2017/03/16 のログ
ご案内:「訓練施設」にクラージュさんが現れました。
クラージュ > 銀の閃光が奔る。
そして、やや鈍い衝撃音。
ヒト型のターゲットをなんなく切り伏せた少年は何やら難しい顔をして立つ。


「……やはり、ダミーでは経験値が入らないか」

クラージュ > 「……経験値取得の効率化は、やはり難題だな」

ううむ、と悩み顔のまま。
ついでとばかりに剣をいくつか素振りする。
剣閃は鋭く、風を切る。

「……どこかにメタルなスライムとかいれば楽なんだが」

少なくとも訓練施設にはいないだろう。常識的に考えて。

ご案内:「訓練施設」に水月エニィさんが現れました。
水月エニィ > 「ここ数ヶ月真面目に動いた記憶がないわね……」

 試験勉強やら私事やら何やらに追われていればいつの間にか4月手前。
 久しく身体を動かしていないことを思い出せば訓練施設に足を運ぶ。

「……んー……」

 見る限り、施設内は中途半端に混んでいる。
 暇なのか、4月に向けての奮起か、はたまた偶然か。

 適当な部屋を見繕いながら歩けば、ふと、見知った顔を認める。

「……あら。」

クラージュ > 「やはり転送荒野でランダムエンカウントに頼るしか―――」

結局は今までどおりの生活か といった辺りに落ち着きそうな矢先に視線を感じた。
ふと顔を上げれば見知った顔が。

「君か、久しぶりだな。
 ……少々、顔つきから険がとれたか」

御挨拶である。

水月エニィ > 「久しぶり。私もほんっと丸くなったわよね。
 そのせいで36回に1回はじゃんけんで勝てるもの。」

 はー、と、軽い溜息を共に挨拶を返す。
 そのまま遠慮なくルーム内に足を踏み入れ、おもむろに近付いた。

「で、クラージュも特訓?
 私もそのつもりだったのだけれど、妙に混んでるのよね。
 ……この時期って多いのかしら。それとも偶然?」

クラージュ > 「それは驚異的な確率だな。
 俺も36回に一回は派手に負けるんだ」

幾分か柔らかい笑みを見せつつも剣を収める。

「特訓……と、言えばそうかもしれないな。
 この世界で一気にレベルを上げる方法を模索していたんだ。
 いつかの赤竜のときのように、後方支援だけというわけにはいかないからな」

苦笑しつつも。

「この時期は込むそうだよ。
 暇を持て余しているヤツや、春に向けて目標を持っているやつ 色々いるからな」

水月エニィ > 「そう、平和ねぇ。
 それとも見えない所では不穏なのかしら。」

 相槌を打つ。
 思っていた通りと言えば通りの答えだ。
 やはり今の時期は混むらしい。

「レベル上げ、ねぇ。
 とは、言え、地道に特訓する事しか知らないわね。
 今までもそうして来たもの。負けたって何だってやるしかないもの。」

 彼の言葉にはイマイチ実感が浮かばなかったのだろう。
 小さく首を横に振った。

「でも、そういう事なら、そうね……折角だからやってみる?
 目の前に居るのは倒したらレベルが下がる怪物かもしれないけれど。
 それでも良ければやってみましょう。」

クラージュ > 「その見えない不穏が見えた時に、弱いままでは大変だからな」

ニヤリと笑う。
不穏がなんであれ、断ち切ってみせると豪語する類の笑みだ。

「俺もこの世界に来てから聞いたんだが、エニィはゲームをするか?
 あーるぴーじー とか言われているやつだ。
 俺の異能はそれに似ているらしい。
 ……そのせいで地道な特訓は、俺に限れば効果が薄いそうだ」

もう慣れたけどな と笑い。

「ああ、手合わせ願おう!!」

木剣を手にとって正眼に構えた後、一呼吸してから真正面から袈裟切りに振り下ろした!!

水月エニィ > 「へぶ、らっ!」

 紙一重で避け 切れず。
 袈裟斬りは肩の外に引っかかり、側面を撫でる様に逸れる形となるか。

「っと、いきなりねぇ――所でこれ貴方の?ちょっと借りるわよ。」

 そうじゃなくてもまぁいいか。
 都合良く端に掛かっていたタオルを引っ掴み、軽くしながらせる。
 鞭の如くしなりを付け、溜めを見せ――クラージュの手元へとタオルによる叩撃を放つ。

クラージュ > 当たりはしたが、浅い。
撫でたようなものではこちらが隙を作っただけだ。

「不意打ち気味なら、先制できるかと思ったんだがな!」

いいながら手を引く。
間に合わない。
そう判断して手首ではなく、腕を打たせる。
痛みに若干だか顔がしかんだ。

「誰かの忘れ物だろう、ずっとあったぜ」

集中する。

  ブレイブ・ワークス
「『勇者のお仕事』……モンク!!」

叩かれた時に剣は捨てた。
そのまま軽快なステップを踏み、相手の連撃を警戒する。

水月エニィ >  
 剣を棄てたと見れば仕切り直す。
 相手は徒手に切り替えている。
 ……掠めればダメージを与えられる獲物でも技術でもない。甘い連撃では弾かれると見た。

「そ、うッ!」

 両手でタオルを持ち、ぴん、と、張らせる。
 そうした後に片手を離すも、それは緩む事はない。
 どのような技術で成しているのかはともかく――思い切り踏み込むと共に、重い刺突撃を以ってで右胸を狙う。

 己が手札を鑑みれば、順当に戦術を切り替える。
 

クラージュ > リズムをとるかのように、体を上下に揺らす。
そのまま相手と呼吸を重ね……。

タオルが張った。
速さと重さに拠った一撃。軽い連撃よりも大変だ。

「便利だな、操布術ってやつは……意外とやりにくいぜ」

踏み込みを合わせて、後ろに跳ぶ。
ダメージを減らしたものの右胸の近くを打たれた。
かまわない。覚悟はしている。
着地前に拳に気を纏い……着地と同時に地を這う衝撃波。

「初見だと、たいていは驚かれるんだぜ この技」

水月エニィ > 「っ!」

 "飛び道具"。
 原理こそは分からぬが、何らかの技術か魔術か。
 ……多分技術だろう、と思う事にする。

 ……が、問題はこの後だ。
 這って迫った衝撃派はきっちりと己を捉えている。
 
 彼の言葉通り、意表を突かれた形だ。
 どうにか体勢を整えようとするが――。
 
 

クラージュ > モンクは攻撃力には欠ける。
一撃の威力は剣よりは劣るし、金属とか殴ると普通はこっちが痛い。
しかし、利点は、手数の多さと身のこなし。そして技の多彩さ。

「動きがちょっとでも止まれば、十分だ!!」

今度は前に向かって跳ぶ。
そのまま体を捻っていき……相手の体を狙った回し蹴り。

水月エニィ > 「ぐっ……!」

 真っ向から受け止める。
 元々体力勝負には慣れている――が。

(どうも鈍っているわね……!)

 受け止めたもののそこで終わる。
 迎撃や反撃まで手が回っていない――
 

クラージュ > クラージュ自身がそれほど大きくないという事実もあるのだろう。
突進力に遠心力を加えても、威力という面ではさほどあるわけでもない。
しかし、ここが勝機と見たクラージュは手数でもって押していく。
[2d6→1+5=6]
水月エニィ > 「ぐぬっ、ぬぅっ……!」

 圧されている。
 肉薄されてしまえば布(わたし)より拳(あいて)の方が早い。
 後手に回れば尚更だ。

 どうにか切り替えそうと機を伺うが――
[2d6→3+3=6]
水月エニィ >  
「――ッ!」

 集中力が切れれば堰も切れる。
 十数合の応酬の後、大きくバランスを崩す。
 決定的な隙をクラージュに晒すこととなり――
 

クラージュ > 拳がエニィの顔に当たる直前で停止する。

「さすがに、手合わせで女性の顔は殴れない」

ふぅー と息を吐いて構えをといた。

「いい経験が積めたよ、ありがとう。
 レベルをあげるには少し足りなかったのが残念だ」

水月エニィ > 「全く、妙な所で紳士ね。」

 大きなため息と共に姿勢を直し、構えを外す。

「む、そう言われると中途半端に腹が立つわね。
 下がってくれれば良かったのに。」

 冗談半分ムキ半分。
 軽口を叩きながらも服のよれを正す。

「なんてね。ありがと。
 もうちょっと鍛え直す事にするわ。」
 

クラージュ > 「勇者だからな!」

笑いながら胸を張る。

「レベルドレインだけは勘弁して欲しい、割と本気でね」

軽口を返しながらも。

「ああ、また手合わせをお願いするよ。
 君の戦術を組み立てる力は良い経験になる」

水月エニィ >  
「全く、都合の良い事言っちゃって。
 ……と、私は先にシャワー浴びて帰るわよ。
 大分汗かいちゃったもの。」

 ぱたぱたとブラウスを掴んではた付かせ、胸に空気を入れる仕草。

「じゃ、また明日、かしら?」

クラージュ > 「勇者はご都合主義の塊なのさ」

胸に空気を入れるしぐさを見れば、やや頬を赤らめて。

「俺はもう少し鍛えて行くよ。
 レベルを上げておきたいからね」

と答えて見送る。

「ああ、また明日」

ご案内:「訓練施設」から水月エニィさんが去りました。
ご案内:「訓練施設」からクラージュさんが去りました。