2017/08/02 のログ
■筑波 察 > 「あー、はい、大丈夫です…ええ、続けます。」
(地面に伏して数秒、よっこらせと立ち上がると、訓練を続ける旨を伝える。
先ほど自分をのしたダミーと再び対峙して、構える。
数をこなすしかないのだ。休んでいる暇などない)
「……よし、避ける、構えて、打つ。
引いて、止めて…」
(相手が人外なら通用しない格闘術、
しかし今相手にしているのは人間を想定したダミーだ。
そしてこの訓練の目的は新しい視界に慣れること。
格闘の基本を思い出しつつ、丁寧にダミーの動きを読んでいく>
■筑波 察 > 「距離感、視野の幅、処理までのラグ…」
(ゴーグルを通した視界は眼球を通したものと大きく違う。
その最も大きな差はゴーグルのレンズは、
眼球のようにモノを追うことが出来ないということだろう。
だから身体が大きく動けば見える視界も大きく揺れる。
あいにく、ゴーグルのレンズには手ぶれ補正なんて便利な機能はない。
「乗り物酔いに強くなれそうだね」
(今まで暗所で使ってきたゴーグルよりもはっきりとモノがとらえられる分、
視界の揺ればより大きい。
それを補うように、しかし、それも慣れれば広い視野が得られる。
レンズがとらえている視界が、
常に自分の視界として完全な情報をもたらしてくれる。
気づけば、
ついに戦闘訓練を積んだレベルのダミーまでレベルが上がっていた。
■筑波 察 > 「…能力も武器もなしで戦えるのはこの辺までかな。
そろそろ道具に頼らせてもらわないと」
(さすがに訓練を積んでいる相手に対して素手のみで戦うのは分が悪い。
いくらダミーとはいえ、訓練に耐えうるよう常に最適化されている。
太ももからナイフを抜き出し、両の手に握ると再び戦闘を再開)
「ちょっと、そろそろ…
疲れてきたね…」
(ナイフをダミーの胸部に突き立て、無力化するとその場に座り込む。
自らの手を見て、間違いなく新しい視界に慣れてきたことを実感する。
訓練を終わらせる旨を伝えれば、流した汗を流すためにシャワールームへ。
そこで気づいた。このゴーグル、防水じゃない。
深い深いため息を吐いて、改善しなければとつぶやく。
そしてそのまま訓練場を去った>
ご案内:「訓練施設」から筑波 察さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に鈴木竜一さんが現れました。
■鈴木竜一 > この島に来て数日,この環境に慣れるにはまだ時間がかかりそうだ。
故郷では異能者だとか魔術師だとか異邦人だとか,そういう奴らは少数派だったのに…
…ここでは殆ど全員が“そういう奴ら”だときてる。すげぇ話だ。
色々見て歩いて,特に異邦人街が印象深い。というか意味不明だった。
まだ,あの中に飛び込む勇気はない。
「……マジでありえねぇ。」
訓練施設という名前のここだって,所謂ジムのようなものではない。
魔法や異能を使うことが前提で作られているように見える。
てか,あのリング,絶対ボクシング用じゃないよな。何に使うんだアレ。
■鈴木竜一 > もちろん,一般的なトレーニング施設もあるにはあるが,明らかにそちらあの方が“ついで感”を出している。
ただ,その片隅にウォーミングアップ用のスペースがあったのが有難かった。
ベンチに座り,久々にランニングシューズを履いて,立ち上がる。
「俺もそのうち,あっち側使うようになんのか…?」
今週は履修する授業を決めて,実際に受けるのは来週からだ。
シラバスを見たら,やっぱりというか,魔法とか異能とかって言葉が溢れていた。
そういう学校だってことは知ってたけれど,まだ何ひとつ想像できない。
■鈴木竜一 > 10分間のジョギングと準備体操,入念なストレッチ。
何も考えなくても,これまでずっとやってきたことは身体が覚えている。
でもきっと,この島では生かす機会なんか無いだろうなぁ…。
「よーぃ…」
小さく自分で呟きながら,青年は走りだす。
本人は8割くらいのスピードで走ったつもりだが,人間基準で言えば相当に速い。
100mの直線を走り抜けて,ゆっくりとペースを落とした。
■鈴木竜一 > 何本か走った後で,今度は全力で1本。
もう出場する大会も,競技場すら無いのだから,自分でも意味のない事をしていると思う。
それでもまぁ,何もしないよりはマシかなぁ…。
内向的ではないにせよ,それほど社交的なタイプでもない青年は,時間を持て余していた。
異邦人街,歓楽街,落第街など,知的好奇心をくすぐられる街はあっても,
そこに一人で足を踏み入れるほどの蛮勇も持ち合わせていない。
「何かどっかの映画みたいだったもんなぁ……。」
落第街や異邦人街を外から眺めた感想である。多分映画のジャンルはそれぞれ別の物だろうけれど。
青年はドリンクを片手に,訓練施設が見渡せるベンチに座って,一息ついた。
ご案内:「訓練施設」にセシルさんが現れました。
■セシル > 昼、賑わう歓楽街の警邏職務を一通り終えた後…セシルは、訓練施設に足を運んでいた。
陽はまだ高度を保っており、大人しく勉強する気にもならなかったセシルは、適温が保たれるこの施設で身体を動かしに来たのだ。
トレーニングマシーンか、ランニングか、剣術鍛錬か。細かいところは決めていないが。
「…どれにするかな…」
訓練施設内を歩きながら、ぐるりと見渡し…ている途中で、
「ん?」
ベンチに座る青年と、視線が絡んだ。
■鈴木竜一 > ベンチに座っている青年は,ここでは見かけない顔だろう。
何せここに来るのは初めてなのだから。
「……あ…。」
べつにそっちをじろじろ見てたわけではないのだが,完全に目が合った。
制服姿なところを見ると…というか,ここに来てるんだから学生か。
それにしても,制服のままじゃ動きづらいだろうになぁ。
それに対して,ベンチに座る青年は完全にスポーツウェアである。
この島だと逆にここまで準備する人が少ないのか?なんて少し不安になりつつ…
「…もしかして,ここって制服じゃないと使っちゃ駄目とかある?」
…気になったことは聞いてみよう。
■セシル > 「? いや?学生なり教師なり、身分が保証されていれば制限はないが」
自分と同じくらいか、少し背が高いだろうか…初めて見るそんな青年に声をかけられ、不思議そうに、かつ何気ない口調で回答する。その声は、柔らかいアルトだ。
…ふと、彫りの深い顔立ちのその人物は、何かに気付いたようで
「………もしかして、私の格好がこうだから気にしているのか?
風紀委員の職務の後、着替えるのが面倒なのと…身体を動かすべき時に着ているだろう服装で全力が出せんと意味がないからこうしているだけだ」
「深い意味はないよ」と、口元で軽く笑んだ。
■鈴木竜一 > 「そっか,そんなら良かった。
勝手に使っていいみたいなこと書いてあったけど,あんまし人いなくて心配でさ。」
そもそも使い方が分からないような器具もたくさんあって,それはそれで心配だったのだが,それは言わずに。
貴方の口調が妙に固いことは気になったが,服装についても説明してくれれば…
「…なーるほど。てか,この学校の風紀委員って結構大変なのな。」
前に居た学校の風紀委員なんて,そんなに熱心に仕事をしているイメージは無い。
それに比べて貴方は,その口調もあってか,本物の警察官のような雰囲気を醸し出していた。
……あんまし慣れ慣れしくすんのやめとこ。
そう内心で思うくらいには。
■セシル > 「ああ…今は大方の授業が夏期休業だからな。
実技系の授業が行われているならば、練習のためにもっと人がいるんだが」
ぐるりと、訓練施設の中を見渡しながら、そんなことを。
夏休みといえば学生の多くは遊びたい盛りだろうし、実際訓練施設は空いている。
「「学園都市」の名に相応しいというか何というか、学園を運営する主体が自治やら何やらも請け負っているからな。
職務への関わりには個人差があるが、ここでの「委員」は公僕のようなもの、と思ってもらった方が近いだろう」
「風紀委員」の名の、「公僕」。「本物の警察官のようだ」と感じた青年の感覚は確かだったらしい。
■鈴木竜一 > 「そっか,そういや夏休みだもんな…道理でどこ行っても人少ないと思った。」
そんな中でこの訓練施設に居る2人はやや変わり者ということだろう。
この青年は遊ぶ気にはなれなかったし,遊ぶ場所も分からない。
けれど,貴方は……
「なんてーか凄い話だなぁ…授業受けながら働いてるようなもんか。」
……この青年の目に貴方は,真面目な“青年”という風にしか映らなかった。
遊ぶ時間があるのならその分勉強するとか訓練するとか,そういう雰囲気。
中性的な顔立ちは貴方を若く思わせ,自分より少し上かな?くらいの印象を抱かせるにとどまった。
「……お給料とか出るの?」
…何聞いてんだ俺。
ご案内:「訓練施設」にセシルさんが現れました。
■セシル > 「歓楽街や…今は浜辺も賑やかだろうな。
歓楽街など、品がないし危険にも近いから、あまり深入りはして欲しくないんだが…
まあ、ああいう場に惹かれるのも若さか」
年齢だけならば決して若くないということはないはずなのに、苦笑い混じりにそんなことを言う。
「まあ、ここの卒業条件、単位の方はそこまで厳しくない…というか、授業だけでなく、委員会での職務なども単位として認定されるからな。
そちらが主、という学生もいるくらいだ。…来年以降は、私もそのつもりだしな」
…そして、青年の不躾とも思われかねない質問にも、セシルは気分を害した様子を見せなかった。
「出るぞ?私はその給料を生活費の主としているくらいだ」
平然と、そんなことを言う。
■鈴木竜一 > 貴方の話し方が,固いだけではなく,なんだか随分と落ち着いていて…
「…あれ,もしかして,結構年上さんだったりする?」
…俺,17なんだけど。なんて,恐る恐る聞いてみる。
これで結構年上だったら,めっちゃタメ口だったけどどうしよう。
「あー,そういうこと!それだったら,留年したりする心配もないか。
それにしても,やっぱり向こうの学校とは随分違うんだねぇ…。」
はぁ,と,ため息を吐いた。馴染めるのか心配だし,やっていけるのかも心配だ。
だって,得意な教科なんて特に無かったし,魔法だとか言われてもチンプンカンプンだから。
「…出るんだ!?すげぇ!」
運営,自治,そんなのは名目ばかりだと思っていたけれど,ここでは違うらしい。
単位ももらえるならバイトするよりいいんじゃないか?と,少しだけ甘い考えがよぎる。
■セシル > 「少し前に20になった。そこまで違わないと思うぞ」
「学生」という立場に限定すれば無視していい差でもない気はするが、少なくともセシルは気にしていない風だ。
「委員会だけでなく、部活動…こちらでは商業活動まで含むようだが…も、正統なものであれば単位認定され得るからな。
きっと、私のような異邦人に対しての救済措置というか、社会に適応するための訓練として認定する意義があるんだろう」
そんな推測を述べる。「公僕」なんて言葉をしれっと使う辺り、割と近代以降の社会の仕組みに親和性が高いタイプなのかもしれない。
「まあ、興味があったら委員会街に行って、説明だけでも聞いてみたらいいんじゃないか?
どの委員会も、大なり小なり人手は欲しいだろうからな」
「委員会」の名の下に行われている活動がかなり「お役所」的なもので、いざ説明を聞きに言った青年が何を思うかなどは考えずに、セシルは鷹揚に笑った。
■鈴木竜一 > 「3つ上って大先輩じゃないっすか…。」
曲がりなりにもアスリート系の高校男子,多少気にしているようだ。
そして貴方が,さらりと異邦人であることを告げれば…
「しかも兄さん異邦人?なんて言うか,俺よりよっぽど適応してっと思いますよ。
本土から来たんすけど,正直右も左も分からない感じで。」
兄さん。失言だと自分では気づかない。そうとしか見えなかったのだから仕方ない。
言われてみればこの固い口調やら何やらも,異邦人だと思えば理解できる。
きっと,ここより厳しい世界というか…すこしちがう社会から来たのだろう。
「あー,うん,でもまずは授業とかこの島に慣れてからにしようかなって。
一歩外に出たら迷子になるのに,風紀委員だとか生活委員だなんてやってられねーっすから。」
理には適っているが,実際にはこの青年の消極性が前に出ただけだった。
なお,敬語とタメ口で迷った挙句,珍妙な口調になっている。
■セシル > 「ははは…画一的な教育カリキュラムの場ならいざ知らず、そうじゃないんだ。
あまり気にし過ぎても仕方がないと思うぞ。見た目で年齢が判断出来ない者も多いしな」
朗らかに笑う。
体育会系を通り越して、元の世界では士官学校にいたはずなのだが、十分過ぎるほどここに適応し、自由を謳歌しているらしい。
…その割に、やることはトレーニングだったりするのだが。
そして、「兄さん」と呼ばれれば、どこか困ったような苦笑い。
「あー………まあ、その話は後にしよう。
私は、逆にこの島の外をさほど知らんからな。
ここは私のような者にとって駆け込み寺のようなものだし、色々な加減を見た結果なんだろう。
私は元々学校にも通っていたからな。ここの自由さや賑わいに少々面食らいはしたが…まあ、生きて行く分には、深く関わらなくてもそこまで困らない」
この島の外の者も、セシルのような者も…それ以外の多様なもの達も受け入れようとした結果、自由というか、かなり混沌としているのがこの学園都市だろう。
表面上、確かにセシルはかなり順応している。
「ははは…それもそうだな。仮にも「公僕」が、この学園の、この街のあり方を理解していないのでは話にならん」
朗らかに笑うが、それは青年の消極的なあり方を否定するようなものではなかった。