2017/08/15 のログ
ご案内:「訓練施設」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 訓練施設に姿を現せば、まだ待ち合わせ相手が来ていないのを確認する。
風紀委員会の仕事が予定外に入った為、動き易い私服姿で来る筈が何時もの風紀委員会の制服姿になってしまったが。

(…えーと、今夜は俺の兄弟弟子になる人との顔合わせ、とナイフ術の鍛錬具合の確認、だっけ)

重要事項を再確認すれば、左腰のククリナイフに一度触れる。暇さえあればしょっちゅう握ったりしてるそれ。
お陰で、そのトップヘビーに近い独特の重量バランスにも慣れてきた所だ。

「…ただ、ククリはそもそも戦闘用のナイフじゃない。あくまで日常生活用のナイフが原型だし」

つまり、それを戦闘に生かすならそれなりの熟練を要する。少年には荷が重い…が、やると決めたのだ。
それに、併用して魔術や異能をどう扱うか、という事も考えてはいる。まぁどうなるかは分からないが。

「…と、いうか日時と場所は間違えてないよな俺?」

師匠からの打ち合わせのメールを確認。日にち、時間、場所も間違っては居ない。

ご案内:「訓練施設」に柊 真白さんが現れました。
柊 真白 >  
(施設の扉を開けて、室内へ。
 「仕事」をしていたら少し遅れてしまった。
 あたりを見渡す――までもなく、待ち人は既に来ていたらしい。)

――ごめん、待たせた。

(彼の方へ近付きながら謝罪の言葉。
 もう一人は、まだ来ていないらしい。)

飛鷹与一 > 「――あ、こんばんわ真白さん。いえ、それは大丈夫ですが…えーと?」

彼女の姿しか見えない事に首を傾げる。例の兄弟弟子という人物はまだ来ていない様だ。

「もう一方は何かご都合があるんでしょうかね?俺もさっきまで急に風紀の仕事が入ったりでドタバタしてたんですが…」

ともあれ、待っている間にナイフ術の訓練をするのもありかな?と思いつつ。ケースからククリナイフを抜き出して右手に。

「どうせですし、待ち時間の間にご教授お願いします師匠」

ご案内:「訓練施設」に東瀬 夏希さんが現れました。
東瀬 夏希 > 「すまない、遅れた」

丁度そのタイミングで、わずかに息を切らせながら走ってくる少女。
ばるんばるん揺れている。

柊 真白 >  
多分そのうち――ほら。

(ちょうどやってきた彼女に目を向ける。
 ――ばるんばるん揺れているそれを見て、目の光が失せた。
 どちらかと言えば元から輝きの小さい瞳だが、いつもより余計に少ない。)

――こっちが与一君。
彼女が夏希。

(死んだ目のまま簡単に紹介。
 心なしか普段より表情も死んでいる。)

飛鷹与一 > 「…あ、どうもこんばんわ。もしかして貴女が新しく真白さんの弟子――」

新たに現れた見知らぬ少女に顔を向ければ、直ぐに思い当たったか笑顔で会釈…出来なかった。
嗚呼、師匠が前にメールで忠告してきたのコレか。見事に揺れとる。流石に一瞬唖然とするのは不可抗力だ。

…チラリ、と師匠を見る。……あかん、目が死んでる。普段から見てるから些細な違いも分かる。

「…あ、えぇとハイ。初めまして。風紀委員会所属の2年、飛鷹与一といいます」

一度ククリナイフをいそいそと左腰のケースに戻しつつペコリと自己紹介。

東瀬 夏希 > 「ああ、東瀬夏希と言う。飛鷹だな、よろしく頼む」

ぺこ、と礼をする。堅苦しい口調だが、敵意や警戒心と言うより、これが素のようである。

「……で、二人してどうかしたのか?なんだか様子がおかしいが」

そして首をかしげる夏希。真白の眼が死に、与一がわずかに硬直したように見えた。が、理由に気付いていない。

……首を傾げた瞬間、また揺れた。

柊 真白 >  
べつに。

(二度三度瞬きすればいつもの顔に戻った。
 どんな時でも平静を保つのが一流の暗殺者なのだ。)

――じゃあ、訓練する?
それとも、彼女と手合わせ、する?

(弟子一号へと問いかける。
 自分がやっても良いし、彼女と組み手をさせて、それを自分が見てもいい。
 彼女の方にも聞くように目線を向ける。
 ――出来るだけ上の方へ。)

飛鷹与一 > 「えぇ、東瀬さんですね。こちらこそ…まぁ、俺の方が一応兄弟子になりますけど、あまりそういうの気にせず行きましょう」

と、笑顔でこちらはそう述べる。…うん、油断するとばるんばるんしてるそれに意識が向いてしまう!
彼女のやや堅苦しい感じも、それが彼女の素なのだろうと判断したのか特に気分を害したという事も無く。

「え?あ、いえいえ!何でもないです!」

首を傾げて不思議そうな東瀬さんに尋ねられて慌てて首を振る。…何気ない仕草でも揺れるのかオィ。

「そうですね…東瀬さんは、俺と手合わせともしくはそれぞれ個別に真白さんにレクチャー受けるのどちらか希望ありますか?」

と、師匠からの問い掛けに少し考え、弟子二号たる彼女に一度振る。
その返答、というより希望次第でこちらも方針を決めるようで。

東瀬 夏希 > 「分かった、共に頑張ろう」

こくん、と与一に頷き、そして腕を組んで考える。

「……私の戦闘は、良くも悪くも特殊でな。いきなり手合わせをしても、何と言うか、あまりいい練習にならん可能性もある。
そこのところはどう考えているのだ?」

真白にそう問い掛ける。そもそも夏希は対異端法化兵装群の特殊能力を前提にした戦闘を行う。故に基礎の強化を図るわけだが、与一にとっては単なるびっくり芸大会を見せられる羽目になるのではないか、と。

柊 真白 >  
(明らかに彼の意識がそれに向けられているのがわかる。
 わかるので、なんとなく刀の鞘で彼の脛を強めに小突いておいた。
 意味は無い。
 断じて意味は無い。)

私の弟子ならどんな相手にもそれなりに戦える必要がある。
彼には基礎しか教えていないから、あなたにとっても有意義だと思う。

(弟子一号にとっては経験になるし、二号にとっては基礎を学ぶ機会になる。
 それになにより、)

――なんなら叩きのめしても良い。

(特に意味は無いが。
 彼女にだけ聞こえるように、ぼそりと。)

飛鷹与一 > 「いって!?ちょっ、真白さんいきなり何をするんですか!!」

いきなり脛をちょいと強めに小突かれれば、バッと彼女へと振り向きながら抗議を。
俺が一体何をしたんですか!!と、言いたげだが理由は何となく彼も察していた。

(何か聞こえなかったけど、絶対にロクな事言ってないぞあの師匠…)

腹いせだろうこれ、と思いつつため息混じりに担いでたライフルケースを下ろす。
とはいえ、手合わせだから使うのはコレではなく…左腰のククリナイフだ。

(メインはナイフのみ、けど東瀬さんの強さが未知数だし異能と魔術は使わないと流石に無理か)

そう即決し、右手にククリナイフを持つ。クルクルとそれを曲芸のように軽く回す。
少なくとも、その程度は出来るくらいにはしょっちゅう手に馴染ませていた証だ。

「じゃあ、東瀬――弟子同士ですし堅苦しいのは無しでいいですかね。…夏希さん、未熟者ですが一手お願いします」

東瀬 夏希 > 「(あの二人は何をしているんだ…?)」

小突いたりしているのを見て若干首を傾げつつ、真白の言葉を聞き、ならばと頷いてゲート魔術を起動する。

「そう言う事なら、本気で行かせてもらおう。まずはそうだな……行くぞ、『ペルセウス』」

不敵に笑い、そしてゲートから槍を取り出す。その柄には、よく見れば『Anti Heresy Holy Weapon Series General-purpose type「Perseus」(対異端法化兵装群汎用型「ペルセウス」)』と刻まれている。

「私も未熟の身だが、よろしく頼む」

言って、一歩を踏み出す……と、その足は空中を掴み、とんとんとそれが当然のように空中を駆け始める。
そのまま、上空に回って攻撃を仕掛けようと。

柊 真白 >  
べつに。

(彼女の方にもわかるほど、明らかに不機嫌な声。
 そのまま壁の方まで歩いていって、壁に寄りかかって二人の模擬戦を見学することにした。

 槍を相手にナイフでは厳しいだろうけれど、さてどう出るか。)

飛鷹与一 > (――あぁ、これ真白さん完全に根に持ってるな)

ゲンナリしつつ。しかも、何か初手から夏希さんは凄いのを出してきた。
その文字は視力が抜群に優れた少年にはよく見える。

(…対…異端…法化…兵装群…汎用型…『ペルセウス』…?)

それに疑問を持つ暇は無い。右手にククリナイフを持ったまま、宙を足場にする彼女の姿とその手に持つ槍を見据える。
自然、右半身を前に、左半身を後ろに。左手は隠すようにしながら右手に持ったククリは順手持ち。

「…足りない分は他で補う。これもまた基礎」

呟けば熱量操作魔術を一瞬で展開。少年の両足からガスバーナーのようにきなり炎が噴射され…

「――『噴射加速(アクセルブースト)』」

ドンッ!!一瞬で真上へと炎の噴射で超加速、彼女が槍をこちらに振るう前に一気に懐へ潜り込み、狙いは正中線――最短距離を最大威力で。

「……フッ…!!」

右手のククリナイフを遠心力と重量を生かし、薙ぐように彼女のわき腹目掛けて振るう!!

東瀬 夏希 > 「(瞬間的な加速か!)」

慌てて大きく飛びのく。空中を駆ける効果により、更に上へ……ではなく、下の方へ。

「(初動を掴み損ねた……空中で素直にやり合っては、時間が危ない)」

避けた時に、下に下がったが故に脇腹への攻撃がその大きな胸をかすめ、血が流れている。だが、それを無視し、下から噴射が切れ降りてくるであろうところに突きを放つ。

柊 真白 >  
(彼の魔術を見て僅かに目を開く。
 しばらく見ない間にあんな魔術も使えるようになっていたとは。
 リーチの長い武器相手には懐へ、と言うのは基本だ。
 あの速度があれば余裕とまでは言わないだろうが、かなりの助けになるはずだ。
 逃げるのではなく下へ駆けた彼女へどう対処するだろう。)

飛鷹与一 > (……掠めた。けど浅い!)

そして噴射加速はあくまで一瞬の超加速。足から噴射される炎がフッと消えて少年の体が一度緩やかに上昇を停止。
―後は自由落下だ。器用にクルンと体の向きを変えて下に逃れた夏希さんを見据える。

「………。」

無言で一度目を閉じ、そのまま落下が始まる。そして目を見開く。異能――『天眼』発動。

(――測定、ペルセウスの速度と軌道…誤差修正)

少年の瞳が異能で虹色にうっすら輝く。そして。

「――『噴射加速・炎渦(アクセルブースト・メイルシュトローム』――!!」

次の瞬間、炎が少年を包み込み。そしてククリナイフを突き出しながら高速回転。ペルセウスへと炎の竜巻と化した少年のククリナイフの「先端」を”正確に”ぶつけ、衝撃で互いを弾き飛ばさんとする!

東瀬 夏希 > 「(あの目、何かしらの異能か!)」

天眼の発動に気付くも、その後の加速により対応は間に合わず。
結果、普通に突くだけとなる。

「流石に、重いなっ…!」

東瀬夏希は、怪力である。
平時、ブロードソードを二本同時に使ったりなど、普通ではあり得ない筋力を持っている。
が……流石に、上空からの回転突撃を受けることは出来ず。

「ぐ、おおっ!」

その怪力で以てして何とか穂先をズラして衝撃を多少なり逃すも、敢え無く弾き飛ばされる。
……そして、この時点で『もう空中を駆けることは出来ず』、ごろんごろんと転がって衝撃を逃がしてから立ち上がる。

「やってくれる。想像以上だ」

柊 真白 >  
(炎に包まれた彼と、それを迎撃する彼女。
 回転しながら自由落下する物体を、穂先だけで跳ね飛ばす彼女の力は正直うらやましい。)

そこまで。

(パシンと手を叩き、二人を止める。
 とりあえず今見たものに付いて話をすることにしよう。)

――夏樹。
あなたの武器は強いし、力もある。
けれど、ちょっとそれに頼りすぎなところがある。

(力があるならそれに頼ることは悪いことではない。
 が、腕力はともかく武器に頼りすぎるのはよくない。)

それと、与一君。
今使った術は、速度を得るため?
それとも、飛ぶため?

(彼には質問を。
 爆炎ですっ飛ぶと言うのは強力だが、それを習得した意図を問う。)

飛鷹与一 > 「……くっ…!?」

二人には口が裂けても言えないが、炎渦を使ったのは今が初めてだ。ついでに言えば天眼で彼女の攻撃を「測定」出来たのも奇跡的だ。

だが、足りない分は他で補う。がむしゃらに。流石に銃は使わないと決めている…が。
それ以外ならやれる事はやるつもりだ。彼女と同時に弾き飛ばされれば、咄嗟に炎を解除して身を丸め頭を庇いながら地面へと激突。
そのまま、受け身の態勢で転がりながら衝撃を分散していき脳震盪はきっちり避けた。体術を叩き込まれていたのが幸いだ。

「…まぁ、このくらいは出来ないと弟子としても手合わせ相手としても申し訳ないですからね」

そして、直ぐに立ち上がってククリナイフを構えつつ笑う。
少年も無傷とはいかず、額から流血し左肩がダランと垂れ下がっている。
どうやら衝撃を殺しきれずに脱臼したらしい。だが、戦意は衰えていない。

「…え?あ、ハイ。…元々は真白さんを初めとした高速移動する相手を仮定しての「加速」手段です。
…ただ、これは直線加速しか出来ないので正直課題も多いです。
あと、背中から噴射加速をして空中を飛行する術もありますが、そちらも直線的でこの前は屋根や壁にぶつかりそうになりました」

師匠からのストップに、構えていたククリナイフを下ろしつつ彼女のほうを見て質問に答える。
メインは「超加速」。そして「飛行」も応用で可能。
ただ――直線コースしか出来ないという欠陥がまだ解決できていない。

東瀬 夏希 > 「……ああ、その通りだな。今回も、ペルセウスの固有性能によって得られるはずのアドバンテージに甘えた戦い方だった」

東瀬夏希に、飛行能力などありはしない。
これはペルセウスの固有性能の一つ『我が足は空を駆ける(サンダル・オブ・ヘルメス)』によるものである。
これは『10秒間だけ、持ち主に空中歩行能力を与える』と言う固有性能。
最終的に飛べなくなったのは、単に時間切れである。
その10秒間で、飛行のアドバンテージを活かしてねじ伏せる……と言うプランは、与一が噴射による疑似飛行を行ったことによりあっさり瓦解した。
その後競り合えたのは、単に夏希が怪力だったから。戦略面では完敗していたと言ってもいいだろう。

「ペルセウスに限らず、Anti Heresy Holy Weapon Seriesはそれぞれ固有性能に何かしらの弱点を持つ。そこを突かれると脆い欠点をこそ、私が補ってやらねばならぬというのにな……」

柊 真白 >  
(速さを得るためのものと言う言葉。)

――それは、……あまり良くない。
生き物と言うのは、自分で出せる速度以上の速度には対応できないように出来ている。

(鳥が空中を自在に飛びまわれるのも、猫がぶつからずに障害物の多いところを走り回れるのも、その生き物がその速度を出せるからだ。
 無理矢理その速度を出したところで、彼の言うようにすぐどこかにぶつかってしまう。)

ただ。
君が自力で至った答えをあまり否定したくは無い。
動体視力を上げる魔術か、君の異能を制御できるようになるまではあまり使わないこと。
それに、速度はそのままでも速く見せる術もあるから、そっちも練習しよう。

(後悔するような、しかし嬉しそうな――きっとこの場では彼しかわからない――口調で。
 彼の元に歩いていって、肩を触った。
 力を抜いてと継げた後、その肩を嵌める。
 きっとものすごく痛い。)

それと。
夏希は訓練中それ使うの禁止。
施設の貸し出し用の剣か何か使って。
――夏希は怪我、大丈夫?

(持っていたらきっとそれに頼ってしまうかもしれない。
 そうでなくても「いつでも使える」と言う意識があるだけで動き自体が変わってしまうから。
 彼女も脇腹に怪我をしていたはずだ。)

飛鷹与一 > 「…ああ、同級生の男子にもこの前指摘されましたよ。急激な加速は人体負担が大きいって」

そもそも、飛鷹与一は肉体強化、もしくは補強する魔術を会得していない。
それに、直進しか出来ないと、例えば師匠にやったとして交わされたら急には止まれないし方向転換も難しい。

今回、夏希さんとの手合わせで効果的だったのは、あくまで彼女との激突が「直線的」だったからだ。
もし、彼女がいなすような戦術を繰り広げていたらおそらくカウンターでやられるか自滅していたかもしれず。

「…魔術はちょっと熱量操作をもうちょっと研鑽したいので。
個人的には体術とか近接戦闘の底上げに速く見せる術を優先したい所ですね。」

と、師匠のお言葉に頷きつつ自分の方針、というか希望を伝えてみたい。

…で、言われたとおりに肩の力を抜いたところでゴキンッ!と左肩の脱臼を治して貰った。
めっちゃ痛いけど声は我慢する。ただ、彼女がこちらの答えに後悔半分、嬉しさ半分滲ませていたのは感じ取っており。

「…と、なると俺は速度関連、夏希さんはただの刀剣をしばらく使って基礎や技術の底上げ、という感じですかね」