2016/05/29 のログ
阿曇留以 > 「……そ、それもそうですね。
そういうクレームが来ないとも言い切れないですし……」

いやいや、仮にクレームがきてもレンガで殴るのはダメなのでは、と思い突っ込もうとしたが、やめた。
もしかしたら保険課はそういう課なのかもしれない。

また、にっこり笑顔のセールストークには少し悩み
「……そう、ですね。
えと、じゃあ背中だけお願いできるかしら。
正直に言えば少しだけ痛くて……」

雫に苦笑し、背中を向けてそっと上を脱ぐ。
ただし、背中を向けて、胸は隠すようにしながら。

雨宮 雫 > 「実際に何件か記録はあるんだね、だね。
 再生能力を鍛える機会を逃した、どうしてくれるとかいう ぁあ、頭を強く打ったんだなあ、と思うようなのが。

 ボクだったら じゃあはい、もう一回 って頭部をいやまかこの話はいいとして。」

頭部をどうするか?
そりゃあ……治すんだよ、治すの。

背中を見せてくれるなら、手間が省ける。

湿布のシートをペリッと剥がしてー……片手で阿曇の髪の毛をちょいちょっと避けさせて。

「ごめん、先にちょっと拭いてからかな、かな。」

ペタっとする前に、汗をタオルで拭いておく。
アザには触らないように、丁寧に優しく。

その後で、湿布をペタリ。2箇所あったので、もう一枚、ペタリ。

「はい、終わりましたよー、お客さん、だね、だね。」

阿曇留以 > 汗を拭かれ、丁寧に張られ。
でも、シップの冷たさにひゃっ!と小さく声をあげる。

「ありがとうございます雫さん。
ほんとうに、助かりました。
お代はいくらになるでしょうか?」

お客さん、といわれれば、あらあらといいながら尋ねる。
お客さんなら御代を払わないといけないよね、と。

雨宮 雫 > 「可愛い声出すものだね、留以ちゃんは。
 あははーだね、だね。」

貼った湿布が服を着るときに髪の毛に絡まないように、縁をしっかりなぞって剥がれない様にしておく。

「初回はサービスで無料なのだね、だね。
 2回目以降も、留以ちゃんなら何と無料なんだね、これが。

 大きな声じゃ言えないけど、アナタだけの特別サービスだから。
 秘密だけどね?あははー。」

払ってもらえるなら、欲しいものは色々無くも無いが。
保険課としてやってる場合は、そーいうのは請求しないのであった。

手当ても終わったので、少し離れて目を背ける。

「はい、あっち向いてるから、ボク。」

阿曇留以 > 「すみません、いまのは忘れてください……」

驚いた声を聞かれていたことをしり、少しだけ顔を赤くする。
そして、雫が反対側を剥いている間に着物を直す。
もそもそと胸の中をなおしつつ。

「雫さん、もう大丈夫です。
ご迷惑をおかけしました」

雫が振り返れば、ぺこりと頭を下げ感謝を述べる。

雨宮 雫 > 「はーい。
 利用者のことで遊んだりはしないから、安心なのだね、だね。」

大丈夫、ということであれば視線を戻す。
湿布のシートやタオルや、ボトルを回収して袖の中に、明らかに入らないっぽいが、何故か入るし膨らんだ様子も無い、中に仕舞いこんでいく。

「保険課のお仕事なので、気にせずにーだね、だね。
 ついでにいうと、ボクが個人的に実績も溜めたいので、むしろ、積極的に利用して欲しいかな、かな。

 というわけで、またのご利用をいつでもドコでもお待ちしております   形態の番号とか教えるから、呼んで欲しいかな、かな。」

とても優しくにこやかな笑顔であった。

阿曇留以 > あれ、いまどうやってしまったんだろう、と思いつつ。

「ふふっ、雫さんのお得意様になってしまいましたね。
では、またその時はお願いします」

携帯番号を暗記し、後で登録することを記憶する。

「それじゃ、私はそろそろいこうと思います。
雫さん、ほんとうにありがとうございました」

雨宮 雫 > 「リピーターになってくれるお客様は常に募集中だね、だね。
 島の中ならドコにでも行ってあげるから、困ったら呼んでね?

 はいはい、それじゃあ、お大事にねー。」

笑顔のまま、手をにぎにぎとして、挨拶を返す。

「ボクは医務処置室で書類書いてから帰るから。
 また学校かどっかでねー、訓練、お疲れ様でしただね、だね。」

阿曇留以 > 再びぺこり、と雫にお辞儀し、大太刀を回収してから演習場を出て行く。

少しだけ傷む腕をさすりながら、ぺたぺた、と。

ご案内:「演習施設」から阿曇留以さんが去りました。
雨宮 雫 > 「うん、中々……
 巫女ってことは色々使い道もありそうかな、かな?

 気絶してたら、サンプル取れたのだけど、残念残念……」

出て行ったのを見送ると、 うーん と伸びをして、全身を伸ばす。
まぁ、演習施設から攫うのは中々こう、難易度が高いから難しかったか。

「さー、ボクも戻ろう戻ろう、っと。
 利用者記録つけて、ラーメン食べて帰ろうだね、だね。」

雨宮 雫 > 周りを一通り見て、忘れ物がないかだけチェック。
問題ないのを見てから、長い髪を揺らしながら部屋から出て行く。

ご案内:「演習施設」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」にセシルさんが現れました。
セシル > 昼間。「女子の」シャワールームから姿を見せるセシル。
セシルのことを知らない人間が見たら、ちょっと目を疑う場面だ。

昨日は、風紀委員の訓練でみっちり鍛え上げられ。
今日は自分のやりたいことをしようと、早々に課題を片付けて(セシルが履修している講義は、数学を除いては義務教育に毛が生えたレベルなので割と易しい)、昼間から転移荒野の探検にでも繰り出そうと考えて…

暑さに、負けた。
尋常じゃない日照りに、ランニングでもないのにとんでもない量の汗をかき。
これはたまらんと訓練施設に逃げ込み、まずは汗を流そうとシャワーを浴びて今に至る。

セシル > 汗を流してさっぱりした上に、ミントの香りを纏って出てくる。

(しかし…これ以上暑くなるというのは、考えたくはないな。
いつもの香水で抑えられる臭いの限界を超えそうな量の汗だった…)

身体はさっぱりしていたが、今後のことを考えると、少々憂鬱になる。

(…もっとも、これだけ文明の発達した国だ。汗やその臭いを抑える技術を全く発達させていないとは思えん。
近いうち、風紀委員の同期に聞いてみるとしよう。今は鍛錬だ)

暑さや汗対策が切実なセシルだったが、とりあえず今はおく。
そして、ついでに剣術の鍛錬をしていくことにしたのだった。
訓練施設内は、基本的に運動が快適な温度に保たれていて、身体を動かしやすい。以前出会った少年が、暑さが本番を迎えたらランニングをここで行うと良い、と言っていたのも頷けた。

セシル > とりあえず、いつものようにレイピアの基礎練習からだ。
まずは、小さな的を正確に、速く突く訓練。
端末を操作して専用の幻術の的を出現させ、基本的な動作を繰り返す。

基本を蔑ろにしない。
繰り返しの際に「慣れ」に溺れきらず、身体の隅々まで意識を配り続ける。

人間の、女の身体を持ったセシルにとっては、これを続けていかないことには、向上はないのだ。

セシル > 同様に、反射神経を鍛える訓練もこなし…規定のセットをこなしたところで、一度休憩を取ることにする。

訓練スペースから休憩スペースに移動し、自販機でスポーツドリンクを買ってからベンチに腰掛ける。
それなりの時間鍛錬を続けたので、シャワーを浴びてさっぱりした後とはいえ、うっすらと身体が汗ばみつつあった。

ご案内:「訓練施設」に雨宮 雫さんが現れました。
雨宮 雫 > 奥の廊下から休憩スペースへ姿を見せる、学生服をガン無視した生徒、多分、生徒。
暑い中、そんなの知らんとばかりに涼しい顔で長袖、襟まできっちり止めた姿であった。

軽い足取りにあわせ、長い長い白い髪を揺らしながら自販機へ向かう。

と、そこで先客というか近くのベンチで座っていた生徒に気付き。

「あ、お疲れ様でーす かな、かな。」

朗らかに笑って挨拶を投げた。

セシル > ペットボトルのスポーツドリンクを派手にごくごくとやっていたところで、何やら、見慣れない、この季節にはそぐわないように見える服装の…少女だろうか、少年だろうか?が近くの自販機に向かって歩いてくる。
そして、自分の存在に気付いたようで、朗らかに笑いながら声をかけてきた。
ペットボトルを口から外し、その人物の方へ向き直る。

「ありがとう。
…貴殿も、暑いのにわざわざ訓練とは、精が出るな」

ふ、と、やや男性的なニュアンスを帯びた微笑を零す。

雨宮 雫 > 「……貴殿とか超、久しぶりに聞いたフレーズだね、だね。
 どこの貴族サマとかそっち系の人かな、ひひっ。」

古めかしいというか、若い学生としては余り使わないっぽい系の呼び方に、少し目をパチパチさせて笑った。
声は多分、男子?っぽい、笑い声は変だが。

自販機にコインを、烏龍茶のボタンを押しつつ

「あぁ、そういえば暑いよねえ、最近。
 いきなりだから、衣替えとか間に合わないとか、熱中症とかで運び込まれる人増えたかな、かな。

 ボクは暑いの結構平気というか、大丈夫な方だけど……動き回る系の訓練する人は辛いよねー、これから。

 そっちは訓練終わったのかな、かな。」

ガコン と落ちてきたペットボトルを自販機から取り出しつつ、へらーと笑いながら応じた。

セシル > 「…まあ、そんなところだ。
かくいう貴殿こそ、聞き覚えはあるということは無縁ではないのだろう?」

自分の言葉遣いが世間離れしている自覚はあるようで、余裕の笑みを零して肯定してみせる。
「久しぶりに聞いた」という、目の前の人物(声からすれば少年のようだが、自分のように声を作っている可能性はゼロでもない、だろう)の方に軽口を返してすら見せた。

「熱中症か…故郷ではあまり聞かなかった症状だが、確かに、この気候では暑さに対応出来ねば倒れても何の不思議もないな。

私も動き回る上に暑さには慣れておらんからな…自主鍛錬はもっぱら中になりそうで、少々気が滅入っている」

「走りながら、変わる風景が面白いものなのだがな」と、苦笑で答える。
長身のこの人物は、基本的にアウトドア派らしい。

「夕飯時まではまだ間があるからな…「魔法剣」と合わせた鍛錬をもう一通りやっていこうかと思っていた」

今はあくまで「休憩中」で、訓練の折り返し、というところらしかった。

雨宮 雫 > 「ぉ、そうきたかー。
 うん、他でも使ってるのが知り合いに居るかな、かなー。」

中々細かく気がつく相手だった。笑い顔を更に、強くする。
ペットボトルの蓋を開けつつ、ベンチの方に近寄っていく。

「おにーさん、ん、おにーさんは夏とか無い国の人かな、かな。
 でも、外に慣れないと実際に走るハメになった時にシンドイんじゃないかなー。
 ボクも山とか走るのは好きだけど、慣れてない人がやるとそのまま行き倒れにクラスチェンジするからね。」

アウトドアと言っていいかは微妙だが、こちらも外を行動するのは好きらしい。

ちょくちょく、ペットボトルの烏龍茶を飲みつつも

「ほうほう……   魔法剣。
 何そのかっこいいフレーズ、イケメンは魔法もカッコイイのかなー、かな。」

目が、好奇心に キラーン と輝いた。

セシル > 「そうか…私のような言葉遣いをする者を他にも知っているとは、貴殿も相当に顔が広いと見えるな」

理由を聞いて、感心したように頷く。
ベンチの方に近寄られても、特に嫌がるそぶりは見せない。

「夏がない…というと語弊があるが、少なくともここまで暑くはならなかったな。
一年中長袖で過ごしていて問題がなかった」

この人物、北欧系をイメージさせる見た目だが、その見た目通り、この島と比べて非常に寒冷な地の出身らしい。

「委員会の警邏があるから、どのみち外は歩き回らねばならんな。
その過程で慣れられれば良いのだが…厳しいようなら、魔術なり何なり、手を打たねばならなくなるかもしれん」

「魔術はそこまで得意ではないのだが、贅沢は言ってられんな」と、困ったように笑った。

そうして、ペットボトルに再度口を付けようとしたところで、相手が魔法剣に食いつく。
何か、凄いものを期待されているような瞳の輝きに、苦笑を零した。

「生憎、見た目はそこまで派手ではないぞ。剣に魔力なり属性なりを帯びさせる程度だからな。
基礎鍛錬の地味さは期待外れなこと請け合いだ」

そう言って笑いながら、立ち上がり訓練スペースへ向かう。
「地味な基礎鍛錬で良ければ、見ていくと良い」くらいの感じだろうか。

雨宮 雫 > 「ははー、ボクは結構ここに長く居るからかな、かな。

 ヨーロッパでもアメリカでも、北部だと夏くらい暑くなんないしねえ。
 慣れない外人さんは辛いかな、かな……他所の世界の人も辛そうな人居るしね。

 風紀委員が捕り物中に、ぶっ倒れましたとかちょっと面白ニュースになっちゃうしね。
 魔術はー……保温というか、そいう調整してくれるもの売ってた店あった気がするかな、かな。」

個人的には、ぶっ倒れて保険課の自分の当番の時に運び込まれてきてもらって、全然OKなのだが、顔にも口にも出さないのであった。
逆に、相手の、困った顔への打開策になりそーなもの、を考えてますって感じのコトを口にする。

「ボクはそーいう魔法は使えないから、興味はありありかな、かな。
 見てていいなら勿論、見学させてもらうのだねー。

 ぁ、名前言ってなかったね。
 ボクは、雨宮 雫 っていうのだね、だね、ヨロシクね、ひひっ。」

喜んで、長い髪を尻尾のように振りながらついていく構え。

セシル > 「長くいる」と聞けば、目を瞬かせて。

「貴殿の年頃で長いとなれば…随分、幼い頃からこの島にいるのだな?
となれば、暑さも慣れたものか」

納得したように頷くが、「面白ニュース」と言われれば苦笑して。

「………情けない醜聞の種になるのは遠慮したいな。
…ふむ、やはり調整するような品があるのか…探してみるとしよう」

「情報の提供、感謝する」と、人好きのするような…やはり男性的なニュアンスのある、口角を上げるというよりは口を横に広げるような笑みを浮かべる。
少年の本心は知るべくもない。

「…シズクだな。私はセシル・ラフフェザーだ」

「よろしく」と頷くと、端末の方を操作。
まずは訓練メニューを準備するらしい。
そうすると、訓練スペースの空間に、外側が直径5cm、内側が直径3cmほどの輪のホログラムが5つ、浮かび上がった。
せめてもの見栄え重視で、反射神経の鍛錬を先に見せるらしい。

「付与・魔力《エンチャント・オーラ》」

レイピアを抜くとともに発した凛とした中性的な声とともに、抜いたレイピアが光を帯びた。
特に属性などは帯びていない、純粋な魔力のようだ。

セシルが、輪のホログラムに向けて構えをとる。

雨宮 雫 > 「ふふー、こう見えても先輩かもしれないのだね、だね。
 ボクを敬ってもいいからね、えへー。」

自慢げに、両腕を腰にやって胸を張る。
当たり前だが威厳はない、1ビットも。

「いつだったか、なんだったか、ウサギとトークしてた人も居るっぽいから、あんまり気にしなくてもいいかもしれないけどね。
 セシルちゃんね、ヨロシクなのだね、だね。」

ちゃんづけなのは、誰でもそうなので、他意はない。
あと、この噂話も、他意はない。本当に無い。

メニュー操作をするセシルを見ながら……ワックワクの好奇心オーラを隠す気がないらしい。

レイピアが光ると、小さく ぉー とか スゲー とか声を発する。
それ以上はきっと邪魔になるだろうと思うので、黙って、ただし じーーー っと、瞬きもしない感じで凝視するのだった。

セシル > 「私はこちらに来て数ヶ月しか経っておらんからな…間違いなく貴殿の方が先輩だろう。
いずれ、頼らせてもらうこともあるかも知れんな」

はは、と朗らかに笑う。そこに、雫の威厳のなさを軽んじるようなニュアンスは混ざらなかった。

「………噂になっているのか、アレ………
…まあ、よろしく頼む」

まさかの本人だった。ちょっとだけ悩ましげにこめかみを抑えた。
それでも、雫の他意のなさを見てか、特に邪険に扱うことはせず。

そして、魔法剣の術式と剣術を滑らかに融合させるための基礎鍛錬を始める。

基本的には、剣術の基礎鍛錬と変わらない。
輪の中に出る数字の順番に、素早く、正確に輪に突きを入れていくだけだ。割と地味である。
それでも、武術や剣術に心得がある者が見れば、腰を入れつつ、素早く正確に突きを入れる動作、身体の隅々にまで意識を行き渡らせた、制御された動きが、長い時間をかけた鍛錬の賜物であることは分かるだろう。

魔力を見たり近くしたりする能力があれば、剣が纏う魔力が均整を保って維持されながらも、時々、わずかな乱れが発生することも分かるかも知れない。

雨宮 雫 > 訓練を凝視する中、日差しを避けたり、遠くを見たりする時にやるみたいに片手を目の上に翳して少し隠す。
薄く、本当に薄く、目を翠色に光らせて魔力を 解析する瞳 で観た。

ただ、結果を口にするようなことはしないし、少しの間観たら、目の輝きを消す。

「随分カッコイイかな、かな。
 動きが正確だし、腕が立つ剣士っぽいのだね、だね。

 魔力の光も綺麗な感じーだし……ぬ?
 ああ、じゃあ島の新人さんなのだね、だね。
 それまでも剣術やってたのかな?ふふふ、まあ島で困ったら、山を走りたいとかなら頼りまくるといいかな、かなー。」

口からは賞賛と、軽く ぱちぱち という拍手。
コメカミを押さえたのは若干、怪訝そうになったものの、まさか当人とは思っていないのでそれ以上は問わなかった。

そのまま、訓練を見て一喜一憂、一憂はないから一喜一喜をして終わるまでは傍に居ることに。
終わったらきっと、飲み物くらいは奢るだろう、見学料に。

セシル > 恐らく、軽い解析ならまるで気付きはしないだろう。
その程度には、鍛錬に集中している。
…規定のセットを終えたところで、雫の方に向き直った。

「ありがとう…魔法剣は習って浅いが、物心ついた頃には既に剣を振っていたのでな。
伊達に訓練は積んでいない」

そう言って、ふ、と、口の端を横に引きながら、不敵に笑う。

「魔力は…良くも悪くも私は凡庸だからな、さほど「色」がついていないだけだろう。

そうだな…この学園にも少しは慣れてきたが、まだ分からんことばかりだ。
山か…そうだな、面白い動物がいるとか、いい景色が見られるとかがあれば、是非ご教授願いたい」

「よろしく頼む、先輩」と言って、朗らかに笑った。

それから、ちょっと調子に乗って魔法剣の鍛錬を長めに披露し(レイピアを使った「離れ業」まで見せた)、お礼に飲み物を振る舞われれば、喜んで口にしたことだろう。

その過程で「誤解」は解けたのか、それはまた別の話である。

ご案内:「訓練施設」からセシルさんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から雨宮 雫さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に柴木 香さんが現れました。
柴木 香 > 「わっふー……?」

にょき。きょろきょろ。よし、誰も居ない。
コンビニの袋と煎餅屋の包み。要するにサボりの構え。

自販機横のベンチに陣取る。
外は生憎のお天気ではあるが、屋根のある場所なら関係はない。
何よりこういう場所は快適でサボるのに都合がいい。
サボった所で誰かに怒られるわけでもないのだけど。

「ふー……」

ごそごそとコンビニ袋を漁れば。ペットボトル飲料にお菓子におやつ。
とりあえず――お茶の口を開けて、一口すする。

ずずー。

柴木 香 > 「わふ――」

美味しい。
食べれればなんでもおいしい、とか言ってはいけない。
こうして口に入るまでにどれだけの手が掛かっているのか考えればなんとやらです。
訓練しろよ、とか言ってはいけない。サボりです。

「んー、僕の時どうしたっけー……?」

お茶を飲みながら、かくん、と首を振る。
思い出しているのは、先日、頼まれて学生証発行の案内をした時の事。
その時は自分でした、と言ったけど。さて、僕はどうやって登録したのだろう。
自分でしたんだっけ、自分でした――と思うんだけど。肉親は居ないし。
――両親ってどんな人だっけ、って思い出すと毎回毎回、おっきい白い犬と、顔の細長い尻尾三本の犬が出てくるし。

島に来て―、捕まって―、調べられてー、人狼だー、って。うん、普通。
珍しくもない。――ない?

柴木 香 > 「まぁいいや――」

あだしごとはさておき。煎餅屋の包みを開ける。
出てくるのは炒った空豆に七味を塗した昔ながらのおやつ。
煎餅屋さんの片手間の商品だけど、これが美味しい。一つ、ぱくり。

「――うん、からい。」

ぽりぽり。こくこく、お茶が美味しくなる御茶請けは大事。

ぽりぽり。
豆を撮む音が響く。他に使用者も居ない訓練場は静かなもの。
……一人で考えるつもりだったけど早々に放棄してしまったら、やることも特にない。

柴木 香 > ぽりぽり。ぽり。……あっという間になくなってしまった。

「――んー。」

どうしようか。誰も見てないし。……見てないよね?
きょろきょろと周囲を見る。人はやっぱりいない。

すとん、とベンチから立ち上がる。
訓練といっても、身体を動かすくらいしかできないのだけど。

柴木 香 > 訓練場の中央で、両の踵を揃えて、立つ。

「ふー……」

一つ、息を吐き、目を瞑る。そして

ダンッ――――

床板を思い切り、蹴った。
跳び上がる。空中でくるん、と半回転。頭が下に、脚を上に。

柴木 香 > ダンッ――

再びの踏み切る音。次は天井の梁の一つ。今度は斜め方向に――

ダンッ――

壁の柱を蹴りつけて、跳ねる。一足蹴るごとに、身体は球の様に――

ダンッ――ダンッ――ダン、ダン、ダンダンダンダンダン――

床を、壁を、梁を、訓練場の全てを使って縦横無尽に跳ね回る。
窓や梁のない部分を蹴り込めばそのまま突き抜ける。
だというのに、目は瞑ったまま。

柴木 香 > 「――♪」

鼻歌を口ずさみながら、蹴り続ける。
身体を動かすのは楽しい、けど中々機会もない。
ついてこれる人も居ない、となれば一人でこうして遊ぶのが関の山。

傍から見れば、訓練場を跳ね回るスーパーボールのようなものだが。

柴木 香 > ギュム――ッ

盛大に靴底を鳴らしながら、最後に中央へ。
靴底が運動の熱で焦げ臭い匂いを立てる――。

「うん――訛ってない、大丈夫。」

そうしてようやく目を開く。
偶に身体を動かしたからどこか痛める、というようなこともなし。健康そのもの、うん、よろしい。
うんうん頷きながら――ベンチへ戻る。

柴木 香 > 「さって、帰ろ――。」

コンビニ袋に残ったお菓子を片付け――ペットボトルは片手に持って。
サボりは終了、とことこと訓練場を後にする。

ご案内:「訓練施設」から柴木 香さんが去りました。