2016/10/16 のログ
足ル歯 繰朗 > 「これは失礼。体質はどうにもならんな。
が、術は総じて向き不向きがあるからな。
魔術だけでどうにかできるなら、それに越したことはない。習得難易度もそこまで高くないし」

人間種と違い、鱗だらけの顔では表情を表現するのは難しい。
ので、声なり、目の動きなり、口の動きなり。場合によってはジェスチャーでなんとか頑張る必要がある。
それでも何となくだが、伝わったようだ。

「動かない訓練か。
なるほどそれは失念していた。瞑想も動かないしな。
いや礼には及ばん、機が合えばまた会おう」

頭を下げられれば頷いて返し、立ち去る姿を見送る。
そうしたあと、ザックを拾って肩にかけ、水分補給に向かうだろう。

ご案内:「演習施設」から寄月 秋輝さんが去りました。
ご案内:「演習施設」から足ル歯 繰朗さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 学園にある訓練施設。入学当時はこんな施設もあるのか…と、驚いたものだが今では慣れたもの。
とはいえ、凡人の己が出来る事と言えば、腕を磨くよりも…

「…いざ、戦闘になった時に『何時も通り動ける』事だよなぁ」

訓練施設の一つにて佇みながら、覇気が無い瞳でそう呟いた。
努力や研鑽は少年なりに怠っていないが、強い者はごろごろそこら中に居る。
ならば、まず自分がすべき事は持っている数少ない技能を『その時』に活かせるかどうか。
異能者だが、そもそも自分の異能は役立たずで話にならない。魔術も実践の才が無い。

(…と、なると最終的に頼れるのは自分の体だけ、か)

武器の類なんてまず使った事が無い。一先ず、訓練用の木偶人形を目の前に息を緩く吐いて。

飛鷹与一 > 少年が習っている護身術は主に暗がりや武器を持った相手からの奇襲への対処が中心だ。
対して古武術の方は、それこそ護身術をフォローする為に齧っている程度で主に防御や回避が多い。

(――自分から攻める事も大事なんだろうけど、基本持ってる技能が受身だしなぁ)

目の前の木偶人形を見据えながら内心で呟き。
そうして雑念を捨てて集中。やや腰を落とし摺り足気味にジリジリ前へ。

「―――シッ!」

鋭く呼気を吐きながら、靴裏を地面に叩き付けるように踏み鳴らし。
その地面への反発力を利用して前へと間合いを詰め。拳ではなく開手…掌打を木偶人形の側面に叩き込む。

震脚…日本の剣道で言う踏鳴からの強い踏み込み、からの掌打による側頭部への一撃。
少年の護身術は拳を基本使わない為、このように掌打の攻撃が基本だ。

「……ん、ちょっと踏み込みが足りなかった…か?」

一撃は確かに木偶人形の側頭部を捉えたが、手の付け根の部分でなく真ん中辺り。
掌打の基本は手の付け根辺りを相手に当てる事だ。これではダメージにも影響する。

飛鷹与一 > 「……分かっちゃいるけど、やっぱり守勢からの反撃やいなしが中心なんだよな」

木偶人形の側頭部に手刀を叩き込んだままの姿勢で残心。そうしながら独り言。
決して自らガンガンと攻め入るタイプではないし、そんな技能でもない。
異能も魔術も役に立たない以上、頼りになるのは己の体と技のみ。だが…

(…武器の類、は全く使えないし。せいぜいメリケンサックとか…)

携帯性に優れ、手に身に付けられる物がベスト。そう、手足の延長として使えるような――…
と、そこまで考えて溜息とともに首を緩く左右に振った。
そんな都合よく自分に合った武器などある訳が無い。持ってる少ない諸々を搾り出すしかない。

「……それで勝てなくても、まぁ俺は所詮は『凡人』だしなぁ」

残心をゆっくりと解きながら。自分の限界は既に見えている。

ご案内:「訓練施設」にソニアさんが現れました。
ソニア > 訓練施設にゆっくりとして足音が静か、気配もかなり薄まった存在が近づき中へと入った。
訓練施設内には様々な空間や個々の訓練に応じた修業が出来ると聞いている。色々と出歩いた挙句、
今 在室されている空間へと 見学が出来れば僥倖と考え 扉が少し空いていたのでするりと入った後
邪魔にならない端っこで じっと見るだけ の様に見学を開始してしまう。
声かけ? 声がかかるまでは此方は大差喋りかけもしないつもり。

「…………」

入る前後に彼の動きはちらっとだが見えていた。
あれは武人か何か嗜んでいるような柔軟に富んだ振舞方だ。
何も持っていない事も見えている。動きは悪くはない寧ろ良い。

基礎が出来ていないと更なる向上は難しい筈。

(…声かけ チャンス逃した気が…)

飛鷹与一 > 「…無い物強請りはするなって事だよな…」

今度は緩く腰を落とし、両腕はややダランと弛緩させて無駄な力を抜いた脱力状態。
残念ながら気配を感知する、という達人や超人じみたレベルに達しておらず、来訪した人物にはまだ気付いてなかった。

「………ん。」

不意にその場でガクン、と膝から前に崩れ落ちるように前傾姿勢に。
だが、これは膝抜き、と呼ばれる古武術などの技法の一つである。
膝から力を抜いて、そのまま『落とす』事で前身の推力を得て、後ろの足で地面を蹴る。
そうして、不意打ちに近い動きで前進しながら、拳、ではなく貫手を鋭く放つ!

「………ミスった」

ぼそり、と呟きながら残心。貫手は木偶人形の鳩尾辺りを狙っていた。
そうしてまた緩やかにそれを解いて溜息。想定していたのは喉元だったが、崩しすぎたようだ。

「……ん?」

そして、気配に気付いたという事ではないのだが。何となく周囲を見渡して。
偶然、こちらを見学しているそちらと目が合っただろうか。

(……え、何かめっちゃ見られてるんですが。むしろ何時の間に…?)

ソニア > 気配は薄いが、存在そのものの色、つまり髪色や瞳の色、服装は割と派手。
感知されると簡単に色的に二度と気配は薄くなりにくい。
ただ薄いからこそいつの間にかいる いつの間にかいないがあり得るわけであって。

「……」

暫く具に彼の動きを真面目に見ていました。
古武術というのは 人さまの見るのは幾数年ぶりというもの。
と、漸く気付かれた。じっと見ていた瞳が少し瞬きをした。

「………お邪魔して ます」

緩やかに 姿勢を正して会釈をしてから、挨拶をぽつりと述べよう。

飛鷹与一 > この年頃の少年にしては、死人かゾンビのように覇気が全く無い視線をそちらに向けつつ。
そちらからの挨拶に緩く会釈を無言で返しながら、さてどうしたものかと。

(…人に見られる程のレベルでもないんだよなぁ)

少年の独学な部分も多々あるが、一応基礎はちゃんと積んでいる。
今はそこからの応用で躓いているような感じなのだけれど。
しかし、見れば見るほど何で気付かなかったんだろう?というくらいに派手な見た目だ。

(……それでも気付かなかったって事は、単純に俺が未熟なんだろうなぁ)

それは当然だ。何しろ自分は『凡人』なのだから。さて、黙っていてもしょうがない。

「……ここ、使います?」

この場所を使うなら譲る、という意志を示してそう尋ねてみようか。
少なくとも、沈黙したままよりは全然マシであろうと。

ソニア > 彼の眼は 覇気がない 瞳孔に光はなさそうだ。
此方も大差変わらないと思う。感情と表情が欠落している為 ナニを考えているか分からん瞳を向けているのだ。
殺気とか含んでいるとかもない ただの 無 たる視線しか向けていない。

(…?)

瞬きをまた数回ほど繰り返してから、端っこの壁から彼がいる方へと歩み始め、適当な所で足が止まり。
彼がどのような存在かは初対面に…初対面だ。知らぬ存ぜぬ。
彼が『凡人』なのは全く知らないし、尋ねられた事には瞬きを二度してから

「…そちらの 鍛錬はお済ですか? で、なければ少し借りてもよいでしょうか。」

少し借りる事を伝える前に 彼は此処で鍛錬をしていた筈。
それが済んでいるのか違うのかを問うべく 答えつつも質問も織り交ぜよう。

飛鷹与一 > 彼女と似たような視線ではあるかもしれない。実際瞳孔に光は全然無い。
が、これは性格と生まれつきのもので、感情や表情が欠落している訳ではない。
しかし、彼女の薄い気配や派手な外見に然程動じてない辺り、肝は多少据わっているようだ。

「…あーハイ。元々短時間の申請だったんで、どうぞどうぞ…」

相変らず覇気のない視線、そして完全に気を抜いているからか気だるそうな態度で頷いて。
これが普通の少年の態度である。今時の若者にしてはやや枯れている空気だ。

そして、木偶人形はそのままにこちらは端っこの方へと歩いていこうと。
どうせなら、彼女の鍛錬?をちょっと見学していくのもいいだろう。

ソニア > まばたきがピタッと止まった。時折生物的にまばたきはしているが少ない。
髪の色は毛先が夕日色であり大多数は深紅なのだが、ゆらっと髪の色が 夕日の色が波打つように動いた。
髪の色が揺らいだり動いたりは ふつうのヒトではあり得まい。

「では 暫し 借り…ます」

瞬きを二度短い間隔でし、軽く会釈程度に頭を下げると
此方も大差変わらない言葉の短さ及び間が空いた何ともな喋りで言葉を交わす。

彼は場を譲ってくれたので 木偶人形はそのまま突っ立っている。
帯に差している扇子を手にしようか考えたが、と、彼の方をちらっと見た。
先ほどは此方が見学をしていたが 今度は此方が見学される側らしい。
鍛錬というものではない 一寸した 実験です。

左手を少し上げて 指さす感じに木偶人形を示した。
見えない何かが作動した どん と衝撃波が木偶人形を襲っている。
魔術ではないが異能には近い その指差し状態であっちこっち示す。
その都度 どん とか どご とか ごす とか見えない力で木偶人形に打ち付けていく。

「…よし 最後に 《伏》」

見えない力が 木偶人形を襲ったのか 突き刺さっている棒ごと木偶人形がすっこ抜けて地面に転がった。
手を降ろし 実験終了。

「…終わり ました。お目汚し失礼しました…」

一応 終わりに 会釈を彼に向けてしたという。

飛鷹与一 > (…なんか髪の毛が勝手に動いてるような…そもそも、ここ風が吹いてないし)

だが、この島の特徴を考えれば…異邦人が普通に生活しているならば。
それも珍しい事ではないのだろう、と。慣れでもあり順応性が地味に高い証左でもある。

「…ん、お好きにどうぞ」

緩く頷いて。こちらもこちらで、自分から積極的に会話を盛り上げていくタイプではない。
どちらかといえば聞き役に回る側。端っこへと移動すれば、さて何をするのやらと炎髪の少女を眺め。

「………お~~」

何かの参考になるかと思ったが、目の前で繰り広げられたそれは何の参考にもならない。
そもそも、異能が役立たずで魔術も使えない。己の体一つで戦うしかない少年にとって。
彼女の左手が木偶人形を示す。見えない何かが木偶人形を打ち据える。
更に、連続で見えない衝撃のようなものが木偶人形をタコ殴りにしている。

(異能…か、魔術かどっちなのか分からないけど。参考どころじゃないなぁ)

少年が参考に出来るとしたら、せいぜい体術方面であり彼女のそれは自分には生かせない。
トドメなのか、彼女の一声と共に木偶人形がすっぽ抜けて転がるのを死んだ瞳で見遣り。

「……お見事。」

パチパチパチ、と適当に拍手を打ちながらそんな一言。実際に凄いとは思う。
問題は、矢張り自分には到底参考に出来ないという事だったが。

「…いや、凄いもんすね…異能か魔術だと思うんですが」

ほぼ無能力者と変わらず、魔術も実践が壊滅的な少年からすれば雲の上の所業だ。

ソニア > まだ己の種族は精霊だ、最近その種族名が揺らいでいて仕方ないが、
この髪の色移動その物は個人固有。異世界から流れてまだ数年だが、
落ち着いてくればその髪の色移動は落ち着く。

実験と称した正体は 普段は滅多に使わらない 異能というか超能力の一つに謂われる 斥力。
その威力速度と複数範囲での同時展開。威力そのものは低下しており、複数で同時に展開もしたが薄かった。

やはり落ち着くまでは異能や魔術の威力も落ちているのだろう。
暫し 落ち着くまで瞑想や静かな場所でひっそりすべきかと思案。

拍手を受けたので 無表情だが感謝の一言位は延べ

「異能になりますが。一寸した力ですよ。…威力ガタ落ちですけど。」

よっこいしょ、と引っこ抜けた木偶人形を難なく持ち上げると、
引っこ抜けて穴になった場所に ズムッと突き刺して元に戻…ぐらんぐらんと揺れる木偶人形。

「…そちらさま は まだ続けます?? …私が使ってなんですがボロボロにしてしまいました」

木偶人形 そこそこ丈夫なので重量はある筈だが難なく突き刺した存在がいる。

飛鷹与一 > 異能学は人並みに学園で学んではいるつもりだが、それで彼女が使った力の正体が分かる訳ではない。
目に見えない衝撃で木偶人形をタコ殴り、最後に地面から引っこ抜いた。分かるのはその事実だけだ。

「…ああ、やっぱ異能すか…いや、普通に殺傷能力高いと思いますけども」

使えない者からの視点から見れば十分に凶悪だ。あの衝撃も重なれば相当なものだし…。
打ち所が悪ければ普通の人間ならあっさりと死ぬ。少なくとも自分は死にそうだ。
おまけに、難なく木偶人形を持ち上げてまた元の場所にセット…しきれなかったようだが。

「…あ~~いや、俺は軽い動きの確認だけしたかったんで、もう今日はいいっす」

アレを見た後で鍛錬を続ける気力も無い。『持たざる者』からすれば。

(それに、あの木偶人形結構重いはずなんだけどなぁ…それを平然と持ち上げるって)

単純に怪力なのだろうか。よく分からないがそうなのだと思っておく。

ソニア > 異能なのか不明なのが超能力とかの類。正式に学園に届け出をしていないのだ。威力が大体不安定過ぎて、
安定しない力なんて難しすぎる。よって申請はしていない。普段も使ってもいないし。
時々確かめないと難しい能力だった、それだけ。

「いや、威力低いと微風…置いた看板が倒れるかどうか。」

そこら辺にあるだろう町中の置き看板(自立)が風に吹かれて倒れる事が多々あるだろうが あの威力。
低くてそれだったが 安定しない。実験そのものは成功だが。

「そうですか、じゃあ、この人形 片づけておきますので。」

突き刺しておいたぐらんぐらんの木偶人形 再び棒ごと引き抜いてわきに抱える様にして持つと、
「ではお先に」、と一言呟き 備品たるものを返しに行ったとか。

ご案内:「訓練施設」からソニアさんが去りました。
飛鷹与一 > ちなみに、超能力とかも異能学の講義で多少齧りはしたが、その詳細は漫画とかアニメレベルの知識だ。
いわゆる念動力とかテレパシーの類なのだろう、とその程度の認識。
もっとも、今彼女が使ったソレの正体を知らぬ少年はそこまで考えて居ないが。

「……そうすか。何かムラがある感じっすね」

言葉少ない彼女からの発言の意図を彼なりに解釈したのか、死んだ魚の目の少年はそう述べた。
安定性に欠ける、という事なのだろうか?その辺りの操作の訓練だったのかもしれない。

「……あ、ハイ。お手数掛けます」

人形を片付けておく、と抱えた彼女に少し間を置いてから緩く会釈をして。
むしろ、平然と持ち上げて脇に抱えるとか矢張り怪力ではなかろうかと。

「……ハァ~~…何というか…」

そして、彼女の姿を見送れば。その姿が完全に訓練施設から消えると同時に溜息。

「…本当、『凡人』には厳しい所だよなここ」

自らの力の無さを改めて思い知る。が、へこたれても意味が無い。
前向きではないが後ろ向きでもない。凡人には凡人の戦いや葛藤がある。

(…と、思ってられるだけまだ余裕があるのかもしれないけどな)

冷静に自己分析しながら一息。こちらもゆるりとした所作で踵を返し。
軽く伸びをしながらゆっくりと歩き出す。明日からはまた学園だ。

ご案内:「訓練施設」から飛鷹与一さんが去りました。