2017/03/19 のログ
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > 訓練施設の一室に、東雲七生は半裸で転がっていた。
春休みに突入し、暇を持て余した故に朝から此処に引き籠って、半ば無茶な鍛錬を繰り返すこと数時間。
一般高校生なら気を失っていそうな運動量に、さしもの七生も床の上に大の字に寝転んで微動だに出来なくなっていた。
「はぁ……はぁ……ぉーし、今日のとこは……おわり……」
仮想組手一万体。本日のメニュー。
『人間型』が3千体、『獣型』が2千体。『それ以外』が5千体。
相手の消滅条件は『致命傷と見做される攻撃が決まったとき』で『仮想敵消滅、あるいは1分経過で1体追加』
そんな調子でやってたものだから、指一本動かす気力も残ってないのは無理も無い話だった。
■東雲七生 > 全身が疲労で音を上げる中、七生は達成感に顔を綻ばせた。
以前組手に挑戦した時は7千体くらいが限界だった気がする。それを考えると大きな進歩だ。
一撃必殺。一瞬のうちに相手の急所を見極めて戦闘不能に持ち込む事。
体格に恵まれない七生にとって、戦闘に於ける常套手段は専らそれである。
自分よりも大柄な相手と真正面から打ち合っても一撃の重さから不利に持ち込まれるのは以前からの課題だった。
その課題は何百、何千にも及ぶシミュレートでほぼ解消されつつある。
「……でも、何か騙し討ちみたいで気が進まねえ。」
本人が望むと望まざるとはまた別として。
いずれ自分の体が成長すれば……せめて平均値に届けば、今のスタイルから大幅に転向出来るのに。
全身から吹き出す汗に顔を顰めつつ、七生は大きく溜息をついた。
ご案内:「訓練施設」に東雲七生さんが現れました。
■東雲七生 > ──ちょっと意識が落ちかけた気がする。
「……いかんいかん、はぁ、これくらいで気を失ってちゃまだまだ駄目だ……。」
我に返った七生は慌てて首を振──ろうとして、それでもやっぱりうんともすんとも動かない身体に舌打ちをした。
散々体力を付けてきた気がするのだけども、まだまだ自分が理想とする域には届かないらしい。
目標は遥か高く、遠い。それこそ空を飛ぶのにも匹敵する。
「……あーあ、生きてる間に何とかなれば良いんだけど。」
仰向けで、大の字で転がったまま、部屋に重々しい溜息ばかりが溢れていく。