2016/11/03 のログ
東雲七生 > 自分と相手とのスペック差を考える。
身長も単純な腕力も相手の方が上で、きっと頑健さも向こうに軍配が上がるだろう。
七生が純粋に掛け値なしで敵うとしたら脚力、速さくらいしか思いつかない。
異能を使えるのなら少しは奇襲の幅も増え、遣り様も増えるのだが。

「異能なしの素手が大前提だもんなあ……。」

だとしたら、どうするか。
もし一縷の望みを掛けるのなら、それは腕よりも脚だろう。
転移荒野や落第街など無茶苦茶な地形でも構わず走り抜けてきた健脚はある意味武器と呼べるものではあった。

東雲七生 > 「速攻でラッシュ掛ければワンチャン……?」

さてどうだろう、と天井へと足を掲げる。
七生自身の体重が軽い所為もあってか、一撃一撃は軽い。女装を付けた跳び蹴りも、精々が砲弾程度だ。
それくらいの攻撃なら凌げる相手であった場合、無策で飛び込むに等しいだろう。

「異能を使わないで来て、いざそれをルールに乗せられると何もできる気がしないってのはなあ。」

我ながら情けない、と足を下ろしながら七生は自嘲する。
せめて体格に恵まれていれば、と思わなくもないがそれはそれだ。無い物は、無い。

東雲七生 > 「……っし。ここで煮詰まってても仕方ねえし、ちょっくら走ってくっかな!」

寝転んだ状態から、ぐぐっと体を丸めて、ぴょんっと上体のバネで起き上がる。
じっと考えているのが性に合わないし、一向に善い方向へと頭が回らないならいっそ考えない方が良い。
ついでに新品のシューズも買った事だし、気持ち良く走って来ようと七生は訓練室の一室を飛び出していった。

ご案内:「訓練施設」から東雲七生さんが去りました。