2017/08/13 のログ
黒峰龍司 > 偶には体を動かさないといい加減鈍る…とはいえ、手加減しないと後々面倒にもなる。
そも人の姿に固定されてしまっている時点で本気を出せないようにセーブされてるようなものだ。

(まぁ、俺より強いのなんてゴロゴロしてんだろーし、そういう意味では丁度いいわな)

内心で一人ごちつつ、取り敢えず異能や魔術を自由に使える訓練施設の方に足を運んだ。
ドーム状のそれはまぁ頑丈そうではあるが。物珍しそうに中を見渡す。
どちらかといえば、実戦主義に近いので訓練とかその類はあまりしないのだが。

「…さて、何をどうすっかな。ロクに考えて無かったしな」

何となく思いつきで足を運んだようなもの。ちゃっかり火の点いた煙草を咥えている。
…火災検知器の類が無いのは地味に有難い、あると煙に反応される所だった。

黒峰龍司 > 「……まぁ、適当に済ませて適当に帰るとすっか」

ザッと見渡してからコンソールを発見。そちらに歩み寄れば、煙草を蒸かしつつ操作を方法を確認。
元居た世界の経験もあり、機械全般には強い。1分も経過せずに操作方法をマスター。
取り敢えず、ダミー人形?を10体程度出現させてみる。
勿論、動かない的は意味がないので予め組み込まれているパターンを入力しておこう。
近接パターンを5体、遠距離パターンを5体で割り振っておく。
そして起動。ダミーが現れれば、煙草を咥えたままサングラス越しにその動きをザッと眺めて。

「……遅ぇ、もうちょい反応速度とか弄れば良かったなこりゃ」

まず、遠距離から魔術を飛ばしてくる相手は魔術を左腕の義手で無造作に払い除けるようにしてはじき返す。
正確にそれは魔術を放ったダミーへと跳ね返り直撃。まず1体。次いで、懐に飛び込んできたダミーの一撃を無防備に受け。

「………。」

微動だにせず、スゥ、と右手をデコピンの形に変えてダミーの額をペチン。それだけで、何故か頭部どころかその全身が粉々になる。

黒峰龍司 > 「……あー…。」

設定完全に間違えたなこりゃ、と思いつつ。薙刀っぽいのと刀を持ったダミーが更に2体。
そこに、遠距離から4体のダミーによる魔術攻撃の畳み掛けな援護射撃。

「……そういや、光子ブレード使ってねぇな。ファウラに悪ぃし使うか」

左腕の義手、手の甲部分から青白い刃渡り2メートル程の光刃が飛び出す。
瞬時に、近接の2体の胴体を両断しつつ、同時に魔術の波状攻撃を光刃ブレードで全て切り裂く。
残りは遠距離4体に近接が2体。それらを詰まらなそうに眺めつつ、光子ブレードを軽く素振りして。

黒峰龍司 > 正直、長い年月を生きた事で自然と扱えるだけで男は剣術の心得がある訳ではない。
ただ、元の世界で傭兵家業やら何やらをしていたお陰だ。昔とった杵柄というべきか。

(…どうせならアレだな、何かマシンガンとかも仕込んで貰った方が面白かったかもしれんなこれ)

光子ブレードに今度は義手に内蔵された魔道書の「悪食」の力を注入。
科学と魔術の融合、というべきなのか青白いそれから漆黒のブレードに変化したそれ。
一振りすれば、一気にブレードが伸張して遠距離攻撃のダミーの残り4体を纏めて薙ぎ払った。

(…成程、小出しにすりゃ悪食の力も制御下には置けるみてぇだな)

とはいえ、魔道書の自我というものは既に消えている。あるのはただ力そのもの。

黒峰龍司 > そして、残りの近接2体は、男が漆黒に染まった光子ブレードを軽く眺めている間に急接近。
…が!よそ見している男が無造作に放った裏拳1発でこれまた粉々になった。

「……あ」

無意識にやってしまった。2体纏めて裏拳だけで粉々にしてしまったが、まぁ不可抗力だ許せ。

と、いう訳でさっさとダミー10体を破壊してしまった訳だが…。

「…やっぱ落第街とかで喧嘩買ったりしてる方が有意義な気がするわなぁ、これ」

まぁ、あくまで訓練施設だ。魔術や異能、武器などのお試し程度に考えた方がいいかもしれない。
光子ブレードを消しつつ、軽く技手の調子を確かめる。特に異常は無い。

黒峰龍司 > 「…取り敢えず、悪食にゃやっぱ自我がもう皆無ってのが分かっただけマシか…と、なれば」

後は異能に関してだ。生憎と男は異能に目覚めはしているがその中身は「無形」。つまり形が決まっていない。
これからどんな「色」に染まるのかが確定していない、異能の雛形、赤子のようなもの。
魔術に関しては「学ぶより覚えて改変する」というのが男の基本。そちらは後回しでいい。

(流石に異能に関しては完全に素人だからな。ちょいとその辺りを調べてみるのも悪くねぇ、か)

義手の調子を一通り確かめてから一息。精通しないまでも異能の基本は抑えておいて損はあるまい。

黒峰龍司 > 「さて、んじゃぼちぼち行くかぁ」

まぁ、やる事は最低限やったのでもういいか、と思いつつきびすを返して歩き出す。
道中、2本目の煙草に堂々と火を点けて歩き煙草をしつつ施設を後にするのであった。

ご案内:「訓練施設」から黒峰龍司さんが去りました。