2015/07/27 のログ
ご案内:「第一演習場」にコゼットさんが現れました。
コゼット > 「はい、集合ー。」

ホイッスルを高らかに鳴らして生徒を呼び集める。
今は元素魔術の実技授業中。
天気はこれでもかと言う位に晴天である。故に、暑い。

「それじゃあ、渡した細い紙を頭と腕、そして足に巻いてね。
それを水魔術を使って破り合います。術式の種類は問いません。時間までに相手のそれを全て破るか、多く残ってる人が勝ち。」

勉強する姿勢があったとしても、こうも暑いとやる気が削がれてしまう。
そこで思いついたのがこの授業。遊びながら魔術の実技が行え、更に涼めるという正に一石二鳥の実技である。
外に出ると聞いてあからさまに嫌そうな顔を浮かべていた生徒達もそれなりにやる気が出ている。狙い通りである。

コゼット > 「それじゃあ二人組み作ってー!」

授業を受ける間で仲の良くなった生徒達はすんなりとペアを作る。
しかし、全員がそうゆう訳にもいかない。中には上手く馴染めず、そこまで仲良くない人も居れば未だに誰と組もうか迷う者も居る。

「作れなかった人はこっち着てねー、アミダで決めるから。」
勿論その点は抜かりない。
縦線が沢山掛かれた紙にあぶれた生徒達の名前を書き、スムーズに二人組みを作っていく。
正直な所、ここで時間を掛けては何時まで経っても実技を行えない。日差しは待ってくれないのだ。

コゼット > 「等間隔に広がって。えー、ああ、貴方達はもう少し向こう側へ。
体調悪い人は早めに申し出てね。水分補給はしっかりと。──あー、魔術で作った水は飲んじゃダメよ。
それじゃ、始めッ!」

合図と共に、一斉に生徒達が己の相手に向かって水魔術を撃ち合う。
誰にも邪魔されずに詠唱は出来ても、襲ってきた相手がそれを待ってくれる事はまず無い。
相手の攻撃の合間を縫い、最適のタイミングでそれを放つ訓練。
只の水の掛け合いなら遊ぶだけになってしまうが、これなら怪我もし難いし、何より涼しい。

突然飛んできた水魔球をさっと避ける。
「はいそこ!もっとしっかり狙って!どうしたらこっちに飛んでくるの!」
二人してこちらを見ていた方に喝を飛ばす。

一人一人に目を通す。
中には上手く魔力を紡げずに防戦一方になる者。
力の具現化こそ出来るものの、それは不十分でまるでちっさい豆粒のようなものを撃ってる者。
いつの間にかタッグ戦に発展している者達と様々だ。

コゼット > 一帯はあっという間に水浸し。
それでも生徒達のやる気は十分に引き出せたと思う。
こんな炎天下の中で炎属性の実技なんてやった日には保健室に運ばれる生徒が後を立たないだろう。

中には勝負そっちのけで自分を狙ってきた生徒も居たが、適当に避けるなり同じ術をぶつけ返すなりしてやり過した。
ある意味魔術を使ってくるだけマシかもしれないが、これを許してしまうと今後も何か企むかもしれない。後で叱る事にする。


そんなこんなで暫くして、おおよその勝負に決着が付いたようで。
当然だが生徒達もずぶ濡れである。だが、表情は始める前よりも良いように感じる。
一部を除いては成功したと言えるだろう。

「はい、お疲れ様。ちゃんと身体を拭いて更衣室で着替えてから教室に戻る前に。」

コゼット > 「それじゃあ解散!」

今日のデータをメモに取る。メモを取っている最中に不意に背中から水が掛けられた。
振り返ると、さっき自分を狙っていたあの生徒達がヤバイと言わんばかりにすたこらと逃げていく姿が見えた。
あのやろう。
お叱り追加が決まった瞬間である。

大方纏め終わり、まだ演習場にまばらに生徒達が残っている中、コゼットはをそれをパソコンに纏めるべく一足早くその場を後にした。

ご案内:「第一演習場」からコゼットさんが去りました。