2016/05/19 のログ
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 何とかウサギから元に戻れた七生は、今日は学校で制服と学生証を回収した後、訓練施設を訪れた。
ウサギになってしまった理由はさっぱり分からない。
話に聞いた限りだと、昨日、例の教室で使われていたのは炎を生み出す魔術で、対象を変化させるものではない、との事だった。
確かにやたら焦げ臭かったし、熱も感じたのでその通りなのだろう。

「……だったら、何で俺ウサギになんかなったんだよ……。」

むすっとした顔で私服姿のまま、制服その他の入った紙袋を片手に施設内をぶらぶら歩いている。

東雲七生 > そもそもウサギから戻れた理由も曖昧で、七生としてはどうもすっきりとしない。
ただ、耳が残ってるとか、足の裏に毛が生えてるとか、そういった後遺症が残った訳でもないので気にしても仕方ない。
目が赤いのは元からだ。

「……ま、いーか。折角戻れたんだ、ちょっと体動かしてこーっと。」

実のところ、外見的な後遺症は無いものの、まだウサギの時の感覚が抜けていない。
道端のタンポポがやたら美味しそうに見えたりする。

東雲七生 > さて、何をしよう。
空いてそうなエリアを探してきょろきょろする姿は少し不審に見えなくもない。
万一女子更衣室などあればあらぬ疑いを掛けられても致し方なし、といった態だ。
でも大丈夫、女子制服も、何なら下着だってもう見慣れてるからね!

……いや、見慣れてても不慣れだから昨日気付いたら学生通りに居たわけで。

「……異能の、訓練するかぁ?
 あ、そーいやフィアドラに見せる約束したっけ……」

なんか準備しとかなきゃな、と独りごちる

東雲七生 > 結局行きついたのは馴染の多目的ルーム。
施設の奥の方で、目立たない。七生のお気に入りの場所。
目立たない、人目にあまりつかないというのは、七生にとって凄く重要だ。
特に最近は数時間かけて武器を眺めまわしたりもしているので、
武器眺めて自傷する、という危ない人極まりない状況なのである。

「──だから自分の異能嫌い。」

そんな悩みは、あんまり他人には理解されない。

東雲七生 > まあ幾ら嫌おうが自分の体の中にある物は仕方ない。
七生は室内に入ると、紙袋を部屋の隅に置いて大きく伸びをした。
思えばウサギ状態から戻って初めてのんびり出来る気がする。
朝、人間に戻った事を確認した後は私服のまま学校に行き、授業を受け、制服と学生証を回収し、
事情説明を受けて、昼飯を食べ、授業を受けて今に至っている。
一日徹して何だか慌ただしかった。

「ん~……んっ。 ふー、さーてそれじゃあ適当に何か……」

いつもの様にナイフを取り出そうとして……
服のポケットにも、荷物の中にナイフが無い事に気付いた。

東雲七生 > 「………」

どうしたものかと、宙をさまよわせた手をそのままゆっくりと下ろした。
七生の血液操作は体外に出た自分の血液でないと意味が無い。
故に、自分自身を出血に至らせないとならない。

「……ナイフの返却は、また別の申請かー。」

一応皮膚を噛み切って血を出すことも出来ない事も無いが。

あれは痛い。凄く痛い。漫画とかでよく平気でぽんぽんやれるなと思うくらい。

ご案内:「訓練施設」に松渓つばめさんが現れました。
東雲七生 > ウサギになった時の名残で歯とかそのままになってないだろうか。
そっと前歯に触れてみるが、当然そんな都合のいいことはなかった。
どうにか手元にある物で、と考えたところで、別段どうしても異能を使わなければならない訳ではないと思い至る。

「かと言って、じゃあ何するか、って事に……。」

適当に筋トレ器具の方に行って筋トレして帰ろうか、まで考え始めた。

松渓つばめ > 帰る前にひとっ風呂浴びたいなと思っていた。
授業で己の能力全開まで発揮したので、このまま制服に着替えるのは躊躇われたのだ。

「学校で風呂入ろうと思ったらここなのよね、まあシャワーだけども」
背負ったバッグには制服が畳まれているのだろう。
まあ、いきなりバサバサと脱ぎ捨てて……ということは行いません。
「誰かいたらコウジョリョウゾク違反ってやつですから」
見回して「ありゃ?」――数カ月ぶりの邂逅だろうか。

東雲七生 > 「あれっ……?」

部屋から出てさて適当にエアロバイクでもしていくかな、と
紙袋を持ち直したところでこちらを見る人影に気付く。
よくよく見れば何か月か前に話したっきりの同級生だ。

「あ、松渓だっけ。久しぶり~」

元気して──たのだろう、あんまり元気じゃない姿が想像出来ないし。
それはともかく、にぱ、と笑みを浮かべるとひらひら手を振って挨拶した。

松渓つばめ > 1年の時何度か授業で見た、その程度の知り合いだったかもしれないが
声をかけることに逡巡はなかった。
「オーッス、東雲も無事2年なれたって?よかったじゃない!」
あたしよ、松渓つばめ、忘れてないでしょうね。――別に言う必要はなくて安心した。
覚えててもらえるそれだけが、嬉しい。
「久しぶり、今日はトレーニング?やるじゃん。あたしなんか最後西日が辛くて辛くて腕足以外べっとべと」
先の授業、七生も体育にいた前提で話しているが、七生の姿を見たわけではない、別に全員参加というわけでもなかった……

東雲七生 > 「ああ、ギリギリでさ。」

主に学力面で。
どうやら相手の方も無事に進級したらしいことは、授業中に見かけて知っている。
お互い進級出来て本当に何よりだと思いつつ。

「あー、今日はちょっと俺体育は出てなくてさ。
 昨日色々あって、運動服持って来てなくて。」

代わりに自習してた、と軽く肩を竦める。
そして、「松渓こそ、追加で運動?」と首を傾げて訊ね返し。

松渓つばめ > 「うんにゃ?シャワー浴びきただけ。異能ドッジボール燃えすぎてほらもう」
ドッジボールって小学生かっ。
わざとらしくぐにゃ、と疲れて座り込むポーズを取ってみせる。まだ体力が残っているのは明らかだが……
よく見ると顔面セーフの跡が鼻に詰まっている辺り、男子と同等の大立ち回りを演じてきたのは間違いないようだ。

「まぁあたしは良いわ、後でテキトーに浴びるし。てゆか何か困ってた?」
『筋トレでもしようかな……』と『予定と大きく異なること』への逡巡には、やっぱりそれなりの雰囲気を見たのだった。

東雲七生 > 「あっ、シャワー……」

そういえばそういうのもあったっけ、と僅かに頬を赤らめて目を泳がせる。
しかし、大きく息を吐くと気を取り直して。
そっか、ドッジボールとかしてたのか~、と相槌を打ち。

「いや、困ってたといえば困ってたけど……」

さてどうしよう。説明するにも事情が事情だけに面倒臭い。
自分の体傷つける為のナイフとか探してた、とか、すっごい言い辛い。当然だけど。

松渓つばめ > 男の子の機微には気づいているのか、気づかないのかどうでもいいのか。
彼女の『女の勘』はとても真面目にできている。
「あー、言ってもしょうがないタイプのやつかな」
それとも言ったらあたしの身が危ないやつ?首をかくようにしたあと、指さして冗談を言う。

つばめは彼の異能までは把握していない。娘のようにあけっぴろげにするのは、自信家か、『そういうものだ』と思っているタイプか。
娘は後者だ。
「んまあ、困ってるからって助けられる人と助けらんない人といるからね。
風邪とかなら医者……ってか保健委員か」
ちょっと勘違いしている。それで、思い出したように。
「あ、じゃあご一緒して悩みトバしちゃう?300万円ね」
ヒヒヒと笑う娘は鬱陶しくて色気とかやらしさとは無縁に過ぎた。

東雲七生 > 「んまあ、そういうもんだと思ってくれると。」

肯定するのは“言ってもしょうがない”の方。
多分知ったところでつばめに身の危険は無い。と、思う。
別に隠匿する必要は全くないのだが、見せびらかす類の異能でも無いのだ。だったら余計な事はしないに限る。
七生のように自身の異能に良い感情が無い場合は、尚更。

「ご一緒?
 ……あー、エアロバイク?……にしては随分と吹っかけて来るんだな。」

妙なところで物を知らないピュア男子である。
そもそも悩み事を解消するには健全な運動、くらいしか頭に無いのだから無理もないだろう。