2016/05/11 のログ
ご案内:「演習施設」に真乃 真さんが現れました。
ご案内:「演習施設」に松渓つばめさんが現れました。
真乃 真 > …ところ変わって演習場。広いドーム状になったここは十分に大規模な魔術を行使するスペースがある。

「さて、準備運動は済んだかい?準備運動しとかないと怪我するかもしれないからね。」

膝を屈伸させながら問いかける。

「いやあ、ここで人とやるなんて久しぶりだからなんかウキウキしてくるね!」

松渓つばめ > 「そうねー、あたしも人間相手は久しぶりでちょっと心配かも、
って大丈夫か猛獣は猛獣で保護協会とかウルサイし」

少し物騒な事を言いながら伸びを一つ。
「そういえば、名前。あたし松渓つばめー、って言うんだけど。お兄さんは?」
バッグのわきにしゃがむと運動着上下を取り出しぺぺっと脱いで、着替えてしまいます。
下着はシャツでほんのり桜色だが一切関係無いッ

大切なのはバッグから水入りのペットボトルを出したこと。
それと、制服のスカートからデコったライターをハーフパンツのポケットに忍ばせたことなのです。

「大丈夫。ニライカナイ行く前ちょっとジョグってたの」
スッと気配が変わる。構えは無い…

真乃 真 > 「猛獣…。保護されるような猛獣と闘ってたのかい?凄いな。」

普段何してるんだろうこの子は…。

「僕は真乃真。よろしくね松渓さん。」

ふと、何かをポケットに入れたのが見えた。
手に持ったペットボトルは異能かあるいは魔術に使うものか?
そんなことを考えながら肩をぐるぐる回す。

「準備はできたみたいだね。じゃあ、あのタイマーが0になったらスタートだよ。」

短距離走の選手のようにクラウチングスタートの構えを取ってそれを告げる。
あらかじめ設定しておいたタイマーがカウントを進める。
5、4、3、2、1…

松渓つばめ > 「オーケイ、真兄さん、よろしくゥ」
0で異能が発現する。ふわんと両腕から彼女の肌と同じ色をした霧のようなものが、二人を結ぶ線に沿って飛び出す。
娘がニヤリとしたのが確認できるか否か。早撃ちガンマンさながらに取り出したオイルライターを着火。

開幕から焼夷弾攻撃である。炎は粉塵を伝って、細く、しかし火傷には十分熱く、征く。

「フフッ…♪」
そして右足に力を込めていた。炎の道を右に見て、突撃のつもりだ。

真乃 真 > 0になると同時に一気に距離を詰めにかかる!
相手がどのような攻撃を持っているか分からない今は一気に自分の射程に持っていく!

「な!?」

進行方向に迫る火炎。これが少女の異能だろうか?
これには出鼻を挫かれた。自らの異能を用いて体をずらして躱す。
躱したところに向かってくる少女を迎え撃つべくさっき見えた霧のようなものに注意しつつ
首に巻いていたやけに長いタオルを片手で振りぬき迎え撃つ。
このタオルはただの布ではない。もしこれが当たるなら鉄で打たれたような衝撃を受けるに違いない!!

松渓つばめ > 人間は多くが左足を利き足とする。咄嗟に左右どちらへ走るか迫られた場合、右へ走るように筋肉ができている。
故に、自分は左へ走り正面衝突を望んだ。ただのタックルであっても魔術の力――自身か近くにある何かの「慣性を操作する」ことで、最悪トラックがぶつかるくらいの威力ともなり得るからだ。
もちろんそこまで強くぶつかると自分もタダでは済まないので力は加減するだろうが。

しかし
「ッ、とわっ!」
横薙ぎのタオル。無視しても良いわけではない。何しろ互いに手の内を知らない二人。
伸びて巻き付かれたら即決着すらある。
だから翔んだ。自身の前進する慣性を「大きく弱化」し、自動的に跳躍の負担を軽減。
飛び越えた。前方への速度は随分落ちたが、それでも体当たり攻撃それ自体は失敗に終わっていない。

「それっ!」さらに速度の低下は新たな攻撃の布石ともなった。水だ。ペットボトルを走りながら開けていたのだ。
彼女の異能を喰った水が彼女自身よりも先に飛びかかる。先に数滴地面に落ち、踏んだら滑りそうな感じになった。靴に当たれば危険だ。

真乃 真 > 「君の異能は大体分かった!炎を飛ばす異能だろ?」

手に持ったペットボトルの存在も気になる。戦いの最中に飲むための水であるのかもしれないが…。
ブォンと音を立てて空振ったタオルを身体の近くに退きつける。

「躱したね!だけど!」

速度が落ちた相手に攻撃を当てるのは容易い。
相手が飛ばした水も後ろに半歩下がって躱した。

「今度は躱せないだろって…うおっ!?」

居合いのような構えを取って半歩足を踏み出すと何かにゅるりとしたものを踏みつけて攻撃のための姿勢が崩れる。
しかし、姿勢を崩している中でも真の眼は少女の動きを見続けている。
近くに来るのを待つように。

松渓つばめ > 「ちょーっと違うわ!
炎を飛ばすなんて大層なものじゃない、粉が出るだけって話!」
かなり楽しくなっている。が、それがためにミスを冒していた。ぬるぬるの水を飛ばす時、自分の「慣性を戻すのを忘れていた」のだ。
おかげで水を投げた反作用によりさらに速度低下。彼の数歩手前で着地に至る。
でもそれなら「格闘っ」広げた手で投げを狙う。型のように転ばせて顔面ピタリが決まれば勝ちと自分で定めて。
そして並列攻撃が彼女のスタイルである。五行術。属性の関係により超常を起こす。
選ぶは『水生木』。ずべった足元に木行の雷。静電気程度の力だが、己の動きを通すのなら耐える他ないだろう・・・!

真乃 真 > 「なるほど。じゃあ、この滑る水もその粉の力なんだね。」

いつの間にか時間を巻き戻したかのように居合いの姿勢で立っている真乃真。

「ああ、僕の異能も教えておくよ。僕の異能は自分のポーズを変えるだけのちょっとしたものさ!」

足にバチリと来る痛みを無視して再び足を半歩進め数歩先の相手に対し
タオルをまるで鞘から刀を引き抜く剣士のように振りぬいた!

松渓つばめ > 「崩れた、フリ……ッ!?」
そう、獣は己の力を以って敵を叩き潰す。だから優位を示し続ければ良い。
だが人は――

『木生火』否。火術が使えぬ故のライターだ。『金克木』否。雷はもう散り存在しない。水に異能をまぶし受け止める。手元には足りない。
攻撃に対して殆ど何もできない。命を賭けた闘いならば兎も角も、演習としては敗北だ。だから最終防衛ラインに冴えを見せた。むしろ笑みは強く。
すでに何度も見せた技、自分の『慣性を殺しきり、ダメージを』

「うっわぁぁぁ!?」

ふっとばされるつもりだったのだ。だが、タオルが体操服に見事に引っ掛かってしまった。
タオルにひきずられる。目の前が真っ白になる。居合い抜きの動作により持ち上げられた服で。
「ちょ、ダメ、苦しいって参ったって!」

これは格好悪い!格好わるいぞ!

真乃 真 > 「違うね!確かに崩れたけど立て直したのさ!」

普通勝負の最中に姿勢が崩れればそれはすなわち相手にチャンスを与えることに他ならない。
その、チャンスに迫った相手を討つ。異能が知られてない一回目だからできた戦法だ。

「だ、大丈夫かい…?」

なにがどうしてこうなった、タオルが見事に絡まっている…。

「と、とりあえずタオルは外すね。」

真が異能を発動するとタオルはいつものように真の首に巻かれており無駄にかっこいいポーズをとっていた。
そしてそこに残された、捲れた服で顔が隠れている倒れた?少女が一人。無駄にポーズをとっている男が一人。

今ここで誰かがこの場を見ても何があったかは分からないだろう…。

松渓つばめ > 「はぷう。やっられたわ・・・切り札は最後までってこと?」
炎、逃げるであろう方向への追撃、足場崩し、電気ショックと最初から全て『崩し』。だが異能を見せないことで最後まで誘い切ったか。
ふうう、と仰向けで考える。
彼は崩しを無効化できる――崩れない相手だと知っていたら、勝てるだろうか?と。

「う~、あたしに課題が出来ちゃったか、これは」起き上がり、背中を払った。
「ヘンな異能。でも真兄さん相当強いでしょ」
数秒の凝縮。力の『規模』を武器にする者はついてこれない事もある。そこに敬意と、「お手合わせありがとね」と。

真乃 真 > 「いいやたまたまだよ!それに、地味に使ってたんだよ地味に。例えば初めの攻撃を避けるときとか!」

そんな組み立てかたをする余裕なんてなかった。
あの距離から炎の中で見極めるのは至難の業だろう。

「いや、それでもこっちもギリギリだったね。もし、最後の一撃防がれてたら一気に不利になってたしね。」

例えば距離を取られた時点で真に攻撃の手段はない。
その意味でも攻撃力不足、そして遠距離攻撃手段の確保は大きな課題である。
人間相手ならこのタオルぶんぶんでも決定打になるが人外相手には大分つらい。

「うん確かにただ、ポーズが変わるだけの異能だからね。ああ、ありがとうちょっと自信がついた気がついたよ。」

風紀委員の上位に立つ連中の強さも知ってるし犯罪組織の凶悪な連中の強さも知っている。
それでも謙遜せずに礼を言う。

「こっちこそ、おかげで何か掴めそうな気がするよ。」

松渓つばめ > 「そお?ちょっとでも力なれたなら良かったかな、ホント」

ポーズと一言に言っても色々あるだろう。それを考えたら……まあ、それは彼自身も気づいていることか。

「さてと、どうしよっか。もうちょっと汗流してシャワー浴びてく?」くるりと振り返って――

ご案内:「演習施設」から松渓つばめさんが去りました。
真乃 真 > 「ああ、もうひと試合お願いするよ。」

ポケットから短杖を取り出す。

「今度はこれを使わせてもらおうかな!」

そういって構えを取るのだった。

ご案内:「演習施設」から真乃 真さんが去りました。
ご案内:「演習施設」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
ほとんど毎日通っている気がする訓練場。
本日は刀を脇に差したままである。

「……ふむ……」

手元の携帯端末をぱたぱたと叩いて、設定を書き換える。
巨大な魔獣を模した仮想敵を設定する。

勝利条件、魔獣への多大なダメージ。
敗北条件、ダメージの大小問わず被弾一回。

す、と視線を上げる。
体長8メートルはあるかという巨大な獣。
を、模した幻影がこちらを狙っている。

寄月 秋輝 >  
巨大な爪が振り下ろされる。
筋肉の挙動を見極め、第二撃の無い方向へ『飛翔』する。

同時に三つの大魔術を体内で組み始めた。

(……やはり常駐魔法を除くと三つが限度か……
 多少構築は早まったが……)

もともとの世界で空戦を担当する『魔法使い』として上位に居た秋輝にとって、これは大きな足かせであり、屈辱でもあった。
飛行、身体能力の強化、大構築を必要としない小型の射撃及び照射の魔術。
それらのリソースを差し引いて、三つが限度だ。
構築する余裕も、魔力的猶予も。

魔獣の振られる尾を直下に、落下するより早く飛翔することで回避、両腕と両足の四本で着地と同時に、全身のバネを利用してそれより早く真上へ飛翔。
同時に、そこを薙ぐように爪が振られた。

寄月 秋輝 >  
ただ、いくつか利点もあった。
一つに、魔法媒体としても扱っていた刀を通さなくても、単独で構築できるようになったこと。
これは世界を移動した副作用の一つか。

振り下ろされる爪に、手を上にかざす。
そこに金色の魔力盾が現れ、すさまじい音を立てて防ぐ。
この威力を防ごうと思うと、魔法構築を二つ停止させる必要があるが、被弾しないことのほうが大事だ。
それをシールドそのものを逸らすように爪を落とさせ、体勢を狂わせる。

第二に、当時はかけられていたリミッターが存在しないことだ。
自分を鍛えた上司にあたる人物の許可が無ければ、普段の三割程度の能力しか引き出せなかったが、今はその制約が無い。
これは魔力だけでなく、脳内の筋力リミッターを自由に外せる秋輝にとっても有利に働いていた。

(もっとも、こんな生き方をしてたら長生きできないだろうな)

ぼんやり考えながら、一つ目の魔術構築を完成させる。
残り二つを構築しながら、両手の爪を振り下ろす攻撃を受ける。
それには体を逸らし、逆に爪へ。正しくは爪と爪の間へと飛び、すりぬけて回避する。

寄月 秋輝 >  
「スターバースト」

右手を振るい、構築の必要もない程度の魔術を発動する。
三つの光のビットを生み出し、そこから細い光の柱が放たれる。
魔獣の目と鼻を狙って光が飛び込み、その目を焼こうとする。
が、相手も獣、瞬時に察知して回避する。

すぐに二つ目の大魔術の構築が完了した。

「さて」

少し高く浮き上がり、巨大な魔法陣を背後に展開する。
魔獣もそれに危機感を覚えたか、大きく飛んで爪を振るうが。

「レディアントブレード・ゾディアック」

十二星座の名を冠詞として名付け、十二本もの巨大な光の刃を発生させる。
停滞、一瞬でロック。そこから高速で降り注ぐ。
空中に浮いた魔獣に往なす術は無く、両の前足と胴体に刃が突き刺さり、地面に思い切り張り付けられる。

寄月 秋輝 >  
三つ目の大魔術の構築を終える。
 
悲鳴を上げ、光の刃に噛みついて抜こうとする魔獣。
背中に新たな魔法陣を展開し、指をさす。

「ブリリアントバインド」

光の帯が、まるで拘束着のように魔獣を包み込む。
口を押さえ、声を上げることもなくなった対象を見下ろす。

慈悲の欠片も無い瞳。
そのまま指を上に向け、巨大な魔法陣とともに最後の魔術を発動させる。

「穿て、太陽の穿槍」

直径三メートルはあるような巨大な光の槍。
それが真っすぐに叩き落とされる。

それは何の苦も無く魔獣に突き刺さる。
さらに内側から魔力を炸裂させ、粉砕する。

仮想敵はこうして消滅していった。

寄月 秋輝 >  
ゆっくりと地面に降り立ち、データを確認する。
威力は十分。もともと発動数に限界があっただけで、威力自体は落ちていなかった。

魔力残量。
飛行、身体強化、三発分の照射、シールド、大魔術三つ。
それらを経て、およそ30%。

この残量ならば十分と言って差し支えない。
元空戦担当の魔法使いがたった三発で息切れ、というのもかなり残念な話だが。
あの頃の膨大な魔力はどこへ行ったのやら。
ヤツに食われたわけではなければよいのだが。
あるいは、世界を隔てた結果の適応の問題ならば、それも仕方がないというべきか。

「まぁ、結果は上々か。
 十分切り札としては機能する」

当時は剣術は魔法戦の切り札……射撃や砲撃を行う魔法使いに対して、接近を可能とするというアドバンテージとして存在した剣術だが、今や立場が逆転してしまった。
いや、逆ではないかと思い至る。
異能というものが存在するこの世界で、剣術によるアドバンテージを生かしつつ、結果として魔術が生かせるならば、それは今までのスタンスと変わらない。

寄月 秋輝 >  
「さて、あとは……」

演習場の全データを削除する。
一応は切り札に属する技術でもある、見返せないようにしたい。

(なんてね)

別の思惑もありつつ、データの削除を終えた。

魔術の使用法は多岐にわたる。
大規模の先制攻撃、接近戦のアクセント、切り札としての最終兵器。

「……よし、帰るか」

当面の心配はこれで問題ないだろう。
一度も抜かなかった刀を携え、立ち去った。

ご案内:「演習施設」から寄月 秋輝さんが去りました。