2017/07/16 のログ
筑波 察 > 「全く…頭がおかしいよ。一瞬でひき肉にされるところだった…」

(傷だらけになった壁に背を預けて、うなだれるように愚痴る。
心拍も呼吸も乱れに乱れ、冷や汗をかいている。
その乱れた呼吸を落ち着かせるために何度か深呼吸をすれば、
それに追随するように心拍も穏やかになっていって)

「ッ!?」

(そして不意に通路の角に視線を移したとき、影のようなものが動いた。
まさか?ダミーは5体に設定されていたはずでは?
そんな疑問を浮かべながら、銃を向けるが……杞憂だった)

「なんだ、ダミーが残っていたのかと…ええっと、そういえば名前を聞いていなかったっけ?」>

柊 真白 >  
真白。
柊真白。

(自身の名前を口にする。
 地面に転がる残骸の側へしゃがみ込み、それを調べる。
 凄まじい力で押しつぶされていると言うことはわかるが、映像を見ていてもそれがどうやってもたらされたものかはわからない。)

何したの。

(恐らくは彼の異能か何かだろう。
 そう言う推測ぐらいしか出来なかったから、単刀直入に聞いてみることにした。
 しゃがんだまま彼の顔を見上げ、問いかける。)

筑波 察 > 「真白ね、そういえば僕も自己紹介がまだだったね。
僕は筑波、筑波察」

(お互いに簡単な自己紹介をすると、彼女からの質問。何をしたのか?という)

「ええっと、まぁ、簡単に言えば衝撃波を出したんだ。
狭い通路だったから想像以上の破壊力だったけど。
僕は一応振動を支配する能力者でね。パルス波を超音速、超高圧で出したんだ」

("能力は極力使わないルールだったけど、あれは使わなきゃ無理だよねぇ"
そんなふうに愚痴を続けるが、
ぶっちゃけた話をすると能力についての理解は追い付いていない。>

柊 真白 >  
ふうん。

(「振動」と簡単に言うが、そもそも振動と言うのは殆ど自然現象の大本だ。
 熱とか音とか、分子や原子の運動で出来ていることが多い。
 デメリットはあるだろうが、使えさえすればほぼ万能に近いのではないだろうか。)

――それより、結構良い動きをする。
誰かに教わった?

(それよりも気になるのはそちらの方だ。
 独学にしてはやけに動きが染み付いている。
 彼の歳でそれだけ動けるのは珍しいし、何より発砲に躊躇がなかった。
 ダミーが相手とは言え、明らかに「慣れている」。)

筑波 察 > (自分自身では振動と解釈しているが、それで納得しているわけではない。
もっと根底的な何かを理解できていないような気もするが、
今は振動として解釈をしている。今後の課題だ)

「…ああ、普段から身体は動かしているからねぇ。
うーん、一応戦闘訓練の講義を受けているっていうのもあるしねぇ?」

(誰かに教わったのか?という問いに対して、適当な返事をする。
戦闘訓練は選択すれば誰だってとれる科目だ。
彼女が聞いているのはそういうことではないのだろうが、当たり障りのない返答をする)

「もしかして君も戦闘技術を習いたいとか?
あまり性別や年齢で物事を見るのは失礼だろうけど、やめておきなよ」

(普通の女の子はこの演習場には来ない。
くるのはそういう技術を習得しているか、習得したいかのどちらかだ>

柊 真白 >  
そう。

(明らかにはぐらかされた。
 とは言え大したことでもない。
 彼がそれなりに動けると言うことをわかっているのだから。)

――確かに。
戦闘技術は、もう少し向上させたいと思っている。

(そこいらの腕自慢程度に負けるつもりもないのだが、自身の本業は暗殺だ。
 身体の軽さもあって、「戦闘」は正直そこまで得意と言うわけでもない。
 が、最近そうも言っていられない出会いがいくつかあって。
 左手に下げている刀――鞘に収まった長刀――を、少し傾ける。
 ただ持っている状態から、いつでも抜けるような角度へ。)

少し、付き合って貰う。

筑波 察 > 「……え?」

(突っ込んだところまで問われると思って、
いいわけやごまかしの内容を思案していたのだが、
案外簡単に引き下がってくれた。
内心ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、
続く言葉に間抜けな声が漏れる)

「えーっと、つまりそれは僕に戦えって言ってるのかな?
……まぁ、そういうことなら。お手柔らかに?」

(質問を投げかけるも、彼女の構えは言葉など必要ないくらい答えを体現していた。
諦めたように言えば、拳銃の弾倉を抜いて違うものに入れ替える。
ゴム弾だ。そしてナイフもゴムでラバー加工されたものに差し替える。
こちらも構えると、いつでも動ける状態になって>

柊 真白 >  
貴方は今性別や年齢で、と言ったけれど。

(彼が構えたのを確認し、動く。
 急激な加速ではなく。
 そうと気付かれないうちに間合いを詰める歩法でもなく。
 無造作に歩いて距離を詰める。
 まるで買い物にでも出掛けるかのような軽い足取りで。)

――見た目で判断すると痛い目にあう。

(音もなくするすると近付き、やはり無造作に右手を突き出した。
 その手にはいつの間にか鞘から抜かれた長刀が握られている。)

筑波 察 > 「えへへ、それは僕にとって人生最大の教訓かも」

(彼女の言葉は僕が今まで経験した戦闘における教訓そのものといっていい。
現に何度か、いや何度もそれで痛い目を見ている。
だからこそ、見た目で判断してもお釣りがくるくらいに訓練をしているわけだが)

「それは手品か何かかい?」

(ゆったりとした足取りで間合いを詰めてきた彼女、
そして右手を突き出されると目の前に刀を握ったこぶしが現れる。
軽い冗談を交えつつ、足を滑らせるようにしてあとずさり、
当たらない最低限の距離を保つ>

柊 真白 >  
手品じゃない。

(手品でもなんでもなく、もちろん種も仕掛けも何もない。
 ただ鞘から刀を抜いただけだ。
 その速度が尋常でないだけである。
 後ろへ飛んだ彼へ、手首をくるりと回して刀を向かわせる。
 一応手合わせと言う形なので、峰の方を向けている。)

筑波 察 > 「しってて聞いたに決まってるじゃないか。
じゃなきゃ距離をとったりしないよ」

(手首をうまく使って刀でこちらに追撃を仕掛けられると、そのままバク転。
回転する過程でつま先を刀の中ほどにあてがって進路をずらし、
回避行動をとりつつ刀の動きに主導権を与えないように意識する。
お互い音もたてず、話をしながらのやり取りだが、間違いなく戦闘を行っている)

「何気に峰を向けてくれるやさしさに感激するね。次は僕の番で。」

バク転をして足が地面につき、上半身を起こす過程で、
太ももからラバー加工されたナイフを抜き取る。
そしてナイフの背で上向きに傾けられた刀の、柄の部分を叩き上げようとする>

柊 真白 >  
(奇襲に対しても動揺は見られない。
 やはりかなり慣れている。
 あえて刀を戻さず、彼の攻めを見る。)

怪我をされても困るから。

(下から迫るナイフを、やはり刀を回して避ける。
 刀を回す勢いのままこちらから見て右から斬り付ける――と見せかけ、左下から鞘を跳ね上げる。
 今のやり取りで彼が反応出来ると判断したギリギリの速度。)

筑波 察 > 「敵に情けをかけるとは、見た目で判断している僕と同じくらい危ういと思うけどねぇ?」

(まだお互い冗談を言い合えるくらいには余裕がある。
そしてその余裕の中に、僕自身を試すような意図が感じられる。
やろうと思えば勝負なんてとっくに決まっているといわんばかりのもの)

「っと!?トリッキーだね…ほとんど手品みたいなもんだよそれ…!」

(切りつけられると判断し、ナイフを交差させて受け止める姿勢をとる。
しかし数瞬遅れて、彼女の動作がおとりであると気づく。
もう手で受け止めるのは不可能。
反射的に片足を上げ、鞘を右太もも外反で受け止める。
少女が振るったとは思えない衝撃に、下半身が一瞬動かなくなるも、
踏みとどまって交差したナイフを突き出して刺突する>

柊 真白 >  
敵じゃないから。

(これはあくまで手合わせであって、打ち倒すべき敵ではない。
 その言葉は、そう言う意味だ。
 見た目どおり非力ではあるが、それでもそれなりの速度で振るえばそれなりの衝撃にはなる。
 フェイントに対する反応も、素人のそれではない。)

あまり戦闘は得意じゃないから。

(突き出されたナイフを半身になって避け、後方へ足を送る。
 追撃を防ぐために刀をまっすぐ突きつけながら。)

筑波 察 > 「敵だったら殺すといわんばかりだ」

(裏を返せばそういうことになるだろうか。
どうであろうと目の前の少女は今までの経験に漏れず見た目で判断すると後悔するタイプの子だ。
両手を突き出す格好で繰り出した刺突を避けられると、
身体を止めるすべを持たないので引っ張られるように前につんのめる。
そして追撃を防ぐために刀を突き付けられると、両手に持ったナイフを放棄。
体格の差を生かして少女の手首をつかんで引き寄せ、
自らの脇下に刀身を逃がそうと試みる。>

柊 真白 >  
まさか。

(軽くはぐらかす。
 後ろへ逃げるつもりだったが、手首を捕まれて引き寄せられた。
 踏ん張るにも体格と力に差がありすぎる。
 ならばと引かれる力を利用して、鞘の先端を彼の喉へと突き出した。
 半ば倒れるような体勢故に、自然と体重を掛けた突きになる。)

筑波 察 > 「あまり自信をもって否定できない感じ?」

(NOにはNOという性格の子だと、屋上の時の会話で学んだ。
なら、今の会話だって、否定すべき問いなら否定しただろう。

刀身をやり過ごした後に、今度は鞘の方がのど元に。
刀の進路から身体が外れればそれで目的は達成したので、すぐに手を離す。
膝を曲げて身体全体を下げると、喉をめがけていた鞘は首の後ろ、
うなじのあたりを抜けるだろう。

つまり彼女は今僕の首に肩をかけるように、腕を巻き付けるような状態になる。
そのまま膝のクッションを使って体を持ち上げれば、
体格差で自然と彼女の身体は腕に引っ張られるように持ち上がるはず>

柊 真白 >  
(問いかけには無言。
 否定はしないと言う意思表示でもあるが、それ以上にそれどころではない、と言うことの方がやや大きい。
 体格差は歴然であるし、力も見た目通り。
 更に組まれてしまっては速度ではどうにもならない。
 が、組んでしまえばそれで詰み、と言うわけでもない。
 組まれた瞬間、躊躇なく脚を振り上げる。

 彼の脚の間に置かれた自身の右足を、そのまままっすぐ上――彼の股間へ向けて。)

筑波 察 > 「よっしゃ、やっぱり見た目、もとい体格差はだいじだねぇ。
これで勝負もらっ――ッ!?」

(勝利を確信した。勝利といっても今までの話題のように生かす殺すの話ではない。
目の前の少女を無力化する未来がはっきりと見えたという意味だ。
しかし、そのはっきりと見えた未来ははかなく、一瞬で、無残に、無力にも消え去る)

「――ってぇぇっぇえええ!?」

(はっきりと見た未来とともに、その場に崩れ落ちた。
そして同時に広い空間に響く絶叫。
普段の自分ならまず出さない声量。
そして少女の足元に転がり、のたうち回る無様な青年がそこにはいた>

柊 真白 >  
(めり込む脚にはっきり伝わる衝撃の反動。
 流石に再起不能になるほどの力で蹴り上げてはいない。
 が、それでも彼がそうなるには充分な力と速度。)

だから言った。
見た目で判断しない方がいいと。

(崩れ落ちた彼の頭上で、パチリと言う小さな音と共に刀を鞘に納める。
 完全に組まれたら終わりなのだから、それの対策をしていない訳がない。
 彼もまさか容赦なく金的をされるとは思っていなかったのだろう。
 無慈悲。)

――大丈夫?

(蹴ったのは自分なのに、まるで他人事のようにしゃがみ込んで問いかける。)

筑波 察 > 「あのねぇ?良いよ?実戦なら。
でもこれ、模擬戦闘ね?刀の峰を向ける余裕があるなら、これだけは勘弁してほしかった…」

(しゃがみこんで心配をする彼女に語り掛ける。
涙を浮かべ、痛みによって砕かれた足腰が震えている。
見た目で判断した代償として得たのは、男として尊厳を失いかけるという
人生において死の次に避けたい事柄だった)

「てか、かなり動けるし、慣れてるのは君も同じみたいで……」

(やっと痛みが引けてくると、先ほど向けられた言葉をそのまま返して>

柊 真白 >  
手加減はした。

(実戦なら容赦なく叩き潰している。
 戦闘訓練だからこそ、痛みでのた打ち回る程度の力で蹴ったのだ。
 一応悪く思っているのか、彼の腰をとんとんと叩く。)

家で武道やってたから。

(嘘は言っていない。
 家はそう言う家だったし、自身に技術を教えたのは親代わりの人だった。)

筑波 察 > 「君はこの痛みを知りえないからそんなことがいるんだよ…」

(結局、彼女の価値観では模擬戦闘も生き死にをかけた実戦と同じだ。
実戦なら容赦はしない。それが命を懸けていても、ほかの何かをかけていても。
腰をたたかれると"いい、落ち着いてきたから…"と弱弱しく応答して)

「そう、さっきははぐらかしたけど、僕を鍛えてくれたのは本島に住んでいたころの師匠だ」

(人を殺す技術を説いてもらったりしたことはない。
でもためらわない心持ちを教えてくれた人だ。
ためらわずに一撃を繰り出せるというのは、技術を磨く以上に大事だと思っている>

柊 真白 >  
あなただって女の子が毎月味わってる痛みを知らない。

(酷い人は同じような痛みらしい。
 自分にはないけれど。
 良いと言われれば素直にやめる。)

そう。
良い師に巡り合った。

(彼の動きは確かに良い。
 が、それ以上に躊躇がないのが特に良い。
 教わって叩き込まれるか、そう言う体験を何度も繰り返してきたかでしか身に付かないことだ。
 この若さで後者は考えにくいから、きっとその師匠にみっちり叩き込まれたのだろう。)

筑波 察 > 「ぐ…それを言われると反論しづらいし反論できないねぇ…」

(予想外の反論だった。いくら神経が図太くて嫌われることをいとわない性格でも、
その手の話題でズカズカ意見できるほど馬鹿ではない)

「師匠曰く僕は比較的出来の悪い弟子のようだったけど、君がそういうなら師匠も報われるかもね」

(素直に喜んでおこう。
僕の人生において能力を持った僕を差別的に扱ったのは唯一師匠だけだ。
そんな師匠を僕自身敬愛しているわけだから)

「君だってよく訓練してもらっているみたいだ。
相当熱心に訓練して、訓練されたんだろうね」

(どんな目的でここまで強くなったかは知らないが、強いのは事実だ>

柊 真白 >  
女性だって股間は急所。
物理的に防げば防げる男の人の方がマシ。

(骨をダイレクトに蹴られるのだ。
 女性だって痛いし、毎月来るのだからそっちの方が辛いと思う。)

出来が良いとは言えない。
見た目で油断する、組んだときに打撃を想定していない、急所への警戒が薄すぎる。

(ガンガンダメ出ししていく。
 ダメなところはダメと言わなければ人は成長しないのだ。)

――そうだね。
その言葉を聞けば、きっと救われる。

筑波 察 > 「そもそも女の人の身体は戦闘するためにデザインされてないんだ…」

(別に女性を差別的にみているわけじゃない。これは事実だ。
内側に向いた脚の骨格、衝撃に弱い細い骨、攻撃するには細い筋肉。
デザイン、見た目は最もわかりやすいパラメータだ。
僕は見える物、理解できたものしか信用しない。
だから自分の能力だって信じていない。
信じていないから、乱用もしない。そう説いて)

「へへ、でもアドバイスは受け取っておくよ。
内容が理解できるものだからね。」

(彼女のダメ出しは的確だった。
恐ろしいほどに、そしてありがたいくらい>

柊 真白 >  
それは人間の話。

(生憎自身は人間ではない。
 そこらへんの男よりよほど戦闘力は高いと思う。
 技術や武器と言うことではなく、単純な速度差と言う戦力の差。)

――やっぱり変な人。

(普通は面と向かってダメ出しをされたら多少は落ち込む。
 今まで見てきたのはそう言う人たちばかりだったのに、彼は素直に受け止めてしまった。)

筑波 察 > まるで自分は人間じゃないと言っているみたいだ。

(実際、人間そっくりで人間ではない存在は数えだしたらキリがない。
それでも、個人的には正体がわかってから対処しても遅くはないと思っている)

「性格が悪いとはよく言われるけどね」

(それで嫌われることも多々あった。でもそんなの気にしていたら時間が無駄だ。
効率がわるい、といってしまえば、屋上の時の彼女と同じように聞こえるかもしれない>

柊 真白 >  
そう言ってる。

(そう、人間ではない。
 血を吸う事で力を得る、吸血種だ。)

そう思うものにはそう思わせておけば良い。

(自身も同じだと言うように。
 時間の無駄、間違いない。)

筑波 察 > 「へぇ、失礼がなければ君が何者かを教えてほしいねぇ。
少なくとも人ではないんだろう?」

(あっさりした返答に、興味がわいた。)

「へへへ、でも嫌われるとそのあと一切絡みがなくなることもあってね。
本来得られることも得られなくなるってのもあり得る話だ。
それは長期的に見れば効率が悪い」

(その通りに生きてこれたかは別として、嫌われた結果得られた答えがこれだ>

柊 真白 >  
吸血種。
――血で生きてるわけじゃないから、吸血鬼じゃない。

(別に隠している事でもなく、学園にもそう届けている。
 偽装しているのは出自と年齢だけだ。)

それは人に嫌われる事だけで起こる事じゃない。
それに、大抵の人は先に死ぬ。

(そもそも人にそれほど興味がない、と。
 人をまったく寄せ付けないと言う訳でもないのだし。)

筑波 察 > 「じゃあ、何のために血を吸うんだい?
血を吸うと一時だけパワーアップとか?」

(吸血鬼ではない、そういわれると別な疑問。
興味があればとことん聞きたがるらしい)

「そうだね、だから僕なんかはできるだけ名前を聞いて回っているんだ。
嫌われていなくても、名前がわからないと話ができないからね。
つまり人間に比べて君はずいぶん長生きなわけだ。
その見た目で僕なんかより数倍生きてたりして」

(時間的な意味では、僕らと価値観は相当違いそうだ、なんて思って>

柊 真白 >  
相手の異能と種族特性、それによっては耐性も得る。
摂取した量に応じて効果時間が伸びる。

(これも隠しているわけではない。
 自分から言うこともないが、聞かれればこうして素直に答える。)

やっぱりへんなひとだと思う。
――さあ。

(数倍どころか、数十倍ではあるけれど。
 一応学園の書類上は十四歳と言うことになっている。
 どっちだと思う、と言うようにつぶやいて。)

そろそろ帰るけど、最後にひとつ。

(立ち上がり、彼に対し自身の右半身を前に。
 右腕が、ぶれる。)

――くれぐれも、見た目で判断しない方が良い。

(パチリと言う音と共に、彼の前髪が数本落ちる。
 まともな人間には残像すら見えない神速の抜き打ち。
 そのままくるりと踵を返し、来た道を戻っていった――)

ご案内:「演習施設」から柊 真白さんが去りました。
筑波 察 > 「まるで能力を保管しておくアンプルみたいだ。――?」

(ある程度満足できる回答を得られたのか、お礼を言おうとするが、
彼女が手を動かしたのが見えた。
そして若干目にかかるくらいの前髪が数本、落ちる。
直感的に切られたと理解するも、見えなかったのだ)

「見た目で判断するな、っていうのは納得いかないけど、
"見た目にたいする理解を改めろ"なら理解できる。」

(とても興味深い子だった。
いや、下手をしたら僕なんかよりもずっと長く生きている可能性も出てきた)

「ま、今確実に僕は首を持ってかれていたわけだ」

(自分の首に触れ、つながっていることを確認すると、壁に背中を預けて息を吐いた>

ご案内:「演習施設」から筑波 察さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」にクロノさんが現れました。
クロノ > (あまり利用者の居ない、空いている時間帯。長物の入りそうな鞄と、細長い箱を担いで施設にやって来た男の子。慣れた様子で使用者記録簿に記入する。名前と使用施設を書いたら、また大きな荷物のそれらをひょい、と担いで目的の部屋へ。)

…… ん。よーし。今日もがんばるぞー。
(ジージー、ギュインギュインと全身の駆動部から機械の駆動音鳴らしながら準備体操っぽい事をして、持ってきた鞄と箱から中身を取り出す。…小振りな弓と、何十本もの矢。箱の方は中身が方眼みたいに仕切られてあって、手早く次の矢が取り出せるように理路整然と並べられていた。)

クロノ > (元気よく準備体操を終えた男の子は、矢の入った箱を所定の位置に据えて、射手の立ち位置へ。傍らの細長い台に付いているボタンを押すと、カウントダウンのブザーが鳴って、すぐに可倒式の的がランダムに立ち上がる。)

──── ……。

(本来は弓術ではなく、拳銃やライフルでの射的に使われる装備の訓練施設だけど、素早く移動する標的を正確に射抜く練習にはこちらの方が都合が良い。…この男の子の場合は。おおよそ60秒間に90本近い矢を放ち、その大半がしっかりと的を射抜いている成績は、いつもと変わらず安定した速度と精度を保っていた。)

……よし。
(素早く次から次へと矢を放つ間、無表情で黙々と同じ挙動を繰り返していたロボットに、ふと人間じみた表情が戻る。)

クロノ > (手持ちの矢のすべてを射ち終えて、制限時間終了のブザーが鳴ると再び全ての的が立ち上がる。遠くに並ぶそれを目指して、弓を一旦置いた男の子はてきぱきと歩み寄り、矢の回収を始める。競技練習用のそれらに折損や傷みが無いか確認しつつ。)

……まずまず、ってところかな。
(今日一発目の成績は、と。今の自分の機体の調子を測りつつの準備運動、といったところか。折損なく使い回せる矢を再び箱の中に並べて入れたら、次はどのメニューを練習しようかな、と射手の立ち位置近くの操作盤、そこに表示される的の設定を弄りながら考えて)

クロノ > (少しの間、操作盤を弄って設定を変えて、再び開始のブザー。今度は、射つべき的の前に射ってはいけない障害的が一緒に立ち上がって、それらをかわしながら標的を射抜く練習だ。)

……。
(射手の立ち位置、その弓から直線運動で放たれる"直射"と違って、的との距離や障害の位置を同時に勘案し、計算通りに射たなければならない"曲射"の練習。一本一本の矢を放つ度に、男の子ロボットのおでこにあるインジケータランプが忙しく点滅する。普段は"人間らしさの再現"のために回されている処理能力を、今この時は標的への確実な命中のために使っている為、いつもの表情の表現はなくなっている。)

クロノ > (機械の腕が駆動音を伴いながら矢を放つ音と、可倒式の的と障害が次々に立っては倒れる忙しい音。そんな、無機的で単調な音がひたすら繰り返される事、しばらく。)

………。
(直射とは異なり、よく計算された角度と速度で放たれた矢は毎度位置の異なる標的目掛け、正確に放物線を描いて飛んでいく。的に矢が突き立つ音が小気味良いテンポで繰り返される、ほんの1分程度の間。そして矢の回収タイムと、また異なる設定をしては繰り返される練習。)

クロノ > (そうしてしばらくの間、同じようで少しずつ異なる練習メニューをこなしながら、男の子ロボットの学習による補正の精度はだんだん上がっていく。計算通りにはなかなか飛んでくれない現実の矢。自分の機体の調子や弓、そして矢の状態、その他自然条件等を諸々含めて、経験的に補正をかけながらただひたすらに回数を重ねる。…その手法は、いくら男の子が機械であっても、生身の人間のそれと何ら変わりがないか、とても似通っていると言えそうだ。)
ご案内:「訓練施設」からクロノさんが去りました。