2016/02/19 のログ
ご案内:「訓練施設」に紫崎衿沙さんが現れました。
■紫崎衿沙 > 異能の発動が器物損壊や怪我などの事故に直結しやすいこともあり、
普段から使うことは少ない。
そのせいか、先日の実習において「制御が大雑把すぎる」との評価を受け、暫くの間、自主訓練を義務付けられた次第。
鉄製の野球バットを片手に現れた少女は、バッティングセンターとほぼ同様の機械が
設置された一角に向かい、装置を起動させる。
「…なんでこんなもん用意されてんだ?」
手にした鉄製のバットは、通常の人間が扱うには重すぎる代物。
これを使い、訓練用のボールを壊さぬよう打ち返せ、というのが課題で。
壊したボールは全て弁償だぞ、なんて言われたものだから、その顔はとても真剣だった。
■紫崎衿沙 > バットを握り、徐々に異能の力を解放していく。
初めはずっしりと重みを感じ、片手では持ち上がらないそれが、
少しずつ軽くなっていくのを感じる。
事前に確かめた通常のバットと同じ感覚で持ち上がるようになったところで、
バッターボックスへと立ち、バットを構えた。
「―――ほっ!…あれ?」
ボールを壊さぬよう気をつけて、力を加減してバットを振る。
が、結果は空振り。
そもそも野球の経験などほとんどないのだから、当然の結果とも言えた。
「壊す壊さない以前の問題じゃねーか…よっ!」
続いて、2球目も空振り。
身体能力は高く、スポーツには自信があるつもりだっただけに、とても悔しい。
まず当てられるようにならなければ意味がないと、異能を解除し、
通常のバットに持ち替える。
その後もバットを振り続けるが、びっくりするほど、掠りもせずにいて。
■紫崎衿沙 > 「おかしい…こんなはずじゃねえ…」
20球ほどバッドを振ったものの、全く当たる気がしない。
一度装置を止め、苛立つ気持ちを落ち着かせようとして。
「もっとこう、ボールを見て鋭く…」
その場で素振りを開始する。
初めは不格好な素振りも、繰り返すうちに、持ち前の勘の良さで
徐々に形になってきて。
■紫崎衿沙 > 「うっし、もう一度…!」
再び装置を起動し、バットを構える。
飛んでくるボールは100km程度、見えないスピードではない。
意識を集中し、ボールから視線を逸らさないようにして、バットを振る。
カツン、という軽い音と共に、ボールはあさっての方向へと転がっていき、
「うお、当たった…!」
決して綺麗な打球ではなかったが、とにかくバットに当たったのは進歩だ。
その後も繰り返しバットを振り続けるうち、徐々に打球は前に飛ぶようになってくる。
気付けば、訓練そっちのけでバッティングを楽しむ少女の姿があったとか―――。
ご案内:「訓練施設」から紫崎衿沙さんが去りました。