2018/07/01 のログ
ご案内:「訓練施設」に神代理央さんが現れました。
神代理央 > 放課後は多くの生徒の熱気で賑わう訓練施設も、夕食にも遅い時間となっては利用する生徒の姿は無い。
そんな時間に利用申請をしていたのは、単に空いているだろうとの気楽な考え。尤も、最後の利用者となって戸締まり等の確認までする事になってしまったのだが。

「……目標、対物理障壁展開型ゴーレム。障壁レベル92」

発した言葉に応じて、斬撃、殴打等の物理耐性を持つゴーレムが召喚される。通常であれば、火炎放射器等を装備した異形を召喚して対応するところだが―

「………魔力開放。異能との魔力回路同調。同調率良好。召喚、開始」

眼前に浮かび上がる液晶をチェックしながら、異形を召喚する。
召喚される異形は、通常の物と外見は大差無い。強いて言えば、針鼠の様に生やしている筈の砲塔が少し少ないくらいか。

「…接続良好。充填速度高速化。砲撃、開始」

次の瞬間、異形から放たれるのは鉄の砲弾では無く魔力の奔流。高密度の魔力が一筋の光となって、ゴーレムに放たれる。
そして―高度な物理障壁を備えた筈のゴーレムは、胴体から融解し、その熱量に耐えきれず爆発して消えた。

神代理央 > 「…魔力を撃ち出すだけなら可能か。後は同調率と俺自身の魔力量の問題だが…」

召喚した異形と液晶を見比べながら思案顔で呟く。
出来れば異形そのものに魔力の貯蔵庫を装備させたいところだが、未だそこまでは至っていない。

「召喚に少し時間がかかるのもネックか。通常の相手であれば、これまで通りの異形が有効やもしれんな」

敵の殲滅や火力を出すだけなら、鉄と火力で押しつぶすこれまでの異形で十分。
魔力を以て砲撃する必要がある敵というのは、早々戦う機会も無いだろう。

「…とはいえ、習熟しておいて損という訳でも無い。どうせ誰もいないのだ。今暫く練習しておくとするか」

再び現れた演習用のゴーレム。ゆっくりと此方に近づいてくる巨体に視線を向け、緩やかに唇を歪めて腕を振り下ろし―

次の瞬間、数十の光条が、ゴーレムを貫き、切り裂き、穿っていった。

神代理央 > 「…取り敢えずはこんなものか。後は、実戦で追々慣らしていくとしよう」

一通りのデータを取り終え、身形を整えてシステムを閉じる。
小さく背伸びをして凝った身体を解し、うっすらと額に浮かんだ汗をハンカチで拭いながら閉館する為に館内を見回り、立ち去っていった。

ご案内:「訓練施設」から神代理央さんが去りました。