2015/07/10 のログ
ご案内:「第一演習場」に獅南蒼二さんが現れました。
獅南蒼二 > 彼がこの場所に居るのは珍しいことではない。
演習場全体が魔法陣と化していることも、珍しいことではない。
その光景はあまりに異様だが、彼を知る者にとってそれは、日常の一部である。

「…………………。」

入口には、もちろん立ち入り禁止の札を立てておいた。
だが、施錠はしていない……まるで、好奇心に駆られる者を呼び寄せるかのように。

「…………………。」

魔法陣の中央で、白衣の男は何事かを呟く。
光が魔法陣を伝って地面に広がり…蔦が伸びるように、魔法陣が広がっていく。

獅南蒼二 > 魔法陣はまるで意志を持っているかのように広がっていく。
だが、それは、魔法を発動するための魔法陣ではない。

魔力の流れを視覚化できる者であれば、奇妙な事に気付けるだろう。
魔法陣は魔力を消費して事象を発現させようとしているのではない。
空間の事情を消滅させて、魔力を蓄えている。

つまり、音、光、風、熱、その他さまざまな事象を、魔力的なエネルギーに変換している。
……魔力版のソーラーパネル、と言ったところだろうか。

獅南蒼二 > 意外に思われるかもしれないが、これはあくまでも小規模な実験である。
魔力を吸収し貯蔵する術式と魔具は完成したが、それはあまりにも効率が悪かった。
だからこそ、別の可能性に視線を向けてみたのだが……。

「この広さでは、効率が良いとは言えないか。」

差し込む月光が弱いこともあり、変換率は決して良好とは言えなかった。
術式を展開するために消費した魔力を回収するので、やっと、といったところだろうか。

この魔法陣の上で、大魔術師が魔法合戦でも繰り広げてくれれば、2秒で元が取れるのだが。

獅南蒼二 > 理論は間違っていないはずだ…事象を消滅させる術式に、魔力化し吸収する術式を組み合わせ…黒曜石の貯蔵システムと接続する。
満月の夜にこれをグラウンド全面にでも展開すれば、無尽蔵の魔力が手に入る……はずである。
もっとも、まだ研究中の術式や、触媒とした水晶の粉、それから黒曜石がそれに耐えられるかどうかは分からない。

「オーバーロードでも起こせば、この島ごと吹き飛んでしまうな…。」

楽しげに笑いながら、空を見上げる。
綺麗な三日月が、雲に半分以上その姿を隠されている…あの雲さえ、動いてくれれば。

獅南蒼二 > ほんの僅かずつでも、魔力は徐々に蓄積されていく。
暫くそのまま立っていれば、術式の展開のために消費した魔力を回収することには成功した。
ならばそれでプラスマイナスゼロかというと、そうでもない。
小規模ではあるが、この術式の展開のために、水晶の粉を大量に消費している。

金額にすれば、この100倍の魔力を持った魔術師を雇ってもお釣りが来る額だっただろう。
もっともこの男は金銭になどさほど興味は無く、そもそも全て経費で落ちるのだから問題ないのだが。

ご案内:「第一演習場」から獅南蒼二さんが去りました。