2016/06/22 のログ
ご案内:「魔術学部棟情報処理室」にクローデットさんが現れました。
クローデット > 「〜♪」

昼。
魔術学部棟の情報処理室に、楽しげに設計図作成ソフトを扱っているクローデットの姿があった。

「門」の研究目的だった、門の出現予測機械の、島の「外」でも簡単に用意出来るようなモデル。その設計図を引いているのである。
コンピューター上で描く方が、何か改良点などに気付いた際のリライトが楽なのだ。

クローデット > 試作品の設計図を引ける程度にデータ収集、研究が進んだこと。
落第街で良い「玩具」を見つけたこと。
それらの両方が、クローデットの機嫌をすこぶる良くしていた。
おかげ様で、先日と今日の落差に公安委員会の受付係たる者が引いていたほどである。
クローデットも、意外と生身の人間なのだ。

「〜♪」

楽しいからか、かすかに鼻歌がこぼれる。フランスオペラ「カルメン」より「恋は野の鳥」だ。
(もっとも、スペイン民謡だと作曲家に思われていたそのフレーズの元は、スペインのれっきとした作曲家の作品なのだが)

クローデット > 魔術機構を基盤とはするが、少なくない部分が純然たる科学技術による機械で構成された、機械の設計図。
一応、魔力を動力源とする体で考えていたが…

(電力を魔力に変換する機構を組み込んだ設計図も引いておきましょう。
あまり効率はよろしくありませんが…電力で稼働し得るように見せかけておけば、「外」の方々の受けは良いでしょうし。
…獅南先生の研究が一定の成功を収めている以上、あまり意味のあることではないのですが)

動力以外の部分をコピーし、別の設計図ファイルに貼り付ける。
こういうアレンジをしやすいのも、コンピューターで作業する利点である。

ご案内:「魔術学部棟情報処理室」に浅田扁鵲さんが現れました。
浅田扁鵲 >  
【設計図を引く作業の途中、部屋の入り口からノックの音が聞こえてくるだろう。
 目を向けてみれば作務衣の男が立っているのが見えるだろう】

「……お邪魔しても良いかな?」

【出入り口に立ったまま、覗き込むようにして声をかける。
 本来わざわざ断る必要もないのだが、あまりに楽しそうな様子が見聞きできたため、無言で入るのに少々躊躇してしまったのだ。
 知った姿であったため、その様子に意外さを感じたのもあるだろうか。
 そんな浅田は、いつもの格好に肩から布のバッグを提げ、珍しく仕事中らしく見える、だろう】

クローデット > 「…あら?」

ノックの音に、扉の方を向くと…昨年度世話になった、教師の姿。

「どうぞ」

作業の手自体は止めず、出入り口の方に向かって声を張る。
公安委員会関係でもないので、特に見られたらまずいものを扱っているわけでもない。
そもそも、研究棟の情報処理室は複数のコンピュータを備えた開放式だ。研究者の中には、それを嫌って個別の端末を研究室に持ち込んでいる者も多いくらいである。

現れた人物を拒む理由は、クローデットにはなかった。

浅田扁鵲 >  
「どうも」

【そう短く答えると、のそのそと近くまで歩いてくる。
 まさか後ろから覗き込むような事はしないが、興味ありげな顔をしているだろう】

「久しぶりだな、昨年度は世話になった。
 それにしても、随分楽しげに見えたが、何をしているんだ?」

【彼女のひとつ前の席まで来れば、やや斜めに対面し互いの顔が見える位置で声をかけるだろう。
 今は浅田一人、ペットの仔竜は居ないようだ】

クローデット > 「こんにちは」

近づいてくる浅田に、品のある微笑で会釈をしながらも…作業は続行中である。
コンピュータのモニターに映っているのは、3Dの図面のようだ。
機械のようなものと、魔術文字のようなものの複合した「何か」が書き込まれている。

「いえ…あたくしの方こそ、興味深い講義が拝聴出来ましたわ」

「世話になった」と言われれば、その表情のまま返事を返す。
あの「ペット」がいないことは多少のつまらなさを覚えなくもなかったが…これだけ精密機器が多い環境だと、面倒が少なくて有難いという方が圧倒的に勝る。
流石に、研究棟の管理課に迷惑はかけたくないし。

「こちらに留学以来構想しておりました、「大量生産型の」「門」出現予知装置の、試作品の設計図を引いておりましたの。
第一号の全体図が何とか形になりましたのよ」

「ご覧になりますか?」と、ファイルをきっちり保存してから立ち上がる。
浅田が内容を見ることを望むのなら、一時的に席を譲るつもりのようだ。

浅田扁鵲 >  
「改めてそう言ってもらえると嬉しいよ」

【その品のある微笑とはとても釣り合わない、照れ隠しのような微笑を返した】

「ほお、門の出現予知。
 随分と面白そうなものを作っているんだな」

【見るかと聞かれれば、『私が見ても分かるかな』と言いつつ興味に任せて覗き込むが。
 その図面を見ても、それがどういうものなのかはさっぱり分からない。
 モニターを覗いている顔は、非常に難しそうに眉根が寄せられており、見るからに見ても分かりません、と書かれているだろう】

「……すまん、なにやら複雑そうなのは分かるが、やっぱり私にはさっぱりだよ」

【と、少ししてから情けなさそうに苦笑を浮かべて頭を掻いた。
 まあ門外漢にはそのようなもの、と言った所だろうか】

クローデット > 「ええ…今年度も特別講義が開かれるのであれば、是非後輩に勧めたいと思っておりますのよ」

クローデットは、品のある笑みを崩さない。
無論、浅田の表情の不器用さは、しっかり目に留めてはいる。しかし、それを表には出さなかった。

「ええ…この学園都市ならともかく、島の外で「門」が開くと一大事でしょう?
ですから、そういった地域でも使いやすいものを…と、ずっと考えておりましたの。
この学園の図書館の資料が、随分助けになりましたわ」

そう言って、目を軽く伏せて、口元に優しい微笑を湛える。
…なお、クローデットが主に参考にしたのは、図書館は図書館でも禁書庫の中のものだった。
…そして、浅田が苦笑いを浮かべて頭をかくと、くすりと笑んだ後…優しげな微笑を浮かべて、

「………確かに、今までの「門」予測装置とは発想も違いますもの。

「門」の発生の予兆として、世界に溢れるマナの属性の均衡の独特の崩れ方が報告されておりまして…
この装置は、その中で、特に危険度の高いパターン、頻度の高いパターンを検知するためのものなんです。
中心の魔術機構が働くことで、工業機械がマナの崩れをしっかり検知・受容する機能を保持するようになりますのよ」

と、モニターの設計図を適宜回したり、指差したりしながら説明する。
その過程で、少し浅田先生に近づいたりするかもしれない。

浅田扁鵲 >  
「そいつはありがたい。
 今年度は一応、時々開いてはいるんだが、受講者は多くなくてね」

【とはいえ少なくもないのだが、勧めてもらえるのはありがたかった】

「たしかにな。
 あまりそう、やたらにあるものじゃないが……」

【優しげな微笑を向けられれば、ぎこちなく顔を逸らすだろうか。
 そのまま説明を受ければ、図面の意味もなんとなく読み取れるようになってくる】

「なる程、この部分がその検知するセンサーになるのかな。
 たしかにこの機構なら生産も……」

【相槌を打ちつつ、自分も図面を指しながら聞き返したりなどしてみるが。
 少し言葉が途切れたのは、思った以上に距離が近づいていたからであり】

「……うん、わざわざ説明をありがとう。
 あーしかし、これが上手く行けば、ひと財産くらい稼げてしまいそうだな」

【一つ咳払いをしてみせて、礼を言い席を離れる。
 わざわざ俗な発言をするのは、照れをごまかすためか。
 治療家として患者と接するのは慣れているが、そのスイッチが入っていないときは、意外と免疫がないのだった】

クローデット > 「あら…そうなのですか。
関心のある学生は去年大方受けてしまったのでしょうかね?

「世界の捉え方」を考える上で、大変有意義な講義ですのに…もったいないことです」

「出来るだけ広めておきますわ」と、少し伏し目がちにして、どこか寂しさを感じさせる微笑を浮かべながらも、そう請け負った。

「この島ほど不安定な場所もそうありませんけれど…それ以上に常世財団の体制が強力ですから。
頻度が少なくとも、脅威の大きさとしては比べ物になりません。
…しかし、魔術や異能に依存し過ぎると、島の外ではあまり取り回しが効きませんから…ある程度、《大変容》前の技術の活躍の余地を増やしたいと思っておりましたの。

…財産は、有難いことに今もさほど困りませんので…それよりは、世界に貢献したい、という思いの方が強いですわ」

不器用に照れを誤魔化す浅田の様子に、くすりとどこか楽しげな笑みを零すが…それ以上踏み込むことはせず、適度な距離と礼節を保つ。
この教師は、あの「玩具」とは違うのだから。

浅田扁鵲 >  
「……少し持ち上げすぎてないか?」

【そんな自分の想定以上の評価に苦笑を浮かべた】

「確かに外じゃ未だに魔術も異能も浸透しきっちゃいないからな。
 なるほど、いい取り組みだ。
 ……世界に貢献したい、なあ。
 若いのに立派なもんだ」

【財産については『羨ましいな』と零しつつ。
 楽しそうに笑われれば、やはり困った顔にもなるだろう】

「それにしても、君も無邪気なところがあるんだな。
 まさか鼻歌の主が君だとは思わなかったよ」

【戸を開ける前、微かに室内から聞こえた鼻歌は、非常に上機嫌な様子だった。
 今楽しそうにしている様子にも、少なからず意外さを覚えたものだが。
 もう少しクールな、大人びた(と、成人に言うのも可笑しいが)女性だと思っていたのだ】

クローデット > 「…自らの内のオリエンタリズムを、否認は出来ませんわね。
しかし、違う世界観を知ること自体は重要に違いありませんわ」

苦笑を浮かべられればそう返し、自分の内の「偏り」を認めながらも評価自体は押し通す構えで、ついでに花のほころぶような柔らかい笑みを添えた。

「資産を有する国は、逆に異能や魔術を心置きなく訓練・研究する物理的スペースの確保が困難だったりしますものね。
あたくしの故郷も、旧来の魔術師の支援を得て何とか…といった具合ですし。

………力ある者の傲慢かもしれませんけれど、それでも手は差し伸べられなければならない、と思っておりますの」

最後は、やや伏し目がちにして優しい微笑を口元に刻む。

嘘はない。クローデットにとっては、曾祖母の理想に準じることが、世界に貢献することなのだから。

「…あら、鼻歌、聞こえてしまっておりました?」

お恥ずかしい…と少し伏し目がちにして…その表情には、珍しいことに苦笑いが混じって見えるだろうか。

「魔術に関連する探究は…当然為すべきことなのですけれど、あたくし自身にとっては趣味でもあるのです。
…父も、研究者として世界各地を飛び回って、異邦人の聞き取りなどもしながら、未知の術式を収集しておりますのよ。…それはもう、楽しそうに」

楽しそうに…それこそ無邪気に語るクローデットではあるが…
最後の一言には、感情を容易に伺わせない謎の重みがあった。

浅田扁鵲 >  
「……そうか」

【さすがに押し通そうとされてしまえば、否定するのも妙な話しで。
 彼女の表情に少し視線を泳がせつつも、許容する意の言葉を返す】

「資産があってもなくても、容易でないのはどこも同じか。

 ……力がある人間は、多少傲慢なくらいでないとな。
 助けられる者は助けたい、力になりたい。
 そう考えられるのは余裕がある人間だけで、それを実行できるのは力ある者なのだからな」

【浅田もまた、治療家として生きる事を選んだ以上、その思いに近いものは持っている。
 案外と、考え方に近い部分があるのかもしれないと思いながら言葉を返して】

「……君も中々、可愛らしい所があるんだな?」

【苦笑や、無邪気に話す様子を見て、そんな率直な感想を言葉にする。
 浅田の表情は優しげに、素直な好感を示す微笑が浮かんでいるだろう】

「しかし、君のお父さんは研究者なのか。
 君が研究熱心なのは、そのお父さんの影響なのかな?」

【しかし、そんな言葉の持つ雰囲気に鈍感な浅田でもない。
 語調や雰囲気の変化に敏感なのは、治療家としてはいい事なのだが。
 ついつい、普段の問診の調子で訊ねてしまった】

クローデット > 「資産はある程度の問題の解決にはとても強い力を発揮致しますが…資産で解決出来ない問題も、確実にございますものね。

…ええ、余裕が、力がなければ、「先」を見ることも適いませんもの。
先生にご理解頂けて、嬉しく思いますわ」

そう言って、柔らかな微笑を見せる。
白魔術を得意な術系統の1つに挙げるクローデットは、もしかしなくても浅田と近い部分をそれなりに持っているだろう。

「………楽しいことがあれば、弾んでしまうのは人の性でもありましょう?
常に隠すつもりはありませんわ。

…寧ろ、そういった面での理解者が少ないことの方が寂しいくらいですもの」

そう言う表情は、品位は失わないながらもやはり楽しげで。
この島の人間との間に一定の「壁」を設けているクローデットだが、魔術の探究だけは別なのだ。
…が、そういった側面に、父からの影響を指摘されると…少し、表情が強張る。

「………そう、なのかもしれませんわね。

あたくしが幼い頃から飛び回っていて、あまり構われた記憶もありませんので…複雑なのですが」

父との折り合いの悪さ自体は隠さない。ただ、「嘘ではない」までも、「あまり大きくない」理由を第一に挙げて、誤魔化すことにしていた。

浅田扁鵲 >  
「なに、俺も似たようなものだからな。
 ……やっぱり、患者以外から先生と呼ばれるのは、まだ慣れんな」

【やはり微笑みからは視線を泳がせる。
 今は平常運転で、相手が美人だから仕方ないね。
 浅田は女性との交流があまり多くないのだ】

「確かに、楽しいという感情はしっかり発露させてこそだ。
 君のそういう面を見れたのは、案外幸運だったかもしれないな」

【そして『今の(表情の)方がいいなあ』と呟くように零したのは、無意識だろう。
 楽しそうな相手を見るのは自分も楽しい、かつ、そういう相手は特別魅力的に見えるもの。
 もしかしたら見惚れていて、一時気持ちがあさっての方向に行っていたのかもしれない】

「そう、だと思ったんだが。
 ……なんだ、お父さんとはあまり、上手く行っていないのか?」

【それまでの楽しげな表情が印象的だったからか、その変化が大きく感じられた。
 強張った表情の理由は勿論知らないが、話しを素直に受け取って返す。
 と、聞いて返してから、相談を受けているわけでもないのに不躾だっただろうかと気にする気持ちが、分かり易く表情に出ていた】

クローデット > 「先生は、元々医療に携わっていらっしゃいますものね。ある意味パターナリズムの極北、でしょうか。
…それでも、慣れて頂きませんと。立派な先生なのですから」

視線を泳がせる様に、少しだけ悪戯っぽい表情を笑みに混ぜつつ。
それでも、純粋な「少女」とは違う、どこか大人の笑みが浮かんでいるだろう。

「魔術学部棟でしたら、さほど珍しくもありませんわ。
…いつも、こういう表情をしていられたら良いのですけれど」

「なかなかそうも参りません」と、柔らかく笑む。
呟きはしっかり拾われていた模様。

父親との関係を掘り下げられようとすれば、露骨に反応は鈍くなる。

「…そう、ですわね…あまり幼い頃に構われませんでしたし…
家を空けるせいで、父と母の折り合いも、あまり良くなかったものですから…自然と。

………縁起の良くない話で、申しわけありませんが」

そうして、軽く伏し目がちにしながら…ちらりと、一瞬情報処理室の時計を見やる。
時計の針は、気がつけば随分進んでいた。

浅田扁鵲 >  
「パターナリズムか……医療概論でやった覚えがあるなあ。
 いや、だからそう、あまり持ち上げないでくれ」

【悪戯ぽい表情にからかわれているようだ、となんとなく思いつつも。
 それがまた魅力的に見えて否応無しに嬉しくなり、反応に困る。
 まったく、美人と言うのはそれだけで随分とアドバンテージがあるものだ、なんて体感し】

「……声に出てたか?
 しかし惜しいな。
 君がいつもそういう表情をしていられれば、この学園も随分華やぐだろうに」

【微かに顔を赤くしつつ、しかしそこはもう開き直って思った事を率直に。
 言葉にしてから、まるで口説いているみたいだとショックを受けたが、それは必死に胸中に押しとどめる】

「いや、こちらこそ、少しばかり不躾だったか。
 君のような人でも、上手くいかない事は多いんだな」

【要領も良く他人との付き合い方も上手いと感じていたが。
 やはり家族となると別なのだろうか、なんて思いつつ。
 彼女に釣られるように時計を見た】

「……ああ、すっかり邪魔をしてしまったか。
 そろそろ俺はお暇しようかな」

【時間が経っていたのを見て、そう言いながら。
 前の席に置きっぱなしだった荷物を、改めて肩に掛ける。
 ここに来た用事は講義の資料作成だったが、それは別に急ぎでもなければ他でも出来るのだ】

クローデット > 反応に困ったり、微かに顔を赤くしてみたり。
年上の男性とは思えないほどの不器用な反応に、やはりくすくすと笑いを零さずにはいられなかった。
…いや、クローデットが堂々とし過ぎている部分はあるのだろうが。

「あら、この学園、あたくしに限らず「華」には随分恵まれているのではありませんか?」

楽しげな笑みを浮かべつつ、あっさりとかわした。
クローデットとしては、獅南と方向性は違うにしろ一目置くべき教師だからこそ、「異性」としての側面は押し出したくないのだ。

「…いえ…あたくしこそ、無礼があったかもしれません」

浅田に謝られれば、「こちらこそ失礼致しました」と、頭を下げた。

「いえ…あたくしの方も、そろそろ委員会の方で打ち合わせがあるものですから。

………先生は、ご結婚なさったら、ご家庭も顧みられて下さいね?」

そう言って、少し含みのある笑みを見せると、改めて設計図のデータを外付けの記録媒体に保存して、作業の片付けをする。

浅田扁鵲 >  
「……確かに、ここは随分と視線のやり場に困る事が多いな」

【さらっと受け流してもらえた事に安堵しつつ、ほんの少し残念にも思い。
 普段の学内の様子を思い浮かべて苦笑した】

「そうか委員会……確か公安だったか。
 結婚なあ、そもそも出来るかどうかが難題だとは思わないか?」

【含みのある笑みには頷き、そこに軽い自虐をしつつ笑い返す。
 結婚願望はあるし、結婚すればそういう努力はしていきたいと思ってはいるが。
 そもそものハードルが幾分か高すぎるのだ。
 そして、片づけを始める様子をみれば先に立ち去ろうと動き】

「……ああ、知っているかもしれないが、今は講義をしつつ、教室棟の隅で治療室をやっているんだ。
 だがまあ、結構暇でね。
 体調もだが、質問や相談、雑談暇つぶしでも歓迎だから、興味があったら遊びに来てくれ」

【そんな少しいい加減な調子で、付属治療室を宣伝し】

「面白い話が出来てよかったよ。
 それじゃ、季節柄体調には気をつけてな」

【いつの間にかすっかり崩れてしまった言葉遣いで言うと、またのそのそと情報処理室を後にした】

ご案内:「魔術学部棟情報処理室」から浅田扁鵲さんが去りました。
クローデット > 「ふふふ、「お気をつけ下さいね」?」

「視線のやり場に困る」という言葉には、くすくすと笑いながらも、やんわり釘を刺すことを忘れない。
一目置く教師に、何かの間違いが降って湧いたら困るのだ。

「あら?ご縁があって、きちんと「対話」が出来れば、浅田先生ほどのお方でしたらそこまで難しいことにも思えませんけれど」

ふふ、と艶のある笑みを浮かべて。
そろそろ褒め殺しが疑われそうだが、クローデット自身は客観的にものを言っているつもりだったりする。

「治療室ですか…
折角ですので、空いた時間にでも魔法薬のお話でもしに伺いましょう」

相手の宣伝を軽く受けつつ、片付けを終わらせ。

「ええ…浅田先生も、お身体にお気をつけて」

そう言って浅田の後ろ姿を柔らかい微笑とともに見送ると…
「公安委員」の顔を現して、情報処理室を後にしたのだった。

ご案内:「魔術学部棟情報処理室」からクローデットさんが去りました。