2015/06/19 のログ
■東雲七生 > ──!
(どうやら入った路地は袋小路だったらしい。すぐに壁が見えてくる。
が、少年は減速しない。
その口元に笑みさえ浮かべて、真っ直ぐ、壁へと突っ込んでいく。)
──っし。
(ぱんっ、と乾いた破裂音。それは少年の足が地面を蹴った音。
更に続けて同様に1回、2回──そして3回。
音がする度に東雲の体は宙を舞っていた。地面を蹴った後は正面の壁、続けて左の壁、そして最後にその向かいの壁。)
よしよーし、好調好調。
……んまあ欲を言えば2回の壁キックで来たかったけどなぁ。
(綺麗に切りそろえられたビルの上から、つい数秒前まで居た袋小路を見下ろす。
壁を足場にしての三段跳躍。いわゆる連続壁ジャンプである。)
■東雲七生 > 学校卒業したら軽業師で生計立てらんねえかな。
(ビルの上を歩きながらぼんやりとそんな事を考える。
最初に壁ジャンプに挑戦したのは学園に入りたての頃。
たまたま漫画で見かけたのを、“ちょっと頑張ればイケる!”と思って実行したのだった。
それからひと月ごとに回数を増やし、今では3回の壁ジャンプに成功している。調子が良ければ、の話だが。)
あー、でも今のこの身体だから出来るのかもなぁ。
もし身長が180とかなったら、流石にこんな芸当出来ねえ気がするんだよな。
■東雲七生 > ──今のうちだけ、か。
(ビルから飛び降りながら少し寂しそうな表情になる。
この学園に居られるのは普通は4年間、らしい。
まあ人それぞれだったりするらしいが、よほどの事が無ければ大抵は4年で修学するらしい。)
……まあ入ったばっかなのに出る事考えてもしゃあねえけどさっ。
■東雲七生 > さてと……。
(これからどうするか、だ。
自分の能力を試すか、それともこのまま帰るか。
来る時にはやる気もあったのだが、実際にいざやるとなるとどうしても気が乗らない。)
一応ナイフはいつでも準備してんだけどな。
■東雲七生 > やっぱ、いっか。
(壁ジャンプに挑戦できただけでも満足だった。
そもそも元々はランニング中に手ごろな壁を見つけて挑戦していたのだが。最近は苦情があって出来なかったのだ。
まあ蹴られる壁の向こう側には人が居る事もあるので仕方ない。)
また適当に走って帰るかなー……。
■東雲七生 > (ふわぁ、と欠伸を噛み殺して演習場を後にする。
グラウンドの敷地から出ると、模擬市街地は元の平坦なグラウンドへと地響きとともに戻った。
その光景を見て、来た時同様目を丸くする。)
すげえ、こんな風に変わってたんだ。
なんだろ、これも魔術とかの類なのかねえ。そういや地形変動を起こす魔術があるとか無いとか聞いた気がする。
■東雲七生 > 魔術かー……。
俺にも何か使えたら、もういっそ異能とか完全に使わなくて済むんだろうけどな。
(生憎、そんな目途は全く立っていない。
溜息を溢して東雲はその場を後にした。)
ご案内:「第一演習場」から東雲七生さんが去りました。