2016/09/02 のログ
ご案内:「訓練施設」に羽切 東華さんが現れました。
羽切 東華 > 本格的に昨日から学園生活が始まった。転校生として紹介されたり、自己紹介アプローチがグダグダだったり。
まぁ、散々だったが楽しかったし新鮮だった。同年代の友人が全く居ない環境が長すぎたからしょうがない。

ともあれ、無事に学園生活も二日目を終えて、少年が居るのは訓練施設。
ドーム状のその施設の中、訓練スペースの一角を借りつつ目的は異能の鍛錬だ。

「思えば、剣術ばかりで異能の方を疎かにしてたしなぁ…(と、いうかまともに異能こっち来て使ってない気が)」

ご案内:「訓練施設」に寄月 秋輝さんが現れました。
寄月 秋輝 >  
さて本日もいつも通り。

とはいかないようだ、先客が居る。
刀をくるくる、手の中で回しながら近付いていく。

「こんにちは」

軽く挨拶。
あまり邪魔をしてはいけない。

羽切 東華 > 「…と、いうか鈍はあのエロ本をどっから持ってきたんだ…」

適当に屈伸運動とか体を解しながら半眼になる。アレ、ラインナップが童貞には鼻血ものだったんだけど。
何時の間にか机に置手紙と共に置いてあったが…と、いうかいきなり置かれてても対処に困る!

(まぁ、全部読破したけどな!……うん、年頃なんだからしょうがないよね)

と、それはそれとして適度に体も解したし、ぼちぼち始めるとしよう。
まずは一番慣れている基本形からやってみるとする。

「あまりやり過ぎると貧血になるし、程々に…と」

呟いて右腕を一振り。その掌から刃渡り1メートル程の鋼刃がズルリ…と、出現する。
どう見ても皮膚を突き破って出てきているのだが、何故か血の一滴も零れていない。

「これだと訓練にならないし、もうちょっと…」

念じる。更に手首や手の甲、肘の外側、肩口辺りから刃が飛び出す。
どれもこれも形が一定ではなく、槍のようなもの、斧のようなもの、鎌のように湾曲したものなど様々で。

羽切 東華 > 「…ハッ!?あ、えぇとこんばんわ!!」

慌ててそちらに顔を向けて頭を下げる。出しっぱなしだった鋼の刃を瞬時に引っ込めて。

と、彼の持つ刀へと自然と目が吸い寄せられる。刀使いのサガというか。

寄月 秋輝 >  
ぐるる、と回した刀をしっかり掴み直す。
ぱちりと一つだけまばたきした。

「失礼、異能の練習中のようですね。
 集中を乱して申し訳ありません」

ぺこりと小さく頭を下げた。

刀は『大人しくしている』らしい。
鞘に収まっている以上、普通の刀にしか見えないだろう。

羽切 東華 > 「え?ああいや、お気になさらず!えーと、お邪魔のようでしたら俺の方が退散しますので…!!」

いかん、異能の訓練を見られるのが初めてなので少々焦っていた。
慌てて、足元においていた紺色の竹刀袋を引っ掴んで担ぎつつ。

(…ん?今、刀が反応したような…気のせい、かな?)

竹刀袋を一瞥する。…微かに振動した気がしたが。ともあれ、視線を逸らしたままは失礼なのでそちらへと戻しつつ。

寄月 秋輝 >  
「いえ、邪魔などということは。
 共有スペースですから、専有することは出来ませんよ」

手を小さく振って、邪魔だという言葉を否定する。
体から刃を出すような異能を見ても、なんら反応しない。

「……あなたも剣士ですか?」

その竹刀袋を指さす。
片方はどうも見たことのある気を放っているように感じた。

羽切 東華 > 「え?あ、そういやそうですね…すいません、ここ友人と模擬戦闘した時に使ったきりで、まだ勝手が分からなくて」

凄い一方的に慌てて醜態を晒している気がした。苦笑いでペコリと頭を下げて。

「…え?あ、ハイ。一応異能よりは剣術がメインですね。少し独特ではありますが」

竹刀袋を指差され尋ねられれば、素直に頷いて答えてみせる。
刀や剣術に関する事では淀みなく答える。物心付いた時から叩き込まれた技能だ。
故に、それに関する事だけは変な気負いも自負も無く、自然体で答えられる。

寄月 秋輝 >  
「まだこちらに慣れていないのでしょう?
 ゆっくり覚えていけばいいことです」

うむ、と小さく頷いてみせた。
外の世界とここでは、ルールが大きく異なる。

「なるほど、それで。
 ちなみに真剣ですか?」

その受け答えから滲む自信は素晴らしいものだ。
次は真剣かどうかの問い。
嘱託とはいえ風紀委員、聞かないわけにはいかない。

羽切 東華 > 「すいません、先月の中旬くらいに編入してきた身なもので…あ、俺は1年生の羽切東華、といいます」

自己紹介をしていなかった!こちらから学年と名前を名乗りつつ改めて会釈を。
確かに、まだこの島に来て1ヶ月も経過していない。慣れるのはこれからだろうか。

「えーと、ハイ。2振りありますがどちらも真剣です」

素直に頷く。もしや刀剣所持の許可証が必要だっただろうか?
…いけない、片方は一応祖母が見繕ってくれたが、もう片方の契約してる妖刀はそれが無い。
内心で冷や汗ダラダラになりつつも、嘘は下手だ。そこを突っ込まれたら答えるしかないだろう。

寄月 秋輝 >  
「一年二年ではなかなか慣れないものですからね……
 失礼、申し遅れました。
 僕は寄月秋輝です」

もう一度ぺこり。相手が後輩でも態度が変わらない。

「ふむ、ではちゃんと風紀委員会を通して、所有の許可を取ってくださいね。
 一度許可を通せば、誰に聞かれても堂々としていられますから。
 没収されたら困るでしょう?
 ……あぁ、許可を取ったからといって、無暗に振り回すのはもちろんご法度ですからね」

微笑んでそう告げていく。
まだひと月程度なら、申請も出来ていないだろうとの判断だ。
武器の携帯に関しては、咎める意味が無い。

羽切 東華 > 「ですね…自分、こっち来るまで田舎暮らしだったもので。
あ、ハイよろしく御願いします…えーと、寄月先輩」

おそらく、というか見た目とかより話し方や貫禄がどう考えても先輩のようで。
だから、迷わず先輩の呼称を付け加えつつ敬語は崩さない。

「…あ~~風紀委員会、ですか。了解です…」

とある出来事で若干苦手意識があるのだが、片方は刀剣所持許可証はある。
問題なのが妖刀の方だが、素直に事情を話せば大丈夫だろう…と、思いたい。

「いやいや、刀を抜く時と場所は弁えてますから。祖母にも散々言われていたので」

苦笑い。少なくとも、そう気楽にホイホイと刀を抜く気は無い。
抜かずに場を収めるに越した事は無いのだし、あくまで剣術は戦い、人殺しの技能だ。
だからこそ、抜くべき時と場所の見極めは剣士にとっては必然、と少なくとも少年は思っている。

「と、寄月先輩も矢張り剣術主体なんですか?」

で、少し落ち着いてくれば、彼の持つ刀が気になってので、そちらに目を向けながら聞いてみる。

寄月 秋輝 >  
元々田舎暮らしというのも大変なものだろうと思う。
なんだかんだと、こちらは人が多い場所だ。
しかし物わかりのいい子だ、じきに慣れるだろうと考えた。

「理解しているならいいのですが……
 どうも異能も魔術も武器も、この世界では振るわれるまでの沸点が低い」

がりがり頭をかきながら呟く。
そうでもなければ、風紀委員ももう少し人数が少なくていいのかもしれないのに。

「ええ、剣術主体です。
 魔術も異能も使えますが、剣の方がやはり得意ですね」

手にした刀を掲げ、鯉口を切って刀身を見せる。
美しい銀色の輝き、纏う神性と魔力が姿を現した。

羽切 東華 > そして、今時珍しい閉鎖的な山村だったので、娯楽も何も無かった。
逆に言えば、ここでの生活は全てが新鮮で、好奇心旺盛な少年は目を引かれるモノが多すぎる。
物分りは悪くは無いのだが、好奇心が先立つ事も多々あるのが困りモノだった。

「あ~…俺は判断基準が自分の故郷くらいですけど、そうなんです…かね?」

この世界、という言葉に彼は異邦人なのだろうか?と、思いながら首を傾げる。
狭い世界しか知らない身の上だ。異世界でもこの世界でも関係なく、沸点の低さがピンと来ないようで。

「……凄いですね。静かだけど研ぎ澄まされた感じの…魔力と…神性?」

彼が刀の鯉口を切って刀身を見せてくれた瞬間、ゾワリ、と反応するものがあった。
己の血筋ゆえの直感と、竹刀袋で今度ははっきりガタガタ揺れるソレ。
無理も無い。この少年が持つ2振りの片割れも、神性と魔力両方を宿しているのだから。

寄月 秋輝 >  
「ちょっとした力を得て有頂天になる人間が居るものなんですよ。
 大変容より時は経ちましたが、まだまだ異能を得た人間の心は未熟なものです。
 ……だからこそこの学園都市があるのですが」

小さなため息とともに吐き出す。
魔法世界の出身である彼には、この世界はせわしなく見えるのだろう。

「オリハルコンと呼ばれる二種類の金属による合金で出来ていますね。
 もともと神社に納められた儀礼刀なので神性を。
 僕が十年以上振るっているので、この刀がそれに合わせて魔力を纏いました」

白銀の刀身を再び鞘に納めると、その溢れる魔力と神性も静まった。
十分な信頼関係と、十分な教育の賜物だろう。

「そちらの刀は、一つは妖刀ですか。
 もう片方は……あぁ、彼女か。影打の……鈍さん」

どうも呼びにくい名だ。
しかしよく覚えている気でもある。
その本体であると感じる。

羽切 東華 > 「成る程…俺は有頂天どころか、身内がバケモノ過ぎて何度心を圧し折られた事か。
でもまぁ、先輩の言う有頂天にならずに済んだのは幸いかもしれません」

幼い頃から剣術の鍛錬、何度も遥か高みの祖母から叩きのめされ、異能も捩じ伏せられた。
劣等感もあるにはあったが、逆に調子に乗る事も無くやってこれたとは思う。

「成る程…俺の刀も、片割れは似たように神性と魔力みたいなの纏ってますけど…」

彼が刀身を収めると、溢れる魔力やら神性もピタリ、と止んだ。
それだけ、制御が出来ているのだろう。自分とは大違いだ。そこまで緻密な操作はまだ出来ない。

「いえ、片方が人外殺しに特化した刀で、もう片方が……あれ?鈍知ってるんですか?
なら、話は早いかもしれませんね。鈍の使い手、というか契約者が俺です」

一部訂正をしつつも、後に呟かれた名前に瞬きして。あの妖刀娘も交友関係が何気に広い。
こちらも、竹刀袋から2本の刀を取り出してみせる。

片方はとても地味な普通の刀のようなデザイン。ただ、抜けないように細い鎖が絡みついているが。
そして、もう片方は和洋折衷、というか柄の部分に西洋剣にあるような護拳が付いていた。

「こっちの抜けない方が人外殺しの刀で、こっちの和洋折衷なデザインのが鈍の本体になります」

寄月 秋輝 >  
「……心中お察ししますが、ある意味それは恵まれたものだったと思って構いませんよ」

自分より上の存在に叩き潰されて鍛え上げられる感覚は良く分かる。
同じような体験をし続けてきた。

「ほう、人外殺し。魔や妖、神が対象ですか。
 またとんでもない刀を……
 それで、あなたがあの人の契約者。
 鈍さんからえらく言いたい放題されていましたが、大丈夫ですか?」

両方の刀を見て頷きながら、そう尋ねてみる。
色々言われたものだ、爪の垢を飲ませたいとか。
とはいえ、かなり気に入っている様子でもあった。
その契約者と顔を合わせられたのは幸いだったのだろう。

羽切 東華 > 「少なくとも、まぁ調子に乗って誰彼構わず挑むような事にはならずに済みましたね」

狭い世界で育ったが、世界が広いという事も祖母に教えられた。
それに、この島に来たのも剣術の研鑽が目的の一つ。まだまだ強くなれるなら幸いな事。

「ウチの一族は大変容より前から、そういった輩との付き合いが長いらしいです。
ただ、この刀は魔や妖、神様や精霊、異能や魔法にも有効ですけど人や物は切れません。
――ああ、えぇとまぁ、吹聴されてるのは理解してます。と、いうか止めても聞きませんし」

そこだけゲンナリしつつ。どうせエロ関連の事をあの娘は言っていたのだろう。

寄月 秋輝 >  
「それが大事なんですよ……
 相手と自分の能力を見極められるというのも大切ですが、
 自分に能力があるからといって戦いを挑んだりしない。
 意外とそれが皆出来ないものです」

そういう意味では、目の前の少年は精神的には完成されているのだろう。
彼はこの島で安全に暮らしていけると思われる。

「意外と古い家系なんですね……
 つまり、人外を殺すことに特化……というか、それだけを可能にした刀ですか」

不思議なものがあるもんだ、とまばたきをする。
人体にダメージを与えずに魔力や精神にのみ攻撃する魔術設定こそあるが、
物理的にダメージを一切与えない刀というのは初めて見る。

「いえ、悪し様に言うばかりではありませんでしたよ。
 契約者を裏切らない刀というのは、十分に信頼していいものだと思います」

そう呟く。
他の話はともかく、彼女は今の主の話しかしなかった。

羽切 東華 > 「そう、なんですかね?…うーん」

ピンと来ないのか唸るように首を傾げて。と、いうかあまり評価された事が無い。
大抵は祖母からの「まだまだ青い」的な説教とかばかりだ。自己評価がやや低いきらいもある。
――そして、精神的にも一部決定的に破綻しているのだが、それは少年自身に自覚が無い。
「安全」からは程遠い、天性の人斬りの素養を己自身が気付いていない。
目の前の彼は、もしかしたら何かの拍子に気付くかもしれないが。

「みたいです。あと、刀だけでなく剣術もソレに特化した感じになってますね。
正確には、人も神様も悪魔も、異能も魔法も…何であろうと斬り捨てる剣です」

そこだけは淡々と口にする。人を守る為に、それ以外の全てを無慈悲に斬る…それだけの剣術。
皮肉な事に、人を守る剣でありながら、人を殺す事にも優れているのがどうしようもない。

「そうですね、鈍の事はもちろん信頼してます。俺が何かやらかしたら斬ってでも止めろ、と約束もしてますし」

信頼関係は強固だ。そこは間違いない、と頷いてみせる。
もっと、それだけで止まらない危うさもあるにはあるのだが…。

「けど、寄月先輩の剣術も気になりますし、いずれ手合わせしてみたい所ですね」

と、そう口にしてから思い止まる。まず、間違いなく殺し合いに近い戦いになる。
そんな、ありがたくもない直感を感じた。彼の方が遥かに強いと少年自身は何となく思っているが。

寄月 秋輝 >  
「……人も斬れるんじゃないですか。
 まぁどちらにせよ、刀としては優秀なんですね」

ふむ、と息をついて納得した。

同時に東華の歪みを感じた。

彼は人を斬れる。
おそらく、心を揺らさずに。
人を斬ることに慣れた自分とは違う、別の感覚で。

とはいえ、それを口にしてもいいことはない。
わざわざ語ることも無いだろう。

「まぁ、彼女が居れば大丈夫だと思いますよ。
 色んな意味で」

どちらかというと、彼女の方がまっすぐな気もする。
ひとまず気にする必要はないだろう。

「構いませんよ、手合せなら。
 鈍さんからも、自分か主と手合せしてほしいと言われています」

目を閉じて答えた。
彼にどれほどの能力があるのかはわからないが、実力を知っておく価値はある。
同時に、刀を振るう時の目も見ておく必要があるだろうから。