2018/01/04 のログ
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「別に後方支援が必要ないなんて言ってないわ。
私だって後方支援として前線を支えてきた自覚はあるもの。
ただ、こういう訓練になると前線には劣るっていう意味よ」
重要度や危険度では比べる対象が違うので評価はしがたい。
でもこういうアクロバットに動いて走破するという方向では、
後方支援は後れを取りがちだ。
「メンテナンスで訓練施設?
行くべきは修理工事じゃないの?」
多脚戦車の「だからこそここに来た」という発言の意図を汲みきれず、
そんな疑問を呈して>
■イチゴウ > 「失礼、キミは優秀な思考を持つ兵士だったようだ。」
掛けられた言葉に機械的に反応してしまった事を
反省すると共にまた評価するような言葉を。
もしかしたら彼女は見た目などの理由で
軍隊内において過少に評価される事があったかもしれない。
しかしこのロボットは外観等一切抜きで
一人の兵士として彼女を見ている。
「すまない、言葉が足りなかった。
機能の動作確認の事だ、
銃と同じように実際に動作するかが重要だ。」
言葉を並べながら施設のコンソールの前まで
歩行していきそこで立ち止まる。
無論ロボットの高さ的にタッチパネルを触れる事は
出来ないがその画面は勝手に動き高速で
コードが打ち込まれていく。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「私が優秀かは自身では判断しかねるけど。
AIとやらが正当な評価基準を持っているならそうなのかもしれない」
評価されたことは素直に受け取っておく。
内心は嬉しかったりもするが、
評価されることになれていない身としてはどのように反応するべきか困る。
「ああ、動作確認ね。
でも、多脚戦車の装備って屋内射撃できるものなの?」
正直、自身が普段使っている50口径弾の機関銃ですら
屋内射撃では扱えるかどうか微妙な代物だ。
目の前にいる多脚戦車の兵装を記憶から掘り返してみるが、
室内で動作確認するといわれればここから離れたくなるような装備だった気がする>
■イチゴウ > 「ボクは統計から判断を下しているだけであり
それが完全に正当なものだとは言い切れない。」
評価されたことに慣れていない様子をみせる彼女に対して
そんな一言。機械的な数値で判断される事が
必ずしも正しい事とは限らない。
「ボクの兵装は20mm規格のガトリング砲、
意外に何とかなる。魔術を併用するこの施設は
大型砲でも試験が可能らしいが今日確認するのは
武装ではない。」
そうしてコンソール入力を終えると訓練スペースへと
向かおうとするが入る直前で立ち止まり
彼女の方へと振り返る。
「弾薬を発射できるものを所持しているのならば
少し手伝ってくれないだろうか。」
顔を傾けながら確認を取りながら
自身の訓練協力を求める。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「そうね、統計での判断はデータの採り方に恣意的なものが入ると信頼性が落ちるわ」
数学はそれなりにやってきた身。
多脚戦車の言いたいことは何とはなしに理解できた。
「砲っていう名称の段階で室内で撃つものではないような気がするけどね。
まぁ、この島は何かと便利な力で設備を保護しているみたいだけど。
……ロッカールームに行けば一応50口径の機関銃はあるけど?」
確認するのは武装ではない。
と聞いて、では何を確認するのかと小首をかしげるが、
次いで協力を求められると何をテストするのか分かってきた>
■イチゴウ > 彼女が自前の重機関銃を保管してある事実を
ロボットが汲み取れば
「適切な装備だ、ボクの方もスタンバイがある。
もし取ってくる事が可能であるならば欲しいものだ。」
一々ロッカーまで取りに行けというのも酷な話であるが
このテストにはできるだけ威力の大きい弾薬の方がよい。
実際は彼女の善意に任せる事になるが
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「別に持ってくるのは良いけど、使った弾薬と消耗した銃身の交換費は請求するわよ?」
別に機関銃を持ってくるくらい酷ではない。
部隊にいたときはもっと大変だったのだから。
それよりも今の身で厳しいのは金銭的な面だ。
軍隊に居た時のように、部隊で予算の請求を出せば弾薬が買えるわけではない。
今はあくまで個人で装備を維持している以上、弾薬と点検に掛かるお金は請求したい>
■イチゴウ > 「その点は保証する。」
ロボットは風紀の特殊部隊に所属する身、
一定の報酬として資金は受け取っている。
兵器が金を受け取るのも変な話に聞こえるが
機関砲に使用するAPDS弾以外の弾種は
ロボットの自腹だったりする。
「重機関銃は重い、慣れているとは思うが
運搬は慎重に行ってほしい。」
ひょいっと訓練スペースへ降りると共に
彼女へそんな一言。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「なら協力してあげるわ。重機関銃って言っても高々40kgよ。
私の種族と能力を忘れた訳じゃないでしょう?」
その点は保証するという多脚戦車の一言を聞けば、別に断る理由はない。
そして心配するような言葉を掛けられると、私も舐められたものだと落胆。
獣人の状態なら成人男性の数倍の筋力を有している身だ。
重さが3桁kg程度なら普通の荷物と変わらない。
加えて能力も使用すれば目の前の多脚戦車を持ち上げることだって朝飯前だ。
多脚戦車が準備を整える間、ロッカールームから機関銃を持ってくる。
戻ってくるまでの時間は一人で機関銃を運用しているとは思えないほど速い>
■イチゴウ > あらゆる学生が利用するこの訓練施設は
最先端の科学技術と高度な魔術で構成されている。
数々の障害物が並んでいた訓練スペースは
折りたたまれる様にしてその形を変えていき。
最低限の遮蔽物が存在する広いフィールドへと変貌を遂げる。
その後にロボットがスタートポジションへと付くと
彼女が戻ってくるまでの時間は数十kgのHMGを
運搬しているとは思えない速さで。
「ここまで速いとは流石だ。
因みにこのフィールドは空間拡張によって
約150mの長さがある。ボクから50m離れた地点で
射撃準備を整えてほしい。」
一人準備を終えたロボットは前右足の鋏で
指さしつつ指示を行おうと。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「伊達に軍人やってたわけじゃないってことよ。
了解。50口径NATO弾を使用する。射撃精度は台座に固定した状態以上を保証する。
着弾までの距離を50m、予想集弾率は1200平方cm。
許可が出た段階で対象正面、中心線上を射撃する。以下射撃の許可を」
ケースから機関銃を取り出して準備を進める。
ベルト弾倉を入れてレバーを2回引くと、狙いを定める。
するとすぐに銃身のふらつきが止まり、照準を合わせた位置で安定する。
射撃の条件をかくにんすると射撃の許可を求め、黙る>
■イチゴウ > 「システム、制圧モードへ移行。」
彼女の現役時代を想起させるような
そんな厳正な雰囲気で射撃準備を完了させると
こちらも背部に歪むような発光と共に
ガトリング砲を出現させ待機する。
武装展開はモード変更に付きもので
実際に使用するわけでないがこの形態で彼女と
相対する形になるのは初な気がする。
「電磁装甲アクティブ。」
その宣言と共にロボットの表面で
バチッバチッと細かな炸裂音のような音が響く。
「対象をボクへ、単発射撃を行ってほしい。」
一つ間を開けると
銃身を落ち着かせて照準をつけんとする彼女に対して
そう一言を投げる。
彼女の操る重機関銃はセミオートでは撃てないが
比較的低レートゆえ指切りで単発射撃は可能なはず。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「射撃の許可を確認、1発当たり2秒の間隔で単発射撃を行う」
射撃の許可が下りれば、対象の多脚戦車に向けて引き金をリズムよく弾いていく。
比較的バーストの速度が遅いこの機関銃は、
指切り射撃でも十分単発の操作が可能だった。
通常であれば例え台座に固定していても反動を受けて後退するところだが、
自身の能力で常に力が働いているため、重機関銃とは思えないほど反動がちいさい。
撃ち込まれた弾丸は寸分狂わず多脚戦車に向かっていくが、
果たして何が起こるのか、今の段階では全く予想ができなかった>
■イチゴウ > 彼女の銃撃を受けるのは初めてではない。
しかし今回は前回受けた時とは様子が違う。
訓練され尽くした銃撃によって放たれた
12.7mm弾は狙い通りにロボットへと
吸い込まれてゆくが彼女が恐らく知らないであろう
挙動は弾頭がシャーシに触れた瞬間に起こる。
バチッ。
被弾箇所が眩しく光るだけでなく
先程起こった炸裂音よりもやや大きい音が響く。
良く目を凝らせばロボットから少し離れた場所に
発射された弾頭が赤く溶け転がっていることが
わかるだろうか。
「ボクに搭載されているのは電磁装甲。
ジュール熱によって弾頭や信管を溶解させ
電磁場で弾き無力化する。」
自身の装甲はある意味で秘匿事項とも言えるが
わざわざテストに付き合ってくれた事もあるのか
あっさりと言ってしまう。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「へぇ…」
撃ち込んだ弾頭が多脚戦車に触れた瞬間、
まるでアーク溶接でもしたかのような鈍い音が響くと、
完全に誘拐した弾頭が離れたところに飛び散った。
それを目の当たりにすると感心した様に声が出る。
一般的な真鍮が融解する温度が800℃であることを考えると、
瞬時にそれを溶かす電流を何で賄っているのかが気になるところ。
「へえ、でも対策がないわけじゃないわね。
通用するかは別として、考えられる方法はいくつかある。
一つは弾頭との電位差が0の状態の時ね。
ジュール熱は電流が流れて初めて発生する熱だから、
アルミ粉末を含む煙幕にはアースされて脆弱性が出るかも。
その辺は対策してあるのかしら?」
といっても、初見でこんなシールドを出されたら対策も何も会ったもんではないが>
■イチゴウ > 「キミの言う事はもっともだ。
想定される対抗策についての対策は施してあるが
弾頭の種類によって効果の薄い物がある。
その際は複合材で出来ているこのシャーシで防ぐしかない。」
彼女は非常に優秀な軍人だろう。
新たな装備に遭遇すれば驚くのではなく
弱点を分析する。それは戦う者にとって重要な事。
自身の装甲への対策を考えついたことよりも
まず分析した事自体を高く評価する。
「とにかく調整に付き合ってくれた事を感謝する。
約束については必ず守る。」
テスト前に交わした約束を再確認し
背部の機関砲を発光と共に消失させ
同時に電磁装甲への通電も停止する。
■ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「まぁ、私はエンジニアじゃないから、
細かい部分の対策なんかは専門の人にやらせたほうがいいんでしょうけど。
そもそも戦車の装甲を抜こうとする脳筋なんて今時いないわよ」
砲に分類されない火器としては50口径弾は最も大きい部類だ。
それでも近現代の装甲は偶然でも起こらない限り抜けない。
もっとも、自身の能力を使えばその限りではないが。
無難に対戦車兵器を運用した方が楽なのだ。
それでも今回多脚戦車実装されていた装甲は大きな進歩だ。
固体を液化するというのは、根本的に打撃力を大きく削ぐのだから。
「ええ、お願いするわ。
あて先は…名簿を見ればわかるわね。
私も用事があるからそろそろ。」
そういって、ケースに機関銃を収めていけば、
軽々と持ち上げてロッカールームへと向かっていった>
ご案内:「訓練施設」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。
■イチゴウ > 「ああ、ボクは嘘をつかない。」
重機関銃を収納し軽々と運んでいく彼女へ
そんな言葉を機械音声に乗せてかける。
ラウラが去ってからしばらくして
自身もシャーシを持ち上げてこの訓練施設を
後にしていくだろう。
ご案内:「訓練施設」からイチゴウさんが去りました。