2017/05/04 のログ
ご案内:「訓練施設」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(訓練施設と言うのは様々な設備が揃っている。
 空中を浮遊する的だったり、自律して行動するトレーニング用ダミー人形だったり。
 今部屋の中に張られている防御フィールドもそんな設備の一つだ。
 技や術などの威力を試したり、大規模な魔術から見物人などを守るためのものだったり、強度や規模、防御する方向など様々に設定できる。
 今、そんな防御フィールドの中に閉じ込められている。)

……っ。

(刀さえあればこの程度の防御フィールド、やすやすと突破できるのだが、生憎肝心の刀は部屋の隅に転がっている。
 また防御フィールド内には野球ボールほどの大きさの球が三つほど入っている。
 それらが結構な速度でランダムに跳ね回っているのだ。
 フィールドは半径二メートル程の狭い空間。
 いくら自身が速度に優れていると言ったってこの狭さではロクに動けやしないし、狭い空間をランダムに跳ね回るボールを避け続けるのはかなりきつい。)

柊 真白 >  
(ボールが跳ね返る度に、速度と角度が不規則に変化する。
 二メートル先から予想が出来ない軌道で飛んでくるボールを、身を沈めて避ける。
 ひたすらにその繰り返しで、時には左右から同時に飛んでくるボールを避け続ける。)

く……っ。

(好きでこんな事をしているわけではない。
 やりたかったのはダミー人形相手の打ち合いで、こんな耐久試験みたいな事をしたいわけじゃない。
 とは言え当たれば結構痛いし、当たってもこれが終わるわけではない。
 地面に付く直前の左脚にボールがぶつかる。
 バランスを崩し膝を付けば、右のこめかみに衝撃。
 大きく体勢を崩すが、倒れたらあとは成すがままだ。
 転がって体勢を立て直し、更に避ける。
 速度に特化している分、スタミナと筋力は人間と大差がない。
 動き続けるには限界があるし、ダメージを受け続ければ動きは鈍る。
 素人が見てもわかるほど、明らかに動きが鈍くなってきている。)

ご案内:「訓練施設」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「……え、何これ」

何とか今日の巡回警邏の仕事も一段落し、日課の鍛錬…本日は体術メイン…を、しようと思って訓練施設に来た少年。
目の前で、馴染みの少女がかなりハードな訓練?をしている様子に思わず呟きが漏れる。

ちなみに、愛用の狙撃銃などは置いて来た為、本日は制服姿ではあるが完全に素手である。
ともあれ、見ているだけの訳にも行かないので慌ててそちらへと走り寄り。

「こんばんわ真白さん、ってかこれどういう状況なんですか?」

訓練、にしては聊かハードに過ぎる気がしないでもなく。防御フィールドが邪魔して助けるに助けられない。

柊 真白 >  
(声が聞こえた。
 咄嗟にそちらを向く。)

――切って。
早く、そろそろ――っく、あ!

(ターミナルを指差し、プログラムの強制終了を頼む。
 そのせいで反応が遅れた。
 右の脇腹へボールが着弾する。
 身体が横に流れ、ついでとばかりにもう一つのボールが足を掬うように当たる。
 今度こそ地面に倒れこむ。
 もうこうなっては後頭部を両手で覆って耐えるしかない。)

飛鷹与一 > 「わ、分かりました…!」

慌ててターミナルへとダッシュしてから、プログラムの強制終了……しない!
いや、待て待てここでプログラムフリーズとか勘弁して欲しい。
何度か訓練施設は利用しているので、操作は慣れたものだがこの事態は想定外だ。
チラッと少女を見ればもう限界なのか地面に倒れこんで後頭部を庇う様にしている。

(…ああ、もう!肝心な時に何でフリーズなんか…!)

埒が明かないので、ターミナルからそちらに視線を向ける。
瞬時に頭の中に「設計図」を描き、それを魔力で形へと変換する。

「…『仮想銃身・展開』…『貫通特化付与』…!』

魔力で狙撃銃のようなモノを形作り、それを構える。当然スコープといった”邪魔なオプション”は無い。
そして、不規則に跳ね回る3つの野球ボール位の『的』を狙う。
法則性が全く無いそれを、狙い撃つのは難易度が高い。しかも防御フィールドを貫通しなければならないが。

「………!」

ダァンッ!…1つ目、上から倒れた少女に急降下するボールを粉砕。

ダァンッ!…2つ目、バウンドして彼女の横っ腹を抉る角度で撥ねるボールを粉砕。

ダァンッ!…最後の3つ目、彼女の顔面辺りに飛んでいくボールもきっちり粉砕。

しかも、防御フィールドを見事に貫通している…その衝撃のせいか、フィールドもエラーを起こして強制停止する。

「………。」

無言で魔術による仮想銃身を消しながら一息。すぐに我に返り慌てて少女に駆け寄ろう。

「真白さん大丈夫ですか!?」

柊 真白 >  
(顔を隠すように突っ伏しているので周囲の状況は分からない。
 銃声が三発立て続けに響き、静かになった。
 腕と地面の僅かな隙間から辺りを伺えば、防御フィールドが無くなっている事に気が付く。
 どうやら彼が何とかしてくれたらしい。
 身体を起こせば、右の脇腹がズキリと痛んだ。
 顔が歪む。)

――、大丈夫、問題ない。
ありがとう、助かった。

(折れてはいない。
 最悪でもヒビ程度だろう。
 助けてくれた彼に礼を。)

飛鷹与一 > 「…取りあえず、あれだけ滅多打ちにされたら流石にダメージはあるでしょうし、応急手当とかした方が」

とはいえ、少年も仮想銃身なんて荒業を今咄嗟に使ったので魔力の消費が意外と激しい。
状況が状況だったので、魔力の消費とかその辺りを度外視していたのだ。

若干立ち眩みがするが、まぁ疲労も重なっているのだろう。ともあれ、体を起こす彼女の様子を観察し…。

(やっぱり怪我はしているよなぁ、これ)

応急手当…残念ながら治療魔術は、知識はあれど自分ではぜんぜん使えない。
問題ない、と彼女は口にするが怪我を甘く見てはいけないだろうし。
いや、彼女も自分の体のことはよく分かってはいるのだろうけれど。

「…本当に大丈夫ですか?痛み止めとかくらいは服用したほうが」

柊 真白 >  
直撃は脇腹だけ。
折れてはない。
ヒビぐらいは入ってるかもしれないけど、どうしようも無いから。

(自身の身体のダメージは把握している。
 頭に当たったヤツは速度が遅かったし、脚も若干痛みがあるぐらいだ。
 一番重症なのはやはり脇腹だが、ヒビぐらいならどうと言う事も無い。
 そもそも肋骨にギプスなどあてられないのだし。)

――君こそ、魔力かなり使ったでしょう。
無茶をする。

飛鷹与一 > 「…えーと、何かターミナルがフリーズして操作が出来なかったので。今回は狙撃銃も持参してませんでしたし」

だから、まだ試行錯誤中の魔力で銃身を作り、撃ち出すという行動を取った。
まだまだ課題が多く、銃身の展開と、貫通特化の弾丸を3射しただけで結構魔力が減った。
本来は、銃を失った時に備えての保険的な意味合いだったのだが…まさかここで使う事になるとは。

「でも、後で痛み止めとかくらいは服用したほうがいいとは思うんですよ」

と、そこは申してみつつ。こちらは急激に魔力をゴッソリ使った僅かな立ち眩みに似た程度で済んでいるだけマシだ。

柊 真白 >  
――。

(ため息。
 彼が何をしたのかまでは分からないが、無茶をしたというのはわかる。
 手を彼の胸に当て、自身の魔力を流し込む。
 他人の魔力なので流した分全てを補充、と言うわけには行かないだろうが、多少マシにはなるはずだ。)

痛かったら、そうする。

(幸い人より多少回復が早い。
 しばらく安静にしていればなんとも無いだろう。
 幸い今手を付けている仕事は無いし。)

飛鷹与一 > 「……??」

彼女の溜息に首を傾げていたが、こちらの胸に手を当てられて戸惑い…フと、体に何かが流れ込む感覚。
ああ、これは魔力か…と、感覚的に理解した所で、「いや真白さんそこまでして貰わなくても!」と慌てる。

ただ、お陰で変な立ち眩みのようなソレは綺麗サッパリ消えたけれど。

「……痛くなかったらそのままって訳ですね…ハァ、まぁいいですけど。
…で、何であんな状況に?それに、真白さん刀は――…あ」

見渡したら、そこで初めて部屋の隅に彼女の愛刀が転がっている事に気付いた。

柊 真白 >  
――事故。

(ふい、と目を逸らす。
 そのまますっと立ち上がり、刀の方へ。
 刀を拾い上げて鞘から抜き放ち、照明に照らしてみたり、すかしてみたり。
 ひとしきりそうした後、改めて鞘へ収める。
 パチリ、と言う音。)

君は?
何かしに来たんじゃないの。

(銃も持たずに。
 身体を動かしに来たのではないのだろうか、と推測。)

飛鷹与一 > 「……真白さん、もしやこういうハイテク機械に――あ、いえ何でも無いです」

全部言い掛けたけど、途中で何とか濁しておきたい。あまり意味は無いけれど。
刀を拾い上げる彼女を尻目に、一度ターミナルの方へと戻って画面を確認。
…今更というか、やっとフリーズが解除されたようだ。防御フィールドの損傷も自動的に修復しているらしい。

「…え?ああ…カフェテラスでも言ったと思いますけど師匠から体術習ってるんで、軽くその鍛錬でも。
あくまで補助的な位置付けですし、せいぜい護身術の延長程度ですけどね?」

と、小さく苦笑いをそちらに向けながら肩を竦めてみせる。
ついでに、ターミナルを操作して木偶人形を一体出現させておく。

そのまま、木偶人形の方へと歩を進めていき、適度な距離で足を止めて向かい合う。

柊 真白 >  
(無言。
 濁した言葉にはあえて反応はしない。
 彼の方へと戻り、少し距離を開けて立ち止まる。)

そう。
相手、する?

(そう言ってはみたものの、恐らく怪我をしている自分を相手にするのは嫌がるだろう。
 実際人形を一体呼び出しているし。
 邪魔にならないよう、ターミナルの近くで見物することにした。)

飛鷹与一 > 「…あのですね、真白さんは俺より全然強くて場数も踏んでますが…今は一応怪我人なんですから」

と、彼女の予想通りジト目でそう返す少年。彼女が万全だったら迷わず組み手の相手を頼んだかもしれないが。

そうしてから、呼吸を整えていく。呼吸、というのは武道にとっては重要な要素の一つだ。
ダラン、と両手を垂らしたまま、拳は決して作らずにそのままま木偶人形へと接近。
一応、歩法も習っているので、靴音は最小限…そこから、不意に急激に間合いをつめて…開手、いわゆる手のひらで木偶人形の顎下をかち上げる。
掌低…どうやら、彼の体術は基本拳は使わずこちらがメインらしく。
かち上げると同時、半歩踏み込んで重心を前に傾けながら、左手ですかさず人形の腹部へ捻る様な掌打を打ち込んでいく。