2016/12/06 のログ
ご案内:「訓練施設」に三谷 彰さんが現れました。
三谷 彰 >  いくつかある訓練所の一つで彼は黒い棒を片手に立っていた。
 決戦兵装”黒杖・月影”マルトクである彼が有する彼の最大の牙。様々な属性の上位魔法に匹敵するする魔法を放つそれを彼は構える。新しい魔法の試験をしようという魂胆らしい。
 彼が長い間練っていたもの、それは土の属性をどう月影に落とし込むかという事だった。
 他の属性の様に普通の属性付与を強化した形にしてしまうとただの凄い槍になるしそれならば正直爆炎付与で十分事足りてしまう。
 ではどうするか、そう考え彼は何度も術式を考えある考えを持った。それは土という属性の原点。すなわちは大地という力を得るという方向だった。

「……ハ!」

 彼は黒杖をグルグルと回転させるとそれを地面に突き立てる。
 訓練場の床の下にある土から力そのものを吸収し黒杖はその色を緑色に変化させた。

「纏え!」

 キーワードに設定していた声を上げると彼の組んだ術式は発動する。棒を纏っていた緑色の気はそのまま持ち主である彼の元へ。そしてそれが全て彼の手に集まり……小さな爆発。魔力の爆発が収まるとその最中に彼は立っていた。棒ではなく彼を緑色の気が覆っている形だ。

三谷 彰 > 「……ふむ」

 そのままの姿を少し見て声を出す。
 ためしにその場で軽く飛び跳ねる。本来であれば本当に跳ねるだけの力しか入れていないのにその体は大きく跳ね上がる。
 少し気が引けるが歯で自分の指を少し噛み傷をつける。その傷は血が落ちるより早くふさがる。

「……一応は成功か」

 そう呟くと彼はその魔術を終了させる。
 魔術によって彼が得たのは2つ。1つは身体能力。そしてもうひとつは再生能力だ。
 どちらも通常の数倍から数十倍には跳ね上がっている。だが勿論長時間は行えない。
 リミットは1分それ以上は体が持たないため勝手に強制解除されるように術式を組んである。一応は成功と思ったのだが。

「いててて……やっぱりこうなるかぁ」

 一度跳ねただけなのに足に強烈な痛み。本来の力以上の力を出したのだ簡単に言ってしまえば足をつったのである。
 効果は絶大だがそれと同時にマイナス効果も強烈だった。

三谷 彰 > 「……」

 グッと足を伸ばす。
 ルーン魔術で治せばすぐだがそれは緊急用であり必要ないときは極力こうして自分の力だけで治すようにしている。
 古い考えといわれてしまえばそうなのだがその方が強くなれれる気がしているのだ。
 こうして彼の練習は少しの休憩を挟み、痛みが少し引けば普通のメニューに戻っていくのだった。

ご案内:「訓練施設」から三谷 彰さんが去りました。