、施設の防衛施設とサーバーも破壊され、投降者が相次いでいるとのこと。
「…了解した。後詰めの部隊が来るまで、投降者の受け入れと負傷者の搬出を行おう」
床に置かれたアタッシュケースを手に取り、己を護衛していた異形の背に乗せる。
施設の奥から続々と両手を上げて歩いてくる研究員達を外に案内しながら、無意識に深い溜息を吐き出していた。
ご案内:「落第街・薬学地下研究施設」からルギウスさんが去りました。
■ルギウス > 「では、時が来るまでその言葉を信じるといたしましょう。
欠片も信じてない予防策は講じますがねぇ」
くつくつと嗤い、掌をくるくると回す。
つまるところ、司祭にとってはどちらでも良いのだ。
どう転ぼうが楽しめれば、それで十分に過ぎる。
「ブランドによる品質は保証しましょう。
証明書はないですけれどねぇ……では、私はこれで。
邪魔な複製品もあらかた焼却が終わった頃ですし。
生き残ってるといいですねぇ。貴方が無傷なら要らぬ疑いをかけられますよ」
そう言って 舞台役者のように大仰な一礼を行う。
するとスポットライトが落ちて――― 男の姿を闇に消した。
■神代理央 > 「取引相手を売るような事はせぬさ。契約を更新しない可能性があるだけだ。…尤も、私個人としては貴様と敵対する事に利益を感じない。難しい事かも知れんが、その点は信じてくれて構わんよ」
極端な話、制御薬による騒動が落第街で収まっていれば此方も目くじらを立てる事は無い。委員会がどう思おうと、個人の思想としては落第街の住民は"守るに値しない"者なのだから。
だからこそ、彼とは敵対せず、互いに利のあるビジネスライクな関係を続けたいと思う。情勢が許せば、の話ではあるのだが。
「…すまない。感謝する。代金については、キャッシュでもインゴットでも、支払い方法はそちらの望むように」
望む薬を手に入れても、その表情が晴れる事は無い。
服用した結果そのものよりも、力を求める為に安易に制御薬に手を出す行為自体が果たして良いものかどうか、悩み続けているのだから。
「複製などせぬさ。こうみえてブランド主義なのでな。金持ちがリスクのある偽物を買う必要等あるまい?」
だが、複製の話になれば尊大な態度を僅かではあるが取り戻す。
複製等を委員会が行うかどうかはさておき、此方は制御薬という技術と知識に金を払っている。
その、金を払う事そのものに資本主義的な資本家の矜持があるのだと、肩を竦めてみせるだろう。
■ルギウス > 「取引の成立です。
ええ、商売は三方良しが素晴らしいですからねぇ。
構いませんよ、最悪……貴方は私を売るでしょうから。
こちらはそこまで織り込み済みです」
裏切り上等、そんな取引であると告げる。
まぁ、片棒を担いだ以上 そう簡単には抜けられないが。
「構いませんよ、薬の売買はまた別の取引ですからねぇ。
初回ですし代金は後払いにしておきます。
最初のメッセンジャーに渡しておいてください」
指を振れば、指し示したところに銀色のアタッシュケースが置いてある。
「まずは試しに一週間分。
服用は一日1回、過剰摂取しようが何をしようがこちらは責任を負いません。
複製を行う場合は覚悟をもって行ってください。
私は、ずっと“見ています”ので」
■神代理央 > 底知れぬ笑みを浮かべる彼とは対象的に此方の表情は僅かに険しくなることだろう。
しかし、先程とは違い深く、大きな溜息を吐き出すとその表情を至って真面目な、事務的なものに変える。
「構わない。互いに利のある協定になることを願おう。本物の制御薬の乱用者については、此方も上層部の意向に逆らえぬ事だけは理解して欲しいものだが」
最後の一線を、まるで花壇の雑草を引き抜くかの様な気軽さで了承した。
寧ろその次。取引を了承する事よりも言葉にし辛い、といった表情の後、数秒の逡巡の末に再び口を開く。
「……それと。これは私の我儘故、聞き流してくれても構わない。取引には関係ない事だ。……可能であれば、もし可能であれば、制御薬とやら、常飲出来る量を譲って欲しい。
貴様に不都合であったり、聞くに値しないというのであれば勿論引き下がろう。取引は、正当な対価を既に得ているのだから」
それは、今迄葛藤していた制御薬の服用という欲求への前進。
未だ発動しない己の異能を得ることが出来るのでは無いかという葛藤が、その提案を言葉にさせた。
尤も、口にしておいて尚、その表情は僅かな苦悶に歪み、煩悶している様子を隠そうともしないが。
■ルギウス > 「何かに思い至ったようですねぇ?」
くつくつと嗤う。
顔はずっと笑顔のままだ。他の表情を伺うことはできない。
「では、取引成立です。
私は貴方に情報を流す、貴方は自由に暴れられる実験場を手に入れる」
OK? と聞いてくる。
引き返すならここが最後の一線になる可能性がある。その上で司祭は聞いてきているのだ。
こちらの片棒を担ぐのか と。
「了承したのなら、そのうちになんらかの使いが貴方の元を訪れるでしょう。
動物か、人物か、電子メールか……都度、変わりますし基本的に一方通行。
今の貴方には、騒動の場は望ましいはずですが どうします?」
■神代理央 > 「…意外だな。精々誂い倒してくるのかと思ったが。いや、肯定されること自体が、貴様に取っては嘲笑すべき事なのかね」
司祭の姿へと変貌した彼に、懺悔でもすればよいのかと言わんばかりに薄い笑みを浮かべる。
だが、次いで彼から放たれた言葉には僅かに訝しげな表情を浮かべる事となるだろう。
「……ふむ?興味深い事を言うものだ。私の異能はこの化物共を召喚する力であって、召喚できる種類の差こそあれ大凡は変わるまい。それが――」
ふと何かに思い当たったかの様に言葉を止める。
そして、一体何処まで知っているのかと言わんばかりに、好奇心と猜疑心が入り混じった様な表情で彼に視線を向けるだろう。
■ルギウス > 「人間は、知らないことはできないのですからねぇ?」
■ルギウス > 一礼したまま伏せていた顔を上げる。
そこには、ニヤニヤとした、ニタニタとした、全てを嘲笑う顔が浮かんでいた。
「素晴らしい。
全てを欲し、全てを求めるその姿勢。実に素晴らしい。
薄ら寒い聖人に比べればよほど理解が及び、共感ができますとも。
欲で動く貴方、私はとても好きですよ。ええ、とてもとても」
再び腕を振るえば、そこに立っているのは白い司祭服の男。
「私は、貴方の全てを肯定しましょう。そして許しましょう。
貴方は貴方の『為したい事を為せばいい』。
では、手付けに……可能性の話をいたしましょうか。
貴方の異能……本当に、その能力ですか?
使える部分だけで判断をしていませんか?
使えていない部分こそが本質であるかもしれませんよ?」
■神代理央 > 「政治とは得てしてそういうものだ。体制という巨人は、旧来の精度という鎖で縛られ、首を縦に振る事も出来ん。だからこそ、目の届かない場所で勝手をされることを嫌うのだろうよ」
まるで自分は体制側では無いような―というよりも、さながら他人事の様な口調と共に肩を竦めた。
「構わんよ。貴様が受け取りに来る際には、有給でも取得して面倒事からは退避することに今決めたからな」
此方と話している時の余裕。制御薬を――恐らくではあるが――製造、ないし製造の中枢に関わるもの。
その様な者が戦闘能力が低い訳がない。ならば、無益な面倒事は回避し、得られる利潤を追い求めた方が得策だろう。
「全てだ。地位も名誉も力も。認められたいという承認欲求も全て。即物的だと他者が嗤う事全てを私は求める。
……貴様も、嘲笑って構わんぞ?この点に関してだけは、我ながら愚かしい俗人であることは理解している」
風紀委員会でのさらなる権勢。常世島の体制に食い込み、父に認められたいという欲求。自身の異能や魔術を更に強く、もっと強くという飽くなき欲望。
それらが愚かで俗物的である事は理解していた。だからこそ、俗世を見下ろしている様な彼は嗤うのだろうと、僅かに自嘲めいた笑みを零して首を傾げてみせた。
■ルギウス > 「許可なんて下りるのに何百年待てばよいのやら。
悩める子羊が絶望の最中に死んでしまうほうが早い。
だって、認可するべき方々は困ってないのですから」
さも当然のように、まるで他にも観客がいるかのように大仰な仕草で喋り動く。
そして軽く腕を振るえば。
男に降り注いでいるスポットライトが明滅する。
そこに立っているのは白い燕尾服にシルクハットとステッキできめた男だった。
「では、後で本庁までいただきに参りましょうか。
大騒ぎになると思いますが、名前を出してもよろしいですか?」
ステッキをくるくると回して、ミュージカルよろしく踊る。
満足したのか、一礼して動きを止めて。
「さて、商売は需要と供給で成り立ちます。
私が情報を提供し、貴方はそれを潰すとして……貴方自身の見返りはなんでしょう?
地位?名誉?さらなる力? それとも……誰かに認められたい?」
■神代理央 > 「認可されていない薬の流通は立派な違反行為なんだがね。流通経路を把握しているのなら、此方に協力して欲しいくらいだが」
わざとらしく溜息を吐き出し、肩を竦めてみせる。
「ほう?それは知らなんだ。感謝状くらいは出してやっても良いぞ。風紀本庁まで燕尾服で受け取りに来るのならな」
感謝状を、という言葉には小さく唇を歪めて笑みを浮かべる。
尤も、次いで耳に入った挑発にはその表情を険しくすることになるのだが―
「…成る程。我々とブッキングしたということか。まあ、同僚諸氏については生きていれば良し。任務で死ぬなら本望だろうよ。
――ところで、だ。紛い物を一々潰して回るというのは、大変じゃないかね?市民が困っているというのなら、それに協力するのは風紀委員会としては吝かではないが」
任務の時程度しか顔を合わせない同僚等、死ねば残念には思うがそれ以上の感情は無い。彼等は、己が無意識に思う程の"仲間"では無い。
そして、男に至って真面目な表情を作って提案を持ちかける。
要するに、情報さえ提供してくれれば紛い物を潰す様な雑事は此方で受け持っても良いと。その代わり、見返りとして此方が要求したいものもあるのだが―
■ルギウス > 「流通元は薬の経路を完全に把握してますとも。
使用した人が何をするかなんて、関係ないでしょう?法で縛れるわけでもないですし」
いやぁ、法の番人って大変ですよねぇ と嗤う。
「わかりやすい答えで申し訳ないのですけれどね。
本家と元祖が、まがい物を悉く潰して回っているだけなんですよ。
ある意味では治安維持に協力しているんです。感謝状か金一封をもらえませんかねぇ『お 嬢 さ ん』」
一音、一音 しっかりと区切って発音する。
とても安い見え見えの挑発。
そして、爆発音にいま気がついた とばかりに言葉を続ける。
「言ったでしょう? 潰して回っている と。
その時、偶々近くに不運な誰かがいるかもしれませんが―――まぁ、関係ないですよねぇ?
同僚さん、無事だといいですね?」