2017/05/05 のログ
■柊 真白 >
わかってる。
(やはり予想通りの答えが帰ってきた。
彼が人形へと掌打を打ち込んでいるのを眺めつつ、ふとコンソールの画面に目をやる。
なにやら幾つかボタンがある。)
――。
(その内一つを押す。
無抵抗に打たれるだけの人形が動く。
肘を振り上げるように、至近距離から彼の顎へ。)
■飛鷹与一 > 「……え?」
あれ、確かさっき設定で「動かない」ようにしていた筈なのに、いきなり木偶人形の肘が振り上げられた。
反射的に、先程顎をアッパーのように掌打でかち上げた右腕を引いて、その一撃を顔面ギリギリで受け止める。
「ちょ、真白さん!設定弄らないで下さいよ!」
と、言いつつもすかさず反撃。右手は木偶人形の肘を受け止めているので、腹部に押し当てたままの左手で振り上げ、木偶人形の肘を真上に弾く様に下から打撃。
そのまま、流れるように右足を木偶人形の足?に絡める様にして地面に引き倒そうと試みる。
■柊 真白 >
なるほど。
(確かに動かないように設定されている。
誰も触らなければ動かない、マニュアル設定だ。
押したのはボタンを一つだけなので、あとは無抵抗に引き倒される人形。)
ちょっとまって。
(パネルのボタンを更に幾つか押す。
引き倒された人形はしばらくもがいて、彼から離れるように立ち上がる。
更にボタンを押していけば、何も無いところへ拳や蹴りを放っていく。)
――よし。
どこからでも掛かって来い。
(コンパネを操作すれば、その通りに人形が動く。
右ストレート、返す刀で左ハイキック。
更にその脚での振脚と同時に左の崩拳。
彼の目の前で人形は見事な演武を披露し、その左の拳を上に向け、ちょいちょいと挑発するような動作。)
■飛鷹与一 > 「…え?真白さん何をする気ですか?」
取りあえず、引き倒した人形に何故か関節技ちっくな事をしようとしていた少年。
が、彼女がパネル操作しているのか、木偶人形がもがいたせいで脱出されてしまった。
取りあえず体勢を立て直すが、確認するようにパネルを操作する少女と、それに合わせて木偶人形が拳や蹴りを繰り出すのを交互に眺める。
(…あ、これってもしや…木偶人形を代わりにして模擬戦、かな?)
と、思っていたら案の定、木偶人形が先程の棒立ちが嘘のような演舞を披露する。おまけに挑発付きで。
「……間接的に真白さんと組み手する、みたいな感じですかこれは」
チラリ、と少女を一度横目に見てから木偶人形へと視線を戻す。呼吸を一度整えて――…
「…ふっ…!」
鋭く呼吸を吐き出すと同時に、先程とは明らかに違う大胆な踏み込み。間合いを一気に詰めていけば…
右腕を軽く引いて、掌打を打ち込む…と、見せ掛けて踏み込みの右足とは逆の左足による脇腹狙いの蹴りを放つ!
■柊 真白 >
ん、お……。
(コンパネには人形に組み込まれたカメラの映像が表示されている。
しかし自分で身体を動かすのとコンパネ越しに操作をするのはかなり勝手が違う。
右手の攻撃をフェイントと見切ったまでは良かったが、蹴りの防御が間に合わない。
見事に脇腹を蹴り付けられ、人形はぐらりと揺れる。)
反応が遅い。
ぽんこつめ。
(更に当然ながら、自分よりも数段動きが遅い。
コンパネを操作しつつ悪態を吐き、何とか踏みとどまる。
パネルの上を踊るように指を走らせ、人形が教科書に乗るような綺麗な右の正拳突きを放った。)
■飛鷹与一 > (そりゃ、真白さんのあの速度をコレで再現するのは無理があるでしょうよ!)
と、彼女の呟きが聞こえていたのか心の中でそうツッコミを入れつつ。
フェイントはあっさり見切られたが、脇腹への蹴りはヒット…木偶人形がグラリと傾いで倒れ――ない、惜しい。
「……っと!?」
踏み止まった木偶人形が繰り出してきた右ストレート。左手で外側に捌くようにして拳を受け流し、更にもう一歩踏み込んで…!
「…シッ…!」
懐に潜り込むように身を低く沈めてから、右腕を曲げて肘打ちを木偶人形に叩き込む!
踏み込みに体重と勢いも乗せているので、決まれば仰向けに倒れるか吹っ飛ばせる…筈だ!
■柊 真白 >
(タタン、と指が踊る。
同時に人形の右脚が上がり、踏み込んだ彼の脚の膝を踏む。
そのままそこを足場に、後ろへと飛んだ。
肘はよけ損ねて浅く入ったが、勢いを逃がすように飛んでいるので問題は無い。)
慣れてきた。
(そのまま後方へ一回転しながら腕で一度跳ねて着地。
バック転というヤツだ。
そのまま弾けるように前方へと、床を舐めるような低い姿勢で――)
――あ。
(ヘッドスライディング。
姿勢を前傾にしすぎてバランスを崩してしまった。
そのまま彼の目の前まで滑り、動きを止める。)
ご案内:「訓練施設」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 「……!?」
こちらの踏み込みの足、曲げた膝の部分を足場にされて後ろへと跳躍される。…肘打ちは当たったが浅い!
(マズい…真白さんが慣れてきたとなると、ここから急激に難易度が跳ね上がる予感しかしないぞ…!)
と、心の中で冷や汗を流しつつ木偶人形の動きを追う。バク転をこなす時点で慣れがよく分かる。
と、そのままこちらへと低い姿勢で木偶人形が突進を――してきたと思ったらコケた。むしろヘッドスライディング。
「……えい。」
師匠からの教えの一つ、「トドメは迅速に」に従い、そのまま脳天にカカト落としを決めて沈黙させておこうと。
既に動きが止まっているとはいえ、きっちりトドメを刺すのは大事だと思う、たぶん。
■柊 真白 >
――反応は遅いし動きは鈍い。
バランスが取れない。
(いつもの調子で身体を倒したら、脚の方が付いてこなかった。
コンソールを意地って、自分が動かす前の状態に戻しておいた。)
思ったより動けてる。
その調子で頑張って。
(それだけ言い残し、施設を後に。
扉が閉まる直前、彼の方に手を振りながら。)
ご案内:「訓練施設」から柊 真白さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に飛鷹与一さんが現れました。
■飛鷹与一 > 「……な、何とも言えないオチに…」
これでいいんだろうか?と、思いつつもしょうがないので取りあえず臨戦態勢を解いて一息。足を木偶人形の頭から退けつつ。
「…え?あ、ハイありがとうございます。まぁ地道に頑張りますよ」
元の状態に戻してから先に立ち去る少女にそう言葉を返しつつ、会釈してからその後姿を見送ろうと。
最後、去り際に手を振られればこちらもなんとなく手を振り替えしつつ。
「…うん、もうちょっとだけ鍛錬してから俺も帰ろう」
まだ疲労が抜けきっていないので、それこそ無理は禁物である。
そのまま、軽く体を解してからこ一時間程鍛錬に励み、それから引き上げていくだろう。