2016/06/26 のログ
ご案内:「訓練施設」に霜月零さんが現れました。
■霜月零 > 「ふっ、せいっ!」
訓練施設で小太刀二刀を振るう青年。
彼を知っているなら、まあいつも通りの光景だと思うだろう。
だが、今日は僅かに違った。
「はあっ!」
一閃。
右手の小太刀を振るうと、そこから三日月型の何かが飛ぶ。
そして、それは10mほど先にある的に命中し、それを両断する事に成功した。
「よ、っし……!」
ふぅ、と安心したかのように溜息。
剣士の弱点である間合いの狭さを克服するための方策として、巫刀術の「飛月」という技を練習していたのだ。
現状、ある程度上手く行っているようである。
■霜月零 > 「ただなぁ……『飛月』の神髄は、もっと先にあるんだよなぁ……」
霜月流巫刀術。
それは、異形や人外に対応するために、数代前の当主が『巫術と剣術を組み合わせる事で、間合いと威力を補強しよう』と言う発想で生み出した魔導剣術である。
基本的に五行の力を用いる為……巫刀術は、必然、五属性を使い分ける事が出来るようになっている。
だが、零はこの『飛月』を、金行でしか扱うことが出来なかった。
「斬撃飛ばす、っつーイメージがな……どうにもな……」
この際の零のイメージは『刀身をコピーして飛ばす』である。
なので、刀身=金属を再現できる金行でしか使えていないのだった。
上手くやれば、斬るついでに燃やすとかもできるのに。
■霜月零 > 「んー……」
物は試し。取り敢えずやってみよう。
そう考え、今度は普通に集中して的に向かう。
そして……
「はぁっ!」
振り抜かれて飛び出したのは赤色の三日月。
いままでの金行と違い、火行の飛月である。
が。
「……こうなるよなぁ」
それは、数メートルですぐ雲散霧消してしまった。
『炎を斬撃のまま固定して長距離を飛ばす』と言うのが、何とも難しいのである。
炎とはそもそも不定形で、風の中を突き進めば普通は消える。
それを抑え込み、刃の形で留めるのが腕前なわけだが……流石に、一朝一夕ではうまくいかないようだ。
ご案内:「訓練施設」に雪城氷架さんが現れました。
■雪城氷架 > よいしょ、とベンチに鞄を降ろして
「おーい」
少し離れたところから、声をかける
■霜月零 > 「ん?」
聞きなれた声に反応し、くる、と振り向く。
「お、氷架。来てたのか」
笑って、そのまま小走りで氷架の方へ。
時折彼女は、こうやって自分の稽古を見ていてくれる。
少し恥ずかしくもあるのだが、それ以上に嬉しい事であった。
■雪城氷架 > 「メールで今日稽古して帰るって言ってたからさ」
にっと笑って、小走りで駆けてくる零を迎える
「はい差し入れ」
手提げ袋からスポーツドリンクのペットボトルを取り出して投げ渡す
しっかりと冷えているのはきっと本人の異能で温度を下げておいたから
■霜月零 > 「はは、そういやそうだったな」
稽古に集中して、しっかりと連絡していたことをすっかり忘れていた。
少し困ったような笑いになりながら、スポーツドリンクをぱしっとキャッチ。
そして即座に開けてごきゅごきゅごきゅ。
「ふぅ……ありがとな、氷架。冷えてんのは氷架のおかげか?」
氷架の異能『分子運動掌握(マクスウェルコード)』は、大雑把に言えば温度を操作できる異能でもある。
なので、ここまでしっかり冷えてるのは、この異能のおかげかな?と思ったのだ。
■雪城氷架 > 「うん、便利だろ?」
コンビニからすぐ、という距離でもないしちゃんと冷やしておいたのだった
続いて、投げ渡すのはタオル、自前のも持ってきているかもしれないけど…
「少し暑くなってきたし、体動かすなら水分補給はしないとなと思って」
氷架なりに気を使ってみたらしい
■霜月零 > 「おう、本当にな」
笑ってタオルを手に取る。
それで汗を拭きつつ、にか、と笑って見せる。
「違いない。気が利くな、氷架は」
そのまま、思わずくしゃっと頭を撫でる。
これもなんだかんだ、いつものスキンシップになってきたように思う。
■雪城氷架 > 「お、おう…そうだろ、感謝するといいぞ……」
唐突に頭を撫でられると照れくさいのか、頬を染めて少しだけ視線を逸らす
たまに思うけどこうナチュラルにスキンシップを振るのが恥ずかしくないのだろうか
年頃の男の子はきっともう少し、こう、あるはずだ
零には妹がいる、というのも関係しているのかもしれない
とりあえず周りにひと目がなければ良し
「…で、何か今日は少し変わったことしてたんだな」
手提げ袋から自分の分のコーラを取り出して、プシュっとプルタブを開ける
■霜月零 > 「おう、感謝してる」
わしゃわしゃ。
妹がいるせいで、この手のスキンシップは身内にはハードルが低い。
なので案外平気でわしゃわしゃやってしまうのである。わしゃわしゃ。
「ああ、アレな……ほら、俺って射程短いからな……だから、所謂遠当て系の技を練習してたんだよ」
霜月零は、剣士である。
基本的に、剣士は剣の間合いでしか戦えない。それが弱点になる場面も多々あった。
なので、それを補いたいと思ったのだ。
■雪城氷架 > 「トオアテ?」
小首を傾げる
割りと一般社会から島に流れてきた氷架、
武道に精通していたわけでもなく、いささかそちら方面には疎い
わしゃわしゃされてほんのすこしだけ乱れた髪の毛を手慣れた様子でお手入れ
相変わらずの超ロングツインテールです、きらん
ともあれ射程のどうこうは、氷架にも言葉の意味として普通に伝わる
「でも零って魔法みたいなのも使えるじゃん」
■霜月零 > 「ああ、遠くに攻撃飛ばせる技だよ。遠くに当てるから、遠当て」
簡単に説明。そう言えば、氷架はこの手の話にあまり詳しくなかった。後かわいい。
「ああ、巫術だな。ただ、アレを剣術の流れの中で使ったりするのは難しいのと……フェイク込みかな」
霜月零は、見た目典型的な剣士である。
なので、相手も基本は剣士として想定してくる。
そこに、剣術の流れの中で巫術を当てる……と言うのは、戦術として有効だと思ったのだ。
……後、遠距離巫術は詠唱しなくてはならないのがネックだったりする。
■雪城氷架 > 「へー…」
氷架の知識としてはやはり漫画やゲームの必殺技が浮かぶ
いわゆる飛ぶ斬撃!というやつだと認識した
「はー、色々考えてるんだなぁ…。
…そういえば零って、やっぱり学園出たら家を継ぐのか?」
これだけ剣術に打ち込んでいるのだ、きっとそうだろうと
コーラを一口飲んで、なんとなく問うてみるのだった
■霜月零 > 「ま、戦術的な補助も兼ねて、だな。手札は多い方がいいだろ?」
はは、と笑う。
霜月流がそもそも手札の数を重視する流儀の為、余計そう言う思想があるのだろう。
「んー……そうなる、かもなあ。
正直才能で言えば芙蓉が継ぐかと思ってたんだが……もしかしたら、俺になるかもなあ」
芙蓉は心に大きな傷を負ってしまった。
なので、無理に当主と言う重責を負わせるよりは、兄である自分がその座に収まった方がいいという判断はある。
■雪城氷架 > 氷架は戦闘の駆け引きや、細かいことはよくわからない
なので、零がそう言うのならきっと、手札というのは多いほうが良いのだろう
そういえば剣道の大会なんかを見た時は、多彩な動きをするヤツがいたな、なんて思い出して
「へえー、女の子でも継げるってとこにびっくりした。
なんかそういう武術とかって男が継ぐーみたいなイメージあったなぁ」
■霜月零 > 「ああ、そう言う流派もあるっちゃあるが、霜月(そうげつ)流は問題なく女も継げるぞ。
それこそ、数代前の当主は女だったしな。なんでも歴代五指に入る遣い手だったらしい」
大太刀を振るい、神魔問わず軽々と切り捨てる事が出来たという無双の女剣士。
奥義である『無念無想剣』『時流』を極め、剣術で言えばまさに当代最強、歴代でも最上位と言う圧倒的な強さを誇ったそうだ。
「その当主にも兄がいて、それでも妹のそっちがなったらしいからな……ウチは男女問わず、だよ」
少し、その兄の気持ちも聞いてみたい気もするが。
妹に劣るとされ、当主の座を与えられなかった兄の気持ちを。
■雪城氷架 > なるほど過去にも女当主がいたらしい
しかも言葉を見るに、かなりこう、持ち上げられている印象だ
「そうなのか?すごいな…零と戦ったらどっちが強いんだろうな」
単なる好奇心でそう聞いてみたりもした
■霜月零 > 「んー、どうだろうなぁ……実際に戦ったことはねーし、実戦での動きを見たことも無いからわかんねーが……」
型稽古などの動画は残っているが、流石に実戦の動画は残っていない。
実際にどのような動きで戦っていたのか、までは、中々読み取れないのだ。
「……伝承が本当なら、まず俺に勝ち目はねぇ。と言うより『時流』が剣士殺しだ。
型稽古だけ見ても、動きに無駄が無くて相当な腕前なのは分かる。
正直……ある程度のフカシが入っててもキツイだろうな」
零は未だ未熟、修行中の身だ。
だが、少なくとも型を見る限りにおいては、その女当主の剣術は完成されていた。
動きに無駄が無く、些細な動きに意味があり。
そして、ロス無く力を伝え、大太刀と言う扱い辛い武器をコントロールする。
相当な技量が無いと出来ない事だった。
■雪城氷架 > 「へぇー…」
零くらいの腕前になってしまうと、逆に戦う前から結果がわかるんだろうな、と
素人なりに考えがついた
きっと、時の運とかで勝てるような甘い世界ではないんだろう
「じゃあ零が歴代最強になれるようにしっかり練習しないとな!」
締めくくり方は、とてもポジティブな彼女らしかった
■霜月零 > 「……そうだな」
くす、と笑う。
正直なところ……型だけ見ても敵わないと思っていた自分が恥ずかしくなった。
そうだ、自分の護りたい人は、こんなにもポジティブで、そして自分を信じてくれている。
ならば、それに応えなくて何が彼氏だ。
「そのレベルの奴が襲ってきた時に、氷架を守れるようにしねーとな」
護る。
それは、霜月零にとって今、最も強いモチベーションの一つになっている。
背中に人がいればいる程気持ちが高まる。
特に、妹と恋人を守るためなら、その気力は天井知らずだ。
感情が大きく揺れ動く性質なので、無念無想剣からは遠くなるのかもしれないが……これこそが、霜月零の持ちうる強さなのかもしれなかった。
■雪城氷架 > 「ん、しっかり守ってもらう」
にへっと笑って、その真っ直ぐすぎる言葉を受け止めた
「私も少しくらいの護身術は覚えておかないとだけど、
正直鍛えても絶対限界あるもんなぁ…」
小さい、ひょろい
はっきり言って筋肉どころかちゃんと内臓器官が詰まってるのかというような細身だ
多分大の男に思い切り蹴られたらそれだけでノックアウトであろう
「異能は制御できるようになったけど、やっぱり人に向けて使うのは怖いしな」
■霜月零 > 「おう、全力で守ってやる」
にか、っと笑う。
この笑顔の為なら、どこまででも頑張れる。そんな気がした。
「んー……氷架は、細いしなあ……正直、たまに壊れないか不安になる」
特に、肌を重ねる時。
愛おしくてつい強く抱きしめそうになるのだが、鍛えている零が全力で抱きしめると、もしかして折れてしまうのではないかと言うくらいの危うさが氷架にはあるのだ。
なので、そこはこっそり加減していたりする。
「体質なのかもなぁ……少しは鍛えた方がいいとは思うけど、鍛えるべき筋肉が少なそうでな……」
そもそもの筋繊維が少なく、筋トレをしても上限が平均より低くなってしまう人も存在すると聞く。恐らく、氷架もその類だ。
なので、護身ならば異能の鍛錬の方が手っ取り早いのだが……
「それは、な……やっぱ慣れだよな、うん」
他者を攻撃する、と言うことに慣れてしまっている零や芙蓉と違い、異能を除けば氷架は普通の女の子だ。
心優しい、女の子だ。他人を傷つけるという行為は、やはり躊躇いがあるのだろう。
その優しさは美徳であるし、愛おしいとも思う。
だが、克服した方が安全であるのも確か。悩ましい問題であった。
■雪城氷架 > この、どれだけ食べても変化がない体型は自慢でもありつつコンプレックスでもある
肉がついてほしい部分にもつかない
「運動は嫌いじゃないんだけどなー…」
実際体育の成績はすこぶる良い
足も早いし、運動神経が悪いわけではないのだ
ただただ華奢である、その一点だけで戦闘に全く向いていない
「うーん、慣れっていうけど。加減がさ…」
手を翳してみる、少しだけ集中して異能のスイッチを入れる
数メートル先に、煌々と白炎を舞い上げる火球が出現して、消えた
「弱すぎると、その気で突っ込んできたら足止めにもなんないし。
これぐらいでやると、多分死んじゃうんだよ」
温度を下げることもできるが、そちらは単純操作というわけにもいかず、咄嗟にはとてもできない
■霜月零 > 「脆い、ってのは格闘だとどうしてもなー……」
フィジカルもある程度はテクニックでカバーできるが、それには限度がある。
柔よく剛を制すと言うが、剛よく柔を断つのである。
「炎はなあ……燃やすと大怪我って事になりかねないしな。
そうだな、氷……温度低下の方はどうなんだ?相手の周囲を凍結させて閉じ込めるとか」
要するに、氷で包んでしまうのだ。
これならば、殺傷能力はないし、ほぼ足止めにはなる。
護身としてはそれなりに有用だとは思うのだが、どうなのだろうか。
■雪城氷架 > 「んー…んー……そうだなぁ……」
ちょっと待ってて、とベンチから立ち上がって
ストレッチ、続けて、深呼吸
「んっ」
まずは右手を掲げて、瞬時に先ほどと同じ規模の爆炎が舞い上がる
続けて、
「うーん……!」
左手を掲げる、手の先の空間が少しずつ冷え始め、氷の粒が出来、そして数秒後
氷柱が空中から迫り出し、牢獄のような形を形成した
「…ふぅ……温度下げるのって、なんか感情的にぶわーっといけなくってさ…難しいんだ実は」
出来はするけれど、時間がかかってしまう
■霜月零 > 「成程な……」
確かに、先程の話は、氷の牢獄を瞬間生成出来るのが大前提だ。
数秒時間がかかっていたら、普通に回避されてしまう。これでは使い辛くて仕方がない。
「イメージを作るトレーニングが必要だな、こりゃ……そうか、異能だとそう言うのがあるんだな」
霜月零も氷を使うが、あくまでそれは巫術。
いわば魔術の一種であり、それは『手順を追って行使すればその結果が発揮される』と言うシステマティックなものだ。
体系だった魔術の強みであるし、そうでは無く個人の特質的な能力である氷架の異能は、その点では魔術に劣ってしまうのだろう。
その点は、現実世界に何かしらの影響を及ぼすタイプの異能を持たない零にとっては、盲点でもあった。
■雪城氷架 > 「そうそう、複雑な形を作ろうと思うとさ…」
少し疲れたのかふぅ、と息をついて
「私の場合だと、視覚範囲の何処にどんな形をどれくらいの密度で~とか…、
なんかごちゃごちゃ考えてやらなきゃいけなくってさ…その点炎出すだけなら何も考えなくていいし…」
手をわざわざ掲げるのも、その方向に力を集中させる自分への暗示のようなものである
このへんは教科書に書いてあったものをそのままやっているに過ぎないが
「あ、あと…一度作った形をしっかり覚えておくと、スムーズだったりするけど…」
それでも結局、分子運動の減速は加速よりも時間がかかるという自然的概念を克服できない
物理学に疎い氷架はうまく説明できないのだけれど
■霜月零 > 「そこは、やっぱり慣れになってくるんだろうな……俺は異能関係は疎いしなあ」
もしかしたら、根源接続を使えばいい方法が分かるのかもしれないが……専門外の分野に潜って行くのはどうにも難しい。
下手をすれば頭が本当にパンクしてしまう。リスクとして大きすぎた。
「形を覚えておく……にしても、そっからの『温度低下』に掛かる時間がネック、か。
異能関係に詳しい先生に聞いてみるとかになるのか?」
これと言ってぱっと名前は出てこないが……やはり、そう言う人を頼るのが無難だろう。
自分で力になれないのは口惜しいが、そこに拘って氷架の成長を阻害するのはダメだ。
■雪城氷架 > 「多分だけど、頭の回転の速さも問題なんだと思う」
岩yル空間認識能力だとかそういったものも密接に関係している
あとは集中力、精神の昂ぶりも影響することはきっと零も知っての通り
「護身のためにはって思うけど、
私が人に向けて異能を使ったりするの、多分嫌がるやつもいてさ。
私自身も正直、練習はともかく本番とか怖すぎて何もできない気がするしな…」
括流なんかは絶対に反対する
それだったら危ないところに懸命に近寄らないようにすることを心がけるべきなのは確かなのだ
「やっぱり、零や括流に守ってもらうほうがいいかもしれないな。
ごめんな。なんか頼りなくって…」
■霜月零 > 「凍結させる場所を認識してそこを凍らせる……ってなると、結構複雑か。やっぱ高度な異能なだけあって、難しいんだな」
成程なー、と頷く。
原子運動と言うモノを支配し、操作する異能。それだけでも相当扱いが難しいはずだ。
それを即座に精密操作しろ、と言っても、やはり難しいのは当然なのかもしれない。
「……ああ、氷架はそれでいいんだ。
氷架は優しいからな。変に人を傷つける事なんて、覚えなくていい」
くしゃ、とまた頭を撫でる。
強大な力を持ちながら、それに踊らされる事はない。
普段はつんけんとしているが、根底はとても優しく、人を傷つける事を恐れ、嫌う。
それもまた、氷架の良さの一つだと、零は認識していた。
だから。
「頼りなくたっていい。そんなのは氷架に必要ない。
俺が守るよ。その為なら、いくらでも頑張れる」
護りとおす。
元々はコンプレックスを祓うために続けていたところのある稽古だが、今のモチベーションはやはり氷架と妹……芙蓉だ。
この二人を護るための力。それを身に着けるために稽古しているのだ。
その力を使って、護る。
何が何でも、護りとおして見せる。
■雪城氷架 > 「ん…」
今度は視線をそらしたりはせずに、大人しく撫でられる
自分よりはずっとずっと大きな手は安心させてくれる不思議な力を持っていた
「…じゃあ、応援する。
零がどんなやつからも絶対守ってくれるって信じてればいいんだもんな」
そう言って顔を綻ばせた
「じゃあ、私はバイトあるしこのへんで。稽古も見たかったけど…また今度見せてもらおうかな。
スポドリ、まだあるからちゃんと汗かいたら水分補給しろよな」
そう言って、ベンチの鞄を肩にかけて、くるりと踵を返す
氷架の言うとおり、置かれたままの手提げ袋にはまだ2本ほどのペットボトルと、
サンドイッチが1つ、入っていた
袋の中はまだひんやりとしている
■霜月零 > 「おう、応援しててくれ。
それがあれば、お前の前でなら最強になってやる」
笑い返して、強気な事を言ってみる。
実際は難しいのかもしれなくても。これくらいの意地を張れなくて、何が彼氏か。
惚れた相手の前でくらい最強を張り続けたいという気持ちは、おかしなものではないはずだ。
「おう、バイト頑張れよ。なんなら後で見に行くからさ」
そう言って手提げ袋を見る。これなら、もうしばらく稽古していても問題なさそうだ。やはり気が利く彼女である。
■雪城氷架 > くるりと振り返り、手を大きく振って
じゃあ待ってる、と言い残し、ぱたぱたとその場を後にするのだった
きっとバイト先に現れれば、例の彼氏だ!とまたサービスディナーが並べられるのであろう
ご案内:「訓練施設」から雪城氷架さんが去りました。
■霜月零 > 笑顔で見送る。
その後、取り敢えずスポーツドリンクをごきゅごきゅ。
「……よしっ!」
気合が入った。
勢い込んで稽古をする。出来ればバイト時間中に行きたいが、ギリギリまで頑張ろう、と。
……結果、ほんっとうにギリギリに行くことになってしまい、ちょっとしょぼくれる未来が待っているのだが、当人はやる気に満ち満ちているのであった。
ご案内:「訓練施設」から霜月零さんが去りました。