2016/08/27 のログ
ご案内:「演習施設」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 > ほぼ日課となった、地獄の訓練。
少しずつ体力の衰えは取り戻せてきた。
数倍の重力と空気の薄さ、それに体が耐えられるほどに。

「……はぁ、っ……ふぅ」

訓練場内の酸素濃度、重力を元に戻し、大きく息を吐く。
多量の汗を流しながら深呼吸。

(……大分戻って来たな……)

心拍数、魔力残量等のデータを閲覧しながら考える。
ひとまずは、あの頃の強さの大半は取り戻しただろう。

寄月 秋輝 >  
ただ、どうも空虚な感が否めない。
鍛え直すにしろ、これ以上まで鍛え上げるにしろ、目標があまりに浅い。

守る。誰を、何からだろう。
勝つ。何に、どうやってだろう。
強く。どこまでだろう。

パートナーを見つけろと言われたり、結婚したいと思ったりもするが、それも同じだ。
そこから、どうするか。
どうしても考えてしまう。

寄月 秋輝 >  
原因は明らかに夏樹の死を知ってしまったことだ。
最近ではアイリスの突然の帰還も響いている。

どうしようもないところで、自分の手からあらゆるものが零れ落ちる。
気付いた時には、もうこの手の中には刀以外の何も残らない。
そんな絶望感と虚無感に、毎日のように囚われる。

ただ、鍛えること、学ぶこと、整えること以外にやれることがないのも事実だ。
失うときは必ず失ってしまう。

しかしそれが耐えがたい。

次に愛してしまった女性を失うことがあれば、自分は耐えられるだろうか。
次に友となった男性を失うことがあれば、自分は耐えられるだろうか。

先のこと、悪いことばかり考えてしまう。

寄月 秋輝 >  
ひゅん、と刀を振るう。
それを目の前に掲げ、じっと刀身を見つめる。

ズキン。

頭が痛んだ。

『記憶の整合性に異常が見られます』

刀から声が響く。
とっさに問いかける。

≪どういうことだ?≫

『桜井夏樹に関する感情に異常が見られます。
 修正いたします』

彼女に対する感情に異常?
いぶかしみながらも、受け入れてみる。

頭痛に近い情報の奔流。
自分が『逃避』していた現実。

寄月 秋輝 >  
           『愛し『ダメだよ』『アキくんじゃなきゃ』

  『僕は君に』一緒になり』

        『わたしだけの』

             『戻れなくていい』


頭に激痛が走る。

忘れかけていた。否。

記憶を封印していた事実。



彼女の、凍った瞳。張り付けたような笑顔。



彼女の爪が肩に頬に刺さる感触。

寄月 秋輝 >  
≪やめろ!!!≫

刀に命じる。
とたん、情報の奔流は止まる。

「……はーっ……はーっ……」

全力で体を動かした後よりも疲労した表情。
大粒の汗が流れ落ちる。
倦怠感と吐き気が襲う。

寄月 秋輝 >  
彼女との初めての行為。
そう、逆だ。

「……オレが……動けなかったんだ……」

思い出した。
彼女が、上に乗っていたことを。

愛情は、そう。間違っていなかった。
けれど、それは愛情だけだっただろうか。
恐怖は、拒絶は、どれだけの割合だっただろうか。

ぞっと背筋を走る悪寒。
妄信的に愛していた彼女に対し、自分もまた心を閉ざしていなかったか?

少しずつ、自分の中の異常さが理解出来てくる。
彼女に対する愛情は、確かに愛情だっただろうか。

だから。

寄月 秋輝 >  
(だから巓奉さんや……留以さん……咲雪にも……
 違うと……感じたのか……!)

好意が、正しいものではなかった。
いや、『最初に得た同僚への感情』が最も近く、正しい。

あれが好意だ。

幼き日、14の少年が得た感情が間違っていることは、誰も教えてはくれなかった。
そしてその異常な拘束感が愛情であると錯覚していた。
いや、愛情であったことは間違いないだろう。
だがそれは、おそらくは正しいものではなかったのだ。

彼女にがんじがらめに縛られた『八雲亜輝』にかけられた呪い。

今日まで自分を狂わせていた、呪いだ。

寄月 秋輝 >  
膝をつく。頭を抑える。
その呪いを少しずつ祓っていく。

刀が教えてくれた、本当の記憶。
エニグマ・レイ……いや。

『森羅』と呼ぶべきか。

(……『真宵』と呼ぶべきか……)

頭を振って、思考をクリアにしていく。
情報をゆっくり整理して、感情を取り戻す。

(……好きだったのは変わらない、けど……
 あれは、狂愛だったのだろうな……)

それも、お互いに。

寄月 秋輝 >  
ゆっくり刀を納める。
深呼吸をして、再び立ち上がる。

(……すまない、夏樹……
 君への想い、やはりどこかで断ち切らなければいけないようだ)

彼女との思い出はともかく、感情を引きずってはいけない。
きっとこれは、自身の未来を閉ざすものだ。


疲れ切った様子で、遠く離れたところにある鞄の下まで歩いていく。
椅子に座り、スポーツドリンクを煽ってクールダウンだ。

寄月 秋輝 >  
思わぬ記憶を取り戻してしまった。

けれどまだ、鍛えることへの虚無感はぬぐえない。

それでも。

「……やるしか、ないんだよな……」

明日もまた特訓をすることになるだろう。
限界まで自分を追い込む訓練。

いずれ、戦えなくなるその日まで。

ご案内:「演習施設」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に滝川 浩一さんが現れました。
滝川 浩一 > 静寂に包まれた訓練施設の一室。
一人の少年はある相手と相対していた。

その相手は…ロボットである。
白を基調としたロボットはチューブのような機器を全身に張り巡らせ、それを伸縮させることにより人間の動きに酷似した機動ができる。
そのロボットは手にはトンファーのような武器を持ち、こちらを見据えている。

「ふぅ…勝てる…勝てる…」

呼吸を整え、そのように呟き、自分の士気が挫かれない様にする。
その両手には剣を持っており、左手に持ってるそれは普通の西洋の剣であるものの右手に持っている剣は一般のそれとは一味も二味も違う雰囲気を醸し出していた。

意識を集中させる。相手のロボットは動かない。
時折、足先の向きを変えるのに注目する。そのまま数秒、見合いが続く

滝川 浩一 > (来るか…!?来い!!)

ロボットが踏み込むと物凄いスピードでこちらに接近してくる。
その勢いに乗せてトンファーを振りかざしてくる。

上方から振り下ろされるトンファーに左手の剣を使って防御を図る。
真面目に受け止めては力のある向こうの方が有利だ。受け止めず、されどこちらには当たらないようにトンファーの一撃を『受け流す』。

トンファーの一撃を受け流せば、相手の次の一撃が来る。
今度はトンファーを掴んだ拳による殴打。当たっても防御しても致命傷。
重心を後ろに持っていき、体を反ればその拳が目の前を通過する。拳の巻き込んでいた風が顔に当たるのを感じつつ、再度姿勢を戻し、右手の剣で斬りつけようとする。

ご案内:「訓練施設」に真乃 真さんが現れました。
真乃 真 > とある訓練の最中、一度休憩を取ろうと訓練施設の道を行く男がいる。
異様な長さのタオルを靡かせ歩く男である。
通りかかった一室の中から聞こえる音に目をやれば…

「おっと!あれは…!この前の新入生感あふれる人!!新入生感あふれる人じゃあないか!!」

名前は知らないけど見るからに新入生っぽかった人である!
聞こえるか聞こえないかくらいの声でそういうと戦闘の様子を見守ることにする。
なるべく集中力を途切れさせないようになるべく静かに。

(なるほど、運動神経は無い事はないね!)

反射神経もあるし判断力も悪くなさそうだ!
腕を組んでひとり頷く。

滝川 浩一 > 「やぁああ!!」

右手の武器を強く握り、ロボットを斜めに割こうと斬り上げる。
ロボットは体を一回転させれば鉄製の足でその刃を止める。
それに驚きつつも対応しようと刃を止めた足を斬り落とすために左手の武器を振るう。

ロボットは足を引っ込め、後ろへ向かって倒立回転をする。危機を脱したロボットは再度、構えを取る。
追撃をしようと少年は接近し、両手の剣で左右から斬りつけようとする。
トンファーで剣の挟撃を受け止めれば、少年へ向けて蹴りを放つ。

「うぐっ…!いってぇ…クソ…!」

蹴りは腹辺りに当たれば、そのまま少年を後方へと飛ばす。
回転しつつ後方に飛ばされれば、回転に抗いなんとか体勢を整える。
腹部食らった攻撃は決して軽くはなく、その衝撃に腹に激痛が走る。しかし痛みを感じる暇はなく、剣を支えにして立ち上がれば再度構える。

「落ち着け…勝てる…勝てる…!」

その顔色は悪く、体も安定せずフラフラしている。
先ほどから背中から全身に走る寒気が治らない。剣を強く握るも手の震えが止まらない。