2016/08/15 のログ
ご案内:「演習施設」にRK-3173さんが現れました。
RK-3173 > 演習場に一人の少女らしき姿が現れる
白い髪に赤い目
身につけているのはメイド服

シックなロングスカートではあるが背中から肩にかけて大きく開いており大胆な意匠となっている

「召喚に応じ参上いたしました」

ぺこりと一礼する姿は優雅だ

RK-3173 >  
『よくきた
 早速だが軍事演習として新規開発、改良された兵器群の運用テストをしてもらう
 品目と召喚コードは次のものだ』

グラウンドまで進んだところでアナウンスがかかる
姿は見えないがモニタリングルームにでもいるのだろう

メイドの少女はと言うと何かを受信したかのようにうなずくと

「確認いたしました。
 今すぐテストを開始しますか?」

とあくまで事務的に応えた

RK-3173 >  
『ああ
 すぐに開始しろ』

そう言われれば
その口から人間には発声不可能な音が発せられる

「MOBIUS 運用許可 申請 受理
 展開開始、運用データダウンロードまで残り300秒です」

それと同時に常世学園の悠か上空
普通ではありえない位置で待機する静止衛星が展開し一つのユニットが放出された

RK-3173 >  
きっかり300秒後
通常ではあり得ない速度で飛来したそれは演習場のバリアを通り抜け地表すれすれで急減速する
しかしその速度を殺しきれずに深々と地面に突き刺さる

そして地面に突き立ったそれは花弁が開くようにゆっくりと展開した
なかに鎮座するのは一丁の無骨なライフル

『今回の改良点は大幅な軽量化とチャージタイムの短縮だ
 エネルギー効率を高めることで一発当たり55秒での発射が可能だ
 それに伴い装弾数と一度に発射可能な段数も増えた』

こくこくと、わかっているとでも言うかのように相づちを打つ

「ダウンロード完了 データリンク 開始します」

ライフルを手に取りかまえる

グラウンドの対角線にはターゲットが出現していた

RK-3173 >  
「ターゲットを確保いたします」

狙いを定めトリガーに指をかけ引く
弾道計算や長距離狙撃のスキルも込みでダウンロード済みである

ターゲットまでの距離は500m弱
彼女にとって余裕な距離と言えた

タタン
と軽快な音が響く

弾丸は寸分違わずターゲットに命中
弾丸に込められた科学と魔術の集大成ともいえる技術が周囲の空間を切り取り、分離し、隔離し、封じ込める

それが一瞬とも言える速度で行われた

そしてそのターゲットのうしろにあった別のターゲットもほぼ同時に消え去る

付近にはその空間を圧縮したビー玉のようなものが転がっていた

カチカチとトリガーが空を切る音がする

どうやら増えたといっても一度に撃てる弾数は2発までらしい
実質、直接的な防御が不可能な兵器だ

これだけでも十分な進歩、アドバンテージと言えるだろう

RK-3173 > それが数度繰り返され
クレーターの数が二桁になった頃

『次の武器を』

と指示が入る

「かしこまりました」

そうしてあまり時間も空けずに
次の飛来物が地面に突き刺さる
そろそろ次の指示があると予測していたのだろう

中に入っていたのは巨大なガトリング
しかし肝心の弾がついていない

それを両腕と背後の自由自在に動くリボンでもってマウントする

『次の改良点は安定性―――』

その言葉が終わるまえに目の前に展開されたターゲットへ圧縮空気の弾丸の掃射を開始した

RK-3173 > 10分程度撃ち続けただろうか

次々に現れるダミー人形に対し
ヘビーボクサーのストレート並みの威力を持ったそれが間断なく浴びせられる
その間、弾詰まりも動作不良もなく延々と弾丸が発射されつづけていた

とガチンと音がして掃射が止まった
回転していたバレるもゆっくりと回転を弱めその動きを完全に停止させる

どうやら吸気口がつまったようである
要するにジャムったのだ

『ご苦労 次を』

ねぎらいの言葉はそれだけ。どちらが機械なのかというような端的な指示
そのうしろでまだ改良が必要だなという呟きが小さく聞こえる
それを気にする風もなくガトリングをパージし地面に終えおろす

ガシャンと大きな音がした

「次のユニット到着まで223秒です
 もう少々お待ちください」

とまた事務的な応答でもって返す
今回の扱いにも不平不満も言わずただ黙々と付き従う

RK-3173 > 今までと同じように地面へと突き刺さる蕾のようなユニット

だが今回はそれとは別に飛来するもう一つの影があった

それは蕾と同じように飛来すると
蕾とはうって変わってふわりと減速し、くるりと身を翻すと優雅に着地を決めて見せた

『RK-207 着任いたしました』

「お姉様・・・・・・
 これはどういうことでしょうか
 意図の提示をお願いいたします」

意図がわからず直接たずねる
ターゲットでアルならば今まで通りデコイで良いはずだ
さりとて2体以上で運用する兵器など品目の中にはなかった

これらのことが意味するところは

『次のターゲットはそいつだ
 実際の先頭データが欲しい
 そいつはものだ
 【壊して】しまってもかまわん』

と告げられる
 
『了解しました マスター』

相対する自分はすでにナイフを構えている


「了解・・・いたしました」

花弁が開き中から現れた日本刀・・・単分子ブレードを引き抜いた

ご案内:「演習施設」に蕎麦屋さんが現れました。
RK-3173 > 攻防はそう長くは続かない
お互いに達人の動き、理念をインストールしている

例え拮抗していても勝負が決まるときは一瞬

ナイフの二刀を構え間合いをつめる207
狙うは刀のリーチのさらに内側
そしてナイフの必殺圏内
独特なほほうでもってその機動を読ませまいと動く

一方3173は刀を上段に構え必殺の一刀を持って
機先を制するべく動く

そしてふたりの剣閃が激突した

蕎麦屋 > おかもち片手にぶーらぶら。出前の帰りのこと。
何やら威勢のいい砲火の音が聞こえるとなれば、そりゃあ気になるのが江戸っ子のサガってものでしょう。
江戸に住んでたことないですけど。

「はてさて、景気のいい音の素は―……っと。」

開いていた扉の一つからひょこりと顔をのぞかせる。
お、やってるやってる。あたりに転がっている武器群は――

「おや、見たことないですね。」

少なくとも、一般で使用されているモノではなさそう。
興味本位でこっそりと忍び込んで、観客気取りで隅っこです。

RK-3173 > 振り下ろさした一撃をナイフでもって受け止められる

如何に単分子の刃によりすべての物質を両断せしめる刀とはいえ
性格に刃筋が通らなければ鉄をきるのは難しい

芯をずらされた

そもそも武器を破壊してしまえばと言う心づもりが甘いとしか言いようがなかった
相手は自分と同等以上の存在

そのナイフが刀にすっとめり込む
高振動ナイフ
触れるものを分子的に熔解し切断する武器

このままでは武器を破壊されその上でこのナイフは自分に深々と突き刺さるだろう

死線にいる二人にとって新たな観客を気にする余裕など微塵もなかった

蕎麦屋 > 「ふむ……」

戦っているのはどうやらどこぞの試作兵器かなにかのよう。
動きだけなら稀代の遣い手もかくや、なのだけれど。
片方はともかく、もう片方には本能の琴線に触れるものがない。
つまりは人間ではない、多分。

戦況は、双剣使いがうまく懐に潜り込んだ、という処。
無銘だが名刀と見受けるそれを、紙か何かのように切り裂く短剣は――
うん、あれも知らないな。

ただ、止めなければちょっと気分的に良くないものが見れそう。
あれは、武器を砕いてはい終わり、という気配ではない。
立ち上がって――

「はいはい、すとーっぷ、すとーっぷ。
 ここで『殺人』はまずいですって、すとーっぷ。」

気の抜けた声で静止に入る。
止まれば御の字、止まらなきゃ――さてどうしよう?
静止しながら、ジーパンのポケットから硬貨を数枚――さきほどの出前の対価である――を引き抜いた。

RK-3173 > とっさに刀を返し回し蹴りを見舞う

至近距離でのそれをうけ207は間合いを再度開くことを余技なくされる

だがそれの代償に赤黒い液体がフィールドを染めた
膝をつくのは3173

蹴りの間際にナイフで膝の駆動系をやられたのだ
飛び出したのは潤滑油か何かだろうか

通常ならここで勝負はついたとすることだろう
だが蕎麦屋の静止も聞かず戦闘は止まることはない

なぜなら未だにマスターの静止命令はないのだ

そして、壊れるまで戦い続けられる自分たちにとって壊してしまってもかまわないという命令は
つまるところどちらかが再起不能となるまで戦えと言うことにほかならない

膝をついたまま刀を鞘に戻し深く深く構え直す

そこに最後の一撃を与えるべく207が変則的な機動を持って飛びかかった

蕎麦屋 > 「あー……もう。」

案の定というか、やっぱり止まらない。
仕方なしに走り出す。目的地は演習場の中心――つまりは二人?二体?のちょうどその間。
一足、二足で人間離れした加速を見せながら――握った硬貨を纏めて、お構いなしの全力投擲。
豪ッ、と風が啼く程の勢いで振り抜かれた硬貨は、今まさに飛びかからんとする双剣使いの脚を狙って飛来する。

ただの硬貨と侮れば――関節の一つはや二つは砕けるはずだ。

一瞬でも止まってくれさえすれば、割り込みも間に合うだろうか。

RK-3173 > 狙うべきは刀使いの方だったかも知れない

「・・・・・・っ!!」

死線にガチンと爆発音じみた音が混ざる

鞘の後部に施された仕掛けが刀を勢いよく射出し神速とも言える抜刀をみせる
刀は光の軌跡を描きひと思いに振り抜かれた

その軌跡は場に飛来する硬貨数枚と今まさに刀を受け流さんとするナイフ、そしてその持ち主を一瞬で通り抜けた

硬貨が主を失った脚とそれからはるか後方にあるバリアにあたり派手な音を立てる
それに遅れるようにバランスを崩した上半身がドチャリと音を立てて落ちた

『ご苦労
 やはり武器の差が出たな
 単分子層の積層化を行うことにより衝撃や干渉に耐久性を増して―――

 ってストップストップ
 部外者が入ってるぞ
 けいびいーん おいこら警備員どこだ』

静寂が戻ったフィールドにスピーカーからの音だけがこだまする

「お姉様・・・・・・」

小さな呟きはスピーカーの音にかき消された

蕎麦屋 > 放り投げた直後に舌打ち。
両方止めるべきだった。『比較的マトモ』に見えたから止めなかったのだが。
短剣が短剣なら、刀の方も大概なシロモノであったらしい。

「うわっちゃぁ――」

というわけで、辿りついたのは振り抜き終わった後の話。

「うわー、私の今日の稼ぎが無駄に――というか私出た意味ないじゃないですか。
 なんか単分子層の積層がどうとか随分オーバーテクノロジーなお話ですけど――ええと、風紀委員呼びます?」

見るからに血液と違う液体は、先ほどの推察を裏付けるに十分、というかフレーム見えてますし。
かなりえんがちょです。人の姿してるからなおさら。

「――あ、警備員さんは顔パスなので。毎度、しがない蕎麦屋でございます。
 というか扉空いてましたし、見学してたのですけど。」

スピーカーからの声にはとりあえず適当に声を放り投げておく。
どこかからモニターしているのだろうし、聞こえて入るだろう、たぶん。
ただの人間よりは耳は良い。消えた音には気付いたかもしれない。ぴくり、とわからない程度に眉がはねた。

ああ、やっぱり気分的にはよろしくない。

RK-3173 >  
「いえ。私どもは備品ですので・・・・・・
 ですので風紀委員は無用であるかと思います」

彼女ではなく私たち
切り裂かれた膝はスカートで隠れてしまっているがこの意味するところに彼女は気付くだろうか

「それよりも私どもは禁則事項ですので禁則事項
 警備の者が来る前にはやく退出されるのをお勧めいたします」

途中明らかに不自然な言葉が混じっているが
それは見られて不味いだとかそういったことよりもその身を案じているというのはわかるだろう
先ほどの鬼神のごとき動きはまるでなりを潜めまるで普通の少女のように見える

背後では警備員と叫ぶ声が未だに聞こえている

蕎麦屋 > 「あ、はい、気付かないわけがないですけれど。
 そのうちお暇しますけど――と。」

風紀委員に見つかるのはヒッジョーにまずいのだが、そこはそれ、シラを切るつもりである。
あんな手練の兵器が一個人で作られたとかそれこそ冗談では、ない。
それなりに技術力のある何処かの団体の所有物、試作品、というのが妥当な線か。
落ちていたガトリングガンを何気なく拾い上げる。片腕で保持して、眺めつすがめつ――

「や、こういうのが大好きでして――あ、弾倉がない。
 暴徒鎮圧用?にしては重すぎますし、専用兵装の類ですか?」

禁則事項、禁則事項と口走るメイドに聞いてみた。
聞きながら、ガトリングガンは担いだまま、スマートガンも軽々と拾い上げる。

RK-3173 >  
「はい。私どもの専用兵装となります
 基本的に駆動には私どものidと認証が必要になりますので
 他の方が使うのは難しいかと・・・・・・」

いまに警備員が来ればその後は風紀委員のお出ましだろう

いつ警備員が来るのではとおどおどしっぱなしである
だが片足が使えないのでどうすることも出来ずにわたわたとするのみだ

基本的にこれらの武器は暴徒鎮圧用に調整され非殺傷兵器として作られている
だがひとたびそれらのリミッターを解除すれば
それは驚異的な兵器となり得る

ほとんど全ての装甲が意味をなさず周囲ごと削り取る弾丸に
弾切れのない銃

それだけでも戦術的な価値がどれほどのものかわからないはずがないだろう

地面に突き刺さる運搬用モジュール一つをとっても現代の科学兵器を明らかに逸脱している

それはもちろん彼女を含めて、であるが

蕎麦屋 > 「なるほどー……はい、どうも。お返ししておけばよろしいですかね。」

説明には頷きながら――ああ、こういう構造なのですね、などと。理解したような口を利く。
返却、と言って地面に突き刺さった開花した花のようなもの。たぶん搬送用のコンテナだろうモノに乗っけておく。

「あ、ご心配には及びませんよ。
 回収する人間がいるなら貴方は心配ないでしょうし――それより、この『お姉さま』どうします?必要なら埋葬なりなんなり承りますけど。」

慌てた様子は軽く笑い飛ばして。
最後――黒い液溜まりの中に沈んだ、泣き別れの上半身と下半身を示す。

まぁ――人に似せて人と同じ思考を持たせる。
心理的効果も狙えますし、自立思考する兵器は到達点の一つですけど。
世の中にはえげつない事をする奴も居たものだ。 

RK-3173 >  
「ご理解痛み入ります」

何せ今の自分は運ぶことが出来ない
コンテナまで運ぶだけでも現場の人間は喜ぶことだろう

まぁ おおかたかり出されるのは自分の姉妹なのだが

「・・・・・・」

そして姉妹であっても『お姉様』をどうするのか、どうすべきなのか
彼女には判断できなかった

なにやら入口が騒がしくなっている
馴染みの蕎麦屋であろうと顔パスしてしまったという警備員も今頃は大変だろう

そろそろ団体さんがご到着かも知れない

蕎麦屋 > 「や、お安い御用で。いいもの見せてもらったならこのくらいは。」

今すぐ使う知識にはなり得ないが、知っていれば対策は何とでも。
周囲に残る目標物や地表の状況から大体の性能諸元も読めた。

「んー……申し訳ないのですが、早く決めてくださると。
 回収されれば――修理されるか、分解して再利用されるか。悪ければ廃棄か、素材単位でリサイクル。
 『お姉様』は生まれ変わるのか、なくなるのか、その辺の感覚は『個人』次第でしょうし――」

外が大分騒がしい。
最近は目立たないようにしていたのに、これである。また大目玉だろうか――
内心はそんなことを思いつつ、わざわざ此方の身を心配するのをそのまま置いておけるわけでもなし。

「あ。あともう一つ。
 『お姉様』を殺した時の感想、聞いてもよろしい?」

RK-3173 >  
 
「わかりません・・・わからないです」

うつむく彼女が絞り出した言葉はそれだけだった

足音が近づく

蕎麦屋 > 「わからない。――うん、大いに結構。」

うつむき、悩み、かろうじて絞り出した言葉を聞いて。
人のそれにしか見えない行動に――破顔した。『マトモ』に見えた、その自身の勘を喜ぼう。
引っかかりがあるとすれば――

「『貴方達』ではなく、『貴方』がどうしたいか、聞きたかったのですけど。」

相対していた『お姉様』にはここまで人間らしい兆候が見えなかった。
そこからのちょっとした推察ではあるが――まだ、時期が早いだろうか。

「と。そろそろ限界ですかね。」 

ひょい、とそれぞれ片手で泣き別れた上半身と下半身を拾い上げる。

RK-3173 >  
「・・・・・・」

やはりこたえられない
これは彼女のあり方に関わる問題と言っていい

そうそうに応えられるはずがなかった

『あいつか
 そこの!ちょっときてもらうよ』

そういってずかずかと男が近づく
その後にもいくばくかの人がいる
もしかしたら風紀の人間や組織の人間なんかもいるかもしれない

近づく男は腕章を見れば警備員だろう
おそらく顔パスした警備員よりも偉い奴だ

蕎麦屋 > 「ん、まぁ期待しすぎですか。
 大いに悩んで悩んで――悩み抜いて。どうするか?答えが出たら教えてくださいな。」

平気として作られたモノにいきなり酷だったか、と少々反省。
うつむき、悩むその頭をぽむ、と一撫で――。

「というわけで。
 では、また会いましょう――その時まで壮健であられますように。」

小脇に抱えた泣き別れた『お姉様』は控えめに言って大分重いのだが、屋台に比べれば軽いもの。
やってきた男共に――

「絶対に、ノゥ!」

言うが早いが脱兎の如く、死体(?)を抱えて逃げ出しました。
待てと言われて待つ奴居るかの精神は昔も今も変わりません。

RK-3173 > 『おいこらまて!!』

3173には目もくれず逃亡した蕎麦屋を追う警備員達
そしてそれを見送る白衣の男が一人

男は3173の側にしゃがみ込むと耳元で

『調整だな』

とつぶやいた
白衣の裾が黒く黒く染まる

「はい・・・・・・マスター・・・・・・」

そのやりとりを聞いているものは誰もいなかった

蕎麦屋 > 「あばよ、とっつぁーん……――!」

よいしょと、蕎麦屋カブを取り出せば、ぼへぼへぼへ、と全力逃走の図。
スクーターVS人の足。どちらが勝つかは明白――それにしてもこの蕎麦屋、ノリノリで逃げおおせてしまう。

演習場の隅におかもち忘れたのに気付いたのはしばらく後のこと。

ご案内:「演習施設」からRK-3173さんが去りました。
ご案内:「演習施設」から蕎麦屋さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に滝川 浩一さんが現れました。
滝川 浩一 > 訓練施設の一室、扉を開けると誰も居ない無機質な空間が広がる。
少年はその部屋に入ると、リュックサックを邪魔にならないように壁に立てかけ、備え付けの端末のパネルを操作していく。

パネルの操作を完了すると、自身から15mと20mの距離に的を二つづつ出現させる。

「……」

無言で深呼吸すると、右足を踏み込む。
無機質な空間に青い光が舞い、瞬く間に幻想的な雰囲気を作り出す。

滝川 浩一 > (さてと…今回は……)

目を瞑り、深呼吸をすると生み出したい武器を想像する。
間接武器を作り出すというのは決めていたが、いざ生成するとなるとどういう武器にしようか考える。

(銃。どの銃にしようか…?拳銃?アサルトライフル?スナイパーライフル?ショットガン?
……というか、"どこまで生成できるんだ"?)

目を開けると的を見据えてそのように考える。
自身の異能が珍しいというのは自負しているが、無制限になんでも生成できるわけない。
第一、飲食物は生成できなかった。
となれば、武器の制限はどうだろうか?彼は世界のすべての銃器を網羅しているわけではないが、種類は把握している。

「よし……とりあえず…」

空間に漂う青い光が彼の手に集中していく。

ご案内:「訓練施設」に那岐夜車丸汀さんが現れました。
那岐夜車丸汀 > 何か軋んだり 超音波気味の鳴き声が木霊してくる。
それは単体ではなく、複数のしかも飛び回っている何かだった。
確実に増えて訓練施設内を飛び回り、とある開けっ放し?の扉付近で群体となって飛び回ってから
ある程度固まって飛び回りそして  蝙蝠が『はーやれやれー』とか言いそうな鳴き声と共に去った後
残った黒い影は、一人の少女。何処となく人外…元々人外だが、雰囲気はやけに濃く。

その室内に入ろうとして 躊躇した 何か得体のしれない雰囲気がしている―青い光というより
その術に直感で気づいたか何かで足が躊躇している。

「あら?…あらあら。」

中にいる気配は見知った気配なのだけど、入り口付近で見学をし始めた。気づかれるまではそんな調子。

滝川 浩一 > 「…で、きた…?」

手に持った銃を見る。形状は拳銃のそれだが、塗装をされてない鉄のようにメタリック一色。
銃口は見当たらず、代わりに注射器の針のように先端が尖がっている。

「これは…?何だ?」

銃に詳しくない彼でもこれは現実に存在しないものというのはわかった。
やはり、曖昧なイメージで生成するべきではないかったか…
ともかく性能を確かめようと的へ向けて針を向ける。
サイトで照準を合わせ、呼吸を整えて的へ向けて引き金を引く。

銃は明らかに稼働したような音と動きを見せたが、肝心の的には変化がなかった。
変化がない的を見て唖然とし、銃を見る。

(不良品…って生成した武器でもそんなことあるのか?)

銃を眺めていると、次の瞬間、的が大爆発を起こし、爆風が周りの的を吹き飛ばして風がこちらに迫ってくる。
突然の爆発音に驚き、腰を抜かして風に吹かれると茫然とした様子で跡形もなく吹き飛んだ的があった場所を見る。

那岐夜車丸汀 > その中の存在は何かを作成しているらしい。
異能で視ても それが何たるかは分からない。色が分からないから何とも説明されれば別だが、
何をしているかを…的は二つ確認した、飛び道具か何かを作成したらしい。
銃か弓矢か吹き矢か…彼の手で握れる大きさだった場合、弓矢は大きさが飛び出る、
吹き矢もモノによっては飛び出る、では残りは銃か暗殺道具だと思うが、
知識の片隅にあるその暗殺道具はプロ仕様だった、小さいけど操作性が大問題。

一体何を、と異能でもう一度確かめようとして一歩中へと入った瞬間だった。




大爆発した。

何が?的だろう、それか得体のしれない術式が暴発したか。
腰は抜かさなかったが吹きすさぶ風など諸共せず、靴音を態とならして

「何事で御座いましょうか、中規模爆裂魔術でも暴発しましたか?」

辺りを見渡す素振りをしてから 彼―へと視線を下ろすのです。

滝川 浩一 > 「何が…な、汀…さん?」

腰を抜かしつつ的を見ていると、後ろから女性の声が聞こえ、我に返る。
こちらを見下げて声を掛ける少女を見て、見知った服装と顔をしていたため名前をそう呟く。

「魔術?いや、俺は…その、異能で…銃を……」

取り乱しているのか、そう言葉を途切れ途切れに発して手に持っている銃を見る。
その銃の危険性がわかったのか、すぐに消し去り青い光へと返る。
青い光は先ほどのように周囲に漂い始め、何事もなかったかのようにその場に独特の空気を作り出す。

深呼吸して、女性の方を向き直り、今あったことの状況を説明しようと口を開く。

「いや、あの…異能を使おうとして、ですね。使ったはいいんですが…その、変な物が出来上がりまして…」

彼自身落ち着いて説明しているつもりだが、彼の異能を知らない者がその説明を聞いても疑問符しか浮かばないだろう。

那岐夜車丸汀 > 若干闇の気配が濃い状態で来てしまった。
元々人の轍を超えている存在だが余計にもう半歩超えている状態とも。
じっと紅い瞳で彼を―視力がないとはいえ目線はしかりと彼を見ている。
服装までは細かい部分は変わろうが基本は和風ゴシックで統一している。

「中規模爆裂魔術 もしくは大規模殲滅魔術。違いましょうか。  銃であの威力は危険極まりない。
あの威力であれば 建物は木っ端微塵にもなりましょう?
まぁ、的は対物防御などないに等しいでしょうから粉砕されたようですが」

異能で視てもその銃の形から推測が不可能だった。
何処の文明でしょうか、銃弾が出ずに―いや出たとしてあの威力を叩き出す小型銃器の存在は分からない。
青い光の存在は分からないが 何か術が展開されている位は魔力感知が高いから気づいてはいる。

説明されたとしても 変なものでは理解しきれない。

「変なモノ。使って大爆発。使う際は高難度対物理魔防御術式 通称シールド魔術を展開してから
使用される事をお勧め致します、万が一 その身が危険になった際に 一度位は防ぎましょうし?」

彼の方へとゆっくりと近づいてゆき、立てますか?と手を差し出してみよう。

滝川 浩一 > 「…すいません。」

彼女の言葉をひとしきり聞くと、その手に掴まって立ち上がる。
ともかく落ち着こう、そう自身に言い聞かせ深呼吸する。

「すいません、少し取り乱してしまいました。
アドバイスはありがたいですが…すいません。魔法とか魔術はからっきしなもので…高難度とか、高位の魔術は使えないんですよ」

頬をかき、恥ずかしそうに彼女にそう言い放つ。
気づいたら何度も謝っている。

「正直なところ…あの銃の正体は自分でもさっぱりでして、気づいたら生成してました」

少し彼女が食いつきそうな単語を溢し、そう言い放つ。
もし食いつけばそれこそ最初から説明すればいい、そういう気持ちで言葉を発した。

那岐夜車丸汀 > 手を差し出しなおかつ自身より背の高い男性を立たせる。
さて、それだけでも異常性は見受けられよう。彼を立たせた後は、胸元に手を添えて軽く会釈をし。

「いえいえ。
魔力が少しでもありましたら 高難度もしくは高度魔法が使える支援アイテムが御座いますれば、
そちらを使用して頂き展開するという事も出来ますが?
魔力が無ければ流石に展開も出来かねますし。左様ですか それは残念至極。」

謝罪は不要、とばかりに 手のひらを見せる様に仕草をしてから

「何か邪な事でもお考えになられたのでしょうか?気づいたら作成という。
武器作成は流石に私の知識管轄外ですので余り詳しくもないのですが…、
次回からは 時と場所をお考えの上 兵器をお造り下さいますよう。」

仕舞には武器ではなく兵器呼ばわりしていた。
色々と言いたいのは抑えて言葉を敢えて選びながら発言をするに留まり。

滝川 浩一 > 「じゃ、邪な考えって…いや、俺は…その…」

女性の言葉を聞き、なんとか否定しようとするが都合の良い言葉が見つからずに口籠る。
このままでは尚更怪しまれる。そう考えてどうにか頭の中にある言葉をかき集め、それを選びとる。

「俺の異能は誰かを傷つけるためのものじゃありません」

女性を真っすぐ見て、そう言い放つ。
選び取った言葉が最適なものであったかどうかはわからないが少なくとも、その言葉からは邪悪な意図は感じられないはずだ。

那岐夜車丸汀 > 「………」

兵器と呼ばずに何と呼ぶ。その威力を解き放つ物体を生み出す彼の作成能力。
じっと冷静というか冷酷気味な目線をまっすぐ彼へと注いでいる。
暫く彼を見ていたのだが、言い放たれた言葉を吟味するように瞼を閉じ暫し瞑った後開いて。

「…左様ですか。滝川浩一様 貴方の声からして 信用は致しますが、その信用を反故に為さらぬ様。
この場の大爆発については報告は致さしませんが、今後何かしら問題が来ましたら お判りでしょうが、
お覚悟下さいませ。

…おや、そろそろ 私目、警邏に戻りますので。御前失礼致します。」

冷酷から冷静沈着な瞳を彼へと向け、深々と頭を下げると回れ右とばかりに踵を返し、
訓練施設から姿を暗ましてしまう。

ご案内:「訓練施設」から那岐夜車丸汀さんが去りました。
滝川 浩一 > 「は、はぁ……」

一瞬、女性の冷酷な眼差しに気圧されるが冷静な瞳へと変わると安心したように胸を撫でおろし、去っていく彼女を見送る。

(…兵器…)

自身の異能について改めて考える。
今回は的に向けて発射し、自身もあの女性も傷つかなかった。それはそれでいい。
しかし、あの銃をもし、人に使うとしたら…?

そんなことを考え、身震いを起こす。
自身の持つ異能。何かを作り出す異能。
それは使い方を覚えれば何人もの人々を助けるかもしれない。

だがしかし、使い方を間違えれば……?

「……何故、俺がこんなものを…」

自身の掌を見て、その掌に落ちてくる青い光を握りつぶすと突如不安が生じ始める。
首を振り、その不安を掻き消すように次の目標を決めるとリュックサックを背負いその場を後にした。

ご案内:「訓練施設」から滝川 浩一さんが去りました。