2016/08/26 のログ
■三谷 彰 > 「ハハハ、弱いとは言いませんけれどやっぱりまだまだですよ。問題も多いですしね」
少しだけ笑いながらそう切り替えした。
実際まだまだ問題も山積みだからこそこうして色々と改良をしているのだ。
「ええ、たしかにあれは痛かったですからね。次はああはならないようにしたいものです」
サラッと返すが実際洒落にならない規模の怪我ではあったのでなんとも言えない表情を浮かべていた。
相手のポーズを見て一瞬いつも通りじゃね、とおもうが……なんというのだろうか。肩が落ちているわけでもないのだがふとそんな錯覚を覚えてしまう。悲しい?
「……ええっと、良いポーズが取れない。とかですか?」
勉強がうまくいかないなどなら口で言うだろうし怪我ならそもそもここへ来ない。
となるとそれかなと思い少し首を捻り問いかけてみた。
まさかそうだとは思っていなかったが。
■真乃 真 > 「そんな事ないよ!もしお互い異能を使わずに戦ったら僕は一瞬で負けてしまうね!」
あくまで異能無しである。ありでは負けるとは言わない。
正直、異能を使わない真乃真は殆んど一般人であるのだけども!
「そう!それだよ!新しいポーズの開発が上手くいかないんだよ!
ちなみに今回のポーズのコンセプトは女性にも伝わりやすいカッコよさ!
いや、あれだろ僕のポーズって基本的に特撮ヒーローとかのリスペクトだろ?
女性には伝わりにくいと思うんだ!実際、昨日良く分からないと言われてしまったしね!
それで今日はこの訓練施設の設備をフル活用して新しいポーズを考えてたというわけだ!」
訓練施設の設備を使えば自分の動きを改めて映像で見たり。
身体の動き方を見る事も可能となる!ポーズ開発に使うには明らかに技術の無駄遣いだ!
そしてカッコよさが伝わりにくいのは相手が女性だからではないだろう。
「でも、僕は女子がどんなポーズをカッコいいと思うか分からないからね!
困り果てたというわけさ!」
笑いながら言う。実はスランプでもなんでもないのではなかろうか?
■三谷 彰 > 「そうですか? 案外良い勝負かもしれませんよ」
俺も異能にかなり頼っていますしと付け加え棒の袋を下ろす。
実際彼の強さの大部分は異能による動体視力の向上。それによって未来予知にも等しい動きの見切りから繰り出される変幻自在の棒術だ。それが無くなればそこまで脅威ではないだろう。
「そ、そうだったんですね」
アハハと苦笑にも近い笑顔を浮かべ頬を掻く。
そもそもコイツ自身も別にヒーロー物を見ていたわけではないためあまりかっこよさを理解できないというのは勿論なのだが。そもそも男である。
女性のカッコいいと思うポーズなどわかるわけが無い。
「俺も残念ながら女子がどんなポーズをカッコ良いと思うかわからないですね……」
男ながらにカッコ良いと思える男の背中ならわかっているつもりなのだがそもそもポーズではないので除外。
考えれば考えるほどおかしくなって来る。
「少し見ましょうか? 男の意見が参考になるかわかりませんけれど……一人で考えるよりはマシかもしれませんし」
■真乃 真 > 「いやいや、僕は普段街を歩くときでさえ異能を使ってるんだぜ!
異能を使わない戦いなんて想像もできないよ!」
ならなぜそんな話をしたのだろう。
相手に自信を持たせてあげたかったのかもしれない。
「そうかてんでもよく考えたら女子だけが対象じゃあないな!
特撮とか知らない人や異邦人の人なんかでも一目でカッコよさが伝わる感じが理想だな!」
どんどんハードルが上がっていく。
そこまで行くとそれこそ異能とか魔術のレベルである。
「頼むよ!僕一人だったら正直どのポーズも良く思えるんだ!
今日だけでポーズのレパートリーが細かい違いも含めたら30は増えてしまったよ!」
自分のポーズにどれだけの自信があるのだろう。
うん、凄い自信である。
「まず一つ目!」
瞬時に真の姿がポーズが変わる。どことなく芸術作品っぽい感じのポーズである。
石膏を塗りたくればこのまま美術館においておけではあるがカッコいいかは微妙。
■三谷 彰 > 「まぁそうですね。そのほうがいいとは思いますが……いえなんでもないです」
そもそもカッコいいポーズが必要なのだろうかという疑問が少し浮かんだがまぁ気持ちわからないでもないしそれは伏せて置く。
さて、気を取り直して相手の姿をしっかりと見る。
だがしっかり見えていても相手の姿は瞬時に入れ替わってしまった。中々面白いなと思いながらその出来上がったポーズをじっくりと眺める。
「うーん……」
言葉につまり少し考える。
別に悪くは無い、悪くは無いのだ。だが……
「……それはカッコいいではなくどちらかというと美しい。ですね」
芸術品の様なそれを見て出てきた感想がこれだった。
少しだけ考えてから。
「その異能。たぶん姿を変化させるとかそういう物なんですよね。だったら……こう、制服のボタンを外して」
自分の制服を外すと上に羽織るような形をとる。そして棒でその服を支えた。
棒が無ければ風か何かで浮いているように見える。かもしれない。
「こんな感じで風にマフラーと制服を靡かせる。とかどうですかものすごくベターですけど」
■真乃 真 > 「だろう!どうせ見るならカッコいい方が良いよね!」
まあカッコいいポーズよりとてもカッコいいポーズを見せられた方が相手はまだプラスだろう。
まだましというだけかもしれない。
「美しいか…じゃあこのポーズは無しだな!」
どういう基準かは分からない。
「ああ、僕の異能はポーズを変える異能だよ。
ふんふんなるほど!確かに今までタオルの方は靡かせてたけど制服は靡かせたことなかったな!
よし!」
髪の毛の先からつま先。さらにはタオルの先端まで全てが異能の感覚に入る。
その細胞の一片、繊維の一本まで全て自分の自由に動かせる感覚だ
思案するより早く神経に伝わるよりも尚早く!その異能は発動する!
それに一切の予兆なくそれに一切の余韻はない!
この異能が発動しポーズが変わるまでの時間は0秒である。
異能は発動し制服はいつの間にか羽織られている。
「これも使うか!」
右手のポケットに手を入れて何かを操作する。
漂う魔術の気配恐らくなんらかの魔道具を起動させたのだろう。
風もないのにバタバタと制服とタオルを靡かせて訓練所に立つ男。
靡く音はどうやら魔道具からするようだった。
「どうだろうか!?
■三谷 彰 > 「へぇ、便利な異能ですね」
感嘆とした声を上げ目を見開く。
色々と利用すれば本来なら不可能な起動の動きも出来そうだと考えてしまうのはそういう訓練ばかりだからなのだろう。
相手が能力を発動するのを何となく察しこちらも能力を起動。
目が真紅に染まり視界が急激に開ける。超高速であるのならば捕らえることも可能なのだが。
彼の目を持ってしてもそれは捕らえることは出来なかった。
いそいそと自分は普通の格好に戻していると相手がポケットに突っ込んだ何かを動かすと靡く音がする。
「どれだけ色々と隠してるんですか」
思わず少しだけ笑ってしまう。
相手の格好はさっきの様な美術品に比べればまだマシといったところだろうか。
「良いと思いますよ。さっきよりはヒーローっぽいと思います」
と素直な感想を述べた。
実際こういうヒーローはどこかでみた記憶がある。首のがタオルではなくマフラーならもっと様になるだろうになどとも考えていたが。
■真乃 真 > 「ああ、便利だよ!戦闘以外でもいつでも使える!」
むしろ戦闘以外で用いる事の方が多い。
例えば荷物を簡単に運べたりするが壊すような変化はさせられない平和的な異能である。
「最近はこれ使ってなかったんだけどね!
これは音とか映像とか出せる便利な奴だよ!」
これを使うとその日は他の魔術が使えなくなるいう弱点もある!
魔術をほとんど使わない真にしてみれば些細なデメリットではある!
「うーん、結局ヒーローっぽいに行きつくのか…。
でも正直、超カッコいいしな…。良し!!」
ヒーローっぽくないカッコよさをを求めてもやっぱり最後にはここに戻ってきてしまうのだ。
ならもう仕方ない。ああ、仕方ない!
「じゃあこれで行くよ!結局、良く考えたら僕がカッコいいと思うのが一番大事だよね!」
世界の皆がかっこいいというポーズなんてそれこそ魔術や異能のレベルである。
普通にカッコ良いポーズをとるのならカッコ良さに好みがある。
それなら自分が良いと思ったものにするのが良い!
「よし!スランプ終了!今回のスランプは一時間20分くらいか!長かったな!」
■三谷 彰 > 「確かに。片付けとかもすぐに出来そうですもんね」
他にも少し考えるだけでいくつか便利な活用法があるのだ。たぶんしっかりと考えれば本当に便利な能力なのだろう。
自分の能力と比較するとどうにも他者の能力が優れて見えてしまうのは隣の芝生は青く見えるということなのかもしれない。
「まぁ、カッコいいポーズとなるとどうしてもヒーローっぽくなってしまいますよ。他の方法だと言動や行動ですしね」
少しだけ何かを思い返すような表情を浮かべそう呟く。
思い返していたのは昔自分が憧れた人物の背中だった。今自分はあれに少しでも近づけているのだろうか。いやたぶんまだだろう。
と少しだけ考えてしまい目線を落としかけてた時に相手の声に反応して目線を元に戻した。
「見つかってよかったですってスランプ短くないですか!?」
今度は別の意味で驚く表情を浮かべた。
ここ最近ずっととかそういうことだと思っていたが本当に少しの間だったようだ。
ふぅと溜息をついて。
「でもあれですよ。カッコいいポーズに拘って肝心の行動が伴わない、なんてことの無いように。ポーズしてて助けられませんでしたとかいくらなんでもマヌケですから」
まぁきっとそんなことは無いだろうと思いながらそう返した。
■真乃 真 > 他にも着替えも早いし寝癖も治るし朝に関していえばかなり強い!!
「まあ、それが分かりやすいからね!」
むしろヒーローへの憧れがカッコいいポーズという形になっているのかもしれない。
「そうかな?まあ、でもスランプは短い方が良いからね!」
ちなみに自称での最短は7秒である。
やはり、本当のスランプになったことは無いのかもしれない。
「それについては大丈夫だ!僕の異能があればポーズしながらでも人が助けられるからね!
…という冗談は置いといて肝に銘じておくよ!」
それは余りにもカッコ悪い。
情けないしどうしようもない!
「さて、新しいポーズも決まったことだし僕はもう行くよ!!」
■三谷 彰 > 「カッコいい=ヒーローっぽいですしね」
わかりやすいというのには同感なのか軽く頷く。
「俺はスランプの時には数週間単位でしたよ。魔法がまったく進まなくて」
思わず思い出し顔をしかめる。1年の時のあの時は本当に苦労したものだ。
あの苦労があるからこそ今があるのかもしれないが。
「ハハハ、それなら安心ですね。いざって時はお願いします」
少しだけ微笑みかけながら軽く手でお願いしますとポーズを取る。
相手が帰るというのならそうですか、と呟いてから。
「久しぶりに話せてよかったですよ先輩。また今度お会いしましょう」
■真乃 真 > 「魔術か…僕は全然だな!一発だけ撃てるようになったけど使ったら動けなくなるからね!
コツとかあったら教えて欲しいよ!あっ理論とか理屈じゃなくてコツね!!」
必殺技として持ってはいるものの実戦で使うのは色々と危険だろう。
相手も自分もお互いに。
「ああ任せておいてくれ!手が届く場所にいれば必ず助けるよ!
だから僕の手が届か無い場所の平和は任せたよ!風紀委員さん!」
軽いポーズで返して見せる。
「僕も久しぶりに話せてよかったよ!
じゃあ!また会おう!!」
そう言ってタオルと制服を靡かせて無駄にカッコいいポーズをとると
訓練施設の出口に向けて歩いて行ったのだった。
ご案内:「演習施設」から真乃 真さんが去りました。
■三谷 彰 > 「理論じゃなくてコツですか、ええいいですよ。俺のは結構感覚とかがメインの魔法なので」
承諾し軽く頷く。
感覚が重要な魔法だからこそ覚えられたし似たようなルーン魔法もすぐに使う事が出来たのだ。
「ええ、勿論。任せてください」
軽く敬礼の様な物を返したのち相手の背中に手を振るう。
そして手を下ろすと棒を眺めた。
「……そろそろ、見に行ってみるか」
今引っかかっている事。それを解決したい。
怪我も治ったしいざというときの防衛措置ももう思いついた。今なら行けるだろう。
今後の方向を決め彼もまた棒を背負い外へと向かっていった。
ご案内:「演習施設」から三谷 彰さんが去りました。