2016/07/04 のログ
カラス > ぽんっと小さく火は吐けた。

が、すぐに閉口する。やはり熱い。

はー…と咥内の熱い息を吐いてぺたんと座り込んだ。
羽が床に擦る。埃はさほどないのか、汚れることはなかった。

カラス > その後も何回かブレスの練習は続いた、が
一番うまく出来たのは先程小さく火が灯せた程度であった。

魔力量は十分ではあるが、扱い切れていない。


「……帰ろ。」

そろそろ日が落ちてくる頃になってしまった。
うーんと伸びをして黒い翼を広げ、その後に小さく溜息。

「……こんなんじゃ、いつまで経っても…。」

カラス > と、独り言ちたが、首をゆるゆると振り、
緑の鱗に包まれた足で歩き出した。

訓練施設内にはしばらく、不自然な火の魔力が残ったまま。

ご案内:「訓練施設」からカラスさんが去りました。
ご案内:「演習施設」に士尺 流雲齋さんが現れました。
士尺 流雲齋 > ある晴れた日。
蝉が鳴き始め、大きな蜻蛉が空を飛んでいる。
試験も終わり、夏休みが間近にせまってきていた。
流石にこの炎天下の中、わざわざ真面目に演習にやってくる者は少ないだろう。
今日は近々控えている、実習への準備である。
幾つかの大きな長持ちを軽々と担ぎ、演習場へ向かった老人は、独り言のようにつぶやいた。

「はて、さて。困ったのう。
少数派故の、いつもの事じゃが……」

眉が、八の字に下がり。
ふう、とため息をつく。

「教えるための、手が、足らぬわい」

魔法剣の実技授業。
皆一様に、同じ事をさせるわけにもいかず。さりとて基礎もまともの理解していないものを訓練に投入、はいくらなんでも理に反する。

ご案内:「演習施設」に真乃 真さんが現れました。
士尺 流雲齋 > どっこいしょ、と長持ちを演習場の隅に置くと、その縁に腰を掛けて。
どこから取り出したのか、竹の水筒を傾け、一休みをする。
足元には、幾つかの教材。

その中でも目立つのは、巨大なマッチ棒にも見える、何本もの初心者用のマジックトーチ。
魔力を消費して灯をともす松明であった。ただし、出てくるのは色とりどりの煙だが。
これを使い、魔力の安定放出を図る。魔法剣は場合によって維持するための魔力が必要であることから、一定量をムラなく出し続けるために練習が必要になるのだ。

……しかし、これから修得する者はともかく、既にある程度使いこなしている者に対しては、どうしてやるのがいいか。

「無属性の魔法、それから……対異形等の仮想戦闘がいいかの。
やっておる者は少なそうじゃし、毎度転移荒野まで行くのも手間じゃしの。
差し当たっては、どこかで助手が見つかるといいんじゃがの」

ずずり、と冷えた麦茶を啜ると、遠くを見るように目を細めた。

真乃 真 > 「そこのご老人!さては何か困ってますね!」

異様な長さのタオルを首に巻いた男が遠くの方から駆けてくる。
重そうな長持ちを持っているなと心配に思っていたがどうやらそれは杞憂だったようだ。

「良く分かりませんけど!僕で良ければ助けますよ!」

おそらく何らかに人手がいるのだろう助手とか聞こえたし!
無駄にカッコいいポーズを取りながら言う。