2016/01/19 のログ
リビドー > 「ふむ。そうかい。」

 悔しさが見て取れる。聞き取れる。
 戦闘に身を置かないであろう彼女にしてはとも脳裏に過るが、慰めの言葉にはならなさそうだ。

「判断も操縦も今の所は十分。驚いたよ。
 "人"や魔物を相手取るとなると相応の戦術も必要かもしれないが、まあ後だ。
 瞬間的にならば、キミはキミが知っていて、もしかすれば憧れている様な戦史の英雄に匹敵するものは有ったとボクは思う。
 流石は読み込んでいるだけのことはある。だけどそれが続かない。見事な判断が出来ても身体と頭が追っつかないのは実に惜しい。」

 あれだけ考えて動かせるのだからこそ、有利を得る/活路を開くための積み重ねを作る時間が欲しい。
 だからこそ――30秒で調子を崩してしまう持久力が実に惜しい。

「実戦を前提に考えるのならば、もう少し精度を落としてでも良いから最低5分……出来れば精度を落としてでも十五分は欲しい。
 キミは頭が良いし、読み込んだものから戦術のヒントを得て動ける所は有ると思う。
 だからこそ、活路を見つける為の"時間稼ぎ"を行う意味でも粘れるに越したことはない。
 ……と、疲れている所に長々と語ってしまったか。すまないね。」

蔵田 怡与 > (先生の、やはり落ち着いて淡々とした言葉に、徐々に頭が冷やされていくのを感じる。
自分でも思っていたより、頭に血が上っていたようだ。
一度、深く深呼吸をし、先生に向き直る。)

「…ありがとうございます。もったいない、お言葉、です。
 わたしは……この能力を使っている、瞬間だけでも……大空の侍たちと、一緒に戦っているような気が…します。
 それは……とても、嬉しい、言葉です。」

(照れたように一度頭を振ると、顔を上げる。)

「いえ。…ありがとうございます。目標が…できました。
 あの… 零戦を1機、ただ直掩させるだけであれば、半日くらいは、持ちます。
 数が増えれば、消耗が、増えます。
 …別の種類の機体も混じれば、もっと消耗します。
 それで……なにかを狙ったり、攻撃したりをすると、ただ飛ばすことの倍は消耗します。
 わたしは…素の体力が、足りません。」

リビドー > 「……ふむ。数やアクションで飛躍的に消耗するか。
 技術に秀でていても資源が乏しい辺りも似通っていると言うべきか、何と言うか。
 となれば、体力を鍛え上げながらも"消耗の少ないアクションや戦術"の吟味も必要だな。
 武術や剣珠で言う所の無駄の無い身体捌きとか、その辺りだ。」

 無駄は省いて良いものならば省き、コストパフォーマンスは優れているに越したことはない。
 ……彼女にとって、リソース配分も大きな課題になりそうか。
 彼女も立てる程度になるまでは回復したと認識すれば、向き直った彼女に笑みを返した。
 穏和そうな表情と、変わらない涼しげな調子の言葉だ。

「とは言え、これも体力と併せてキミが考えるべき課題かな。
 何せキミの異能だ。キミが一番分かるだろう。アドバイスぐらいは出来るかもしれないが……さて、今後はどうするかい。
 短時間ならば合間合間で鍛錬を見る事は出来るし、腰を据えて見て欲しければ連絡を入れてくれれば応じよう。」

蔵田 怡与 > 「はい。…これも、戦闘機の性質に、似ていると思います。
 零戦と紫電改では、求められている能力も馬力も全く違うので、同じ戦場に出すのは、難しいです。
 ただ、お腹が空くだけなら、わたしが携帯食料でもかじっていれば、いいのかもしれませんが…」

(しばし考え込み)

「そう、ですね。……自分で、考えてみます。
 機体のチューンナップみたいなことも、できるかもしれません。
 やり方は…これから、探してみます。
 すみませんが…少し、時間を、下さい。
 体力づくりをしながら、リソース配分の方法を、考えます。
 …行き詰ったら、助言を、お願いするかも、しれません。
 そのときは、どうか、よろしくお願いいたします。」

リビドー > 「ふむ。"戦闘機の概念"を敷いている以上、良さも悪さも性質として現れている訳か。
 ざっと観察させて貰った限りは、そんな風に思えたよ。
 それがキミが持つ"戦闘機のイメージ"に因る所も大きいものなのか、それ以外んの何かは分からないが……」

 "彼女のイメージする戦闘機"として性質が現れているのか、
 "概形となる戦闘機の概念"が何処かに存在し、参照しているのか。、
 流石に其処までは容易にわかるものではない。

 続く与太話を飲み込んでから、一つ頷き。

「ああ。それが良いだろう。
 正直な所、ボクがアドバイス出来る所もあまりないからな。
 接近時の護身を教えるにしたって、もっと体力が付いてからの方が良いだろう。
 となると、そうだな。これは一旦返すとしよう。キミの個人情報でもあるし、必要が無ければ持っておく事もない。」

 口には出さないが、必要な部分は大体頭に叩き込んでもある。
 いずれにせよ、レポート用紙を返そうとするだろう。

蔵田 怡与 > 「…はい。ありがとうございます。
 その、海外の戦闘機や、現代戦闘機を出そうと試していた時期も、あります。が、やはり、ダメで…
 わたしの、個人的な嗜好、かつ、わたしが認識、学習している範囲内の性質が…具現化、している…というような、感じに、思えます。
 機体の構造も含め、今後、分析して、いきます。」

(先生の言葉に頷き、よりシステマティックな部分にも関係しているのかもしれない、という点を述べる。)

「…あ、はい。わかりました。では…今後も、計測は続けます。
 ……今日は、本当にありがとうございました。
 その…すごく、勉強になりました。
 特訓を、初めて、できたような気がします。」

(レポートを受け取り、深々と頭を下げた。)

リビドー >  
「恐らくはその方面だろう。ボクもおおまかにだがそう判断したよ。 
 "そうでない"となると、魔術か、あるいは特異すぎる異能になってしまう。
 それはあんまり"宜しくないものだ"。少なくても、ボクにしては。
 ……万一、その手のものに遭遇したら教えてくれると有り難い。」

 蟀谷(溜息)を手のひらで抑え息を吐き出す。
 先ほど見せた以上に、濁した口ぶりだ。

「と、変な話をしてしまったな。
 なんにせよ、キミの為に成れたのならば幸いだが……
 ……帰宅出来ない程の疲弊と言う訳では無さそうだし、一人で帰れそうかい。」

蔵田 怡与 > 「…その手の…
 はい…わかりました。もし、引っかかるようなことが、ありましたら…すぐに、ご報告します。」

(言葉を濁す先生の姿をやや怪訝な面持ちで見つめる…が、どうしても深く突っ込んではいけないように思え、特に問いかけるようなこともせず)

「はい。とても、助かりました。
 一人で、帰れます。大丈夫です。
 片付けは…明日、手伝わせてください。その、まだ作業が残っていれば、ですが…」

(などと言いながら、置きっぱなしだった荷物を肩にかけ、再度、深々と頭を下げた。)

「本当に、ありがとうございました。
 ……では、失礼します。」

(そういうと、心持ち重たいような足取りで、歩み去っていく)

ご案内:「演習施設」から蔵田 怡与さんが去りました。
リビドー > 「それには及ばんよ。……ああ、また会おう。」

 去った彼女を見えなくなるまで見送る。
 そうしてから一息ついてみせ、周囲を見渡し――

「……さて、帰ったか。
 取り敢えず、土と水だけ片付けるか。後はゆっくりで好いだろう。」

 "風"を巻き込む様に指を弾き、鳴らす。所謂フィンガースナップだ。
 風を介して岩山を含む土と池としての水に触れる。……それらは全て土へと変化し、グラウンドを平らに均す。

「……ふぅ。後は手動だな。」

 言葉の後にゆっくりと歩き出す。
 ……的やダミー、そして無人機の残骸を回収し始めた。

ご案内:「演習施設」からリビドーさんが去りました。