2016/07/06 のログ
リビドー >  
「その通りだよ。とは言え、難しくないよりは好いとは思わないかい。
 ……だって君は、簡単に人を殺す暴力は嫌いだろう。」

 柔らかく、優しく。
 ステーシーの繊細さを肯定するように、口元を緩めて笑んでみせる。
 ――その上で、改めて表情を引き締める。

「――最後はキミが決める。其処に覚悟があれば良い。
 少なくともボクはそう思うし、殺意も捨て身も時には強力な味方だ。
 安易にそれらを敵にしてはいけないよ。自分が使うにしても、誰かが使うものを見ても、な。」


「ん、ああ。どうにかするよ。
 幸い、手段やツテは持っている。どうにかなるし、どうにかするさ。
 言う程大きなけがではないし、そもそもボクの選択故だ。甘んじて受けるさ。」

ステーシー > 「……そうですね」

そうだ、自分には力がある。
その力の使い方と責任を見誤らないことだ。
きっと自分には、それができる。そう信じる。

頬を掻いて、笑みを浮かべた。
その時、私は悟ったんだと思う。
自分が成すべきことを。

「殺意も捨て身も、殺さない覚悟も自衛の意志も」
「全部…自分なんですね」
「安易に敵にしないという言葉、覚えておきます」

リビドーのその言葉を聞いて、安堵して胸を撫で下ろす。

「そうですか、それじゃ私もこの頭のコブを受け入れます」
「さて、今日は本当にありがとうございました」
「リビドー先生、色々と教えていただいたこと、忘れません」
「って…お別れみたいですねこれじゃ……それじゃ、また会いましょう!」

笑顔で小さく手を振ると、木刀を拾って去っていった。

ご案内:「訓練施設」からステーシーさんが去りました。
リビドー >  
「今生の別れにはしないよ。
 ――ああ、また会おう。」

 立ち去るステーシーを見送り、右腕へと目を遣る。

「ボクならいつものことで済まされる気がしないでもないが、
 念の為にここの医務室は使わないでおこう。大きな怪我の内にも入らないつもりだが、
 厳しい医務員に当たれば少しばかり面倒だからな。さて……」

 右腕を眺めて独りごちてから、ゆっくりとその場を立ち去った。
 

ご案内:「訓練施設」からリビドーさんが去りました。