2016/05/24 のログ
ご案内:「訓練施設」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > 「んーっ、自主訓練とか久しぶりだなぁ」
訓練施設の一角で、ぐぐーっと伸びをする凛霞
ここのところ色々あってあまり一人で体を動かすタイミングがなかった
家での稽古は基本的に父親と、妹も一緒にすることが多い
それはそれでいいのだけど、一人で集中する時間も武術には必要かな、というのが凛霞の見解である
■伊都波 凛霞 > 保険課の一員として、実戦に使い得る技術の研鑽も必要になってきた
体術は勿論、武器術も含めて…古流武術の幅は広い
「家の道場じゃちょっと狭いとこ、あるもんね」
しゃがみこんで足元のバッグをごそごそと漁る
ご案内:「訓練施設」に雨宮 雫さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」に霜月零さんが現れました。
■伊都波 凛霞 > 取り出したるは、以前も目にした風神鎌
刃は潰していない、操作を誤れば危険な一品である
「さて、それじゃあ軽く……」
■霜月零 > 「……んあ、先客か」
久々にこっちで稽古するか、と顔を出すものの、先客がいる様子。
取り敢えず少し見学するか、なんか見取れたら上等だ……とばかりに少し離れたところから視線を送る。
「(ほー、鎌。鎌術たぁ珍しい。アレはアレで、特に素手やそれに類する系列の武器だと相手すんのめんどくせーんだよな)」
見ながらふんふんと頷く。
鎌はその形状の関係で、些か受けづらい。受けたつもりでも手に刃が届いてしまいがちなのだ。
■雨宮 雫 > 奥に通じるドアが開き、するりと静かに姿を現す。
誰か使用中なのは分かっていたので、邪魔にならないように、だ。
「お邪魔しまーす、と かな、かな。」
なんか武器を持ってるのと、何もしてないの、かな?
を見て、端を歩いて邪魔にならないように。
■伊都波 凛霞 > 最初はゆっくりと、自分を中心に8の字を描くように
やがて左右での回転数を増やしてゆく
ぶんぶん、という重苦しい音は次第に風を切る鋭い音に変わり…やがてその先端の鎌すら視認できないスピードに
「(あれ、もしかしてこんなことやってると邪魔かな…)」
二人ほど人数が増えたのを見て、少し考える
まぁさすがにこんなもの振り回してるところに近づいてきたりはしないだろうけど
振り回すだけでも高等技術だが、
それをやりつつよそ見する程度の余裕もあるのは、天才肌と言ったところか
■霜月零 > 「(速い。成程、鎖鎌術……俺ならまあ対応出来なくもないが、普通の一刀遣いなら得物を絡め取られて仕舞い、か)」
かつて伝説の剣豪宮本武蔵が二天一流の基礎となる二刀遣いに開眼したのは、太刀を鎖鎌遣いに絡め取られ、咄嗟に脇差を抜いて切りかかった事に端を発するとも言われている。
鎖鎌術と言うのは、一刀で相手取るのは非常に難しいのだ。
「……あー、気にすんな。近寄らねーよ、今は見てるだけにしとくから」
視線をちらと向けられればそう応答する。あれに近づくのは流石に馬鹿だ、自分も、演武者も危ない。
寧ろ、あの速度で鎖鎌を操りつつよそ見を出来るという事自体が見事なものである。
■雨宮 雫 > 「器用なもんだね、だね、と。
ぁあ、続けて続けてーだね、ボクは訓練じゃあないから……
何か、鎌系女子はどっかで見たような気がするのだけど。」
風斬り音をさせまくってる女子に、邪魔はしませんのでー と手を振っておく。
同時に、反対の手に持った 保険課備品 という無闇にデカいシールの貼られた袋も上げて見せた。
「救急道具、確認したら用事は済むから。
そっちの男子生徒もボクのコトは気にしないでどーぞーだね、だね。」
■伊都波 凛霞 > 「そーう?邪魔だったら遠慮なく言ってねー!」
風斬り音にかき消されないよう、多少声を貼る
さて、いつまでも振り回しているだけが芸じゃない、
巻藁に視線を移す、普段は刀を得物にする生徒が試割りに使用するものだ
目算で7メートル、鎌を振り回しながら、半身分後ろに下がって───
「ちぇいっ!」
目にも留まらぬ速度で放たれた先端の刃、それが巻藁に到達する、と同時に、引く
本来ならば鎌という形状故に突き刺さるだけに留まる筈が、一瞬で切断し巻藁を跳ね飛ばす
そして、それに留まらない
引く、と同時に身を大きく転身、今度は大きく踏み込みながら、鎖の反対側の分銅を放つ
最大限に遠心力を伴ったそれは切り飛ばされた巻藁を空中で巻き付くように捕らえ───同時に刃の戻りを利用した引き絞り
結果、巻藁は締め潰される
絶妙なコントロールの連続、素人目に見ても神業である
「………ふうっ、出来たできた!
あれ、君って保険課の子?」
額の汗を拭いつつ、少年?にも声をかけた
■霜月零 > 「見事。やるもんだな、アンタ」
ぱちぱち、と拍手。
今の鎖鎌の遣いは見事と言う他ない。零が別に鎖鎌を特段に練習していないというのもあるが、同じことをやれと言われれば頭を振るだけになるだろう。
「(鎖鎌の弱点は、分銅側がどうしても動作が大きくなることによる初動の出遅れだ。だが、あの速度なら下手に大振りに甘えて踏み込むと先にこっちがやられる、か)」
そしてあの威力。
宮本武蔵に倣っての『片方の刀を囮にして絡め取らせ、そこで分銅を抑え込んでからもう片方で斬りかかる』と言う手筋も、下手な刀であればそのまま粉砕されてしまうかもしれない。
「……っとに、見事なもんだ」
感嘆と共に、もう一度賞賛する。この女性は、そこらの連中とは一線を画す手練れだ。
■雨宮 雫 > 「ぉー カッコイイもんだね、だね。
何かの達人っぽいね、凄いかな、かなー。 ん??」
宙に吹っ飛んで、潰れたゴミになった巻き藁だけを視線で追いかけて。
観客としては、手荷物を下ろして控えめな拍手をしておく。
相手としては見世物ではないんだろうけど。
「そーなのだね、ボクは保険課の子なのだね。
備品補充の有無を確認する当番なのだね、だね。
怪我したりとか体調不良とかになる子もいるから、そしたらついでに治療もする係でもあるかな、かな。」
女子生徒の問いに愛想笑いを浮かべて、肯定する。
見た感じ、怪我はしてないようだ……し、向こうの男子生徒を見ても 怪我はしてないようだ。
残念。顔には出さないが。
■伊都波 凛霞 > 「ええー?いやーーーそこまで褒められると照れるんだけど…」
照れ照れしつつ、ジャラッと金属音を鳴らして、ほんの一息で鎌を手元に回収する。手慣れたものだ
「今のは曲芸みたいなものだしね。
コントロールは身につくからたまに練習するんだー」
指で鎌の刃の具合を確認する
あの斬り飛びかたでだいたい把握はできていたけど、刃に以上なし
綺麗な角度で入ったということにとりあえず満足である
「ああー、そっか。訓練施設の担当だと毎日忙しそうだねぇ。
というか、喋ってくれなかったら男の子ってわからなかったかもー」
あはは、と笑顔を向ける
■霜月零 > 「は、曲芸師でも今と同じ真似が出来る奴ぁそういねーよ。俺なら無理だ」
苦笑して肩を竦める。まあ、零の得物は主に刀だ。専門外と言うのも大いにある。
「(保険課、ねぇ。成程そりゃあ、ご苦労なこった)」
もう一人の、なんだか女性みたいな見た目の男性。そちらは保険課のようだ。
成程確かに、訓練施設の備品確認は重要であり、その分面倒臭い作業だ。消費量が他に比べて圧倒的に多い。
だが、こういう裏方がいるからこそ自分らが存分に訓練できるのだ。ありがたい話である。
■雨宮 雫 > 「ジャパニーズニンジャみたいんでかっこいいかな、かな。
子供が喜びそうな武器かな、かな。
クノイチの格好したら似合いそう、髪型だけ見て言ってるけど。」
言いながら、壁に備え付けられた 救急用具 と張り紙された箱を開けて、中身を確認して袋から補充品を出して詰めていく。
「ボクは保健室に居たり、ここに居たり、街の見回りとか色々な場所に居るから、何か怪我したら声かけてかな、かな。
勿論、そっちの男子生徒もねー?
…… あぁ、ボクも髪の毛位切りたいんだけどね。実家の都合でね、駄目なんだね。」
■伊都波 凛霞 > 「これができるからスゴい!じゃなくて、これができるから強い!じゃないとダメなんだけどね」
そう言って苦笑する
「刀とか薙刀のほうが使い慣れてるんだけど、
あのへんは風紀委員とかでもないと帯刀してるとどうしても目立っちゃうから持ち歩けなくって」
と、そこまで言って相手が帯刀していることに気付く
男の子は絵になるからいいなー、と再び苦笑
少年へと振り返って、再び苦笑することになる
「そういう装束もあるにはあるけど、まぁ着ないよね~」
クノイチ、なんて言われれば、実家にそういうのがあった気がする
父親の趣味なんだろうなあと割りと最近になって気づいたことである
「私も保険課なんだー、お仕事で一緒になったらよろしくね!
……実家の都合…?家訓か何か…?」
■霜月零 > 「あー、そりゃあ確かに。見た目地味な技の方が有効だったりするもんな」
例えば、一刀流、五典が一「真剣」。
『相手の視線に合わせて刀を構え、そのまま突く事で遠近感を狂わせる突き』である真剣は、見た目にはただの突きだ。
だが、相対する者からしたら遠近感が掴めず、下手をすれば突かれている事にすら気付かない必殺剣である。
「……俺も言われた。俺の方は実家でこれが普通だったから、癖になってんだよなぁ」
なにせ、恋人となった相手が自分に抱いた第一印象は『刀なんか持って変なヤツ』である。これが当然だった零にとっては、カルチャーショックを受ける内容であった。
「ああ、そんときゃあ頼むわ。ありがとうな、いつも」
そして、男性にも声を掛ける。
別に彼の世話になったことはないが、要するに保険課全体への謝辞である。
……思えば、昔はここで腕を切り落としたり、腕を差し出して食わせかけたり、随分無茶をやったものだ。
その尻拭いを保険課に押し付けていたと思うと、本当に申し訳なくなってくる。
■雨宮 雫 > 「ぁ、あるんだ。
普通に着て歩いてると コスプレかな? としか思えないから実用的じゃなさそうだけど……」
武術系の家か何か?かな、と思っておくことにしたらしい。
それ以上は詮索しなかった。
「ボクの家は術混じりの東洋医学をずっとやっててね、髪の毛は霊力が云々かんぬん、で、切るな伸ばせーってなってて……
…………あ、保険課の同僚?だからどっかで見たかもってなったのかな、かな。
お名前はー何かな、かな、ボクは雨宮 雫 だね、だね。」
と、男子生徒の方からきた 礼 に少し黙ると・・・
「 どういたしまして、だね。
そう言ってもらえると、やっている甲斐があるかな、かな。
礼を言えってわけじゃないけど、言われるとやっぱり嬉しいかな、かな?
今後とも、頑張るからねー と、名前とか聞いておいてもいい、かな、かな?」
男子生徒に向けて、とても嬉しそうに、綺麗に笑って見せた。
■伊都波 凛霞 > 「ん?あぁそうじゃなくって、武器を相手に見せてたらそれだけで自分のスタイル教えちゃうようなものだし」
うふふ、と笑う
この島では武器を持ち歩くこと自体は普通である
「島の外から来た子とかは、驚くだろうねー」と笑った
少年の言葉にうんうん、と頷いて
「隠密の真似事なんて今はやることもほとんどないしねー。
どっちかっていうと恥ずかしいだけの格好…あ、私は伊都波、伊都波凛霞っていいますよろしくね雫くん!」
ひとまず自己紹介をしつつ、家柄のことにはへーっと驚いた表情
「髪に霊力かぁ…うちも両親は東洋からこの島に移ってきたって言ってたなぁ…」
魔術方面は本当に色々あるなぁ、と感心する
■霜月零 > 「ああ、そう言うことな」
それもそうだ。故に『有構無構』……構え有って構え無しの境地が貴ばれる。
相手に対し情報を隠すのは当然。零がそれに対する意識が些か甘いのは……やはり『退魔師』であるからか。
この相手は対人特化であるようだ。単純に剣士のサガとして僅かに疼くが、それを軽々に口にするのもなんだかはしたないので堪える。
そして、少年の言葉には……僅かに目を見開く。
「雫、シズクと来たか」
小さく苦笑。
零の実家……霜月家の数代前の当主。霜氷の剣聖の異名を取った無双の女剣士。その名前も『雫』だったのだ。
奇妙な偶然におかしみを感じつつ、求められるままに名乗る。
「ああ、俺は零。霜月零だ。よろしく頼む」
どうやら、奇しくも同じような文化圏の世界から来ている面子が揃ったようだ。
これもまた興味深い偶然と言えるのかもしれない。
■雨宮 雫 > 「スーツとか着てるんじゃないのかな、イマドキのニンジャは。
そんで名刺とか手裏剣にするんじゃないかな、かな。
あぁ、名前を名簿で見た気がするだね、画数多いなあって顔写真も見たから、どっかで見たかもって思ったのかな、かな。 よろしくなのだね、凛霞ちゃん。
ぉ、凛霞ちゃんは島の住人かな……まぁ、髪の毛はお陰様でキラキラだね、真っ白だけど。」
確かに、少年の髪の毛は無闇に素敵にキラッキラだった。
備品を詰め終わったら、袋を綺麗に畳んで小脇に持った。
んでー すすすーっと、凛霞の動いて場所の巻藁に近づいて、切断面を見に行った。
「んー?
名前に何かあったかな、かな、誰かと被ったとか知り合いに居るとかあったかな、じゃあ、雨宮でいいからね、うん。
零ちゃんね、よろしくお願いするかな、かな。」
名乗りについての反応に、ちょっとだけ首を斜めにした。
が、まあ、広い島だし被ることだって、あるだろう、うん。
■伊都波 凛霞 > 「そ、だから携行武器は隠せるものだけにしてるんだ。
少なくとも学校に行く時はね」
笑顔で、チャラリと手元の鎖鎌を───消す
否、あくまで自然体のままにその武器を自分の身に隠したのだ
…と、零の顔をじーっと眺める
「…もしかして、少し手合わせしてみたい、とか思ってますー?」
にっこり笑って、その顔を覗き込んでみる
ほんの僅かな精神の揺れ幅、それを察知する術にも通じていた
「うん、生まれも育ちもこの島だよー。
か、画数が多い…まぁ、そのとおりだけど…」
珍しい覚え方をされていたものである
「ん、何か気になる?」
見に行ったその巻藁が鎖で締めあげられて形は歪
それでもわかる切断面は刀でバッサリといったように綺麗だ
■霜月零 > 「成程な……暗器遣いとも言えるわけか」
零も人のことは言えない。常に棒手裏剣を隠し持っている。
が……この女性の暗器術はそれ以上。忍術系で比べても敵わない気がする。
「……バレたか。ったく、俺も未熟だな」
肩を竦める。
強敵と見れば、一度は手合わせしたくなるのは剣士のサガ。
だが、それをあっさりと気取られてしまったのは些か気恥ずかしいものである。
「……で、まあ別に気にはしねーよ。昔の人間だ。それと、ちゃんはやめろちゃんは。俺は男だ、見てわかるだろ」
少しげんなりした声で雫に声を返す。
ちゃん、て。ここ数年、一度たりとも言われたことのない呼称である。気恥ずかしい。
■雨宮 雫 > 「大仰な名前とかだと、いいトコロの子かな?とか考えたりするのだね、だね。
ぁあ、さっき切った側がスパーンって飛んでたから。
切り口ってどうなってるのかな、って思っただけなのだね、だね。
ボクは武術はあんまりーだからね、ちょっと気になっただけかな、かな。」
切り口を指で つー っとして、ぉー と小さく声を出してたりもした。
「綺麗な切断面かな、かな。
これが腕とか足だったらくっつけやすそうな感じだね、だね。
男でも女でも、大体 ちゃん なんだけどね。
男なのはまぁ でもね、この島だと実は ってあるしね?
喉見れば分かるから、男だと思うけど…… あー、手合わせする?
それなら、ボクは見学するけど。
怪我人待機するけど。」
これすごいよー と切り口に指を滑らせながら、霜月にへらへら笑いかける。
ワクワクしているように見えるのは、一見、手合わせを期待してるようで、実際はそこで出るだろう怪我人目当てだった。
■伊都波 凛霞 > 「ふふ、なんでもできる流派ですから」
笑顔でそう言って、ちらりと時計を見る
軽くて合わせする程度なら十分な時間はありそうだ
「剣士だよね?剣士なら殺気で威圧なんかもするだろうし、
悟らせないことだけが境地ってわけでもない気もするけどね。
あ、それはそうと私も実はちょっと実戦経験増やしたいなってところだったから、
もし良かったら付き合ってもらえたら嬉しいな?」
実戦形式、つまり単なる試合、手合わせではない
実際の戦闘を見据えた、演習である
「んー、残念!割と貧乏ってほどでもないけど小さな道場やってる普通の家だよ。
──あぁ、引き斬りの応用で斬ると綺麗に上に跳ねるんだー」
勿論相応のスピードはいるけど、と付け足して
「腕とか足だったら、くっつかないように斬るよ…」
直後、冗談だよ、と言いつつ軽く笑うのだった
■霜月零 > 「そりゃあ、成程な」
そこで軽々に話を合わせはしない。
零の『霜月流(そうげつりゅう)』も総合流派、数多の技に通ずる流派だ。だが、それを今ここで教える必要はない。
この相手は……今から相対する対戦者なのだから。
「どーだかな。そんじゃあまあ、やるか」
気持ちを切り替える。流石に妹のような極端な入れ替えは不可能だが、それでも『雑音を消す』くらいは、ここ最近の成長で出来るようにはなっていた。
「ま、この島じゃあ性別すらアテにならんのは知ってるさ。
……怪我人待機っつーのもアレだが、まあ出ないようには気を付けるさ」
雫に声を掛けつつ、意識はそちらに向いていない。
完全に、凛霞をどうやって攻略するか、に集中されていた。
■雨宮 雫 > 「道場やってる家は普通なのかなあ……術使いの家が言えるハナシじゃないけど。
へー……確かに超速かったもんねえ、振るの。
殴るのならボクも…… くっつかないように斬る、いいね、そういうのもイイね。
うんうん…… あ、冗談だからね?ホントだからね?」
くっつかない というところで真顔で頷いてた気もするが、すぐに へらー とした笑みに戻って、手を振った。
「あ、やるのだね。
じゃあボクは、邪魔にならないように奥の応急処置室で後の書類書いたりしてるから。
怪我したらソコの内線か、大声で呼んでね?
二人とも事故らないように、事故っても治してあげるから、安心して頑張ってだね、だね。」
二人に向かっていい感じの笑顔で手を振ると、最初に出てきた奥へ通じるドアに向かって歩いていく。
頑張ってねー 、と言い残して、姿は消えるだろう。
ご案内:「訓練施設」から雨宮 雫さんが去りました。
■伊都波 凛霞 > 【そんじゃあまあ、やるか】
その言葉が零の口から出た瞬間、というよりは、具体的には【そ】のあたり
まるで洗礼ですよと言わんばかり、零の額に向けて先程の鎖分銅が迫っていた
奇襲もこれまた兵法、実戦を見据えるならなんら不思議のない、仕掛けである
ちらりと雫のほうを見る
一応安全圏までは離れたらしい、ならばここからはフルで動こう
分銅の命中成否は問わない
袖口から手元に取り出した苦無を零の足元に向けて2本投擲する
奇襲と追撃、そのどちらもが正面からの仕掛け
狙いはそれぞれ額と、足である
■霜月零 > 「……ま、そう言うもんかね」
スウェーで分銅を躱す。目は蒼く燐光を放ち、全てを見通すが如き鋭さで凛霞を睨み付ける。
そのまま、飛んでくる苦無を見て即座に判断。
「(受ける意味無し)」
斜めに移動。そのまま腰の太刀を抜いて摺り足で間合いを詰める……中で。
その摺り足に細かくフェイントを混ぜる。
前後の移動のタイミングを外し、相手の迎撃行動の精度を下げるための技術。
もし、近づくことが叶うならば、大きく間合いに入りそのまま斬り伏せようとするだろう。
―――霜月流、歩法「反閇(へんばい)」
■伊都波 凛霞 > 「ん」
スウェーで避ける、までは折り込み済み
その後が、教科書通りとはいかない
「(ま、それでも剣士な以上こっちの間合いに入ってこないわけにはいかないわけでー)」
見せかけのフェイントは反応するにも無視をするにもリスクが付きまとう
とんとんっと軽くステップをとるように後方へ間合いを広げ、
そのフェイントには、付き合わない
下手に迎撃の手を出そうものなら、その隙にバッサリだ
だが生憎こちらにはフルレンジで攻撃をバラ撒く手段がある
そんな中で今回チョイスしたのは……それが在るだけで相手の直線的な攻め口をある程度封殺できるだろう、徒手の妙技
「───それじゃ、試合?開始っ」
拳法の型のように、深く腰を落とし、変則的な踏み込みと共に放つ掌打
刀すら遠い間合い、だが確かな"威"を飛ばす、所謂、遠当てである
■霜月零 > 「(ま、上手くはいかねーわな)」
冷静に状況を分析する。
状況は不利、武器の間合いで大きく劣っている。
それを補う技もあるにはあるがリスクが高く、現状では効果も期待できない。
鎖鎌に加えての飛び道具。相変わらず、そこら辺に対する対策は課題のままのようだ、と苦笑しつつ。
「そらっ!」
遠当ての威は軽く蹴り飛ばす。
遠当てはあくまで衝撃を飛ばす技、実威力は近接での拳打には劣るのだ。
そして、蹴り飛ばしながら……。
「行け!」
火炎弾を射出してお返しする。
霜月流五行巫術。その中の火行の力を借りて行使したのだ。
■伊都波 凛霞 > 「おっと…!」
慌てて姿勢を戻す
一瞬で遠当てを見破ったあたりは、剣術だけじゃなさそうだと認識を改める
そして見れば、魔術?かどうかはともかく、術式まで
「おちおちアウトレンジから突っついてられない、ってわけねっ」
火炎の弾は見た目こそ派手なものの、相当の熱量がなければ一瞬で与えられる損害などたかが知れる
立て直した姿勢をそのままに、身体を大きく捻って放つ回転前蹴り──による、遠当てを火球へとぶつける
それだけでも器用な真似事だが、そのまま姿勢を低くして一気に踏み込んだ
火炎弾を撃った零にとって、その火炎自体が、凛霞を覆い隠す死角となる
撃ち散らされた火炎の中から凛霞が出現するような錯覚を与える、
そんな勢いで、一気に肉薄
ショートレンジ、どころではなく、可能ならばクロスレンジまで!
その大小二振り、そのどちらもが即座に振れない、そんな距離へ踏み込む
成立したならば、勢いをそのままに、その右腕を捕ろうと仕掛ける
■霜月零 > 「ち、即興の火行じゃダメか!」
火炎弾が遠当てで散らされ、それが目くらましになる。
……そのシチュエーションは、覚えがあった。
「(こういう時、相手が取る行動は基本一つ……!)」
正面からの速攻。しかも、速度で言えば高速だろう。
故に。
「はっ!」
蹴り。
しかも、咄嗟の単なる蹴りではない。
明らかに、徒手空拳の格闘術として鍛えられ、それ一撃で他者を昏倒させ得る『技』としての蹴り。
それを真正面に放ち、即座に来るであろう凛霞を迎撃せんとする。
―――空手道「中段前蹴り」
■伊都波 凛霞 > 「(──と、いうのが理想のシナリオだけどまぁそう来るよね)」
火炎弾は避けることもできる
あえて散らしたのはそれを利用するため、とすれば
こちらの接近を予測している可能性はそれなりに高め
中々に堂に入った前蹴り
体重差もあるし、まともに喰らえば一撃で試合は終わりそうだ、が
「(いただき──!)」
蹴り足を柳のように通り抜け、その蹴り足が伸びきった瞬間
真横へのベクトルに対して、真上からの垂直な一撃
膝関節を狙って手刀を叩き込む
"古流武術・伊都波、穿ち十字"
脱臼したらごめんね、と内心思う
■霜月零 > 「(クソ……!)」
中段前蹴りは相手にも見えていなかったはずだが、綺麗に躱される。
そして、そこに合わせられる手刀。
―――異能『根源接続・武典再生』、発動。
剣術に限定しない。
あまたある武技の中から、この場をどうにか切り抜ける一手を即座に検索し……
「うおおお!!!!」
刀を捨て身を捻り、うつ伏せになった。
正確には両手を地面についているので、片足での腕立て伏せをしているのに近い形になる。
だが、これで……膝への手刀は、膝関節の曲がりに順ずる形になった。
そのまま手刀が来れば、足で挟み込み……状態を起こして横裏拳打ちにて腕か顔を狙う。
……これは、本来一つの独立した技ではない。
奇しくも同じ空手道。その中に連綿と継承され続けてきた『型』の中の一動作だ。
―――空手道古流型「雲手(ウンスー)」
■伊都波 凛霞 > 「えっ───!・」
まさかの
まさかのまさかの
剣士が、刀を捨てる…?
流石にそればかりは読めない選択肢
見えていようとなかろうと、意を持った攻撃ならば捌ける自信があった、が
カウンターをこういった形で回避するとは流石に予想外
繰り出した手刀は挟み込まれた
「(うわー、さすがにびっくりだ…零くんとやら、並ならぬ引き出しの多さだね…)」
ただし
「この間合って、割と私の土俵だけど…大丈夫?」
くすっと笑みを零す
組み打ちこそが真髄、おまけに背を向けてくれている状態なら
足を絡めて極めようが、腕を捻りあげて極めようが思いのままである
■霜月零 > 「……生憎自信はねーな。この形に追い込まれた時点で相当マズい。
っつーわけでだ……離れてくれると、嬉しいんだが」
とん。
地面に手を当てる。
……霜月零は、剣士である。
だが、同時に……『巫術師』でも、ある。
「金行、天下五剣!」
地面から生えてくるは、天下に轟く名刀五振り、その贋作。
だが、人一人斬り伏せるのに大仰な切れ味は要らない。ましてや、模倣先を天下五剣と謳うだけあり、それぞれがその場で生み出されたとは言えぬ逸品。
この近接状態での突然の刀剣襲撃、躱せるか……!
■伊都波 凛霞 > 「!」
刀剣が出現するよりも疾く、大きく後方へ転身しその場を離脱する
そして出現するそれらを見て、ほぅと小さく息をついた
傍から映像だけを見ればまるで予知でもしたかのような挙動である
が、別にそういった力とかどうこうではなく
「うん、今のは【金行、天下五剣!】とか叫んでなければ多分当たってたね…」
それだけの話であった
金行という時点で地面を対象にした何かというのはわかってしまうし
「というわけで仕切り直しかな…。じゃ、もう遠慮なしでいこう」
この相手ならちょっとやそっとじゃ大丈夫、そう確信を得た
じゃらんっと袖口から落ちてくる鎖、先程見せた風神鎌である
いうが早いか、さっそく振り回し始める
これをやっているだけで相手は迂闊に飛び込めなくなる、という攻防一体の型だ
■霜月零 > 「残念ながら、この手の大技は詠唱入れねーと出せねーんでな。こればっかりは仕方ねぇ」
肩を竦め、刀を拾って中段に構える……が。
「(……さて、どーすっかな、これ)」
右膝が、痛い。
無理矢理捻って曝け出したところを打ち落とされたのだ。
打ち付けられた分も合わせて、被害が無いわけがない。
「(水行で回復しつつ……さて、しばらくは遠距離で様子見して回復待ちか)」
よって、回復手段があることを踏まえ持久戦を選択。
「やれ、大典太光世!」
五剣の内の一振りが、遠間から更に伸びて突きに行く。
……その裏で、大外から同じく刀身が伸びた三日月宗近が凛霞の胴を薙ごうとする。
声と突きをブラフに使い、本命は三日月宗近の薙ぎである。
■伊都波 凛霞 > 成程、持ちえている術式はそう安易に振り回せるものではないらしい
ようやく刀を手にした剣士を見据えて、回転を早めていく
いかな得物を持っていてもそう安々とは飛び込んでこれないはず
予測通り、先程の術式で出現させた刀剣を使ってきた
それもご丁寧にかけ声つきだ、撃ち落とせないはずもない
「(それともう一つ…)」
零の視野でも確認できたであろう、凛霞の視線の動き
声と突きによるフェイントを眼中に収めず、本命のほうを向いている
結果、そのニ振りは轟音唸らせる風神の鎌に弾かれ、あえなく打ち砕ける
「零くんって、割りと意が表に出るよね。狙いとか」
暗に、それじゃ私には当たらないよ、と言っているようにすら聞こえる
そして
「しゅっ──!」
小さく息を吐くと同時に、ついに大きく円弧を描く軌道と共に風神鎌の刃が襲いかかる
狙いは、足
その円弧は半径が大きく二人の距離を逸脱している
つもり刃は当たらない、が
多少さがったところで、鎖が当たる、絡む
そしてそれは前に出ても同じこと───
「(これでどう立ちまわるか、で色々理解るかな…)」
■霜月零 > 「(ち、引っかかんねーか)」
嘆息。視線の動きを見れば、読まれたのが分かる。
そして、その後の言葉。
「マジか、こればっかりは一人じゃ気付けねーからな」
そうだったのか、と嘆息する。どうやら、動作を隠しても意を消し損ねていたらしい……これでは、躱されて当然だ。
どうやって稽古するか、を考えつつ、次の攻撃……さて。
「(ただ動けばどこかに当たる。がな……)」
意に介せず突っ込んでいく。
そして、同時に。
「童子切!数珠丸!鬼丸!防げ!」
残った天下五剣を使い捨て、当たる軌道に対する盾にする。
そのまま絡まれば御の字、そうでなくても接近する時間は稼げるはず。
今度はフェイントを挟まず、最速で間合いを詰める……!
■伊都波 凛霞 > とは偉そうに言ったが、人間が行動から完全に意を消すことなど、完全なる無念無想の境地以外ありえない
完全なる無意識化で剣を震えるような、一種の狂人にしか到達できない領域だ
「まぁ私が特に鋭敏、っていうのもあるけど…って!」
狙い目は良かったはずが、3つの刀に防がれる
鎖の絡む支点が変化し、完全に想定外の動きになってしまった
これをやられると鎖鎌は非常にまずい、なぜなら武器を戻すことすらままならなくなるからだ
「くっ…」
武器を手放すか否か、それを迷っているうちに間合いはぐんぐんと縮まる
■霜月零 > 「(ここだ……!)」
やっと掴んだ剣士の間合い。
そして、間合いを詰める瞬間に、即座に技を選択する。
相手に受けを許さぬ必殺剣。即ち……
「……!」
相手の視線に刀を合わせ、遠近感を狂わせる魔性の突き。
見えているのに、見えない。可視でありながら不可視。
近代剣道の本流となるまでに隆盛した剣術流派、その奥義の一つ。
―――一刀流、五典が一「真剣」
■伊都波 凛霞 > 「(あっ、これは……)」
単なる突き、じゃない
かといって仕掛けがわかるわけでもない
こういう時は、目に頼るなという、父親の言葉を思い出す
そして、眼を閉じる
乱れた集中を取り戻し、ただただ、その───
「ッ!!」
文字通り、紙一重
刃を掠めるようにその突きを躱す
「(ほ、本来来るだろうと思ったタイミングよりずっと速かった…、人間の五感に訴える…妙技だね)」
心臓のドキドキが止まらない
今のあれを、実戦で出されたら果たして落ち着いて避けることができたかどうか
そう考えた時に、出た答えは、NO
「……うん、ありがと。今回はこのへんで!」
芳醇な技の持ち主だった
単なる剣士?とんでもない、今後も見据えれば末恐ろしい武人になりそうである
■霜月零 > 「……!」
目を見開く。
躱された。ギリギリとは言え……『視覚を惑わす魔剣』である真剣を、自ら視覚を放棄する事で躱したのだ。
「……おお?」
ならば、薙ぐか……!と考えた瞬間、かかるストップ。
少しバランスを崩しつつ……その場に膝をつく。
「(っつ……これ以上は俺がマズいか)」
右膝へのダメージが甚大だ。これ以上の継続は無理だっただろう。
……強い。基礎力も対応力も、自分の見た中では最上位だ。
「いい経験になった……強いな、お前」
多分、お互い殺す気でやれば俺よりも。と言う言葉は呑み込むが、純粋に驚嘆していた。
ここまでの『武術家』がまだいたのか。
素直な敬意を以て、凛霞を見上げていた。
■伊都波 凛霞 > 「ふぅー…いやいや何言ってるの!こっちが冷や汗かいたよ」
あははと笑って、鎖鎌を回収、バッグにストンと戻す
謙遜しているわけでもないが、同年代にこれだけの使い手がいるとさすがに驚くものである
きっと彼の実家も道場なんだろうなぁ、とか思いつつ
「膝大丈夫?伸びきってたから、結構痛めたよね?」
見せて見せて、ズボンの上から触ってくる
■霜月零 > 「はは、お前レベルにそう言って貰えると励みになるな」
素直な気持ちで口にする。
総合力で言えば間違いなく武人としては彼女の方が上だ。巫術ありきの勝利となると、それも兵法ではあるものの、零としてはちょっと悔しくもあり……故に、励みになった。
「っつ……まあ、そうだな。正直最後の『真剣』の後が続いたかっつーと怪しいところだ」
触られると痛みを訴えつつ、素直に自分の状況を吐露する。
このダメージは、彼女の残した成果だ。それを誤魔化すなんてことは、それこそが恥。隠すことなく、正直に口にする。
■伊都波 凛霞 > 「剣士は地に足がついてこそ、だもんね。
手打ちじゃ重さも乗らないし、足から狙うのは定石かな。
そう考えると途中の中断蹴り、あれすごく良かったけど、リスク高いんじゃないかな」
指先に小さな魔力を集めて、膝の上にススッと光の詠唱文と魔法陣を描く
最近覚えたばかりの応急的な治癒魔術だ
全快、というわけにはいかないが、徐々に痛みも薄らいでゆく
■霜月零 > 「そうだな。せめて腕を使って攻撃すべきだったか」
成程、と納得し反省する。
あらゆる武人にとって、足は急所。足が死んで十全に戦える武術はほぼ存在しない。
それを差し出すような真似を、視えていない相手にするのは流石に危険が過ぎたかもしれない。
「悪い、助かる。おお、効くなこれ……応急処置程度の俺の水行とは流石に違うな」
そして、凛霞による回復に感謝しつつ、流石に専用の回復魔術は回復速度が違うな、と感心する。
零の水行がしょぼすぎるだけかもしれない。
■伊都波 凛霞 > 「牽制や迎撃にはすぐ引っ込められる腕を使うのがやっぱりリスクは少ないと思うよ。
もちろん腕取りから極め折られることもあるかもしれないけど、
足なくすよりはずっとマシだもんね」
何より、足は逃げる時にも使う
在る意味では戦闘の中でもっとも重要なパーツと言えるかもしれない
「ふふ、保険課仕込みの応急魔術だよ。
取り急ぎ痛みだけとって、自分で移動できるようにしてあげるための。
応急は応急だから、もし痛みとかひかなかったらちゃんと治療は受けてね」
私じゃそこまでは無理だから、と苦笑する
■霜月零 > 「ああ、確かにそうだ。勉強になる」
頷いて自分の中で整理しつつ。
確かに道理だ。あの場では咄嗟に足が出たが、あれは失策。
片腕だけになっても、小太刀術で対応が出来るのだから。足を失う重さを失念していたと言わざるを得ない。
「まあ、そんときゃ雨宮にでも頼むか……俺もその手の魔術覚えるかな」
戦闘中に応急治療ができる、と言うだけでもかなり優位になる。
覚えておいて損はないだろう、と考えつつ……
「……待てよ。お前そう言えば、刀や薙刀が得手っつってたか?」
割と大事な事を、思い出した。
■伊都波 凛霞 > とりあえず痛みは引いたようなので、安心したような顔をして手をのける
「ん?うん、私の家、青垣山に小さい道場もってて、
刀と薙刀は子供の頃から触ってたからね。鎖鎌あたりなんかはまだ最近かなぁ」
それがどうかした?と首を傾げる
■霜月零 > 「……いや、なんでもねぇ」
つまり。
最近始めたばかりの鎖鎌に、手札の多くを使って苦戦した挙句痛み分けた訳だ。
流石にちょっとショックであった……と同時に戦慄する。
「(だが、あの鎖鎌術は見事なモンだった。あれを、最近始めた……?言葉の綾にしても、あれを専門にしててもおかしくない練度だったぞ……?)」
ならば。
本当に、鎖鎌はサブ以下で、メインは刀と薙刀だというのなら。
この女性、その努力と才能はどれほどのものなのだ……?
■伊都波 凛霞 > 「?」
首を傾げる
と、ちょうど視線の先に時計が目に入って
「あっ、ちょうどいい時間!
汗かいちゃったし、シャワー浴びたら私そろそろ帰るね」
いそいそと苦無とかを拾ったり後片付けをしながら、よいしょっとバッグを肩にかける
「じゃあまた、零くん!」
明るい笑顔でそう告げて、ぱたぱたと駆けていった
ご案内:「訓練施設」から伊都波 凛霞さんが去りました。
■霜月零 > 「あ、ああ、またな……」
見送る。
流石に、今更才能がどうこうと嘆くつもりはない。ただ二人、守り切れれば十分なのだから。
だが……。
「……すげぇ奴が、いたもんだ」
溜息交じりに口にしながら、自分も片づけをしてその場を後にする。
……その後、零の練習量がやたらと増えて、その守るべき人にお説教されたのはまた別の話。
ご案内:「訓練施設」から霜月零さんが去りました。