2016/10/28 のログ
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
東雲七生 > 「あ゛~~~~~~」

訓練所のとある一室。『トレーニングルーム』と銘打たれたその部屋は、教室ほどの広さのある部屋だった。
床にはウレタンマットが隙間なく敷かれており、他の部屋の様に魔術や異能に対する耐性は限りなく低く設計されている。
そんな部屋を利用するのは主に身体的に未成熟な生徒──要するに一般的な小学生からそれ以下の年齢層だ。

そんな部屋に、今は七生が一人。
足と、頭だけでブリッジをしていた。思い立ったが吉日、を地で行く馬鹿真面目な少年は、昨日の今日で即特訓を始めていた。

「あ゛~~~~~~~~~」

奇襲強襲朝駆夜討上等と言われた物の、まずは地力の差を埋めなければならない。その為の特訓だった。
それはともかく、この体勢は案外疲れるのだと知る。

東雲七生 > 「あ゛………」

首だけでブリッジを始めてそろそろ10分。
だいぶ頭に血が上って来ており、目眩すら覚え始める。
一度頭に上がった血を下ろそうと、ブリッジの体勢を解いてそのまま床に寝転んだ。

「はぁー……思った以上にしんどいな。」

目頭を軽く指で押さえ、溜息と共に呟く。
逆立ちして歩き回ってた時と同等か、それ以上につらいかもしれないとすら思う。
だけど、これしかないのだ。今は。

東雲七生 > 今より強くなる為に。誰よりも、何よりも強くなる為に。
まずは武器も異能も使わずに自分より強い相手を降参に持ち込まなきゃならない。
殺す気で来いとは言われた物の、実際のところ七生は強くなりたいのであって人殺しになりたいわけじゃない。
そもそも殺す気ってどういう気なんだ、と冷静になった今は思う。あの時は、そう、売り言葉に買い言葉というか、そんな感じの。

「……って、まあ、言い訳してもしゃーねーか。」

ともかく、やらなきゃならないのは確かで。
現状、今の七生にとっては奇襲をかけるにしても決定打が足りないのだった。
異能が使えればまだ勝機はあるものの、それでは意味が無い。
せめて転移荒野で見た、プロレス技くらい使えるようになっておくべきだろうと考えて、今に至る。

東雲七生 > 「まだ一撃入れろとかなら遣り様があるものを……」

降参させろと来たもんだ、と肩を竦める。
どうしてそんな事を言い出したのだろうか。本当に出来ると思ってるのだろうか。
否、きっと出来ないだろうと思っているから言ったのだろう。
あるいは本当に、それくらいでないと相手にならないと思っているのかもしれない。

「……上ッ……等ッ!」

あまり物事に固執しない性質である七生も、割と根は単純である。
出来ない、と思われていればどうしても見返したくなる。その辺は普通の男子高生と大体同じだ。