2017/02/07 のログ
■東雲七生 > 「んー……ここでいいか。」
手頃な広さの空き部屋を見つけて中へと入って行く。
制服の上着を脱ぐついでに、ポケットから真っ赤なビー玉を3つほど取り出しておく。
“あらかじめ血液を何かの形にして保存する”ということを覚えてから、すっかり自分で自分を傷つける事も無くなった。
とはいえいつまでも同じ物、同じ血液を使い続けると言うのも何だか気味が悪いので、
週に一度くらいの頻度事情を知る病院で採血して貰っていた。
「流石に腐ったりはしないけど……しないよな?」
今まで使い捨てに近い扱いをしていたので、長期保存が有効かなんて考えた事も無かった七生だった。
■東雲七生 > 「まあ、日持ちするかしないかについてはそれはそれで考えるとして……。」
肩や首を大きく回しながら息を吐く。
全身の力を抜いて、心を沈めて、集中力を高めていく。
七生の異能で重要なウェイトを占めているのは想像力だ。
瞬時に形成したいものを思い浮かべること。それも出来る限り詳細に。
出来る限りどんな状況でもその状況に応じた物を造り上げるには、想像することに慣れておかなければならない。
数ヶ月かけて七生なりに自分の異能について考えた結果だ。
別段、半液体状態で操るのも、細部に拘らない丸太の様な武器を形成しても問題は無いし、
単純な“速さ”を追求するならそっちの方がよっぽど良い。
(でもまあ、どうせやるなら出来るだけ格好良く……)
特有の感情も混じりつつ、それでも想像──イメージする事を習慣づけるのは、
万が一暴走した時に即座に制御下に引き戻すために必要である、とも考えたからだった。
■東雲七生 > 遠くにトレーニング集団の気配を感じながら、呼吸を整えて。
半分開いた真紅の眼をゆっくり閉じてから、またゆっくり開く。
「……よし。」
自分なりに落ち着いた、と思える状態になってから七生はゆっくりとビー玉を手に取って、それを手の中で転がした。
今日はいつもより集中の度合いが高い。そんな気がする。
「んじゃ、やりますか……!」
真面目な面持ちになると、七生は久々の異能の訓練に精を出したのだった。
ご案内:「訓練施設」から東雲七生さんが去りました。