2016/10/29 のログ
東雲七生 > 取り敢えず首だ、首を鍛えよう。
未だに明確なビジョンは見えてこない。けれど鍛錬を続ければ多少は光明も見えるかもしれない。
そう信じて、再びブリッジに挑む。昨日蹴られた足が、少し痛む。

「……切り傷とかなら治すの早いんだけどなー。」

打撲は傷口が見えないから、縫合も出来ない。
頭頂でしっかりと地面を捉えたまま、上下が逆さまになったまま腕組みをする。
傍から見ればだいぶ異様な光景だが、本人は至って真面目そのものだ。

東雲七生 > 「あ゛~~~~~~」

そして振出しに戻る。
首が痛い訳でもないが声が出る。何故か出ちゃう。
そして再び頭に血が上って、目眩がする前に寝転がる。

これで本当にプロレス技が掛けられるようになるのだろうか。
組んでいた腕を解いて、天井に向けてかざしてみる。
もやし……とまではいかないにしても、一見して筋肉質であるようには見えない腕だ。
夏の間散々外で遊び回ったのにも関わらず、妙に白く見える。

「……一体何食って生きてればあんなマッチョになれるんだろうな。」

とことん謎だ。流石に最近は大抵の女生徒に腕力で劣る事は無くなってきたとはいえ。
それでも現に昨日、肩車までされてしまったわけだし。

東雲七生 > 「……こんなんで本当に強くなれんのかな。」

ちょっとだけ不安になる。
いくら鍛えても腕は太くならず、背も伸びない。やっぱりルビィの言う様にある種の才能なのだろう。
……だが、素直にそれを認めたくない気持ちも、確かにある。

「うぅ……ぜってー、負けないし。勝つし。」

本気で相手をして貰って、その戦い方を全てとは行かなくとも吸収してやる。
そうすればきっと、また一つ目指すものへと近付ける気がするから。
ぐらりと胸の裡で煮立ち始めたものを感じながら、七生は身を起こした。

「その為にも、鍛錬鍛錬!」

才能は努力で上回るしかない。
そう信じて、七生は再びブリッジの体勢を取った。

そして暫くのちにレクリエーションにやってきた子供たちに集られる事になる──

ご案内:「訓練施設」から東雲七生さんが去りました。